9月に行った東京薬科大学の薬用植物園の記事の続きです。灼熱の温室を出て、少し周囲を散策しました。珍しいことにヤマノイモ属(Dioscorea)が沢山ありましたから、本日はヤマノイモ属特集です。しかし、これほど沢山のヤマノイモを見たのは初めてです。そういえば、『栽培植物と農耕の起源』で知られる中尾佐助は、東南アジアでの調査中に様々な野生のヤマノイモを見つけ、すり下ろして食べてみたとのことですが、中には有毒なものもありそうですが、しかし昔の研究者は豪気な人も多かったように思います。

ヤマノイモ(山の芋) Dioscorea japonica
一般的にヤマイモと呼ばれている芋ですが、ヤマイモは日本で食用となるヤマノイモ科食用の芋の総称です。一般的に売られているのは実は別種のナガイモ(D. polystachya)で、ヤマノイモは稀に自然薯という名前で販売されます。ヤマノイモはすり下ろすとナガイモより粘り気が強いのが特徴です。アッサム、中国、韓国、台湾、日本の原産。

ナガイモ(長芋) Dioscorea polystachya
流通量が多いヤマイモと言えば、この長芋です。D. batatasの名前で知られていましたが、現在はD. polystachyaとされているようです。長芋はすり下ろすとやや水っぽいので、個人的には柵状に切って食感よく生で食べたり、火を通した方が美味しいような気がします。中国、韓国、台湾の原産。

ダイジョ(大薯) Dioscorea alata
南アジア、東南アジア、ニューギニア島あたりの原産ですが、日本でも南方で栽培されており、沖縄では大薯をヤマイモと呼んでいるそうです。長芋より粘り気が強く、紫色のものもあります。

ニガカシュウ(苦荷首烏) Dioscorea bulbifera
大きなムカゴがつくため、エアーポテトとか宇宙芋の名前で観賞用に園芸植物として販売されています。名前の通りニガカシュウの芋は苦いのですが、アフリカでは茹でて苦味を除去して食用としているそうです。アフリカ、マダガスカル、南アジア、東南アジア、中国、ニューギニア島、オーストラリア、韓国、台湾、日本の原産。

ミツバドコロ Dioscorea hispida
南アジア、東南アジア、ニューギニア島、オーストラリア、台湾の原産。芋は食用とされますが、毒があるため水に晒して毒を除去するそうです。また、熱帯アメリカ原産のD. trifidaをミツバドコロと呼ぶこともあるようですが、基本的に葉は5裂します。

アケビドコロ Dioscorea pentaphylla
南方では芋を食用とするそうです。芋は有毒ですが煮ることにより毒を除去するそうです。南アジア、東南アジア、ニューギニア島、オーストラリア、中国南部、台湾、沖縄北部の原産。

ハリイモ Dioscorea aculeata
ヒマラヤ、東南アジア、ニューギニア島の原産。食用ヤムの1種。トゲドコロ(棘野老)という名前の方が一般的なようです。
ネームプレートには「D. aculeata L.」とあり、Syn.(異名)として「D. esculenta (Lour.) Burkill」とありました。しかし、D. aculeataは同じ名前の植物が3つもあります。von LinneによるD. aculeata L.はバングラデシュやインドの原産でこれは別種です。D. esculentaを指すD. aculeataは、「D. aculeata Roxb.」にあたります。そして、D. aculeata L.が認められた名前であるならば、当然ながら同名のD. aculeata Roxb.は認められません。ですから、ハリイモの学名は「Dioscorea esculenta」が正しいということになります。ハリイモやトゲドコロという名前の通り、ツタや根にトゲがありますが、まさに「D. aculeata var. spinosa」という異名があります。ちなみに、もう1つのD. aculeataは「D. aculeata Balb. ex Kunth」で、アフリカ原産のD. cayenensis subsp. cayenensisの異名です。

Dioscorea kalkapershadii
バングラデシュやインド原産ですが、あまり情報が出てきません。珍しい種なのかも知れませんね。
ブログランキング参加中です。
下のにほんブログ村のバナーをクリックしていただけますと嬉しく思います。

にほんブログ村

にほんブログ村

ヤマノイモ(山の芋) Dioscorea japonica
一般的にヤマイモと呼ばれている芋ですが、ヤマイモは日本で食用となるヤマノイモ科食用の芋の総称です。一般的に売られているのは実は別種のナガイモ(D. polystachya)で、ヤマノイモは稀に自然薯という名前で販売されます。ヤマノイモはすり下ろすとナガイモより粘り気が強いのが特徴です。アッサム、中国、韓国、台湾、日本の原産。

ナガイモ(長芋) Dioscorea polystachya
流通量が多いヤマイモと言えば、この長芋です。D. batatasの名前で知られていましたが、現在はD. polystachyaとされているようです。長芋はすり下ろすとやや水っぽいので、個人的には柵状に切って食感よく生で食べたり、火を通した方が美味しいような気がします。中国、韓国、台湾の原産。

ダイジョ(大薯) Dioscorea alata
南アジア、東南アジア、ニューギニア島あたりの原産ですが、日本でも南方で栽培されており、沖縄では大薯をヤマイモと呼んでいるそうです。長芋より粘り気が強く、紫色のものもあります。

ニガカシュウ(苦荷首烏) Dioscorea bulbifera
大きなムカゴがつくため、エアーポテトとか宇宙芋の名前で観賞用に園芸植物として販売されています。名前の通りニガカシュウの芋は苦いのですが、アフリカでは茹でて苦味を除去して食用としているそうです。アフリカ、マダガスカル、南アジア、東南アジア、中国、ニューギニア島、オーストラリア、韓国、台湾、日本の原産。

ミツバドコロ Dioscorea hispida
南アジア、東南アジア、ニューギニア島、オーストラリア、台湾の原産。芋は食用とされますが、毒があるため水に晒して毒を除去するそうです。また、熱帯アメリカ原産のD. trifidaをミツバドコロと呼ぶこともあるようですが、基本的に葉は5裂します。

アケビドコロ Dioscorea pentaphylla
南方では芋を食用とするそうです。芋は有毒ですが煮ることにより毒を除去するそうです。南アジア、東南アジア、ニューギニア島、オーストラリア、中国南部、台湾、沖縄北部の原産。

ハリイモ Dioscorea aculeata
ヒマラヤ、東南アジア、ニューギニア島の原産。食用ヤムの1種。トゲドコロ(棘野老)という名前の方が一般的なようです。
ネームプレートには「D. aculeata L.」とあり、Syn.(異名)として「D. esculenta (Lour.) Burkill」とありました。しかし、D. aculeataは同じ名前の植物が3つもあります。von LinneによるD. aculeata L.はバングラデシュやインドの原産でこれは別種です。D. esculentaを指すD. aculeataは、「D. aculeata Roxb.」にあたります。そして、D. aculeata L.が認められた名前であるならば、当然ながら同名のD. aculeata Roxb.は認められません。ですから、ハリイモの学名は「Dioscorea esculenta」が正しいということになります。ハリイモやトゲドコロという名前の通り、ツタや根にトゲがありますが、まさに「D. aculeata var. spinosa」という異名があります。ちなみに、もう1つのD. aculeataは「D. aculeata Balb. ex Kunth」で、アフリカ原産のD. cayenensis subsp. cayenensisの異名です。

Dioscorea kalkapershadii
バングラデシュやインド原産ですが、あまり情報が出てきません。珍しい種なのかも知れませんね。
ブログランキング参加中です。
下のにほんブログ村のバナーをクリックしていただけますと嬉しく思います。
にほんブログ村
にほんブログ村





































































