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カテゴリ:植物園 > 東京都薬用植物園

5月に行ってきた東京都薬用植物園の記事の続きです。温室を廻っています。
さて、東京都薬用植物園の記事も長々と続いてきましたが、いつの間にやら7月も終わりになってしまいました。しかし、今回で終わります。ちょうど小石川植物園に行ってきましたから、そちらにバトンタッチします。



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パラミツ(波羅蜜) Artocarpus heterophyllus
世界最大の果実を持つクワ科植物。ジャックフルーツの名前でも知られていますね。食用となる果実は最大30kgにもなると言います。

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まだ若い果実がなっていました。神代植物公園では鉢植えのパラミツに小さな実がついていましたが、こちらのパラミツはどこまで育つでしょうか。


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Aristolochia moupinensis
中国原産のウマノスズクサの仲間。ちょうど、特徴的なパイプのような花を咲かせていました。淮通、南木香と呼ばれ漢方薬とされますが、ウマノスズクサの仲間はアリストロキア酸を含むため腎臓障害を引き起こす可能性があります。


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ショウベンノキ Turpinia ternata
ミツバウツギ科の小高木。とんでもない名前の由来は、枝を切ると水が出るかららしいのですが、それでもどうかと思いますが…。四国から九州、琉球列島に分布します。

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初めて花を見ました。ショウベンノキ自体は新宿御苑でも見ています。


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植物園の温室にはつきもののビカクシダ。なかなか良いサイズです。「Platycerium sp.」とあったので、種類は分かりません。


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カカオノキ Theobroma cacao
カカオの果実がなっていました。去年は筑波実験植物園でカカオの花を見て、新宿御苑と夢の島熱帯植物館で果実を見ています。カカオノキは植物園では割りと遭遇する熱帯植物です。

 
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ホウライショウ Monstera deliciosa
いわゆるモンステラですが、同じモンステラでも観葉植物として普及しているM. adansoniiと異なり巨大です。


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チョウジ(丁子) Syzygium aromaticum
香辛料のクローブはチョウジの蕾を利用したものです。フトモモ科植物ですから、ブラシ状の面白い花を咲かせます。モルッカ諸島の原産で、大航海時代の香辛料貿易の主要産物の1つ。


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ヤコウボク(夜香木) Cestrum nocturnum
ヤコウボクが開花していました。夜に香るから夜香木というそうです。世界中の熱帯で野生化してしまい、駆除困難な植物とされています。ナス科。



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イランイランノキ Cananga odorata
香水の材料として有名なイランイランノキの花が咲いていました。花は目立たないため、分かっていないとなかなか気が付きません。まだ花は咲き始めですかね。板橋区立熱帯環境植物館でも花を見たことがあります。


以上、5月に行ってきた東京都薬用植物園の記事でした。栽培が禁止されているケシの花を見られるということで見に行きましたが、図鑑では見たことがあるけれど実物は初めてという植物が沢山ありました。個人的に気になっているシナモン類や御柳、ハシリドコロあたりは見れて良かったですね。あと、何気にセイヨウトチノキの花を初めて見ました。植栽されているのは、何故かベニバナトチノキばかりでしたから、ちょっと嬉しかったですね。


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5月に行った東京都薬用植物園の記事の続きです。温室にはいりましたが、数は少ないものの多肉植物もありました。


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シャボンロカイ Aloe saponaria
また、「蘆薈(ロカイ)」とは古い呼び名ですね。蘆薈とはアロエの古い呼び方ですが、シャボンロカイに関してはこれが標準和名なのでしょうか。「明鱗錦」という園芸名もあるようですね。さて、切り口を水に漬けると泡立つことから、「saponica(石鹸)」、「soap aloe」、「シャボンロカイ」というようです。海外では化粧品原料とされることもあるそうです。
学名に関してはA. maculataに含まれるとされがちなようですね。たしかに、A. saponaria var. latifoliaやA. saponaria var. luteostriataがA. maculata var. maculataの異名に、A. saponaria var. ficksburgensisがA. maculata subsp. ficksburgensisとなっています。しかし、A. saponica自体はA. microstigma subsp. microstigmaの異名となっています。同様にA. saponica var. minorやA. saponica var. obsburaもA. minorstigma subsp. minorstigmaの範疇に含まれるようです。



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Aloe africana(左)
背が高くなる大型のアロエ。「喜望峰蘆薈」の名前もあるようです。整然としていないややだらしない葉が特徴とのこと。南アフリカ原産。右のアロエはA. feroxとの雑種。


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Aloe ciliaris
ヤブ状に育つアロエの仲間というか、現在はAloiampelosとなっているキリアリスです。アロイアンペロスは現在7種類が認められていますが、手持ちに3種類あるのでアロイアンペロスのうち4種類見たことになります。そういえば、植物園でアロイアンペロスは新宿御苑でA. tenuiorを見たくらいですから、あまり植物園向きではないのかも知れません。まあ、地味ですし。南アフリカ原産。



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ホホバ Simmondsia chinensis
砂漠の灌木であるホホバ(jojoba)です。化粧品原料のホホバオイルがとれます。筑波実験植物園や東京農業大学バイオリウムにもありましたね。「chinensis」=「中国の」という名前ですが、米国南部からメキシコの原産。


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Stephania venosa
ステファニアのイモがゴロゴロと鉢に植わっていました。マラリアの治療などにも利用されるそうです。東南アジア地域、特に島嶼部に広く分布します。


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温室では巨大化しがちなブーゲンビリアです。
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つる植物ですが、見事な幹がありました。


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ムユウジュ(無憂樹) Saraca asoca
インドボダイジュとサラノキと合わせて仏陀三大聖樹の1つ。無憂樹は夢の島熱帯植物館でも見かけましたが、花は始めて見ました。ところで、Wikipediaでは無憂樹はS. asocaですがシノニム(異名)がS. indicaとありました。しかし、現在では2種は別種ということになっているようです。夢の島熱帯植物館の無憂樹はS.indicaでしたが、S. asocaもS. indicaも無憂樹ということになるのでしょうか?


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Ochna kirkii
「ミッキーマウスノキ」という名前でも知られる、オクナ科の樹木。上手い具合に実が付けば、それっぽく見えるのかも知れません。ケニア、タンザニア、モザンビーク原産。



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5月に行った東京都薬用植物園の記事の続きです。いよいよ温室に入りましたが、シナモンの仲間(Cinnamomum)が沢山ありました。シナモンの仲間は食用だけではなく、肉桂として漢方薬とされますから、薬用植物園らしいと言えます。


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クミスクチン Orthosiphon aristatus
「ネコノヒゲ」の名前で園芸植物として栽培されます。「クミスクチン茶」の名前でお茶にされるそうです。南アジアから東南アジア、オセアニアまで広く分布します。



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イヌニッケイ Cinnamomum iners
広く東南アジアに分布するイヌニッケイですが、セイロンニッケイの代替品とされているようで、和名の「イヌ」にしろ、種小名の「iner」にしろ、何かしら劣ったニュアンスを帯びます。
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葉は細長く、シナモンに典型的な三行脈。
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結実していました。


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レンブ(蓮霧) Syzygium samarangense
愉快な形の食用となる果実をつける果樹です。まだ蕾のようですね。ハケのようなフトモモ科に典型的な花を咲かせるようです。


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セイロンニッケイ Cinnamomum verum
本家本元の「真のシナモン」。ちょうど、新しい葉が美しいですね。セイロン島の原産。


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マルバニッケイ(丸葉肉桂) Cinnamomum daphnoideis
九州から沖縄にかけて分布するCinnamomum。葉が丸くニッケイっぽくありませんが、三行脈があり全体的にシナモンの香りがします。



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ジャワケイヒ Cinnamomum burmanni
ジャワニッケイとも呼ぶようです。シナニッケイとともに経皮として漢方薬とされます。
シナモン、あるいは経皮と呼ばれるクスノキ科植物、つまりはCinnamomum属は、植物園巡りを始めてから注目している植物の1つです。上に出てきたイヌニッケイやセイロンニッケイ、マルバニッケイ、そしてジャワケイヒもCinnamomum属です。園内の有用植物区にはニッケイ(C. sieboldii)も植栽されていました。そのため、東京都薬用植物園は、沢山のCinnamomumがあり個人的に非常に愉しませてくれました。ちなみに、他の植物園では、板橋区立熱帯環境植物館でセイロンニッケイ、新宿御苑でシナニッケイ(C. cassia)、あと忘れてはならないのが公園によく植栽されているクスノキ(C. officinarum)ですね。いや、クスノキは2023年にCamphora属になったので除外しましょう。しかし、割りと短期間に6種類のシナモンを見ることが出来ましたが、シナモンに着目していたからこそだと思っています。


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ダンドク(檀特) canna indica
カンナの仲間であるダンドクが開花していました。C. coccineaともいわれますが、現在はC. indicaの異名となっています。ネームプレートにはC. indica var. rubraと表記されていましたが、現在C. indicaには変種は認められていないようです。


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ジャカランダ Jacaranda acutifolia
小さなジャカランダが咲いていました。「キリモドキ」という名前もあるようで、確かに少し桐の花穂に雰囲気が似ていますね。ジャカランダはノウゼンカズラ科で桐の仲間ではありませんが、ツルがないのであまりノウゼンカズラ感はありません。しかし、個々の花は確かにノウゼンカズラに似ていますね。




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5月に行ってきた東京都薬用植物園の続きです。長々と記事を続けてきましたが、いよいよ温室に入ります。

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温室の入口。


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クジャクサボテン Epiphyllum sp.
クジャクサボテンは属内交配種で、交配が繰り返された結果、由来がよく分からなくなっています。


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Paphiopedilum chamberlainianum
パフィオが咲いていました。現在はP. victoria-reginaと同種ということになっています。スマトラ島の原産。



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キンリョウヘン(金稜辺) Cymbidium floribundum
中国〜ベトナム原産のキンビディウム(シンビジューム)ですが、非常に古い時代に入ってきたようです。明治時代に流行があり、沢山の園芸品種が作られたそうです。


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Perilepta dyeriana
ウラムラサキと呼ばれるカラーリーフ。しかし、ウラムラサキという名前はキノコの和名で使用されているようですから、あまり相応しくないように思われます。ちなみに、現在の学名はStrobilanthes auriculata var. dyerianaとなっています。バングラデシュ、タイ、ミャンマーの原産。
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花も咲いていました。


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インドジャボク Rauvolfia serpentina
インドジャボクはインドの伝統医学であるアーユルヴェーダで利用されるキョウチクトウ科植物。
ちなみに、ネームプレートでは「Rauwolfia」となっていますが、正しくは「Rauvolfia」ですね。しかし、ウェブ上ではマチマチで、公益社団法人日本薬学会や近畿大学薬学部薬用植物園、東北大学薬学部附属薬用植物園などでは「Rauwolfia」、公共財団法人国際緑化推進センターや熊本大学薬学部植物園では「Rauvolfia」と意見が分かれています。これは、RauvolfiaがLeonhard Rauwolfに捧げられた名前だからかも知れません。しかし、Rauvolfiaの名前は古典ラテン語表記の「Leon. Rauvolfio」から来ているため、わざわざ現代語訳して「Rauwolfia」に直す必要はないようです。


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胡蝶蘭(Phalaenopsis)も咲いていました。


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クワッシア Quassia amara
クアッシアとも書かれます。スリナムニガキ、アメリカニガキという名前もあるようです。大変に苦い成分を含み、健胃薬とされます。

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花はとじた形で、先端から花蕊が突き出しています。


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ホウライアオキ Rauvolfia verticillata
ホウライアオキと言いますが、赤から黒色にかわる果実がアオキっぽいだけで、近縁ではありません。先ほど出てきたインドジャボクの仲間です。

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小さな花が咲いていました。



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相変わらず、5月に行った東京都薬用植物園の記事の続きです。ちまちまやっていたら、いつの間にやら7月になってしまいました。


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ハマナス(浜茄子) Rosa rugosa
ハマナスが咲いていました。ハマナシ(浜梨)とも呼ばれますが、いずれにせよ「浜」とあるように海岸植物です。Rosa属ですから野生バラの1種で、果実はローズヒップとして利用されます。



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アメリカシャクナゲ Kalmia latifolia
カルミアの和名がアメリカシャクナゲだとは知りませんでした。しかし、シャクナゲとつく以上はツツジ科というのはわかりやすいかも知れません。一見して何の仲間か分かりにくい外見ですからね。葉は有毒で呼吸麻痺などを引き起こすそうです。



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ウマノスズクサ(馬の鈴草) Aristolochia debilis
ウマノスズクサはかつては生薬とされていましたが、成分のアリストロキア酸が腎障害を引き起こすため、現在では使用されません。

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しかし、見た瞬間、これはジャコウアゲハが来ているのではないかと期待しました。ウマノスズクサはジャコウアゲハの食草ですからね。
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探すと卵が産み付けられていました。
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しばらく待つと蝶がやってきました。しかし、動きが速くヒラヒラした動きでなかな上手く撮影出来ません。これがベストショットでした。
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拡大すると何とか確認出来ます。ジャコウアゲハです。日照が強すぎて色が飛んでいますが、大型で美しい蝶です。ウマノスズクサが生える草地が開発などにより減少し、ジャコウアゲハも珍しい蝶となってしまいました。


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ムサシアブミ(武蔵鐙) Arisaema ringens
割りとポピュラーな天南星です。天南星は有毒植物とされますが、有毒成分はただのシュウ酸カルシウムです。サトイモ科ですから地下には芋が出来ますが、砕いて水に晒せばデンプンを回収出来ます。これはドングリのアク抜きと同じ手法ですから、縄文人も天南星を食べていたかも知れません。


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アムールテンナンショウ Arisaema amurense
中国、朝鮮半島、ロシア極東部に分布する天南星。緑色の仏炎苞が特徴なのかと思いましたが、赤褐色の模様が入るものもあり多様なようです。生薬とするらしいです。


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ムギナデシコ Agrostemma githago
種子にサポニンが含まれており、食べると胃痛や嘔吐、下痢を引き起こすとのこと。しかし、ムギナデシコという名前は、バラモンジン(婆羅門参、Tragopogon porrifolius)を指すこともあり、あまり良い名前ではないかも知れません。ちなみに、ムギセンノウ(麦仙翁)という名前もありますが、ナデシコ科のムギセンノウと、キク科のバラモンジンならば、ムギセンノウの方がムギナデシコらしさがあるような気もします。地中海沿岸の原産。



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チョウジソウ(丁字草) Amsonia elliptica
青みがかる美しい花を咲かせます。園芸で栽培されるのは海外の種とのこと。準絶滅危惧種。有毒植物。


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スイレンはまだ早かったですね。


さて、長々と東京都薬用植物園の記事を続けて来ましたが、次回から温室に入ります。しかし、温室に至るまでに撮影しすぎて、スマホの過熱がピークに達してしまいました。温室内ではシャッター速度が低下してブレるは、本体の過熱で強制シャットダウンするはで散々でした。結局、いつもと比べると撮影は淡白にならざるを得ない感じではありましたが、まあそれなりにあります。というわけで続きます。



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6月も終わってしまいますが、5月に行った東京都薬用植物園の記事です。ちまちま書いているので、なかなか終わりません。少しペースアップしないとこれは終わりませんね。


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セイヨウトチノキ(西洋栃木) Aesculus hippocastanum
いわゆる「マロニエ」。交配種のベニバナトチノキばかりで、交配親のセイヨウトチノキはあまり見かけません。西洋では樹皮や種子を収斂薬としたそうです。ヨーロッパ原産ですが意外と南方系で、バルカン半島やトルコに由来します。そういえば、「馬栗」とも言いますが、よくよく考えると不思議な名前でした。実が栗っぽいのはわかりますが、なぜ馬なのかというと、馬の疾患に利用されていたからということです。



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ガガイモ Metaplexis japonica
日本では旧・ガガイモ科を代表するガガイモですが、あまり知られていない植物でしょう。有毒で生薬となると言われていますが、食用ともされる不思議な植物です。旧・ガガイモ科植物には塊根性のものがありますが、ガガイモという名前の由来は塊根ではなく果実に由来するそうです。ちなみに、現在ではCynanthum rostellatumが正式な学名です。


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ウスベニアオイ Malva sylvestris
ゼニアオイかと思ったらウスベニアオイでした。とはいえ、ゼニアオイ(M. mauritiana)はウスベニアオイの変種(var. mauritiana)とされることもあるようです。しかし、現在ではゼニアオイはウスベニアオイに含まれるようです。花をハーブティーなどに利用することもあるそうです。


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ホソバタイセイ Isatis tinctoria
ウォード(word)と呼ばれるヨーロッパ南部原産の染料植物。藍が普及する前には、葉を発酵させて青色系の染料としていたそうです。成分のインディカンがインディゴに変化して発色します。

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一見して何の仲間がわかりませんが、アブラナ科植物とのこと。確かに花はそんな感じです。
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実が沢山ぶら下がっていて面白いですね。


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アルカネット Anchusa officinalis
古代エジプト時代から化粧品原料とされてきたそうです。根から紅色染料がとれます。染料として利用されるムラサキ(Lithospermum erythrorhizon)と同じムラサキ科。



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Lavandula stoechus subsp. pedunculata 'Avon view'
いわゆるフレンチラベンダー。花の先端に大きな花弁がつきます。昔からハーブとした利用されてきました。


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シナノキ(科の木) Tilia japonica
日本の固有種とされますが、中国南部にも分布するらしいシナノキです。樹皮の繊維を網や布としたそうです。
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蕾が膨らんでいますが、開花はまだでした。



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5月に行ってきた東京都薬用植物園の記事の続きです。ナンジャモンジャの木がちょうど満開でした。


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セイヨウオキナグサ Pulsatilla vulgaris
セイヨウオキナグサは花も美しいのですが、種子も面白い植物です。ヨーロッパに広く分布しますが、フィンランドやオランダでは絶滅しているようです。


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ヒトツバタゴ Chionanthus retusus
いわゆる「ナンジャモンジャの木」。海外の樹木のような気もしますが、実は日本から中国まで分布します。ヒトツバタゴ属は基本的に南方系なので、東アジアに生えるヒトツバタゴは珍しい部類です。
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日本にも産地があることは知りませんでした。


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オオツヅラフジ Sinomenium acutum
茎や根茎を「防已」と呼び漢方薬原料とするそうです。日本から中国、ネパール、タイまで広く分布します。


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オオアザミ Silybum marianum
ヨーロッパでは古くから肝臓病の治療に使われてきたそうです。地中海沿岸からインドまで広く分布します。

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いかにもなアザミの蕾。


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ギョリュウ(御柳) Tamarix chinensis
シルクロード関連の本を紐解けば、よく出てくる「タマリクス」とはこのギョリュウの仲間のことです。当然、乾燥地に生えるわけですから乾燥に強いわけですが、実は耐塩性もあります。なぜなら、雨が降っても海まで流入しない中央アジアでは、塩分が非常に高く塩析したりして「青菜に塩」の如く耐塩性のない植物には厳しい環境です。

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タマリクスを初めて見ることができて感動しました。何冊もシルクロード関連の本を読んできましたから、タマリクスの名前にはシルクロードのロマンの香りがします。


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シロバナムシヨケギク Tanacetum cinerariifolium
殺虫効果があり蚊取り線香の原料とされてきました。そのため、「除虫菊」と呼ばれてきました。アルバニア原産。



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ハシリドコロ Scopolia japonica
有毒なことで有名なハシリドコロです。漢方では莨菪根と呼ばれ、生薬は劇薬扱いのようです。初めて見ましたが、典型的なナス科植物で驚きました。勝手にアマドコロのような植物を想像していたが、よく考えたらおかしな話でしたね。ハシリドコロから作られる硫酸アトロピンは、地下鉄サリン事件で解毒剤として使われてある意味では有名になりました。芽吹きの姿がフキノトウに似ているため、間違いやすい毒草でもあります。



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ニガヨモギ Artemisia absinthium
昔から薬用植物として有名で、「アブサン」という蒸留酒の原料としても知られています。
北アフリカから地中海沿岸、ペルシャからロシア、飛地で中国まで広く分布します。



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今年の5月に東京都薬用植物園に行きましたが、その記事の続きです。薬用植物がメインですから、基本的に地味であまり見栄えしませんが、図鑑でしか見たことがないような植物が沢山見られます。


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ヒュウガトウキ(日向当帰) Angelica furcijuga
九州原産のセリ科植物。絶滅危惧II類(VU)。山人参と呼ばれ民間薬とされました。現在でもサプリメントなどにされているようですが、その効果は定かではありません。ちなみに、現在ヒュウガトウキはイヌトウキ(A. tenuisecta)の変種とされているようです。


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ニチニチソウ(日々草) Catharanthus roseus
(Vinca rosea)
花壇に植えられる園芸植物として一般的ですが、有毒植物でもあります。まさかのキョウチクトウ科でしたが、よく花を見ると確かにそんな感じですね。しかし、白血病や悪性リンパ腫などに利用する抗腫瘍剤の原料でもあります。マダガスカル原産というのも意外です。



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ライムギ Secale cereale
なぜ、薬用植物の区画にライ麦が栽培されているのか不思議でしたが、ライ麦に寄生する麦角が製剤原料という意味でした。麦角はついていませんが、納得です。麦角出来た麦は毒性が高く、食べてしまうと危険ですが、日本ではほとんど発生しないそうです。しかし、麦角からは様々な薬となる成分が分離されているのと同時に、幻覚剤である違法薬物LSDの原料でもあります。

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よく見ると雄しべが出ていました。要するにこれが開花の様子です。イネ科植物は風媒花なので、花粉媒介者を呼び寄せる必要がないため基本的に地味な花です。しかし、風媒花であるがゆえに大量の花粉をばらまく必要があるため、イネ科植物は花粉症の原因植物となります。


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ジギタリス Digitalis purpurea
「狐の手袋」の名前でも知られ、花壇に植えられるポピュラーな草花です。しかし、全体的に強い毒性がありますが、これは食べなければ問題はありません。

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頂点の花は開いて形がやや崩れがちです。
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こちらの頂点の花は奇形ですね。珍しいようにも見えますが、ちょっとした切っ掛けでこういうことは起きたりします。


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シュッコンアマ(宿根亜麻) Linum perenne
多年生の亜麻。ちらほら花が咲いていました。

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淡い青みがかるかわいらしい花でした。


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ベニバナトチノキ(紅花栃木) Aesculus carnea
アカバナトチノキとセイヨウトチノキ(マロニエ)の交配種。学名は交配種ですから、Aesculus × carneaとなっています。
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花色が濃く花穂も大きいですね。


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イチハツ(一初) Iris tectorum
中国原産のアヤメ科植物。根茎は有毒ですが、食中毒の時に吐剤や下剤として利用したこともあるそうです。日本への到来は室町時代と古く、茅葺き屋根の上に植える風習があったそうです。



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5月に行った東京都薬用植物園の記事の続きです。お目当てのご禁制品(ケシ)の花はすでに見たわけですが、とにかく気になる植物が沢山あります。かつて図鑑でみたあの植物が…! という感動で写真を撮りまくりました。


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フジバカマ(藤袴) Eupatorium fortunei
よく聞く植物ですが初めて見ました。秋の七草で、ありふれた植物でしたが、草地の減少により現在は準絶滅危惧(NT)となってしまいました。全草を生薬とし、「蘭草」と呼んだそうです。
古い時代に中国から渡来した帰化植物とされてきましたが、現在では日本の固有種で中国の個体は帰化植物とみなされているようです。学名はE. fortuneiが一般的でしたが、現在はE. japonicumとされています。



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ラフマ(羅布麻) Apocynum venetum
中国では古くから葉をお茶代わりに用い、ラフマ茶、ヤンロン茶(燕龍茶)と呼んだそうです。ただし、根は有毒とのこと。かの「さまよえる湖」たるロプノール(羅布泊)に多く、繊維を採っていたことから「羅布麻」と呼ばれたようです。



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スイカズラ(吸葛) Lonicera japonica
ケシの檻の隣にありますが、非常に強い甘い香りを周囲に漂わせていました。葉や茎を忍冬、花を金銀花と呼んで漢方に利用するそうです。

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なるほど、「金銀花」という名前に納得しました。


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クコ(枸杞) Lycium chinense
漢方の原料植物。杏仁豆腐に乗っているのがクコの実です。



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セイヨウニンジンボク Vitex agnus-castus
ヨーロッパでは果実を月経不順などに民間薬として利用してきたそうです。プリニウスの『博物誌』にも記載があるとのことで、その利用は恐ろしく古いようですね。


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リクチメン(陸地綿) Gossypium hirsutum
いわゆる「綿」で、もっとも一般的な綿です。アオイ科であるというのは知りませんでした。


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ノグルミ(野胡桃) Platycarya strobilacea
胡桃と言っても食用にはならない胡桃です。
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花穂が出ていました。
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古い実が付いていましたが、イガイガした形で一般的な胡桃のイメージとは異なりますね。


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イブキトラノオ Polygonum bistorta
根茎を「拳参」と呼んで民間薬として利用しているそうです。現在はBistorta officinalisとなっています。これは、旧・タデ属(Polygonum)が分割されたためです。園内には分割された属の植物もあり、ツルドクダミ(Reynoutria)がありましたね。


本日はここまでとしましょう。次回は製剤原料植物や海外の植物を見ていきます。



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東京都薬用植物園の記事の続きです。相変わらず漢方薬原料植物や民間薬原料植物の辺りを彷徨っています。気になる植物が多すぎて、なかなか抜け出せません。


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カイケイジオウ Rehmannia glutinosa forma huechingensis
漢方では根を「地黄」と呼んで利用するそうです。いかにもなゴマノハグサ科植物の花。カイケイジオウは基本種のアカヤジオウ(R. glutinosa)の異名扱いのようです。


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ニッケイ(肉桂) Cinnamomum okinawaense
楠(C. officinarum)は割りとどこでも見られますが、ニッケイは見ませんね。シナモンの仲間ですが、根の樹皮を民間療法で利用するそうです。説明によると沖縄・徳之島の原産ですが、C. sieboldiiとして中国南部・インドシナ半島の原産とする説もあるそうです。
しかし、Wikipediaでは中国・インドシナ半島原産のC. loureiriiとされたものの、C. sieboldiiとして独立したとあります。この学名は江戸時代にシーボルトが日本で採取したニッケイの標本を元に命名されたものということです。

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一応、キュー王立植物園のデータベースを確認しましたが、現在の学名はC. sieboldiiのようです。C. okinawaenseは「配置がない名前」とのことで、南西諸島の植物とされてはいるものの、何を指しているかは不明のようです。ですから、C. okinawaenseはニッケイの異名とされていません。また、C. loureiriiは出てきませんでしたがベトナム原産のC. loureiroiという種はあります。どうやら、C. loureiriiは誤記でC.loureiroiが正しいそうです。


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クララ Sophora flavescens
妙な外見と名前の植物ですが、マメ科と聞いて納得しました。近年、花木として流通しているニュージーランド原産の「リトルベイビー」と同じソフォラ属です。ただ、クララは樹木ではなく多年草です。「クララ」は「眩草(くららぐさ)」から来ており、根はクラクラするほど苦いことに由来するとのことです。漢方では「苦参」(くじん)と呼ばれるそうです。



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ハナスゲ Anemarrhena asphodeloides
中国原産で解熱などに利用される漢方原料。生薬としては「知母」と言うそうです。江戸時代に渡来した多年生です。
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複雑な花色の美しい花を咲かせますが、残念ながらまだ蕾でした。


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チャノキ Camellia sinensis
いわゆるお茶の木。実はちゃんとチャノキを見たのは初めてです。
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カメリア属、つまりは椿の仲間です。葉はそれほど椿感はありません。晩秋に椿に似た花を咲かせるそうです。


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ラシャカキグサ Dipsacus fullonum subsp. sativus
畑に植えられた野菜に見えますが、頭状果序で羅紗を起毛させるために利用した植物ということです。栽培種でオニナベナに由来すると考えられています。
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まだ蕾ですが、イガイガの頭状果序を予感させます。オニナベナのイガは直線的ですが、ラシャカキグサは鉤爪状とのこと。起毛させるのに便利な変異が選抜されてきたのでしょう。


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ベンケイソウ Hylotelephium erythrostictum
(Sedum erythrostictum)
「景天」と呼ばれ腫れ物や虫刺されに外用する民間薬としての利用があったそうです。

EcheveriaやSedum、Kalanchoeなどの仲間はベンケイソウ科に分類されますが、ベンケイソウ科の由来である実際のベンケイソウ自体は見たことがありませんでした。


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オオベンケイソウ Sedum spectabile
ベンケイソウの名札はHylotelephium属なのに、オオベンケイソウはSedum属なのはやや謎ですが、現在はHylotelephiumです。


漢方薬原料植物はそろそろ終わりで、次は民間薬原料や製剤原料植物をメインに見ていきましょう。



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東京都薬用植物園の記事の続きです。前回はあへん法で栽培が基本的に禁止されているケシと、園芸用に栽培が可能なケシについてでした。今回は「漢方薬原料植物区」に戻ります。「民間薬原料植物区」や「製薬原料植物区」もごちゃ混ぜで撮影していますから、たぶん色々混ざっていますから悪しからず。


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ツルドクダミ Polygonum multiflorum
(Fallopia multiflora)
見た瞬間、少し驚いたのですが、それは私的な話ですので、また別に記事にします。
それはそうとして、日本薬局方に記載されているカシュウ(何首烏)で、塊根を利用する漢方薬原料です。中国や台湾が原産地。

ドクダミはドクダミ属(Houttuynia)ですが、ツルドクダミはタデ属(Polygonum)ですから、他人の空似ということになります。()に書かれたFallopiaはソバカズラ属で、かつてはイタドリ(F. japonica)を含んでいました。しかし、イタドリは現在Reynoutria属とされています。そして、ツルドクダミもまた現在はReynoutria属とされているようです。


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チュウマオウ Ephedra intermedia
いわゆる麻黄で、様々な漢方薬に使用されます。風邪の初期症状の発熱や寒気、筋肉痛、咳などに効果があるとされています。
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ちょうど花が咲いていました。


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オオバナオケラ Atractylodes ovata
中国原産の漢方薬原料。塊根は白朮という名前で様々な漢方薬に利用されます。種としてはホソバオケラ(A. lancea)と同一種扱いのようです。


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シオン(紫苑) Aster tataricus
花は咲いていませんが、花を見ればアスターであることがわかります。漢方としては鎮咳・去痰作用があるとのこと。絶滅危惧II類。


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ミシマサイコ(三島柴胡) Bupleurum falcatum
一見してなんてことはない草ですが、妙な名前なので名前だけ頭に残っていました。やはり、漢方薬として利用されます。



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サンシュユ(山茱萸) Cornus officinalis
いかにもなミズキ科の葉ですね。中国や朝鮮半島の原産。
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実がなっていました。果肉部分を漢方として強壮や収斂に利用されるそうです。


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シャクヤク(芍薬) Paeonia lactiflora
芍薬は芍薬甘草湯で知られる通り、漢方薬として利用されます。
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美しい花は牡丹が終わった頃に咲き始めます。


というわけで、東京都薬用植物園をダラダラ歩いて撮影して回っています。普段はあまり見かけない植物との出会いは、今まで行ったすべての植物園に共通します。しかし、東京都薬用植物園では、ネームプレートの立った圃場に一年草を植えて育成しているところは、他の植物園とは異なる特徴です。薬用植物を展示するという目的なためでしょう。個人的には面白くてなかなか進めずやたらに時間がかかりました。さて、次回も圃場をぶらぶらします。



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ゴールデンウィーク中に東京都薬用植物園に行ってきました。お目当ては5月が見頃のケシの花です。ケシと言ってもポピーではなく、あへん法で栽培が禁止されているアヘンやモルヒネの原料となる植物です。


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ケシを栽培している区画は、厳重な二重の檻の中にあり、監視カメラで監視されています。しかし、ケシの開花期だけは外の檻の一部が開放されます。


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檻越しに見るケシ畑。


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色とりどりのケシ(Papaver somniferum)が咲いていました。こちらは「トルコ種」とありました。蜜蜂が沢山来ていましたね。


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こちらは「一貫種」。一貫種は日本で作出されたアヘン収量が多いとされる品種。


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こちらは園芸種です。


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八重咲きの園芸種。


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こちらも八重咲きの園芸種。果実である芥子坊主が沢山見えます。芥子坊主を傷つけて出てくる乳液を集めて固めたものが生アヘンです。


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アツミゲシ Papavera setigerum
日本では渥美半島で初めて見つかった帰化植物。モルヒネやコデインといったアルカロイドを含み、栽培は禁止されています。しかし、繁殖力が強いため庭や畑地に生えてきて、たまにその駆除がニュースになります。


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東京都の運営ですから、違法な植物に対する啓蒙に力を入れているようで、見分け方のパネル展示がありました。説明によると、違法なケシの葉のあまり切れ込まず、葉柄が茎を抱き込み、ほとんど毛がありません。対する違法ではないケシは、葉は深く切れ込み、葉柄は茎を抱き込まず、剛毛があるとのこと。


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モンツキヒナゲシ Papaver commutatum
こちらは、檻の外にある違法ではない園芸で利用されるケシです。「ケシ比較植物」と書いてありましたから、わざわざ比較用に栽培されているということでしょう。
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「ポピー・レディバード」や「ピエロ」の名前で流通しているそうです。


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アイスランドポピー Papaver nudicaule
シベリアヒナゲシ。一般的なポピーです。当然、違法ではありません。学名は2021年にOreomecon nudic aulisとされているようです。


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ヒナゲシ Papaver rhoeas
別名、「虞美人草」とありました。違法ではありません。


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シャーレーポピー Papaver rhoeas 'Shirley'
ヒナゲシの園芸品種。違法ではありません。


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ハナビシソウ Eschscholzia californica
Papavera属ではありませんが、「カリフォルニアポピー」と呼ばれるケシ科植物です。違法ではありません。


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アザミゲシ Argemone mexicana
「メキシカンポピー」と呼ばれる熱帯アメリカ原産のケシ科植物。葉がアザミのように激しい切り込みます。違法ではありません。



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ナガミヒナゲシ Papaver dubium
ナガミヒナゲシはここ10年ほどで爆発的に増え、あっという間に帰化した外来種です。特定外来生物には指定されていませんが、厄介な植物です。花が綺麗なため、積極的に駆除されにくいような気がします。困ったものですね。


というわけで、あへん法で規制されたケシを見ることが出来ました。東京都薬用植物園は日本国内で唯一、違法ケシを見ることが出来る植物園なんだそうです。大変、貴重な体験でした。さて、次回は「漢方薬原料植物区」に戻り、「民間薬原料植物区」、「製剤原料植物区」も見ていきます。



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東京都下の小平市にある東京都薬用植物園に行ってきました。4月は忙しく植物園巡りは中断していましたが、ようやく再開します。
東京都薬用植物園は管轄が東京都保険医薬局なため、薬草や毒草、さらには御禁制品(ドラッグ)まで扱う特殊な植物園です。時期的に冬は何も生えてなさそうですから、暖かくなるのを待っていました。5月中旬は「あへん法」で栽培が禁止されているケシの花が見頃とのことで楽しみです。


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西武拝島線の東大和市駅から降りて直ぐに入口があります。


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入口には巨大な赤松がありました。黒松の方が一般的に植栽されますが、黒松は海岸沿いに生える植物なため、赤松が本来の植生です。しかし、黒松は枝ぶりや樹形、幹肌の荒れ模様が豪壮で良いため、植生されるのは大抵は黒松です。というわけで、赤松は市街地ではあまり見かけない樹木となりました。
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この赤さが赤松たる所以です。
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東京都薬用植物園では、このように成分や詳細な用途が書かれています。薬用植物園らしいですね。


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ナギイカダ Ruscus aculeatus
トイレの植え込みが、まさかのナギイカダです。ちょうど実がなっていました。地中海沿岸に自生し、明治初期に渡来したようです。



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アオノリュウゼツラン Agave americana
なんとなくアオノリュウゼツランがあります。



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キダチアロエ Aloe arborescens
キダチアロエは放置していても、いつの間にやら群生しがちです。


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クサノオウ Chelidonium majus var. asiaticum
クサノオウが開花しています。ケシ科の有毒植物。現在はC. asiaticumとして独立種になっているようです。

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花はアブラナに似ています。


さて、先ずは「漢方薬原料植物区」に向かいます。隣接する「有用樹木区」も一緒に見ていきます。


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フランスカイガンショウ Pinus pinaster
「海岸松」という意味のようです。
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葉が長く枝が繊細な松です。


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ヤマモモ Myrica rubra
まだ小さいですが、ヤマモモの実がなっていました。
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どうやら、漢方としての用途もあるようですね。


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アオツヅラフジ Cocculus trilobus
アオツヅラフジはブルームに覆われた青い実がなり、個人的には観賞に耐える植物だと思っています。漢方薬としては「木防已」と呼ばれますが、市場性はないそうです。
学名は2020年にNephroia orbiculataとなりました。日本の分類学ではCocculusは「アオツヅラフジ属」でしたが、その代表格たるアオツヅラフジが、別属となってしまったため今後どうなるのか気になります。


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アサクラザンショウ Zanthoxylum piperitum form. inerme
山椒のトゲがない品種。多肉植物でも「inermis」というトゲのない種類はありますね。
アサクラザンショウは、かの牧野富太郎が記載した植物ですが、現在サンショウに亜種・変種・品種は認められておりません。

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まだ若い実がなっていました。


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ブドウサンショウ
アサクラザンショウから派生した品種で、実が大きいとのこと。

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実はなっていましたが、まだ若いのでその違いは明らかではありません。


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ウド Aralia cordata
「うどの大木」と言いますが、ウドを見るのは初めてです。まあ、本当に大木にははなりません。

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若芽や根茎を食用にしますが、漢方としての利用もあるそうです。知りませんでした。


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フユアオイ(冬葵) Malva verticillata
見た感じはゼニアオイですが、フユアオイは初めて見ました。種子や葉を漢方として利用するそうです。
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花を見ると違いは一目瞭然ですね。


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カラスビシャク Pinellia ternata
カラスビシャクは畑地では割りとポピュラーな雑草です。「半夏」という名前で漢方として利用されるそうです。



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バショウ(芭蕉) Musa basjoo
中国原産と考えられているバショウですが、耐寒性があるため日本でもたまに庭に植栽されます。日本には江戸時代に入ってきたそうです。
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ちょうど花が咲いていました。小さなバナナがなっていますが、大きくはならず食用には向きません。生薬としての利用はあったようですね。


記事が長くなったので、続きは次回としましょう。しかし、この植物園は素晴らしいですね。気になる植物が多すぎて、なかなか進めません。「漢方薬原料植物区」で30分以上うろついてしまったため、このペースでは明らかに他を見る時間がなくなります。中断してケシを見に行きました。というわけで、次回はお楽しみのケシの様子を記事にします。



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