ユーフォルビア・オベサ・ドットコム

カテゴリ:植物園 > 新宿御苑

9月に行った新宿御苑の温室の記事が未だに続いていますが、今日で最後となります。温室を出て、温室の近辺を少しうろついて帰りました。

240922104045189
パパイヤ
日本だとパパイヤは寒さで冬に枯れてしまいますが、温室だと枯れないため巨大に育ちます。

240922104050121
まだ実は小さいですね。

240922104148321
チェリモヤ Annona cherimoya
昔一度だけチェリモヤの果実を食べたことがありますが、
完熟するとねっとりとして非常に甘く、大変美味でした。それ以降は交配種のアテモヤしか入手出来ていません。

240922104402966
コバンボダイジュ Ficus delioides
小型のボダイジュというかイチジクの仲間。実物は初めて見ました。

240922104406963
小さな実が沢山なっていました。

240922104446947
ウツボカズラ Nepenthes × mixta
温室につきもののウツボカズラです。


240922104510001
ウコン Curcuma longa
運良くウコンの花が咲いていました。いわゆるターメリックです。


240922104530933
Aristolochia gigantea
奇怪な花で知られるアリストロキアの花が咲いていました。ギガンテアは去年の5月に神代植物公園で初めて見ましたから、これで2回目の出会いです。

240922104539440
蕾もまた異様な感じがしますね。そういえば、アリストロキアは腐肉臭や糞便臭などを放ちハエを呼びます。ギガンテアは花弁は柑橘系の香りを放ち、花筒は腐臭を放つそうです。今回は開いた花が高い位置にあったので、残念ながら確認できませんでした。
240922104551454
アリストロキアにありがちなコルク質のヒビ割れた幹。

240922104659677
Coelogyne guamense
通路の壁には沢山の蘭がぶら下げてありましたが、時期が悪く咲いていたのはコエロギネ(セロジネ)だけでした。

ここで温室を出ましたが、風が非常に強くなっており、温室の入り口に並べてある鉢植えが倒れていました。帰り道、看板やら傘立てやらみんなひっくり返っていましたから、大した暴風でしたね。

240922104920774
ヤタイヤシ Butia yatay
ヤタイヤシは耐寒性が強く日本でも野外栽培可能なヤシです。とはいえ、それなりのサイズになりますから、庭に植える人もそうはいないでしょう。

240922104934371
実が沢山なっています。
240922104926336
芝生には熟した果実が落ちていました。

240922104940948
アオノリュウゼツラン
巨大なアオノリュウゼツランですが、このようにのびのびとした場所に植えられず、狭い場所に寄せ植えされがちですよね。
240922104956681
花茎が伸びていました。右は枯れた過去の花茎です。
240922105045331
よく見ると花は終わっていて、実がなっていますね。そういえば、今年はリュウゼツランの花が咲いたというニュースが沢山ありましたが、実際のところそれほど珍しい現象ではないような気がします。逆に話題になったから、あちこちで取り上げられただけではないでしょうか。あと、実はアオノリュウゼツランではないリュウゼツランは結構あちこちで咲いていますから、気にして見ると意外と目に入るものです。

240922105143282
ソテツ Cycas  revoluta
立派なソテツの群生株がありました。奄美大島のソテツは外来のカイガラムシにより、相当やられてしまっているようです。場合によっては壊滅もあり得るかも知れません。これといった対抗手段がないのが、歯痒いところです。

240922105148469
コーンが出た跡がありました。

240922105216626
Bauhinia forficata
外にもバウヒニアがありました。これで遭遇したバウヒニアは3種類になります。

240922105312707
一輪だけ咲いていました。大型の花です。

240922105501373
穏やかに見えますが、暴風が吹き荒れています。

240922125100268
帰りに駅付近にある、& Sandwich.のBLTCEサンドを購入。すごいボリューム。

というわけで、新宿御苑の温室を堪能してきました。実に9回に渡りしつこく記事にしましたが、これでも加減したほうです。残念ながら一日天気が怪しかったこともあり、温室以外はほとんど見ていませんが、まあまた行けば良いことです。撮影していない植物もまだまだありますからね。とはいえ、もう11月になってしまいます。今年の植物園巡りはこれで最後かも知れません。来年、春になったら再開しましょう。


ブログランキング参加中です。
クリックしていただけますと嬉しく思います。

にほんブログ村 花・園芸ブログ 塊根植物・塊茎植物へ
にほんブログ村

にほんブログ村 花・園芸ブログ サボテンへ
にほんブログ村

9月に行った新宿御苑の温室の続きです。植物園の記事は人気がありませんが、個人的には植物園は面白くて仕方がないので記事は終わりません。

240922102704349
サガリバナ Barringtonia racemosa
残念ながら花期が終わってしまっています。一夜花。アフリカ東岸・マダガスカルからインド、東南アジア、ニューギニア、オーストラリアまでと非常に分布が広い植物ですが、種子が海流に乗って広まるタイプのようです。日本でも奄美大島以南に自生します。湿地の植物。

240922102710376
樹の下には沢山の花がらが落ちていました。タイミング的には散ったばかりかも知れません。
240922102746070
探したら一輪だけ咲いていました。沢山あるのは雄しべです。

240922102857615
スイレンがひっそりと咲いていました。

240922102932152
名前のわからない巨大なイモが何気なくあったりします。

240922102947357
滝の裏側を通ります。

240922103048529
Dichorisandra thyrsiflora
Blue Gingerの蕾が膨らんできています。ジンジャーと言うものの実際にはツユクサ科植物です。ブラジル原産。


240922103124225
ヒシガタホウライシダ Adiantum trapeziforme
実に目を引く大型のアジアンタム。別名シシガタホウライシダ。中南米の原産。
ちなみに、A. trapeziformeという名前は3種のシダ植物に命名された名前です。ヒシガタホウライシダはCarl von Linneが1753年に命名したものですが、1762年に命名されたA. trapeziformeはAsplenium marinum var. marinum、1786年に命名されたA. trapeziformeはAdiantum cunninghamiiの異名となっています。この2種の
A. trapeziformeという名前は"sensu auct."、つまりは本来指定された植物と異なる植物に使用されてきたようです。

240922103207450
フイリソシンカ Bauhinia variegata
バウヒニアは板橋区立熱帯植物館で見たB. purpureaに続いて2種類目。世界中の熱帯域で栽培されています。インド、バングラデシュ、ミャンマー、ネパール、タイ、ベトナム、中国南部の原産。キュー王立植物園のデータベースでは何故かパナマも自生地となっていますが、どうなんでしょうね?
未だにバウヒニアの花は見たことがありませんでしたが、温室の外のバウヒニアが開花していました。次回の記事でご紹介します。


240922103429997
ベニマツリ Rondeletia odorata
実にまとまりの良い一見して作り物のような紅茉莉の花が咲いていました。キューバ原産。

240922103543146
マカダミア Macadamia integrifolia
ひっそりと目立たない場所にマカダミアがありました。インテグリフォリアはもっとも一般的なマカダミアのようです。板橋区立熱帯植物館ではM. tetraphyllaがありましたがいずれもまだ小さな樹です。マカダミアの実がなりそうな成木にはまだ出会えていません。オーストラリア原産。

240922103645377
ゴレンシ Averrhoa carambola
いわゆるスターフルーツです。断面が星形になる面白い果実がなりますが、要するに巨大なカタバミの実です。しかし、カタバミの樹というと不思議な感じがしますね。インドネシア原産ですが、東南アジア一帯や南米で栽培されます。

240922103633569
ゴレンシの葉。

240922103942011
タビビトノキ Ravenala madagascariensis
オウギバショウが正式な名前のようですが、タビビトノキが一般的です。植物園の温室にはつきもののようで、これで3回目の出会いです。オウギバショウという名前ですが、バナナの仲間ではなくゴクラクチョウカの仲間のようです。マダガスカル原産。


240922104008715
Osmoxylon lineare
ウコギ科のオスモキシロンが開花していました。1月に行った板橋区立熱帯植物館でも花を見たので、これで2回目です。あまり馴染みがない植物ですが、温室では一般的なのでしょうか? フィリピン原産。

240922104012522
お菓子のような面白い花です。


ブログランキング参加中です。
クリックしていただけますと嬉しく思います。

にほんブログ村 花・園芸ブログ 塊根植物・塊茎植物へ
にほんブログ村

にほんブログ村 花・園芸ブログ サボテンへ
にほんブログ村

9月に行った新宿御苑の温室の続きです。多肉植物が沢山あった乾燥地のゾーンが終わり、熱帯のジャングルに入ります。

240922101647941
タイヨウフウトウカズラ Piper postelsianum
特に外見的に目についたわけではありませんが、ピペル属、つまりはコショウの仲間なので気になりました。小笠原諸島の母島の固有種。自生個体はわずか1個体しかない絶滅危惧種。


240922101737633
サポジラ Manilkara zapota
chicle、つまりチューインガムの意味で呼ばれる高木。樹皮にラテックスが豊富でチューインガムの原料となります。完熟果は柔らかく甘みが強く、干し柿に似ていると言われています。中米周辺の原産。


240922102213130
タコノキ Pandanus boninensis
タコノキに実がなっていました。小笠原諸島の原産。

240922101804053
気根が伸びて幹を支えます。海岸線に生えるため、砂地でも倒れない工夫でしょうか。
240922101808270
足下にも実が転がっていました。

240922101908500
ムユウジュ Saraca asoca
いわゆる、無憂樹。仏教三大聖樹の1つで、釈迦が生まれた場所にあった木とされているようです。マメ科植物。インド、スリランカ、ヒマラヤ地域の原産。


240922102031644
インドボダイジュ Ficus religiosa
こちらも仏教三大聖樹で、釈迦が悟りを開いた場所にあった木とされています。熱帯のイチジクなので、気根が沢山出て、1個体で広大な面積を占有したりします。

240922102111402
インドボダイジュの葉は先端が細長く伸びています。これを滴下尖端と呼び、雨だれが高率良く流れ落ちるのだと言われているようです。

240922102132059
カカオノキ Theobroma cacao
筑波実験植物園では幹から直接咲く奇妙な花を見ることが出来ましたが、カカオの実がなっているのははじめて見ました。南米北部の原産。

240922102440272
デイコ Erythrina indica
非常に分布が広いマメ科植物。台湾や中国南部からニューギニア、オーストラリア北部、東南アジアからインド、アッサム、そしてマダガスカルとタンザニアまでが自然分布とされているようです。要するに、海流に乗ってインド洋から東南アジア、ミクロネシアやメラネシアに拡がったということなのでしょうか。ちなみに現在ではE. variegataに含まれます。和名はデイコだったりデイゴだったりします。


240922102512005
ロウソクノキ Parmentiera  cereifera
幹から直接花を咲かせる幹花性ですが、残念ながら花は咲いていませんでした。細長い面白い実をつけるので、いつか見てみたいものです。パナマ原産。


240922102627491
Tacca chantrieri
東南アジアに広く分布するタシロイモの仲間。クロバナタシロイモという名前もあるようです。奇怪な花でよく知られています。

240922102622284
中国南部に自生するT. chantrieriは観察してもそれらしい花粉媒介者が訪れないため、どのように繁殖しているのか分かっていません。そういえば、神代植物公園でも花を見ています。

240922102645503
ショウベンノキ Turpinia ternata
幹を切ると水が沢山出るところから、この酷い和名がついたらしいのですが…。四国以南の日本から台湾に分布。ちなみに、現在の学名はStaphylea ternataとなっています。


240922102808498
何やら巨大なイモ。こういうサトイモ科植物は沢山種類があるため、よくわかりません。

240922102823812
オオハマオモト Crinum asiaticum var. sinicum
タイワンハマオモトとも呼ばれる大型のハマオモト。

240922102830608
タイミングよく花が咲いていました。見上げる高さ。我が家にもハマユウ(ハマオモト、C. asiatica v. japonicum)がありますが、サイズ感が違います。


ブログランキング参加中です。
クリックしていただけますと嬉しく思います。

にほんブログ村 花・園芸ブログ 塊根植物・塊茎植物へ
にほんブログ村

にほんブログ村 花・園芸ブログ サボテンへ
にほんブログ村

9月に行った新宿御苑の温室の続きです。乾燥地の植物ゾーンにいますが、いよいよ主役であるサボテンやユーフォルビアが登場します。

240922100958720
Haworthia asperiuscuta
硬葉系ハウォルチアはHaworthiopsisとして軟葉系ハウォルチアから独立しましたが、植物園のハウォルチアは基本的にラベルはそのままです。こちらも明らかにHaworthiopsisなのですが、聞いたことがない名前です。七重宝塔という名前もあり、H. asperiusculaとと表記されている場合もあるようです。まあ、どう見てもH. viscosaかその交配種ですよね。調べてみると、正しい表記はH. asperiusculaの方で、ラベルの名前は誤記ですね。やはりと言うか、H. viscosa var. viscosaの異名でした。タイプ違いくらいのものですかね。


240922101015439
スミダノユキ Euphorbia grandidens
樹木状になるユーフォルビアです。南アフリカ、スワジランド、モザンビークの原産。


240922101033622
白条キリン Euphorbia leuconeura
マダガスカル原産の花キリン。花キリンにはいくつか系統がありますが、何に近縁なのでしょうか。

240922101039597
幹は独特のヒビ割れによりブロック状の模様があります。

240922101058493
沖天閣 Euphorbia ingens
沖天閣はアフリカの角からタンザニア、ザイールまでアフリカ大陸を横断し、そのライン以南のアンゴラと南アフリカ西部以外の恐ろしく広い地域に分布します。高さ10mを超える巨大なユーフォルビア。


240922101130480
朝霧閣 Ritterocereus pruinosus
Ritterocereusは現在Stenocereusに吸収されたため、Stenocereus pruinosusとなっています。


240922101209355
アオサンゴ Euphorbia tirucalli
手前の金鯱ではなく、奥にあるモサモサしたやつです。ミドリサンゴとかミルクブッシュとも呼ばれます。原産地は熱帯アフリカあるいは東アフリカと書かれていることが多いのですが、実際には世界中に移植されているため原産地は長らく不明でした。しかし、キュー王立植物園のデータベースを見てみたら、いつの間にやらマダガスカル原産となっていました。何か関係する論文が出たのかも知れません。


240922101349000
Zamia pumila(誤)
こちらは近年ではすっかり普及したヒロハザミア(メキシコソテツ)ですが学名が間違っています。Z. pumilaではなくZ. furfuraceaが正しい学名です。ヒロハザミアはプミラあるいはフルフラケアと呼ばれて販売されていますが、本来はそれほど似ているわけではありません。以下のキュー王立植物園のプミラの標本を見れば、葉の形がまったく異なることがわかります。

Zamia pumila
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:270561-2/images

Zamia furfuracea
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:270522-2/images

240922101414119
リュウケツジュ Dracaena draco
温室栽培だと原産地のような威容は再現出来ないようです。筑波実験植物園の個体も、やはりなかなか分岐せずに背ばかり高くなっていました。カナリア諸島原産。


240922101454136
トックリラン Beaucarnea recurvata
大きなトックリランは温室に付き物ですが、基本的にサボテンと同じゾーンにありますから、あまり目立ちません。メキシコ原産。

240922101449996
幹の太り具合はまあまあ。

240922101516932
フイリウスバリュウゼツラン Agave angustifolia var. marginata
そういえば、
A. angustifolia var. marginata GentryとA. angustifolia var. marginata Trelがありますがどちらを示しているのでしょうか? アガヴェは詳しくないのでよくわかりません。Gentryの方はnot validly publ.とあり、正式に記載されていませんから、Trelの方ですかね。まあ、どちらもA. angustifolia var. angustifoliaの異名扱いとなっています。
240922101512787
立派な幹があります。

乾燥地の植物のゾーンはここまでです。これより先は熱帯植物のゾーンがまだまだ続きます。


ブログランキング参加中です。
クリックしていただけますと嬉しく思います。

にほんブログ村 花・園芸ブログ 塊根植物・塊茎植物へ
にほんブログ村

にほんブログ村 花・園芸ブログ サボテンへ
にほんブログ村

9月に行った新宿御苑の温室の続きです。まだ多肉植物ゾーンにいます。気になる植物が多く、なかなか進みません。

240922100534052
青々錦 Aloe tenuior
青々錦が雑草のように蔓延っていました。ちなみに、青々錦はアロエ属から独立し、現在ではAloiampelos tenuiorになっています。アロイアンペロスは非常に丈夫で藪状になるアロエ類です。南アフリカ原産。


240922100542636
Aloe davyana
ネームプレートには「ホシフリュウゼツ」とありましたが、どうやら「星斑竜舌」と書くようです。アロエっぽくない名前ですが、もしかしたら命名が古いのかも知れませんね。南アフリカ原産。


240922100639682
Macrozamia pauli-guilielmi
日本ではマクロザミアは滅多に見かけないため、非常にレア感があります。オーストラリア原産の小型ソテツ。

240922100649342
葉は非常に繊細で実に優美。

240922100704724
不動剣 Agave horrida
なんだか間延びしたような形ですが、選抜品でなければこんなものなのでしょうか。メキシコ原産。


240922100718224
Cycas sp.
キカスの不明種。大型で見上げる高さで、実に立派。

240922100713237
幹も太く貫禄があります。

240922100740457
Bursera fagaroides
コーデックスとして栽培されるブルセラ・ファガロイデスですが、地植えにするとただの灌木ですね。鉢植えのものは盆栽的な楽しみ方なのでしょう。米国からメキシコの原産。


240922100757588
ススキノキ Xanthorrhoea preissii
あまり目立たないため注目されませんが、ススキノキは乾燥地を模した温室ではよく見かける植物です。神代植物公園や筑波実験植物園でも植栽されてましたね。オーストラリア原産の1属1種の珍種です。

240922100804346
幹の葉をカットした跡が面白いですね。

240922100813871
ハナキリン Euphorbia milii var. sprendens
ハナキリンの大株がありました。これは変種スプレンデンスですが、ミリイ系はすべてハナキリンの和名でいいのか気になります。

240922100831622
ちらほら花が咲いていました。

240922100837801
ヒメオニソテツ Encephalartos horrida
人気のエンケファラルトスですが、サイズはまだまだですね。筑波実験植物園の個体よりは大きそうですが、神代植物公園の個体は実に巨大で別種のようでした。


240922100909986
シャムソテツ Cycas siamensis
シャムソテツは樹形が非常に整い美しいソテツです。実に見栄えしますね。今まで見た中では筑波実験植物園のシャムソテツが最優美でしたね。



ブログランキング参加中です。
クリックしていただけますと嬉しく思います。

にほんブログ村 花・園芸ブログ 塊根植物・塊茎植物へ
にほんブログ村

にほんブログ村 花・園芸ブログ サボテンへ
にほんブログ村

9月に行ってきた新宿御苑の温室の続きです。ここからは乾燥地のゾーンで、いよいよ多肉植物が登場します。

240922100021895
ドラゴンフルーツ Hylocereus undatus
何やら断崖から垂れ下がるサボテンがあるなあと思ったらドラゴンフルーツでした。面白い展示方法です。ちなみに、2017年にSelenicereusとなりました。中米原産ですが、世界中で食用の果実を目的に栽培されています。

240922100037573
気根が岩にしっかりと着生しています。

240922100053926
玉つづり Sedum morganianum
これは上手い生態展示ですね。メキシコ原産。


240922100121574
Haworthia herrei
代表的な青白い硬葉系ハウォルチアのヘレイですが、現在はHaworthiopsis glauca var. herreiとなっています。様々なタイプがあり、割と外見は異なります。


240922100135873
アヤミノ × Gastrolea beguinii
タイミングよく開花中でした。
Aloe aristata × Gasteria carinataらしいのですが、アロエとガステリア交配なら× Gasteraloeなのではと思いました。調べてみたところ、× Gasteroleaは有効に出版されていないとあり、やはり× Gasteraloeが正しいようです。ただし、交配親であるAloe aristataがアロエ属から独立しAristaloe aristataとなったため、2019年に× Aristeria属とされています。ということで、現在の名前は「× Aristeria beguinii」です。


240922100221758
吉祥天 Agave parryi var. huachucensis
一般的にはパリイ系全体を吉祥天と呼びがちで、変種パリイも変種トルンカタも吉祥天と呼ばれたりしますが、何が正しいのかはよくわかりません。


240922100241422
虎の巻 Gasteria gracilis
KwaZulu-Natal原産と言われているグラキリスですが、現在では由来のわからない種とされています。詳細は不明ですが、タイプ標本がないだとか、記載時の種と現在のグラキリスと呼ばれているものが同一種かわからないだとかが考えられますが、要するに謎の植物ということです。


240922100317265
朧月 Graptopetalum paraguayense
グラプトペタルムは確かに茎が長く伸びますが、こういう展示は初めて見ました。本来は岩の割れ目に生えるそうですから、これが正しい姿なのかも知れません。


240922100432706
十二の巻 Haworthia fasciata
残念なことに園芸品種である十二の巻にファスキアタの名札がついていました。これは筑波実験植物園でもそうでしたね。十二の巻はおそらくはH. attenuata系と思しき交配種ですから、ファスキアタではありません。ハウォルチアの栽培品は園芸品種や優良選抜品の掛け合わせが多いので、野生個体とはまったく異なる姿だったりします。植物園の役割からして、園芸種以外ならばフィールドナンバーつきの野生由来の個体を展示すべきではないかと思いますが如何でしょうか。


240922100505849
王犀角 Stapelia gigantea
ヒトデのような形の異様な雰囲気の花を咲かせる王犀角ですが、残念ながらまだ蕾でした。

乾燥地のゾーンはまだまだ始まったばかりです。続きます。


ブログランキング参加中です。
クリックしていただけますと嬉しく思います。

にほんブログ村 花・園芸ブログ 塊根植物・塊茎植物へ
にほんブログ村

にほんブログ村 花・園芸ブログ サボテンへ
にほんブログ村

9月に行った新宿御苑の温室の記事の続きです。不定期に記事にしていますが、今回は林床っぽいフロアの続きから、空中遊歩道へ行き高い位置から見た温室の状況です。

240922095425829
クスダマジンジャー(マツカサジンジャー)
Tapeinochilos ananassae
名前の通り面白い花を咲かせる植物ですが、ジンジャーとありますがショウガ科ではなくホオザキアヤメ科です。まあ、ショウガ科に近縁ではあるようですが。オーストラリア北東部、ニューギニアの原産。

240922095432953
何とも言えない形状ですが、実に目立ちます。

240922095513318
シナニッケイ Cinnamomum cassia
いわゆるシナモンですが、シナモンとして利用される5種のうちもっとも一般的とのことです。そういえば、板橋区立熱帯植物館で大きなセイロンニッケイは見たことがあります。
しかし、このCinnamomum cassiaという名前には問題があり、インド原産のNeolitsea cassiaの異名でもありnom. illeg.です。現在、シナニッケイはCinnamomum burmanni (ジャワニッケイ、インドネシアン・シナモン)と同一種とされています。中国南部から東南アジアの原産。

240922095541681
ソーセージノキ Kigelia africana
ソーセージノキは熱帯アフリカに広く分布するノウゼンカズラ科植物です。長く垂れた花柄の先に、重さ5〜10kgにもなる巨大なソーセージ型の果実を沢山つけます。観葉樹としては非常に面白い植物ですが、残念ながら果実は見られませんでした。


240922095645212
ヒカゲヘゴ Cyathea lepifera
背の高いヘゴも空中遊歩道から見ることが出来ます。

240922095803363
下から見上げるのではなく、横から見るヘゴの葉は非常に装飾的で美しいものです。
240922095652952
鱗片に覆われた新芽が見えます。

240922095709724
ホウオウボク Delonix regia
マダガスカル原産のマメ科植物。熱帯地方で広く植栽されており、日本では沖縄で見ることが出来ます。その花の美しさで有名ですが、残念ながら今回は花は見られませんでした。


240922095729116
ベニラタンヤシ Latania lontaroides
ベニラタンヤシが大きな美しい葉を広げています。レユニオン島原産。


240922095748020
上から林床の熱帯植物を見ることが出来ます。サトイモ科やらパイナップル科やら。

240922095812117
鬱蒼としています。

240922095842991
崖から水が滴る小さな滝がありました。

240922095851801
何やら細く垂れ下がる植物に花が咲いています。Russeliaでしょうか? 名札がないので分かりません。

さて、空中遊歩道を渡ったらいよいよ乾燥地の植物たちの登場です。続きます。


ブログランキング参加中です。
クリックしていただけますと嬉しく思います。

にほんブログ村 花・園芸ブログ 塊根植物・塊茎植物へ
にほんブログ村

にほんブログ村 花・園芸ブログ サボテンへ
にほんブログ村

この間行った新宿御苑の温室の続きです。今回は入り口付近の外周部のヤシの鉢植えと、熱帯雨林の林床環境っぽい部屋をご紹介しましょう。

240922094313686
トックリヤシ Hyophorbe lagenicaulis
小さな鉢植えですが、茎の基部が綺麗に徳利型になっています。モーリタニア原産。

240922094848361
トックリヤシモドキ Hyophorbe verschaffeltii
滑らかな幹肌が美しいヤシですが、まだ小さいので分かりません。モーリシャスのロドリゲス島原産の珍種。


240922094903115
ビンロウジュ Areca catechu
東南アジアでビンロウジュの実を噛む習慣があります。フィリピン原産ですが東南アジアに広く移植されています。

240922094911760
幹はこんな感じ。

240922094958211
ヤエヤマヤシ Satakentia liukiuensis
ヤエヤマヤシは八重山列島原産ですが、ヤエヤマヤシ属はヤエヤマヤシ1種しかありません。高さ25mに達する大型のヤシです。

240922095004461
根張りが強そうです。

240922095017001
アケビバナナ(ピンクバナナ) Musa velutina
ちょうどカラフルなアケビバナナの実がなっていました。耐寒性があるため、日本でも露地栽培可能らしいですね。アッサム、東ヒマラヤの原産。


240922095100630
こちらはバナナの実ができ始めています。
240922095125363
背は高くありませんが、葉は大きく通路にトンネルを作っていました。

240922095244256
ブラジルシシガシラ Blechnum brasilense
南米原産のシダ植物。ここからは半日陰のややジメジメした場所で、熱帯雨林の林床のようでした。


240922095344099
リュウビンタイも巨大でした。
240922095352229
リュウビンタイは塊状の塊根を持ちますが、これほど巨大な塊根は初めて見ました。

まだ温室は始まったばかりですが、思いの外内部は広く植物の密度が高いので、見どころが多くなかなか進めません。とはいえ、すべてを撮影出来ないので、これでもセーブしている方です。心残りはありますが、また来れば良いと思い諦めました。
続きはこの先にある空中遊歩道の様子です。ということで続きます。


ブログランキング参加中です。
クリックしていただけますと嬉しく思います。

にほんブログ村 花・園芸ブログ 塊根植物・塊茎植物へ
にほんブログ村

にほんブログ村 花・園芸ブログ サボテンへ
にほんブログ村

今年は植物園を沢山巡るつもりでいましたが、実際には忙しくそれほど行けませんでした。今年の夏はあまりにも暑いため植物園巡りは中断していましたが、最近は涼しくなったため、再開する運びとなりました。先ずは行きやすい新宿御苑へ行って来ました。

当時は雨の予報でしたが、その代わり少し涼しく陽射しが弱く過ごしやすい感じでした。朝イチで向かいましたが、弱い雨が降ったり止んだりしていました。
新宿御苑前駅から大木戸門まで、鬱蒼とした遊歩道を歩きました。入園料は500円ですが、1日券なので出入りが可能です。天候もよろしくないので、今回は温室にターゲットを絞ることにしました。ということで、温室に向かいます。

240922093712738
巨大なヒマラヤスギ。奥に見えるのが温室。
240922093734331
ヒマラヤスギに巨大な球果、いわゆる松ぼっくりがついていました。

240922093847104
温室は熱がこもらないようにか、壁がオープンになっています。真夏の密閉された温室は地獄ですからね。

240922093904057
途中に池がありました。

240922093910885
ハスの実がなっています。
240922093917717
花は遠くに1輪だけ咲いていました。
240922093921360
蕾は濃色で美しいですね。

240922093940566
ガガブタも咲き乱れていました。

240922093950032
ミズカンナらしき大型の水生植物が開花中。
240922094000445
涼しげな花。

240922094126302
入り口付近にはカラフルなクロトンなどの鉢植えが沢山ありました。

240922094107219
入り口付近の植栽にAloe arborescnens、いわゆるキダチアロエだとか医者いらずとか呼ばれている昔から日本で栽培されているアロエが、まあまあの群落を作っています。

240922094109271
巨大なアガヴェ。

さて、ようやく温室に入ります。どのような植物が見られるでしょうか?

240922094201025
斑入りのハイビスカスがお出迎え。上から垂れ下がって低い位置で咲いていました。

240922094237764
コモチクジャクヤシ Caryota mitis
東南アジア原産の面白い形の葉を持つヤシです。これは鉢植えの小株でしたが、板橋区立熱帯環境植物館では結実する様子を見ることが出来ました。


240922094253802
Ficus umbellata
最近ホームセンターでもよく見かけるウンベラータですが、熱帯性のイチジクですからまあそれなりに巨大に育ちます。西アフリカ、ギニア湾沿いの原産。


240922094324439
プルメリア
ちょうど開花中でした。中南米、カリブ海地域の原産。


240922094340211
サンタンカモドキ Acokanthera spectabilis
アカネ科のサンタンカに似ていますが、こちらはキョウチクトウ科で毒があるようです。覚めるような鮮烈な赤。南アフリカ原産。ちなみに、現在はA. oblongifoliaと同一種とされているようです。


240922094357440
巨大なビカクシダの塊。

240922094406297
アメフリノキ Samanea saman
「Rain Tree」と呼ばれるマメ科の樹木。テレビCMでお馴染みの「この木何の木」というあれですね。中米から南米北部の原産。現在では世界中の熱帯地域に植栽されているようです。

240922094430976
花が少し咲いていました。ネムノキによく似ていますが、ネムノキ属(Albizra)ではありません。

240922094503773
Portea petropolitana
ブラジル原産のパイナップル科植物。

240922094510787
タンクブロメリアなので水が溜まってますね。
240922094528074
蕾が沢山。

240922094543072
オウコチョウ Caesalpinia pulcherrima
見上げる高さにマメ科植物の葉が拡がっています。ジャケツイバラ(蛇結茨)の仲間のようです。その美しい花が見られなかったのは残念。中米原産ですが、世界中に植栽されているようです。


240922094613250
天井にツルが張っていました。名前が分かりませんが、アリアケカズラでしょうか?
240922094616674
割りと大型の花。

240922094712474
フウリンブッソウゲ Hibiscus schizopetalus
ケニア、タンザニア原産。まるで作り物のよう。


240922094805823
Dendrochilum
デンドロキラムが沢山並べてありましたが、如何せん地味なので無視されてました。しかし、デンドロキラムは香りの良い蘭として有名なので、嗅いで見ないと勿体ないですよ。

実は温室はまだ入り口付近です。まだまだ続きます。


ブログランキング参加中です。
クリックしていただけますと嬉しく思います。

にほんブログ村 花・園芸ブログ 塊根植物・塊茎植物へ
にほんブログ村

にほんブログ村 花・園芸ブログ サボテンへ
にほんブログ村

このページのトップヘ