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カテゴリ:植物園 > 板橋区立熱帯環境植物館

去年の12月に板橋区立熱帯環境植物館に行ってきましたが、その時の撮影した写真をご紹介しています。過去、4回に渡り不定期に記事にしてきましたが、本日で最後です。喫茶店で昼食をとった後、喫茶店脇の通路にあった植木鉢にも中々面白い植物がありました。

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喫茶店の脇に巨大なヤシの葉が見えます。1階に植えられている植物です。

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マニラヤシ Veitchia merrillii
こちらは通路に置かれた植木鉢のヤシです。すっきりとした形が美しいですね。


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Pachypodium geayi ?
何気なくパキポディウムがあったりします。名札がありませんが、ゲアイっぽい感じがします。


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花キリンが沢山咲いていました。

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サンゴアブラギリ Jatropha podagrica
サンゴアブラギリの花が咲いていました。昔から有名な塊茎植物です。


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Adenium obesum
塊根植物のアデニウムです。現在、A. arabicumやA. socotranumはA. obesumの異名となっております。特徴はやや異なりますが、産地毎の変異程度と考えられているのかも知れません。


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イランイランの木
イランイランの木も開花していました。香水の原料として有名で、私も香りをかぎましたが強い芳香がありました。それほど目立たないため、気が付かずに素通りしている人ばかりでした。実に勿体ないことです。


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ミドリサンゴ Euphorbia tirucalli
ミルクブッシュとも呼ばれ園芸的に一般的ですが、ユーフォルビアですから乳液は有毒で刺激性があります。世界中の暖地に植えられ帰化していますが、何かの薬となるのではないかと盛んに研究されています。


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トゲナシハナキリン Euphorbia geroldii
トゲナシハナキリンが開花していました。あまり盛んに分岐せず、直立しない姿が面白いですね。名前のようにトゲがありません。

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トゲナシハナキリンの花は丸みがあり美しいものです。

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キンゴウカン Acacia farnesiana
マメ科植物。可愛らしい花が咲いていました。「香りアカシア」と呼ばれ、香水にも使用されるそうです。しかし、匂いをかぐのを忘れてしまいました。残念。
現在では、アカシア属ではなくVachellia属とされているみたいです。


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Plumeria pudica?
特徴的な葉はP. pudicaだと思うのですが、名前を見るのを忘れてしまいました。

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花が咲いていましたが、見上げないと分からないため、見過ごしてしまいがちな気もします。

さて、と言うわけで初めて板橋区立熱帯環境植物館に行ってきたわけですが、私個人的には非常に満足度は高かったです。本で名前だけ知っているような熱帯植物を見ることが出来ました。施設の規模は小さいのですが、熱帯森らしく密度が高く見どころは沢山ありまます。入館料は安いので私はお得感がありましたが、熱帯植物に興味がなければ面白さも半減してしまうかも知れません。私は本で読んだフタバガキ科植物だのイランイランの木の花だのが見れて感激したわけです。無闇矢鱈に本を読んできましたが、たまには読書も役に立つこともあるものですね。次はどこの植物園に行こうか思案中です。


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去年の12月に板橋区立熱帯環境植物館に行ってきましたが、沢山の熱帯植物の写真を撮ってきたのでご紹介しています。前回までは熱帯低地林でしたが、本日は雲霧林に入ります。霧が発生する雲霧林はシャクナゲや蘭が見られます。

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非常に湿度が高く、窓が結露していました。しかし、あまりにも写真を撮りすぎたせいか、スマホが熱々に加熱してしまいました。シャッターが中々下りずブレてしまい、残念ながらほとんどの写真は駄目でした。

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ウツボカズラがよく育っていました。普通は傷みがちですが、湿度が高いせいか非常に綺麗です。

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カクチョウラン Phaius tankervilleae
立派な大型の地生ランです。洋蘭は基本的に着生種ですから、地生種自体があまり見かけません。他にもあちこちに蘭が咲いていましたが、そもそもカクチョウランはあまり見ない珍種ですね。この仲間は種類を見分けるのがとても難しいそうです。


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ジゴニシア 紫小町
聞いたことがない蘭でしたが、Zygopetalum x Aganisiaと言う組み合わせの交配種のようです。現在では、「× Zygonisia」と表記するようです。

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Coelogyne multiflora
100輪以上の花を咲かせるそうです。よく育った群生鉢は何本も花茎を出して実にゴージャスな雰囲気になります。

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Vanda
ちょうど良いタイミングでした。ヴァンダは豪華ですが、あまり家庭向きではないので憧れますね。


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Monstera deliciosa ?
ホウライショウも立派です。モンステラと呼んだ方が一般的ですね。しかし、一般的にホムセンなどで見るモンステラはM. adansoniiですが、こちらはM. deliciosaでしょうか? モンステラは詳しくないのですが、M. macrocosmと言う種類がM. deliciosaと混同されることもあると言います。しかし、M. macrocosmは学術的に記載がありません。一体、何者なのでしょうか?


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Medinilla magnifica
シャンデリアの様な花を沢山つけますが、残念ながら開花期ではありませんでした。神代植物公園の大温室では、5月のバラフェスタの時に咲いていましたね。


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Lecanopteris crustacea
こちらはウラボシ科のシダ植物ですが、変わった特徴があります。根元か膨れていますが、内部は空洞になっておりアリの巣になります。アリノスシダとも呼ばれ、何種類かあるみたいです。アリ植物は気になる存在ですが、初めて見ました。


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Hydnophytum
こちらは有名なアリノスダマです。種類は不明ですが、根元の膨らみは迷路状になっており、やはりアリの巣が出来ます。


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ヘゴ付けの蘭が沢山ありました。

さて、いよいよカメラの具合がよろしくないため、いい時間なので昼飯をとりました。熱帯環境植物館の2階にある「喫茶店クレア」と言うお店です。マレーシアなどのアジアンフードのお店です。ちょうど土日だけの営業のようです。グリーンカレーとブルーフラワーハーブティーを頼みました。
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グリーンカレーは少し辛いくらいで、ガチな店ほどではないので食べやすかったです。
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美しい青のティーです。
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レモン果汁を入れると色が変わります。
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混ぜれば紫色に変わります。しかし、酸っぱいため、ガムシロップを入れる作法のようです。個人的には青色の時がお茶らしいさっぱりした味で一番好きでしたが。

この後、カメラが復活したので、喫茶店の脇の通路で鉢植えの植物の写真を少し撮り、国際多肉植物協会の例会に向かいました。次回でラストです。


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去年の12月24日に行った板橋区立熱帯環境植物館で撮影した写真です。普段見ることが出来ない珍しい熱帯植物が沢山ありました。本日は熱帯低地林のラストです。

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コモチクジャクヤシ Caryota mitis
フィッシュテールパームと呼ばれる面白い形の葉を持つヤシ。スリランカでは糖蜜をとるようです。
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花が咲いていました。
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上の方には果実もなっています。実は2階の通路から近く、よく観察することが出来ます。
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2階から見ると、実にたわわに実っていることが分かります。
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果実は成熟すると黒みが増します。たまたまですが、良いタイミングでした。それほど頻繁に見られるものではないでしょうから。

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何気なく巨大なリュウビンタイの葉が茂っていたりします。ネームプレートはないので、知らないと素通りしてしまいますよね。葉をかき分けて見ると、根元に塊根があります。暗くて上手く撮れていませんでしたが。

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ちょっとした滝がありました。このような飛沫がかかるような場所には、周囲とは異なる植物が生えていたりします。ここでは、コウトウシュウカイドウが生態展示されていました。

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コウトウシュウカイドウ Begonia fenicis
八重山諸島などに分布するベゴニアです。渓流沿いの岩上に生えますから、滝の飛沫のかかる場所に植えるのは理にかなっています。


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熱帯では、このように背が高い樹木に着生したり、つる植物が巻き付いたりします。熱帯の雰囲気がよく出ていますね。

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ルンフソテツ Cycas rumphii
一見してヤシに見えるソテツです。高さ10メートルにもなるそうですが、幹は細く葉の雰囲気もありヤシに似ていますね。非常に分布が広いソテツで、種子が海流に乗って移動すると言われています。

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パラゴムノキ Hevea brasiliensis
ゴム産業のために世界中にプランテーションが作られ、森林破壊の原因の1つになった植物です。


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アブラヤシ Elaeis guineensis
パームオイルを採るためにプランテーションで栽培されるヤシです。パームヤシとも呼ばれています。ゴム産業が下火になってからは、アブラヤシかプランテーションの主役となったのでしょうか。他の油糧作物より油の収率は良いとされています。アブラヤシは2種類ありますが、こちらは西アフリカ原産のギニアアブラヤシですね。産業利用されるのはギニアアブラヤシの方です。

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カレーリーフ Murraya koenigii
ちょっと驚きました。これがあのカレーの木かと。
オオバゲッキツとも呼ばれているようです。香りの強い葉を香辛料として利用していますが、そのようなタイプの香辛料はミカン科が多いような気がします。カレーリーフもミカン科ですが、一見して山椒の仲間かなと思いました。山椒もミカン科ですからね。しかし、山椒ではないとのことです。ナンヨウザンショウと言う名前もあるようですが。
さて、かつて読んだ『香辛料の民俗学』(中公新書)では、カレーの木として出てきました。何でも、カレーの木の話をすると、カレーは木に生るものではないと説教されてしまうとのこと。

ちなみに、カレーリーフはMurraya属から分離され、現在はBergera koenigiiとなっています。Bergera属は1属1種の単形属です。

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オオベニゴウカン?
名札を見忘れたので何だか分かりませんが、外見的にはネムノキっぽいので、オオベニゴウカン(大紅合歓)かなあと思います。2階まで届くサイズなのでヒネム(緋合歓)ではないはず。沢山開花していました。
ちなみに、オオベニゴウカンの学名はCalliandra haematocephalaです。ボリビア原産ですが、世界中の暖地に移植されています。

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モクセンナ Senna surattensis
如何にもなマメ科植物です。ちょうど開花していました。樹形がよく花が咲くため世界中の暖地に移植されています。

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パパイヤ?
2階の通路からパパイヤらしき植物の花が見えました。日本だと高さ2〜3メートルになり、秋頃に青い実が実り寒さで枯れてしまいます。たまにスーパーでパパイヤの青い実が売っていることもあります。私はピーラーで細く削ってサラダにしたりして食べています。しかし、流石に熱帯環境植物館では2階までくるサイズに育っています。冬に枯れませんからね。

ここから先は雲霧林に入ります。とは言え、熱帯低地林は実はすべて見ていません。写真の撮りすぎでスマホのバッテリーが激減してしまったので、ショートカット出来る空中歩道を渡りました。まあ、また来ればよいだけのことです。バッテリーはあった方が良さそうですけどね。とりあえず、キリが良いので本日はここまでとしましょう。続きはまたそのうちにまとめます。


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昨日の続きです。去年の12月24日に板橋区立熱帯環境植物館で撮影した写真をご紹介しています。素晴らしい熱帯植物が無限にあるかのように植えられていました。

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ウチワヤシ Licuala grandis
非常に美しい団扇というか扇のような形の葉を持つヤシです。オウギヤシとも呼ばれるようです。


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Hopea odorata
熱帯雨林を構成する有名な樹種であるフタバガキ科植物です。本を読むとやたらにフタバガキ科と言う名前が出て来ますが、実際に見たことはありませんでした。根元だけの写真ですが、板根をつくるタイプの植物だからです。まだまだですが、少し板根化し始めているように見えます。


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何となく巨大なビカクシダがあったりします。

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セイロンニッケイ Cinnamomum verum
いわゆるシナモンです。強い匂いがありますが、クスノキの仲間ですから納得出来ます。実際の植物は初めて見ました。
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シナモンの葉は葉脈が目立ち観賞価値がありそうですね。

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ゴバンノアシ Barringtonia asiatica
面白い形の種子から発芽しています。種子はヤシの実のように海を漂うタイプです。しかし、この面白い種子から芽が生えた姿が面白がられて、たまに販売されていますが、やがて種子は朽ちてなくなり、木も巨大に育ちます。ですから、インテリア代わりの観葉植物としての寿命は短く、育てきれなくていずれ廃棄される運命にあります。隣に親木がありますが、日本では珍しい生長後の姿です。


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アマメシバ Sauropus androgynus
面白い花が咲いているなあと思いましたが、調べたらコミカンソウに近縁な仲間のようです。まあ、確かにそんな感じですね。スケール感はまったく異なりますが。ちなみに、漢字では「天芽芝」と書くようです。
国内でも健康食品化したことがあるようですが、気管支炎を誘発するらしく、販売中止となっています。しかし、実際に自生地では食用とされており、加熱調理の過程で毒性が分解すると言われているようです。

さて、現在ではBreynia androgynaとなっているそうですが、何やら少し事情が込み入っているみたいですね。コミカンソウ関連はごちゃごちゃしていてよく分かりません。

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Trevesia palmata
「スノーフレーク・ツリー」と呼ばれているようで、氷の結晶のような形の面白い葉を持ちます。葉は1メートルほどあります。ウコギ科らしい切り込みがある面白い葉です。

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サトウヤシ Arenga pinnata
樹液から砂糖を取る有名なヤシです。しかし、熱帯環境植物館はヤシが多いですね。植物園と言えど国内ではあまりヤシは見かけませんから、国内では貴重なものもあるのかも知れません。ただ、私がヤシに詳しくないため、それを実感出来ないことが悔やまれます。

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Alsomitra macrocarpa
ハネフクベと呼ばれる空を飛ぶ羽がついた種子を飛ばす植物です。たまにテレビで取り上げられていますね。
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羽のついた種子はグライダーのように高さ30〜40メートルから滑空します。

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ククイノキ Aleurites moluccanus
種子に油が沢山含まれるため、灯油にされたことからキャンドル・ツリーと呼ばれます。調べて出てくる画像と葉の形が異なりますが、これはおそらく異形葉性を示しているのでしょう。植物が若い時と成熟してからとで、葉の形が異なることは珍しいことではありません。異形葉性を示しやすいウコギ科ではなく、トウダイグサ科と言うことです。


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ビワモドキ Dillenia indica
植物分類学の本を読んでいた時に、ビワモドキ科と言う名前があり気になっていました。身近なビワモドキ科植物がありませんからね。私は初めて見ましたが、赤味がある幹が特徴的です。
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葉は強い葉脈があり、ビワの葉を連想させるからビワモドキなのでしょう。

すべての植物を撮影しているわけではありませんが、気になる植物が多すぎて中々進めません。ここまでで、実は温室入口から最初の角まで来ただけです。撮った枚数が多すぎて、載せていない写真もあります。しかし、終わりませんから先に進みます。と言っても、本日はここまでとしましょう。


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去年のクリスマス・イブに国際多肉植物協会の東京例会に出席しました。とは言うものの、実はメインの目的は植物園にあります。最近、植物園に行こうとアチコチ調べていたのですが、例会の会場は板橋区立熱帯環境植物館でしたから、ちょうど両方行けるので一挙両得だったのです。と言うわけで、去年の年末に行った板橋区立熱帯環境植物館の体験記です。長くなるので、記事は何分割かにします。

板橋区立熱帯環境植物館は焼却炉の熱で暖かくしている施設です。暖房要らずで温室を加温出来ますから、熱帯植物の栽培には最適です。
私も図鑑でしか見たことがない沢山の熱帯植物を見ることが出来ました。写真はもう大量に撮りましたから、ちょっとずつ記事にしていくつもりです。

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入口。この日は小中学生が無料の日でした。中に入ると子供が結構いましたね。

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地下一階からスタートしますが、最初の部屋は水槽が並ぶミニ水族館になっていました。

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クラゲもいました。

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淡水フグ。中々出て来てくれませんでした。

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ナイフフィッシュを直に見たの初めてです。

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オウギバショウ Ravenala madagascariensis
さて、階段を登ると、いよいよ熱帯林の温室が始まります。階段近くには大きなオウギバショウがありました。タビビトノキと呼ばれることが多いですよね。まだ小さいので、本来の美しい姿ではありません。


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ヒトデカズラ Philodendron selloanum
葉柄の跡が独特で良く目立ちます。あまりヒトデカズラとは呼ばれず、セロームの名前でよく観葉植物にされます。茎は自立しないので、地面をニョロニョロ数メートル這っていました。本来は樹木の幹に寄りかかって育つ登攀植物ですよね。
しかし、ネットではP. selloumと言う名前で流通していますが、実際にはP. selloanum、つまり「セロアヌム」です。さらに言えば、現在の正式な学名はP. bipinnatifidumだったりしますが、あまり知られていないように思われます。

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セロームの葉
地植えのせいか葉も巨大です。


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ウナズキヒメフヨウ Malvaviscus penduliflorus cv.
メキシコからコロンビア原産のアオイ科植物。下向きに花が咲くことから、「頷き」と命名されてようです。1日花なので、上手くタイミングが合いませんでした。本来は赤花です。また、フヨウと言っても、Hibiscusではありません。

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アダン Pandanus odoratissimus
いわゆるタコノキの仲間です。トカラ列島以南の海岸沿いに生えます。命名年からするとP. odoratissimusは1801年とかなり早いのですが、「nom.illeg.」、つまり命名規則の誤用があると言うことで、現在は保留名です。そのため、1804年に命名されたP. utilisがアダンの学名になっています。

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アダンの気根
アダンは枝や幹から気根を出して、地面に付くと根を張り独特の見た目になります。


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マカダミアナッツ Macadamia tetraphylla
誰も行かない階段脇にマカダミアナッツの鉢がありました。実がならないと目がいかないかも知れません。しかし、一般的にマカダミアナッツはM. integrifoliaとされていますが、こちらはM. tetraphyllaです。マカダミア属は4種類あるわけですが、皆同じようにマカダミアナッツとして食用になるのでしょうか?


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オヒルギ Bruguiera gymnorhiza
マングローブを形成する樹種の1つです。あまり目にする機会はありませんよね。

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上からオヒルギを見ていたら、巨大淡水エイであるヒマンチュラ・チャオプラヤが見えました。上からも見られることを知らない方も多そうです。

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他の樹木を突き破ってそそり立つ巨大なヤシの木がありました。ヤシはまったく分からないので、名前は分からず。

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キンカチャ Camellia chrysantha
中国原産の照葉樹。カメリア属ですから椿やお茶の仲間ですね。椿の原種には黄色系の色素がないため、大分騒がれたようです。しかし、残念ながら寒さに弱く日本では庭で育てられません。実はお茶としても利用されてきたようです。どのような風味なのでしょうか? ちなみに、現在の学名はC. petelotiiとなっています。

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バニラ Vanilla 
高額な香辛料ベスト3に入るバニラですが、熱帯のランの実から取れます。バニラのあの黒いつぶつぶは種子だったりします。種類は分かりませんが、バニラ属は100種類以上ありますから、私には判別出来ません。一般的なV. planifoliaと言うことになるのでしょうか?
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バニラは蔓性で天井まで伸びています。

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ムラサキモクワンジュ Bauhinia purpurea
熱帯温室はとにかく見上げると様々な発見があります。マメ科らしき面白い葉の樹木がありました。ムラサキソシンカと言う名前の方が一般的なようですね。
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面白い形の葉。若い葉は食用とされ、酸味が強いそうです。

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ハスノハギリ Hernandia 
これがハスノハギリかと少し興奮しました。そのせいかブレブレになってしまいました。H. nymphaeifoliaだったでしょうか。忘れてしまいました。ハスノハギリは南方系の海岸植物です。遺伝子解析によるAPG分類体系がほぼ完成しましたため調べていたのですが、ハスノハギリ科は身近に近縁種がないので、いつか見てみたいと思っていました。


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モモタマナ Terminalia catappa
暖地の樹木ですが、果実が浮くので海流に乗って分布を広げるのです。ヤシやマングローブと同じですね。東南アジアの熱帯林について書かれた本には良く登場する木です。

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Osmoxylon lineare
初めて見た知らない植物です。ヤツデと同じウコギ科植物と言うことです。葉の切れ込みが激しいですね。

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開花中でした。

実は以上の植物は、順路の始まり付近に植えられていたものだけです。かなりの密度で沢山の熱帯植物が植えられていました。ですから、同じ場所に10分以上ウロウロしていましたから、大分不審者風だったかも知れません。
板橋区立熱帯環境植物館はそれほど大きな施設ではありませんが、注意して見れば実に面白いものです。それなりに人は入っていたにも関わらず、私のように立ち止まり観察したりラベルを確認する人は見かけませんでした。実に勿体ないことです。植物園は事前知識があるとより楽しむことが出来ます。知らなければただの風景ですが、知っていればそこは宝の山になります。熱帯林について書かれた本やら図鑑やらを2、3冊読むだけで世界が一変します。皆様も植物園に出かけてみては如何でしょうか?


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