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カテゴリ: 植物園

5月に行った伊奈町制施行記念公園のバラ園の記事の続きです。400種5000株のバラが咲き乱れていましたから、どこを歩いてもどこを見ても一面のバラの花でした。


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Candia Meidiland
2006年にフランスで作出された、S系統の花弁の裏が白いバラ。シンプルですが美しいですね。



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Summer Dream
1988年にアメリカで作出されたF系統のバラ。サイトにより1987年にイギリスで作出、あるいは1989年にアメリカで作出など、情報が混乱しています。



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Frau Holle
2006年にドイツで作出されたS系統のバラ。名前はグリム童話からでしょうか?



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Pashumina
2008年にドイツで作出されたS系統のバラ。花弁が非常に多く、房咲きで咲くと花束のようです。



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Alba Meidiland
1985年にフランスで作出されたS系統のバラ。小輪ですがポンポン咲きでかわいらしいですね。

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ものすごい蕾の数です。


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名前を見るのを忘れましたが、乱れ咲きです。


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Heritage
1984年にイギリスで作出されたS系統の強香バラ。



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ここは記念撮影スポットの1つみたいです。ちょうど満開で大変豪華でした。



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今年の5月に東京都薬用植物園に行きましたが、その記事の続きです。薬用植物がメインですから、基本的に地味であまり見栄えしませんが、図鑑でしか見たことがないような植物が沢山見られます。


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ヒュウガトウキ(日向当帰) Angelica furcijuga
九州原産のセリ科植物。絶滅危惧II類(VU)。山人参と呼ばれ民間薬とされました。現在でもサプリメントなどにされているようですが、その効果は定かではありません。ちなみに、現在ヒュウガトウキはイヌトウキ(A. tenuisecta)の変種とされているようです。


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ニチニチソウ(日々草) Catharanthus roseus
(Vinca rosea)
花壇に植えられる園芸植物として一般的ですが、有毒植物でもあります。まさかのキョウチクトウ科でしたが、よく花を見ると確かにそんな感じですね。しかし、白血病や悪性リンパ腫などに利用する抗腫瘍剤の原料でもあります。マダガスカル原産というのも意外です。



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ライムギ Secale cereale
なぜ、薬用植物の区画にライ麦が栽培されているのか不思議でしたが、ライ麦に寄生する麦角が製剤原料という意味でした。麦角はついていませんが、納得です。麦角出来た麦は毒性が高く、食べてしまうと危険ですが、日本ではほとんど発生しないそうです。しかし、麦角からは様々な薬となる成分が分離されているのと同時に、幻覚剤である違法薬物LSDの原料でもあります。

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よく見ると雄しべが出ていました。要するにこれが開花の様子です。イネ科植物は風媒花なので、花粉媒介者を呼び寄せる必要がないため基本的に地味な花です。しかし、風媒花であるがゆえに大量の花粉をばらまく必要があるため、イネ科植物は花粉症の原因植物となります。


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ジギタリス Digitalis purpurea
「狐の手袋」の名前でも知られ、花壇に植えられるポピュラーな草花です。しかし、全体的に強い毒性がありますが、これは食べなければ問題はありません。

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頂点の花は開いて形がやや崩れがちです。
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こちらの頂点の花は奇形ですね。珍しいようにも見えますが、ちょっとした切っ掛けでこういうことは起きたりします。


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シュッコンアマ(宿根亜麻) Linum perenne
多年生の亜麻。ちらほら花が咲いていました。

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淡い青みがかるかわいらしい花でした。


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ベニバナトチノキ(紅花栃木) Aesculus carnea
アカバナトチノキとセイヨウトチノキ(マロニエ)の交配種。学名は交配種ですから、Aesculus × carneaとなっています。
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花色が濃く花穂も大きいですね。


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イチハツ(一初) Iris tectorum
中国原産のアヤメ科植物。根茎は有毒ですが、食中毒の時に吐剤や下剤として利用したこともあるそうです。日本への到来は室町時代と古く、茅葺き屋根の上に植える風習があったそうです。



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5月に行った東京都薬用植物園の記事の続きです。お目当てのご禁制品(ケシ)の花はすでに見たわけですが、とにかく気になる植物が沢山あります。かつて図鑑でみたあの植物が…! という感動で写真を撮りまくりました。


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フジバカマ(藤袴) Eupatorium fortunei
よく聞く植物ですが初めて見ました。秋の七草で、ありふれた植物でしたが、草地の減少により現在は準絶滅危惧(NT)となってしまいました。全草を生薬とし、「蘭草」と呼んだそうです。
古い時代に中国から渡来した帰化植物とされてきましたが、現在では日本の固有種で中国の個体は帰化植物とみなされているようです。学名はE. fortuneiが一般的でしたが、現在はE. japonicumとされています。



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ラフマ(羅布麻) Apocynum venetum
中国では古くから葉をお茶代わりに用い、ラフマ茶、ヤンロン茶(燕龍茶)と呼んだそうです。ただし、根は有毒とのこと。かの「さまよえる湖」たるロプノール(羅布泊)に多く、繊維を採っていたことから「羅布麻」と呼ばれたようです。



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スイカズラ(吸葛) Lonicera japonica
ケシの檻の隣にありますが、非常に強い甘い香りを周囲に漂わせていました。葉や茎を忍冬、花を金銀花と呼んで漢方に利用するそうです。

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なるほど、「金銀花」という名前に納得しました。


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クコ(枸杞) Lycium chinense
漢方の原料植物。杏仁豆腐に乗っているのがクコの実です。



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セイヨウニンジンボク Vitex agnus-castus
ヨーロッパでは果実を月経不順などに民間薬として利用してきたそうです。プリニウスの『博物誌』にも記載があるとのことで、その利用は恐ろしく古いようですね。


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リクチメン(陸地綿) Gossypium hirsutum
いわゆる「綿」で、もっとも一般的な綿です。アオイ科であるというのは知りませんでした。


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ノグルミ(野胡桃) Platycarya strobilacea
胡桃と言っても食用にはならない胡桃です。
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花穂が出ていました。
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古い実が付いていましたが、イガイガした形で一般的な胡桃のイメージとは異なりますね。


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イブキトラノオ Polygonum bistorta
根茎を「拳参」と呼んで民間薬として利用しているそうです。現在はBistorta officinalisとなっています。これは、旧・タデ属(Polygonum)が分割されたためです。園内には分割された属の植物もあり、ツルドクダミ(Reynoutria)がありましたね。


本日はここまでとしましょう。次回は製剤原料植物や海外の植物を見ていきます。



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東京都薬用植物園の記事の続きです。相変わらず漢方薬原料植物や民間薬原料植物の辺りを彷徨っています。気になる植物が多すぎて、なかなか抜け出せません。


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カイケイジオウ Rehmannia glutinosa forma huechingensis
漢方では根を「地黄」と呼んで利用するそうです。いかにもなゴマノハグサ科植物の花。カイケイジオウは基本種のアカヤジオウ(R. glutinosa)の異名扱いのようです。


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ニッケイ(肉桂) Cinnamomum okinawaense
楠(C. officinarum)は割りとどこでも見られますが、ニッケイは見ませんね。シナモンの仲間ですが、根の樹皮を民間療法で利用するそうです。説明によると沖縄・徳之島の原産ですが、C. sieboldiiとして中国南部・インドシナ半島の原産とする説もあるそうです。
しかし、Wikipediaでは中国・インドシナ半島原産のC. loureiriiとされたものの、C. sieboldiiとして独立したとあります。この学名は江戸時代にシーボルトが日本で採取したニッケイの標本を元に命名されたものということです。

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一応、キュー王立植物園のデータベースを確認しましたが、現在の学名はC. sieboldiiのようです。C. okinawaenseは「配置がない名前」とのことで、南西諸島の植物とされてはいるものの、何を指しているかは不明のようです。ですから、C. okinawaenseはニッケイの異名とされていません。また、C. loureiriiは出てきませんでしたがベトナム原産のC. loureiroiという種はあります。どうやら、C. loureiriiは誤記でC.loureiroiが正しいそうです。


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クララ Sophora flavescens
妙な外見と名前の植物ですが、マメ科と聞いて納得しました。近年、花木として流通しているニュージーランド原産の「リトルベイビー」と同じソフォラ属です。ただ、クララは樹木ではなく多年草です。「クララ」は「眩草(くららぐさ)」から来ており、根はクラクラするほど苦いことに由来するとのことです。漢方では「苦参」(くじん)と呼ばれるそうです。



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ハナスゲ Anemarrhena asphodeloides
中国原産で解熱などに利用される漢方原料。生薬としては「知母」と言うそうです。江戸時代に渡来した多年生です。
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複雑な花色の美しい花を咲かせますが、残念ながらまだ蕾でした。


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チャノキ Camellia sinensis
いわゆるお茶の木。実はちゃんとチャノキを見たのは初めてです。
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カメリア属、つまりは椿の仲間です。葉はそれほど椿感はありません。晩秋に椿に似た花を咲かせるそうです。


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ラシャカキグサ Dipsacus fullonum subsp. sativus
畑に植えられた野菜に見えますが、頭状果序で羅紗を起毛させるために利用した植物ということです。栽培種でオニナベナに由来すると考えられています。
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まだ蕾ですが、イガイガの頭状果序を予感させます。オニナベナのイガは直線的ですが、ラシャカキグサは鉤爪状とのこと。起毛させるのに便利な変異が選抜されてきたのでしょう。


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ベンケイソウ Hylotelephium erythrostictum
(Sedum erythrostictum)
「景天」と呼ばれ腫れ物や虫刺されに外用する民間薬としての利用があったそうです。

EcheveriaやSedum、Kalanchoeなどの仲間はベンケイソウ科に分類されますが、ベンケイソウ科の由来である実際のベンケイソウ自体は見たことがありませんでした。


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オオベンケイソウ Sedum spectabile
ベンケイソウの名札はHylotelephium属なのに、オオベンケイソウはSedum属なのはやや謎ですが、現在はHylotelephiumです。


漢方薬原料植物はそろそろ終わりで、次は民間薬原料や製剤原料植物をメインに見ていきましょう。



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東京都薬用植物園の記事の続きです。前回はあへん法で栽培が基本的に禁止されているケシと、園芸用に栽培が可能なケシについてでした。今回は「漢方薬原料植物区」に戻ります。「民間薬原料植物区」や「製薬原料植物区」もごちゃ混ぜで撮影していますから、たぶん色々混ざっていますから悪しからず。


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ツルドクダミ Polygonum multiflorum
(Fallopia multiflora)
見た瞬間、少し驚いたのですが、それは私的な話ですので、また別に記事にします。
それはそうとして、日本薬局方に記載されているカシュウ(何首烏)で、塊根を利用する漢方薬原料です。中国や台湾が原産地。

ドクダミはドクダミ属(Houttuynia)ですが、ツルドクダミはタデ属(Polygonum)ですから、他人の空似ということになります。()に書かれたFallopiaはソバカズラ属で、かつてはイタドリ(F. japonica)を含んでいました。しかし、イタドリは現在Reynoutria属とされています。そして、ツルドクダミもまた現在はReynoutria属とされているようです。


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チュウマオウ Ephedra intermedia
いわゆる麻黄で、様々な漢方薬に使用されます。風邪の初期症状の発熱や寒気、筋肉痛、咳などに効果があるとされています。
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ちょうど花が咲いていました。


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オオバナオケラ Atractylodes ovata
中国原産の漢方薬原料。塊根は白朮という名前で様々な漢方薬に利用されます。種としてはホソバオケラ(A. lancea)と同一種扱いのようです。


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シオン(紫苑) Aster tataricus
花は咲いていませんが、花を見ればアスターであることがわかります。漢方としては鎮咳・去痰作用があるとのこと。絶滅危惧II類。


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ミシマサイコ(三島柴胡) Bupleurum falcatum
一見してなんてことはない草ですが、妙な名前なので名前だけ頭に残っていました。やはり、漢方薬として利用されます。



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サンシュユ(山茱萸) Cornus officinalis
いかにもなミズキ科の葉ですね。中国や朝鮮半島の原産。
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実がなっていました。果肉部分を漢方として強壮や収斂に利用されるそうです。


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シャクヤク(芍薬) Paeonia lactiflora
芍薬は芍薬甘草湯で知られる通り、漢方薬として利用されます。
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美しい花は牡丹が終わった頃に咲き始めます。


というわけで、東京都薬用植物園をダラダラ歩いて撮影して回っています。普段はあまり見かけない植物との出会いは、今まで行ったすべての植物園に共通します。しかし、東京都薬用植物園では、ネームプレートの立った圃場に一年草を植えて育成しているところは、他の植物園とは異なる特徴です。薬用植物を展示するという目的なためでしょう。個人的には面白くてなかなか進めずやたらに時間がかかりました。さて、次回も圃場をぶらぶらします。



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ゴールデンウィーク中に東京都薬用植物園に行ってきました。お目当ては5月が見頃のケシの花です。ケシと言ってもポピーではなく、あへん法で栽培が禁止されているアヘンやモルヒネの原料となる植物です。


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ケシを栽培している区画は、厳重な二重の檻の中にあり、監視カメラで監視されています。しかし、ケシの開花期だけは外の檻の一部が開放されます。


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檻越しに見るケシ畑。


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色とりどりのケシ(Papaver somniferum)が咲いていました。こちらは「トルコ種」とありました。蜜蜂が沢山来ていましたね。


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こちらは「一貫種」。一貫種は日本で作出されたアヘン収量が多いとされる品種。


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こちらは園芸種です。


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八重咲きの園芸種。


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こちらも八重咲きの園芸種。果実である芥子坊主が沢山見えます。芥子坊主を傷つけて出てくる乳液を集めて固めたものが生アヘンです。


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アツミゲシ Papavera setigerum
日本では渥美半島で初めて見つかった帰化植物。モルヒネやコデインといったアルカロイドを含み、栽培は禁止されています。しかし、繁殖力が強いため庭や畑地に生えてきて、たまにその駆除がニュースになります。


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東京都の運営ですから、違法な植物に対する啓蒙に力を入れているようで、見分け方のパネル展示がありました。説明によると、違法なケシの葉のあまり切れ込まず、葉柄が茎を抱き込み、ほとんど毛がありません。対する違法ではないケシは、葉は深く切れ込み、葉柄は茎を抱き込まず、剛毛があるとのこと。


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モンツキヒナゲシ Papaver commutatum
こちらは、檻の外にある違法ではない園芸で利用されるケシです。「ケシ比較植物」と書いてありましたから、わざわざ比較用に栽培されているということでしょう。
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「ポピー・レディバード」や「ピエロ」の名前で流通しているそうです。


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アイスランドポピー Papaver nudicaule
シベリアヒナゲシ。一般的なポピーです。当然、違法ではありません。学名は2021年にOreomecon nudic aulisとされているようです。


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ヒナゲシ Papaver rhoeas
別名、「虞美人草」とありました。違法ではありません。


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シャーレーポピー Papaver rhoeas 'Shirley'
ヒナゲシの園芸品種。違法ではありません。


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ハナビシソウ Eschscholzia californica
Papavera属ではありませんが、「カリフォルニアポピー」と呼ばれるケシ科植物です。違法ではありません。


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アザミゲシ Argemone mexicana
「メキシカンポピー」と呼ばれる熱帯アメリカ原産のケシ科植物。葉がアザミのように激しい切り込みます。違法ではありません。



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ナガミヒナゲシ Papaver dubium
ナガミヒナゲシはここ10年ほどで爆発的に増え、あっという間に帰化した外来種です。特定外来生物には指定されていませんが、厄介な植物です。花が綺麗なため、積極的に駆除されにくいような気がします。困ったものですね。


というわけで、あへん法で規制されたケシを見ることが出来ました。東京都薬用植物園は日本国内で唯一、違法ケシを見ることが出来る植物園なんだそうです。大変、貴重な体験でした。さて、次回は「漢方薬原料植物区」に戻り、「民間薬原料植物区」、「製剤原料植物区」も見ていきます。



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東京都下の小平市にある東京都薬用植物園に行ってきました。4月は忙しく植物園巡りは中断していましたが、ようやく再開します。
東京都薬用植物園は管轄が東京都保険医薬局なため、薬草や毒草、さらには御禁制品(ドラッグ)まで扱う特殊な植物園です。時期的に冬は何も生えてなさそうですから、暖かくなるのを待っていました。5月中旬は「あへん法」で栽培が禁止されているケシの花が見頃とのことで楽しみです。


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西武拝島線の東大和市駅から降りて直ぐに入口があります。


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入口には巨大な赤松がありました。黒松の方が一般的に植栽されますが、黒松は海岸沿いに生える植物なため、赤松が本来の植生です。しかし、黒松は枝ぶりや樹形、幹肌の荒れ模様が豪壮で良いため、植生されるのは大抵は黒松です。というわけで、赤松は市街地ではあまり見かけない樹木となりました。
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この赤さが赤松たる所以です。
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東京都薬用植物園では、このように成分や詳細な用途が書かれています。薬用植物園らしいですね。


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ナギイカダ Ruscus aculeatus
トイレの植え込みが、まさかのナギイカダです。ちょうど実がなっていました。地中海沿岸に自生し、明治初期に渡来したようです。



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アオノリュウゼツラン Agave americana
なんとなくアオノリュウゼツランがあります。



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キダチアロエ Aloe arborescens
キダチアロエは放置していても、いつの間にやら群生しがちです。


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クサノオウ Chelidonium majus var. asiaticum
クサノオウが開花しています。ケシ科の有毒植物。現在はC. asiaticumとして独立種になっているようです。

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花はアブラナに似ています。


さて、先ずは「漢方薬原料植物区」に向かいます。隣接する「有用樹木区」も一緒に見ていきます。


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フランスカイガンショウ Pinus pinaster
「海岸松」という意味のようです。
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葉が長く枝が繊細な松です。


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ヤマモモ Myrica rubra
まだ小さいですが、ヤマモモの実がなっていました。
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どうやら、漢方としての用途もあるようですね。


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アオツヅラフジ Cocculus trilobus
アオツヅラフジはブルームに覆われた青い実がなり、個人的には観賞に耐える植物だと思っています。漢方薬としては「木防已」と呼ばれますが、市場性はないそうです。
学名は2020年にNephroia orbiculataとなりました。日本の分類学ではCocculusは「アオツヅラフジ属」でしたが、その代表格たるアオツヅラフジが、別属となってしまったため今後どうなるのか気になります。


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アサクラザンショウ Zanthoxylum piperitum form. inerme
山椒のトゲがない品種。多肉植物でも「inermis」というトゲのない種類はありますね。
アサクラザンショウは、かの牧野富太郎が記載した植物ですが、現在サンショウに亜種・変種・品種は認められておりません。

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まだ若い実がなっていました。


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ブドウサンショウ
アサクラザンショウから派生した品種で、実が大きいとのこと。

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実はなっていましたが、まだ若いのでその違いは明らかではありません。


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ウド Aralia cordata
「うどの大木」と言いますが、ウドを見るのは初めてです。まあ、本当に大木にははなりません。

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若芽や根茎を食用にしますが、漢方としての利用もあるそうです。知りませんでした。


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フユアオイ(冬葵) Malva verticillata
見た感じはゼニアオイですが、フユアオイは初めて見ました。種子や葉を漢方として利用するそうです。
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花を見ると違いは一目瞭然ですね。


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カラスビシャク Pinellia ternata
カラスビシャクは畑地では割りとポピュラーな雑草です。「半夏」という名前で漢方として利用されるそうです。



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バショウ(芭蕉) Musa basjoo
中国原産と考えられているバショウですが、耐寒性があるため日本でもたまに庭に植栽されます。日本には江戸時代に入ってきたそうです。
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ちょうど花が咲いていました。小さなバナナがなっていますが、大きくはならず食用には向きません。生薬としての利用はあったようですね。


記事が長くなったので、続きは次回としましょう。しかし、この植物園は素晴らしいですね。気になる植物が多すぎて、なかなか進めません。「漢方薬原料植物区」で30分以上うろついてしまったため、このペースでは明らかに他を見る時間がなくなります。中断してケシを見に行きました。というわけで、次回はお楽しみのケシの様子を記事にします。



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3月に行った筑波実験植物園で開催されたつくば蘭展の続きです。蘭展の展示物を一通り見た後、サバンナ温室と熱帯雨林温室をさっと廻りました。

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温室の入口にあるAdenia glaucaが芽吹いています。
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よく見ると、蕾が出来ていました。

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吹上 Agave stricta
激しく分頭しています。


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瑠璃丸 Ferocactus alamosanus
花が終わった瑠璃丸。あまり聞かない名前のフェロカクタスです。


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Pseudobombax ellipticum
2月に訪れた時にも咲いていましたが、低い位置の枝にも花があったので撮影してきました。


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パンヤノキ Ceiba pentandra
パンヤノキも開花中でした。
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花はこんな感じ。見上げないとわかりません。
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パンヤノキの実からとれた綿。実はあちこちに綿が散乱していました。
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中央にある果実が熟すと開裂して、綿が出てくるわけです。

さて、サバンナ温室を出たら熱帯雨林温室に向かいます。

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Michelia platypetala
中国原産のMichelia、つまりはオガタマノキ属です。オガタマノキ属はあまり見かけませんから、花を見ることが出来てラッキーでした。しかし、いつの間にやらオガタマノキ属はモクレン属(Magnolia)に吸収されてしまったようです。というわけで、現在の名前は、Magnolia maudiae var. platypetalaとなっているようです。

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柔らかそうな花弁がある大型の花です。美しいですね。

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Dendrobium palpebrae
こちらは熱帯雨林温室内のデンドロビウムです。着生させた生態展示となっています。

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ヒスイカズラ Strongylodon macrobotrys
ヒスイカズラは満開で、あちこちに花がありました。相変わらずすごい色合いです。

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ミツマタ Edgeworthia chrysantha
以前来た時はまだ蕾でしたから、最後に見てみました。

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開花していました。リベンジ成功です。

というわけで、3月末から始まった筑波実験植物園のつくば蘭展の記事は今回で終了です。長々と1カ月もかかってしまいました。4月は植物園にはいけませんでしたから、5月は何処かに行きたいですね。


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3月に行った筑波実験植物園で開催されたつくば蘭展の記事の続きです。記事の更新間隔が空き過ぎて、未だに終わりません。さて、熱帯資源植物温室の続きですが、つくば洋蘭会、水戸市植物公園蘭科協会、らん友会龍ケ崎といった愛好家団体の育てた素晴らしい蘭を見ていきます。

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Arpophyllum giganteum
一見して蘭に見えないアルポフィルムです。小さな苗から始めて、なんと16花茎も咲かせるまで育て上げたそうです。確かにお見事。

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よく見ると、一輪一輪は蘭の花の形をしています。

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Den. smillieae fma. album
大型の蘭ですが、実に奇妙な花を咲かせています。
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とても不思議な形状です。「fma. album」とありますが、「album」は白いことを表しています。「fma.」は「forma」の略ですが、一般的には「f.」の方が馴染みがあるような気がします。この場合、「fma.」は品種ですから、Dendrobium smillieaeの花が白い品種ということになります。

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Baptistonia echinata
初めて見る蘭です。垂れ下がり沢山の花をつける面白い蘭ですね。調べてみましたが、旧・Onc.系みたいです。しかし、Gomesaに吸収されてしまったようで、Baptistoniaは消滅した模様。

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Comp. Oberhausen
Onc.系の形の花は基本的に黄色いので、Comparettiaの紅色は非常に目を引きますね。OberhausenはComp.同士の交配種とのこと。


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こちら温室内のバナナの花。蘭展なので中々目線が上に向きませんが、見どころはあちこちにあります。

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中央の広場の樹木に花が咲いていました。
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トサミズキ(Corylopsis spicata)でした。

というわけで、3月に行った筑波実験植物園のつくば蘭展の記事は今回で終了です。しかし、蘭展とは関係ないサバンナ温室も見てきましたから、次回で最後です。今は忙しくて遠出は難しいのですが、手が空いたら植物園に出かけましょう。


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3月に行った筑波実験植物園で開催されたつくば蘭展の続きです。前回は研修展示館を見ましたが、今回からは熱帯資源植物温室に入ります。ここでは、つくば洋蘭会、水戸市植物公園蘭科協会、らん友会龍ケ崎といった愛好家団体の、丹精込めて育てた蘭を見ることが出来ました。

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入ると直ぐに蘭が目に入ります。まずはアイスキャスケード系の枝垂れるCymbidiumがお出迎え。

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Rth. Shinfong Little Sun
目を引く鮮烈な色合いです。Rth.はRhyncattleanthe、つまりはRhyncholaelia × Cattlea × Gualiantheの交配。

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C. intermedia
こういう淡い色合いのカトレアは結構好きですね。


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Onchstele Wildcat
強烈な印象のオンコステレ。略号はOns.。RhynchosteleとOncidiumの交配。


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蘭の雛壇。

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Ren. imschootiana
Renantheraは巨大で花も大きく沢山つきますから、だの蘭展でもインパクトが強いですね。特にこの個体は花茎が沢山出ていて見事です。


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Den. Chantaboon Sunrise
小型のデンドロビウムですが、これは見事ですね。

というわけで、蘭愛好家の方々の育てた素晴らしい蘭ですが、すべてではなくこれは極一部に過ぎません。というわけで、もう少しだけ続きます。


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3月に筑波実験植物園で開催されたつくば蘭展の記事の続きです。今回は研修展示館の1階の展示を見ていきます。

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Vanilla borneensis
念願のヴィニラの花です。あちこちの植物園でヴァニラを見ましたが、残念ながら花は見たことがありませんでした。蘭としては割りと地味な花ですが、ボルネエンシスは白い花茎が目立ちますね。

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よく見ると可憐な花ですね。

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Vanilla planifolia
もっとも一般的なヴァニラ。残念ながら花はありませんでしたが、沢山の果実がなっていました。黒く変色した果実は、強いヴァニラの香りを放っていました。


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様々な蘭が展示されています。

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チケイラン Lyparis bootanensis
ヒマラヤから東南アジア、日本まで広く分布する竹慧蘭です。花は咲き終わったようにも見えますが、小さな花が咲いています。
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不思議な形の花です。すでに受粉しているように見えますが、まだ花が付いているのでしょうか?

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Strongyleria pannea
非常に小さな花ですが、拡大すると密な毛に覆われていました。


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Phreatia vanoverberghii
蘭好きを名乗っておいて、お恥ずかしい話ながらフレティア属は知りませんでした。「lace orchid」と呼ばれるようで、非常に小さな白い花が密につきます。面白い蘭です。


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Bulbophyllum lemniscatoides
ブルボフィルムは非常に多様かつ印象的な風変わりな花を咲かせます。目立たない小さな花が房状に垂れ下がります。花からは長い毛が出ており、風が吹くと垂れ下がった花穂が揺れます。ブルボフィルムにはこのように風で動くものがあり、花粉媒介者のハエに対するアピールとされているそうです

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Bulbophyllum acuminatum
ブルボフィルムではメジャーな形態の花です。このタイプは、根元の花弁が風でぴょこぴょこ動いたり、毛の房がついていて風でチラチラ動いたりします。まあ、大抵は著しい異臭があり、冬に締め切った部屋にあると結構臭いです。

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Bulbophyllum sp.
これは一体どういう形の花なのか、よく分かりません。基本的な蘭の花の形状からすると、目立つ3枚は萼片でしょうか?よく見ると中央に小さなリップらしき構造があるようにも見えます。

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Kandelia candel
これは蘭ではなく、水生植物温室のマングローブです。水生植物温室は研修展示館とくっついていますからね。一応寄ったら咲いていました。メヒルギの花は初めて見ました。貴重な体験です。

研修展示館の展示はかなり多く、流石に撮りきれなかったため、撮影したのは極一部です。他の蘭展ではあまり見ることがないような珍しい蘭を沢山見ることが出来ました。さて、最後は熱帯資源温室に展示された蘭を見ましょう。


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さて、本日も3月に筑波実験植物園で開催されたつくば蘭展の記事です。今回から研修展示館の展示を見ていきます。やはり、花のもっとも重要な役割である受粉のための、花粉媒介者との関係について取り上げられていました。

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これは、香りのある蘭で、嗅ぎ比べる企画です。カトレアのような甘い香りではなく、ややきつめの香りでした。

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Lycaste puntarenasensis
リカステは花弁が小さく萼片が大きい特徴的な花を咲かせます。リカステは交配系の大型花に見慣れているせいか、原種は逆に新鮮な感じがします。

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Miltoniopsis roezlii
ミルトニアではなくミルトニオプシスでした。ウェブ上では、黄色い花のロエズリィは変種xanthinaとされている雰囲気ですが、どうでしょうかね?

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Coelogyne cobbiana
これは、いかにもな旧・Dendrochilumですが、2021年にコエロギネ(セロジネ)に吸収されました。

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筑波実験植物園では、希少な蘭がこのように培養されて維持されています。ただのテーマパークではなく、研究施設としても重大な役割があるのです。

蘭もまた他の多くの顕花植物と同じように、花粉媒介者により受粉します。蘭に限らず、一般的には昆虫が多く、中でも花粉媒介者として汎用的なのは蜂でしょう。しかし、蜂だけではなく、蝶や蛾、ハエなどでも受粉するものもあります。さらに言えば、鳥やコウモリにより受粉する植物すらあります。蘭の多様な花粉媒介者を示す良い展示がありましたのでご紹介しましょう。
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Preptanthe rubens
こちらは、蝶により受粉するタイプの花です。このように長い距がある花は、蝶や蛾がメインターゲットです。距に溜まった蜜を吸えるのは、長い口吻を持つ鱗翅目の昆虫だけです。しかも、このように明るい色合いの花は基本的に昼咲性ですから、訪問するのは蝶ということになります。ただし、蜂は距に穴を開けて盗蜜しますが、反則技なので受粉には寄与しません。

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Dendrobium sp.
ニューギニア原産のデンドロビウム。

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鳥により受粉する鳥媒花です。鳥がクチバシを差し込める太さ長さの筒状の花です。鳥媒花の多くは赤やオレンジ色です。筒状で赤〜オレンジ系統の花を咲かせる多肉植物では、アフリカではアロエやガステリア、新大陸ではFouquieriaやCleistocactus、Oreocereus、Denmoza、Matucanaあたりも鳥媒花ですね。

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Bulbophyllum lobbii subsp. breviflorum
東南アジア原産の着生ラン。ブルボフィルムは赤褐色の花(腐肉色)が多く、腐敗したような異様な臭気を持つものが多くあります。これはハエを呼ぶためで、このような色合いの花は腐肉臭、あるいはキノコ臭を持ちます。巨大な花で有名なラフレシアやショクダイオオコンニャクも腐肉色で腐敗臭を持ちハエを呼びます。多肉植物では旧・ガガイモ科のStapeliaやBrachystelmaは強烈に臭います。


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Angraecum leonis
アングラエクム(アングレカム)は、非常に長い距を持つ白い花を咲かせます。長い距を持つ花の花粉媒介者は鱗翅目ですが、花色が白色や緑色、クリーム色の花の中には夜咲性のものがあります。この淡い色合いは、夜に咲くので花粉媒介者に色が認識されないため退化したのでしょう。つまりこれは、蝶ではなく蛾による蛾媒です。夜咲性の花は良い香りのものもあります。いつぞやの世界らん展日本大賞で、アングレカムの花の香りの香水が展示されていましたね。そういえば、Lophocereusの中には蛾媒のものがあるという記事を書いたことがあります。


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Dendrobium linawianum
中国、台湾原産のデンドロビウム。蜂により受粉します。蜂を花粉媒介者としていない花にも蜂は訪れ、蜜や花粉を集めます。日中に咲いている花なら何でも良いわけです。まあ一応、好みの花色はあるようですけどね。ただし、蜂は咲いていれば蜜がなくても花に来ますが、蜂がちゃんと花粉を媒介するとは限りません。花により適不適というものはありますからね。
そういえば、特にカトレアなどの蘭はリップの中央は濃い色合いですが、これを蜜標(nectar guide)と呼びます。花が花粉媒介者のために用意した、花の中心近くにある花蜜の目印です。


さて、つくば蘭展の企画展示はここまでです。あとは、研修展示館の1階の展示室の珍しい蘭の展示と、熱帯資源温室につくば洋蘭会の展示があります。というわけで、つくば蘭展の記事はまだまだ続きます。私のような蘭好きには堪らないイベントですね。


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3月に筑波実験植物園で開催されたつくば蘭展の続きです。本日は教育棟の企画展示の残りを見ていきます。オーストラリアの地生ランとバケツランの奇妙な生態についての展示です。写真家の故・山口進氏の蘭と昆虫の関係を捉えた素晴らしい写真の展示もありました。

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Corybas diemenicus
オーストラリアの地生ラン。1cm程度の小さな花を咲かせます。種小名の「diemenicus」は「タスマニアから来た」という意味で、タスマニアにも分布します。英名は「Stately helmet orchid」ですから、「壮麗なヘルメット蘭」という意味です。そういえば、コリバス属自体が「ヘルメット蘭」と呼ばれており、やはり皆こんな感じの花です。


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Diuris magnifica
スラリとした草姿が美しいオーストラリアの地生ラン。「large pansy orchid」の英名の通り、パンジー的な配色です。
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非常に装飾性が高い面白い花です。

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Caladenia attingens
不思議な形状の花を咲かせるオーストラリアの地生ラン。「mantis orchid」、つまり「カマキリ蘭」の意ですが、カマキリが腕を上げた姿に見えないこともありません。
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花の構造的に、花蜜があるのは①の奥ですから、昆虫は②の花弁に止まって奥に頭を突っ込むことになります。すると、③の先端にある花粉塊が昆虫の背中に付着する仕組みなのでしょう。

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Pterostylis concinna
オーストラリアの地生ラン。風変わりな花ですが、筒状の花に昆虫が潜り込むことにより受粉する仕組みなのでしょう。


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Caladenia flava
一見して蘭に見えませんが、よく見るとリップがあって、典型的な蘭の花であることが分かります。長い2枚の萼片が特徴的です。オーストラリアの地生ラン。


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Caladenia serotina
オーストラリアの地生ランで、「Christmas spider orchid」と呼ばれています。山火事の翌年によく咲くと言われていますが、山火事が起きやすいオーストラリアらしい生態です。複雑な形状の花ですが、C. attingensと同じ仕組みがあるようです。


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Caladenia varians
オーストラリアの地生ラン。花弁や萼片の先端が糸状に長く伸び、とても面白い形状です。


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Coryanthes macrocorys
いわゆる「バケツラン」と呼ばれる蘭で、特殊な形状の花が咲きます。名前の通り、リップがバケツのように水を溜めます。まさにバケツですが、この水は自身で分泌するそうです。本物を見たのは初めてです。
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花を訪れたハチが水の溜まったバケツ部分に落ちると、翅が濡れて飛び立つことが出来ず、さりとて内壁はつるつるしていて登れません。バケツランは脱出口を準備しており、その狭い通路を通過すると花粉がハチに付着します。非常に凝った仕組みですね。

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蘭を訪問するハチたち。

今回までが企画展示でした。故・山口進氏の素晴らしい写真は是非ご紹介したかったのですが、撮影禁止でしたので悪しからず。つくば蘭展は、熱帯資源植物温室や研修展示館にも展示があります。次回からは、研修展示館を見ていきましょう。


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ほぼ毎年、東京ドームで開催される世界らん展日本大賞に行っていました。しかし、プリズムホールでの開催になってからは、会場が狭く異常に混むため、今年は行きませんでした。しかし、たまたま2月に筑波実験植物園に行った折、つくば蘭展の開催を告げるポスターがありました。蘭と昆虫との関係についての展示があるようでしたから、これは見に行かないといけません。当ブログでは、普段から受粉生物学の記事を挙げていますからね。ということで、つくば蘭展の記事が始まります。
本日はヨーロッパの地生ランを取り上げます。ヨーロッパの蘭は展示会でも基本的に見かけないので、珍しいものを見ることが出来ました。特に花をメスのハチに擬態させて、オスのハチを呼び寄せるOphrys属の蘭は地味ですがとても面白い蘭です。


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蘭展の開催を告げるポスター

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入り口付近に早咲きの桜が咲いていました。この日はよく晴れて、暖かく行楽日和でした。

さて、まずは教育棟の展示から見ていきます。教育棟は小さいのですが、しっかりとした企画展示がありました。ただ、沢山の蘭を並べがちな一般的な蘭展とは異なります。やはり、教育や研究に重点を置いている筑波実験植物園ならではと言えるでしょう。


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Ophrys speculum
地中海沿岸に自生する球根性の地生ラン。オフリス属の蘭は花のリップがハチに擬態しています。雌のフェロモンまで再現しており、騙されて交尾をしにきたハチにより受粉する面白い生態を持ちます。ですから、「bee orchid」と言う呼び名も納得ですね。ちなみに、このような擬態をPouyannian擬態と呼ぶそうです。

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Ophrys tenthredinifera
やはり、地中海沿岸に自生するオフリス属の地生ランです。「Sawfly orchid」と呼ばれますが、ハバチとの関係が深いのでしょうか? 

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Ophrys fusca subsp. iricolor
こちらも地中海沿岸に自生する地生ラン。亜種イリコロルですが、意味的には「虹色の」だとか「多色の」ですが、あまりそんな感じはしませんね。

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Orchis italica
オルチス属、つまりは蘭属ですから、これは蘭につけられた最初期の属名かも知れませんね。しかも、種小名がイタリカですから、直球で「イタリアの蘭」となります。

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しかし、美しい花ですね。そういえば、イタリカのリップは人型をしていると言われ有名です。
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なんとなく人型。
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やはり、地生ランのようです。それはそうと、実に装飾的な葉ですね。

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Himantoglossum robertianum
花色はかなりバリエーションがあるようで、この個体は割りと地味なタイプのようです。球根は食べられると言いますが、どのような料理にして食べるのでしょうか?

さて、本日はヨーロッパというか地中海沿岸に自生する地生ランを見てきました。基本的にあまり見かけない蘭で、今までの蘭の展覧会でも見た記憶がありません。まあ、単純に地味なので目に入らなかった可能性もありますけどね。
Ophrys属の蘭はある程度限定された相手をターゲットにして、花を特殊化させた面白い花です。つまり、種により引き寄せるハチの種類が異なるのです。このように、花粉媒介者との関係を特殊化させた花は蘭に多く、花粉媒介者と1対1の関係になるまで特殊化したものもあります。蘭の美しい花は、花粉媒介者を引き寄せるために生まれました。ただ美しいだけではなく、その自然の生態のあり方も面白く、知ればより蘭を楽しむことが出来るでしょう。


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2月に行った筑波実験植物園の記事も本日で最後です。前回は熱帯雨林温室に入り上から見ていましたが、今回は階段を降りて1階を廻りました。

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湿潤なジャングルの林床といった雰囲気です。

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キョチク(巨竹) Dendrocalamus giganteus
高さ30m、直径30cmになる世界最大の竹。そういえば、夢の島熱帯植物館ではゾウタケ(ダイマチク)という和名でしたね。

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ジャワムカゴコンニャク
Amorphophallus oncophyllus

アンダマン諸島原産の珍しいコンニャク。ちょうど、実が出来たタイミングでした。
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この茎の模様の鮮烈さは目を引きます。

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ショクダイオオコンニャク
Amorphophallus titanum

ショクダイオオコンニャクがなかなか巨大に育っています。花に遭遇したことはありませんが、集合花としては世界最大の花を咲かせます。

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Macropiper latifolium
葉を見た瞬間、ピペル(コショウ属)かと思いましたが、マクロピペルでした。しかし、マクロピペル属はピペル属に吸収されたため、現在はPiper latifoliumとなっています。
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よく見ると果穂が出ていました。いかにもピペルらしい花です。

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Rhaphidophora cryptantha
ニューギニア原産の着生アロイドです。樹の幹に着生していますが、湿潤な熱帯では着生は一般的な生態様式です。熱帯の林床は暗いので日本のように藪にはなりにくく、アロイドなど耐陰性がある植物が優先します。林床より光が欲しい植物は、つるを伸ばして登攀したり着生したりして、より高い位置で育ちます。


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Angiopteris pruinosa
リュウビンタイの仲間。このような巨大なリュウビンタイは、熱帯資源温室ではナンヨウリュウビンタイ(A. evecta)、夢の島熱帯植物館ではホソバリュウビンタイ(A. palmiformis)を見ましたが、A. pruinosa初めて見ました。

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立派な塊根があります。

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シナマンサク Hamamelis mollis
丁度、シナマンサクが満開でした。寒いこの時期(※2月末)に咲く貴重な花です。

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つくば蘭展の開催を告げるポスターがありました。ポスターで初めてイベント開催を知りましたが、これは是非行きたいですね。ということで、つくば蘭展は最終日近くに見に行きました。次回からはつくば蘭展の記事をお送りします。


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2月に行った筑波実験植物園の続きです。いよいよ、本来の目的である熱帯雨林温室です。ちなみに2月の訪問記事は次で終わりで、3月末に行った筑波実験植物園のつくば蘭展の記事が新たに始まります。

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去年来た時には行けなかった熱帯雨林温室に向かいます。

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入り口は階段を登った2階になります。

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入ると直ぐにCymbidium tracyanumが満開でした。実にゴージャスな花です。

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2階から見下ろす風景は、まさに熱帯雨林です。

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Vanda coelurea
美しいヴァンダ・コエルレア(セルレア)。

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Coelogyne cobbiana
こういう蘭を見ると、反射的にDendrochilumを思い浮かべてしまいますが、Coelogyneです。というか、旧・Dendrochilumはいつの間にやらCoelogyneに吸収されてしまいました。

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旧・Dendrochilumは香りの強い蘭ですから、このような形の蘭が咲いていたら匂いを嗅いでみて下さい。

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Coelogyne glumacea
典型的な旧・Dendrochilum。こちらは小型種。
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ガラス越しに沢山の蘭が栽培されています。

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ヒスイカズラが一房だけ咲いていました。本格的なシーズンはこれからのようです。

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Myrmecophila grandiflora
巨大なバルブが目を引きます。種小名の通り、大きな花が咲きます。

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Myrmecodia tuberosa
ミルメコディアは有名なアリ植物です。アリを住まわすことにより、アリに害虫を撃退してもらったり、ゴミや死骸から養分を得ることが出来ます。
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蘭と同じように樹木に付着して育つ着生植物です。どうやら、ヘゴ付けされているようです。
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根元は膨らみ、内部は迷路状の空洞があります。よく見ると、アリが入るための穴が空いていますね。

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Tecomanthe dendrophilla
ニューギニアなどに生えるノウゼンカズラの仲間。手すりにつるが絡んで、沢山の花が咲いていました。


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2月に行った筑波実験植物園の記事の続きです。相変わらずサバンナ温室を漂っていますが、それも今回までです。実は現在筑波実験植物園で開催中のつくば蘭展を先日見てきましたから、この2月の訪問時の記事が終わったら記事にします。ただし、まだ去年見れなかった熱帯雨林温室もありますから、2月の記事はまだ続きます。

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Aloe marlothii
巨大アロエのマルロティイです。「鬼切丸」の名前で苗がホームセンターなどでも売っていますが、このように巨大に育つと思っていない人も多いでしょうね。
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この貫禄はすごいですね。

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Aloe plicatilis
プリカティリスも花茎を伸ばしています。現在はアロエ属から分離され、Kumara plicatilisとなっています。我が家のプリカティリスは分岐すらしていないので、私が生きている間に花を見ることはないでしょう。プリカティリスについては何度か記事にしています。以下の記事をご参照までに。



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Euphorbia weberbaueri
ウェベルバウエリは奇妙なPencil-Stemのユーフォルビアです。我が家のウェベルバウエリは単頭ですが、このサイズになると分岐するようですね。マダガスカルではなくエクアドル、ペルーの原産。

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Euphorbia grandidens
グランディデンスは何故か植物園でよく見かけるユーフォルビアです。新宿御苑の温室では「スミダノユキ」の名前で小型個体、東京農業大学のバイオリウムでは「ダイシキリン(大歯麒麟)」の名前でやはり小型の個体を見ましたが、この個体は非常に立派ですね。本来は樹木状に育つ大型種で、見上げる高さになりますから、これでもまだ小さいですね。


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奇想天外 Welwitschia mirabilis
もっとも珍奇な植物の1つである奇想天外ですが、初めて開花を見ました。
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花は終わっていて鮮度はありません。しかし、貴重な体験です。
Welwitschiaは驚くべきことに裸子植物で、グネツム(Gnetum)と麻黄(Ephedra)と合わせてグネツム亜綱に属します。グネツム亜綱は針葉樹と姉妹群であり、蘇鉄やイチョウとは系統的には離れているのが、なんとも面白いですね。


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Euphorbia unispina
猛毒で知られるユニスピナが開花していました。
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花は小さく地味ですが、葉がなく白い枝の先にかたまってつくため目立ちますね。

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Bombax ceiba
キワタの仲間。
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奇妙な幹肌です。

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着生サボテンが沢山吊るされている通路を抜けると、熱帯資源温室です。

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Vanilla planifolia
これがヴァニラの実です。プラニフォリアは商業的に生産されるヴァニラで、品質も良いとのこと。
しかし、ヴァニラはタイミングが悪く、花を見たことがありません。割りとあちこちの植物園で見かけてはいるのですがね。

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蕾はあるのですが、本当にタイミングが悪いですね。まあ、つくば蘭展で見ることが出来ましたが。


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2月に行った筑波実験植物園の続きです。去年行った時に気が付かなかったことや、変わった部分、それと花を中心にお送りします。

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Macrozamia communis
巨大な葉を持つマクロザミアですが、コーンが出ていました。

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コーンもかなりのサイズになりそうです。
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よく見たら、地面にマクロザミアのサンゴ根が露出していました。蘇鉄と共生する藍藻が窒素固定を行っているのでしょう。

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Metrosideros excelsa
ニューギニアやオセアニアなどに自生するフトモモ科植物に典型的な花です。

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Pachypodium lealii subsp. saundersii
立派な「白馬城」です。現在はP. saundersiiとして独立しています。


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Euphorbia gottlebei
ゴトレベイが咲いていました。我が家のゴトレベイも冬の間はずっと開花していましたから、環境が良ければ周年開花するのかも知れません。

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Protea cynaroides
ヤマモガシ科の奇妙な花が咲いていました。プロテアと言えば、オーストラリアを思い浮かべますが、こちらは南アフリカ原産種です。

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Grevillea hookeriana
グレヴィレアの奇妙な花が開花していました。こちらもヤマモガシ科植物です。オーストラリア原産。

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一見して松柏のようにも見えます。

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Aloe excelsa
巨大なアロエが開花していました。
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最大倍率で撮影しても、なお遠いですね。脚立に登って近くで見てみたいものです。

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Adenia heterophylla
東南アジア〜オーストラリア原産のアデニア。灌木の木陰にいくつかありました。

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こちらも同じアデニアです。

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Stephania rotunda
アデニアと思いきやステファニアでした。同じつる植物で似たような塊根ですが、表面はひび割れます。チベット、ヒマラヤ地域からインドからタイ、ラオス、カンボジアまで広く分布します。


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2月に行った筑波実験植物園の記事の続きです。前回に引き続きサバンナ温室で多肉植物を見ています。本日はサボテンがメインですね、

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刈穂玉 Ferocactus gracilis
言わずと知れた刈穂玉ですが、何か妙なものがくっついています。


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どうやら、このPilosocereus?の花殻のようですね。

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Sulcorebutia rauschii
最近、園芸店でも見かけるようになったスルコレブチアです。しかし、現在はスルコレブチアはウェインガルティアに吸収されたため、スルコレブチア属は消滅してしまいました。現在はWeingartia canigueraliiの1タイプという扱いのようです。


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赤鳳 Ferocactus stainesii
フェロカクタスの中でも、やや渋い存在の赤鳳です。良いサイズですね。なお、現在はF. pilosusとされているようです。


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Agave utahensis var. eborispina
最近人気のエボリスピナ。


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笹の雪 Agave victoriae-reginae
どうやら、新しく植えられたらしい、非常に美しい笹の雪です。このような美品を見てしまうと、ついつい欲しくなってしまいます。


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Euphorbia punicea
ジャマイカ・ポインセチアと呼ばれる樹木性のユーフォルビア。前回来た時には花はなかったので、花は初めて見ます。ジャマイカ原産。
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ポインセチア同様、赤く大きな苞が非常に目立ちます。かなりの量の蜜が出ているみたいですが、蜜源植物として重要かも知れません。花粉媒介者が気になりますね。

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サンゴアブラギリも開花中。

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Pseudobombax ellipticum
プセウドボムバクスが開花しています。見上げないとわからないため、何気なく歩いていると見過ごしてしまいそうです。
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花糸で構成された刷毛のような花です。

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ドラゴンフルーツ Hylocereus undatus
樹木状に見えますが、樹木に絡みついているだけです。ドラゴンフルーツは扱い的には登攀植物でいいのでしょうか? ちなみに、
HylocereusはSelenicereusに吸収されたため、ドラゴンフルーツの学名もSelenicereus undatusとなっています。


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2月に行った筑波実験植物園の続けです。今回からサバンナ温室に入ります。去年の6月以来のサバンナ温室ですから、開花していたり変わっている部分もあるでしょう。

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丁度、サボテンやアガヴェの入れ替えやら、ウチワサボテンの枝の整理をしていました。枯れたら新しく植えるというより、普通に入れ替わりがあるようです。

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大きなアガヴェが植えられるのか、抜かれたのか分かりません。

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松笠団扇 Tephrocactus articulatus var. inermis
現在、T. articulatus(武蔵野)には変種は存在しないということになっているようですから、武蔵野のトゲがほとんどない変種未満の変異幅という扱いなのかも知れません。


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Opuntia debreczyi
小型のウチワサボテンですが、新しく植えられたものでしょう。そういえば、O. debreczyiはO. fragilisとO. polyacanthaの交雑種と考えられているようで、現在はOpuntia × debreczyiという交雑を示す学名となっています。

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大丸盆 Opuntia robusta
生長しすぎて倒れた大丸盆ですが、以前来た時には下敷になっていたのがラベルがありませんでしたが、新しいラベルがありました。


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王冠竜 Ferocactus glaucescens
ちょっとピンボケ。王冠竜に蕾が出ています。


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アガヴェも花茎を伸ばしています。

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朱雲 Melocactus matanzanus
ちょっと日焼け気味のメロカクタス。


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獅子頭 Thelocactus lophothele
平べったく育った獅子頭。現在ではT. rinconensisにまとめられているようです。


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翠冠玉 Lophophora diffusa
翠冠玉はなかなか自生地風でいいですね。そういえば、烏羽玉(L. williamsii)は幻覚作用のあるメスカリンを含みますが、翠冠玉や銀冠玉(L. fricii)はメスカリンを含みません。銀冠玉を烏羽玉の変種とする考えもありましたが、メスカリン一つ取ってみても違いがあるわけです。


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玉翁 Mammillaria hahniana
玉翁が開花しています。マミラリアは花冠のように開花するので楽しいですね。しかし、マミラリアは夏の蒸れに弱く、個人的には苦手です。マミラリアは群生しますから余計に蒸れやすく、しかも白毛を美しく保つとなると、私には無理ですね。

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満月 Mammillaria candida var. rosea
満月も開花中。コンパクトに群生しておりかわいらしいですね。満月は変種ロゼアとされがちですが、現在はM. candida(雪白丸)のタイプ違い程度の扱いのようです。


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2月に筑波実験植物園に行ってました。去年に続き2回目の訪問です。今回は温室に到着したところからです。まずは、サバンナ温室へ向かいます。

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手前の熱帯資源温室ではなく、奥にあるサバンナ温室から見ていきます。サバンナ温室は以前行っており前回来た時に詳しく見ましたから、今回は開花しているものなどを中心に見ていきます。まずは、温室前のドライガーデンから。

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笹の雪 Agave victoriae-reginae
美しい笹の雪。アガヴェ人気は強刺タイプが主導していますが、最近は笹の雪も苗が出回るようになりました。


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Agave lophantha
ロファンタと言えば派手な覆輪で有名ですが、あれは選抜品種なんでしょうね。こちらは、うっすらと中央に淡い中斑が入ります。


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Yucca carnerosana
名札がよく見えなかったのですが、カルネロサナでしょうか。

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Cyrtanthus mckenii
温室の入り口脇にいくつかの鉢植えが置いてあります。前に来た時とは違うため、花期に合わせて変更しているのでしょう。
それはそうと、昔の観葉植物の図鑑(山渓カラー名鑑・観葉植物、1991年)は海外の植物園などの写真が使われていて、国内ではまったく流通していない植物ばかりでした。キルタンツスも載っていましたが、最近では一般にも流通し玄関先に鉢植えが置かれていたりします。南アフリカ原産。


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Moraea polystachya
アフリカ南部に分布するアヤメ科植物。まだ咲き始めでアヤメ科植物らしい特徴的な花の形はまだ分かりませんが、もともとIris属だったくらいですから開けば実にアヤメ的な花です。


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Lachenalia bulbifera
いわゆるケープバルブになるのでしょうか?アルブカなどに近縁な仲間。


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Androcymbium ciliolatum
これは初めて見た植物です。知りませんでした。花束のようにみっしり詰まって咲いています。現在はコルチカム(イヌサフラン)属とされているようです。つまり、Colchicum capense ssp. ciliolatumです。南アフリカ原産。

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Mandragora officinarum
いわゆるマンドラゴラ。実は1753年にCarl von Linneが命名した由緒ある学名です。花は初めて見ました。イタリアやバルカン半島あたりの原産。

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えびす笑い Pachypodium brevicaule
ここからは、温室の入り口の小スペースの植物です。主に多肉植物の鉢植えがありました。
まずは恵比寿笑い。開花が始まっています。

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パキポディウムに典型的な花。

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Haworthia cooperi
「青雲の舞」と名札にありましたが、そんな名前があることを初めて知りました。

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開花中。そういえば、我が家のH. cooperiは屋外で開花していますね。

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雷神 Agave potatorum
雷神がコンパクトな形で非常に美しいですね。
入り口の小スペースの植物もここまで。次回から温室を本格的に見ていきます。


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どういうわけか無闇に忙しく、連休中も遊びに行くどころではなかったのですが、隙を見て朝イチで筑波実験植物園へ行って参りました。しかし、時間がないため、わずか90分ほどの滞在で帰宅しました。筑波実験植物園には去年の6月に行きましたが、残念ながら熱帯雨林温室はタイムオーバーで見られませんでしたから、今回は熱帯雨林温室が目的です。その前に少し冬の園内を散策しました。

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つくば植物園という気安い名前もあります。

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巨大な蘇鉄と再会。

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植物画コンクールの展示がありました。
こちらは、ドラゴンフルーツ(Hylocereus undatus)。実は花が美しいサボテンです。枝と、花、果実、種子がわかる良い絵です。


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Alluaudia procera
プロケラの絵は珍しいですね。華はありませんが、実に奇妙な植物で目を引きます。


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Cereus hildmannianus(鬼面角)
小学生の部の国立科学博物館長賞受賞作。ゴツい枝から大輪の花を咲かせます。しかし、よく特徴を捉えていますね。

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冬の植物園は淋しい感じがします。

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梅が咲いていました。
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春まであと一歩です。

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テオシント
時期的に枯れていますがこれは重要な植物で、テオシントはトウモロコシの祖先と考えられている植物です。トウモロコシは日本ではスウィートコーンや爆裂種(ポップコーン)しか見ませんが、海外では甘くないトウモロコシが一般的です。トウモロコシは小麦や米よりも生産量が多い穀物ですが、その多くは家畜の飼料とされます。日本の畜産物は海外から輸入されたトウモロコシなどの飼料に依存しているため、それを考慮すると食糧自給率は非常に低くなります。

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「垣根」を展示しています。様々な樹種による垣根が延々と続いており、実際に垣根を作る時の参考になります。

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イスノキ Distylium racemosum
イスノキはムシコブ(虫癭)が必ず出来る面白い樹種です。


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侘しい枯れたひょうたん。

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Triticum aestivum
雑草に見えますが、普通小麦(パン小麦)です。

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圃場があり様々な野菜が育成展示されていました。

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ミツマタ
開花まであと一歩といったところ。樹皮の繊維が丈夫なため、お札に使われています。

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何やらピンのようなものが沢山幹に挿してあります。イタズラかと思いましたが、ナラ枯れの予防措置をしているとのこと。筑波実験植物園でも2021年にナラ枯れ現象が発生し、原因であるカシノナガキクイムシの穿入孔に薬剤を注入しているそうです。このピンはチェックのためのものでしょうか。

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鬱蒼とした林内を進みます。

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前回は行けなかった絶滅危惧植物温室です。

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しかし、残念ながらシーズンではないようで閑散としていました。

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Garanthus alpinus(上)とGaranthus woronowii(下)
ウォロノウィイが開花中でした。スノードロップの仲間。

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さて、そんなこんなで、ようやく温室に到着。まずは、サバンナ温室の多肉植物たちがどうなっているか見てみましょう。長くなったので本日はここまで。次回に続きます。


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1月に行った東京農業大学のバイオリウムの記事です。バイオリウムの記事は、長々とひと月もかかってしまいましたが本日で最後となります。

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ベンチの周りにオペルクリカリアの鉢が配置されています。こちらは、Operculicarya decaryi。まあ、ただの砂漠の灌木です。そういえば、オペルクリカリアはマダガスカルの植物でしたね。

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Operculicarya pachypus
コーデックス・ブームを牽引してきたパキプスです。なかなか良いサイズです。

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幹は良い具合です。

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Uncarina leandrii
そういえば、ウンカリナもマダガスカルの植物でしたね。現在、野生のウンカリナの種子を散布しているのは飼われている牛で、本来の種子散布者が存在しません。おそらくですが、ウンカリナは踏み付け種子で、果実が足に絡みついて踏まれると種子が徐々に出てきくる仕組みです。ウンカリナと近縁のHarpagophyum (※ライオンゴロシ)はトゲだらけの果実を持ちますが、これはダチョウの足に絡みつくための構造です。では、本来の種子散布者はと言うと、まあ以下の記事を読んでみて下さい。

※ ) ライオンゴロシのトゲトゲの果実について、ライオンが踏んでしまい足の裏に刺さり、取るために咥えようとして口に刺さり、餌が食べられなくなり死亡するという説が流布していますが、ただの言い伝えでしょう。「ライオンゴロシは死んだライオンの血肉を糧に育つ」と続きますが、どう考えてもファンタジーですよね。


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Uncarina grandidieri
グランディディエリはずいぶんと塊茎が発達しています。そして、ウンカリナは2本分の枝が出やすいという特徴もバッチリです。

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幹肌の荒れ具合が面白いですね。カラカサタケみたいです。

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Uncarina roeoesliana
小型種とされるロエオエスリアナも巨大。我が家のロエオエスリアナは根が鉢を歪ませるほどですが、この小さな鉢で窮屈ではないのでしょうか?

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ワオキツネザルはマダガスカル原産の原猿類。清掃中のため、キツネザルの注意がそちらに向いてしまい、なかなかこちらを向いてくれませんでした。
そういえば、ワオキツネザルがマーキングする木には好みがあり、ウンカリナが一番良いとのこと。過去に記事にしていますから、以下のリンクからどうぞ。



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Pachypodium geayi
ゲアイが何やら沢山ありますね。

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Commiphora sp.
コミフォラの樹皮がめくれています。コミフォラは薄く剥がれる樹皮を持つ種類が結構あります。まあ、それ以外の特徴を加味しても、コミフォラの種の判別は植物学者でも難しい部類です。

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Adenia stylosa
我が家にもあるスティロサですが、幹が木質化して実に立派です。我が家のスティロサは、まだ幹が緑色なので将来こうなるのかと興味深く見ました。


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Aloe descoingsii
最小のアロエの1つとされるデスコイングシイです。花茎が伸びています。バイオリウムのデスコイングシイは、割りと大型のタイプのようですね。


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Decarya madagascariensis
「ジグザグの木」と呼ばれるデカリアですが、カナボウノキ科の植物です。面白いことに、DidiereaはAlluaudiaよりDecaryaの方が近縁だったりします。

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Aloe deltoidedonta
やはりマダガスカル原産のアロエ。ストレス・カラーで真っ赤で良い感じですね。


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Alluaudia humbertii
フンベルティイもこれだけ育つと、普通の灌木のようです。

ということで、東京農業大学のバイオリウムでした。バイオリウムの温室自体はそれほどの規模ではありませんが、そのほとんどが多肉植物なので、おそろしく濃密な体験でした。普通の植物園の多肉植物の展示は、ただの1コーナーに過ぎませんからね。さて、内容的にはマダガスカルの植物が豊富でした。やはり、マダガスカル原産のキツネザルがいるからでしょうか? まあ、これだけマダガスカル原産の多肉植物を一度に見ることはありませんから、マニアックではありますが私の満足度は最高レベルです。そもそも、マダガスカルに花キリンやアデニア、Pencil-Stemのユーフォルビアなど、私の好きな多肉植物の楽園です。しかし、残念ながら季節的に葉がないものも多く、花もあまり見られませんでした。暖かい時期に、再度訪れたいものです。


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1月に行った東京農業大学のバイオリウムの記事の続きです。いよいよ終盤です。今回は私の好きな花キリンやアデニアがメインです。基本的にマダガスカルの雰囲気。

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Euphorbia beharensis var. guillemetii
E. guillemetiiとされたこともありましたが、現在ではE. beharensisの異名となっています。グイレメティイはベハレンシスよりトゲが短いようですが、それが種を分けるほどの特徴であるかは別問題です。マダガスカル原産。

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スマホが過熱してしまいカメラのシャッター速度が遅いので、ズレてしまいました。

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Euphorbia gottlebei
今回行ったバイオリウムの写真の中では、これがベストショットですかね。日の当たり具合もたまたまですが良くて、まるで海外の野生植物のグラビアのような写り具合です。名札の「Euphorbia gottelebei」は誤記。マダガスカル原産。


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Euphorbia fianarantsoae
これは見事なフィナラントゥソアエですね。我が家の個体はなぜかあまり綺麗に育ちません。マダガスカル原産。


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Adenia perrieri
巨大なペリエリ。ペリエリを検索するとよく壷形の植物がヒットしますが、実際にはこんな感じです。マダガスカル原産。


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緑の太鼓 Xerosicyos danguyi
緑の太鼓はつる植物ですが、枝は硬く直線的に伸びるため巻き付いたりせず、巻きひげもありません。乾燥地の塊根植物によくある地面に放射状につるを這わせるタイプと思っていました。しかし、これだけ木質化した幹が伸びるなら、葉を他の植物に引っ掛けて登攀するのかも知れません。マダガスカル原産のウリ科植物。


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Euphorbia stenoclada
「トナカイ角」と呼ばれるマダガスカルのユーフォルビア。一見して違う植物に見えますが…

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葉を見れば一目瞭然。実はマダガスカルのPencil-Stemのユーフォルビアで、Section Tirucalliに属しミルクブッシュに近縁です。
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松柏のような荒れた幹肌。

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Cyphostemma laza
ブドウ科の塊茎植物。巨大に育っています。やはりマダガスカル原産。


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Xerophyta dasylirioides
あまり聞き慣れない植物ですが、なんとタコノキ目の植物とのこと。マダガスカルの乾燥地に生えるようです。美しい花を咲かせる植物とのことで、いつか見てみたいものです。


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Adenia olaboensis
アデニアはつる植物が多いのですが、オラボエンシスは割りと樹木性が強いタイプです。我が家のオラボエンシスは、まだほとんど木質化していない小苗です。しかし、時期的に塊根植物は葉がないものが多く、見分けがつけにくいですね。マダガスカル原産。


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Aloe cyrtophylla
キルトフィラが赤くなっています。日を当てると赤くなるタイプのアロエは、寒さも相まってこの時期は一番美しい季節です。名札の「Aloe cytophylla」は誤記でしょう。マダガスカル原産。


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Adenia digitata
ディギタタはアフリカ大陸に広く分布するアデニアです。塊根を見た限りではつる性が高そうです。



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相変わらず今年の1月に行った東京農業大学のバイオリウムの記事です。本日はソーセージノキや海外の珍しい蘇鉄、花キリンなどを見ていきます。

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ソーセージノキ Kigelia pinnata
ソーセージノキは新宿御苑でも見ましたが、こちらの方が巨大です。重さ5〜10kgにもなる巨大なソーセージのような形の実をつけます。そういえば、新宿御苑のソーセージノキはK. africanaでしたが、こちらはK. pinnataです。調べてみると、Kigelia属はK. africanaの1種類からなる単型属で、亜種としてssp. africanaとssp. moosaがあるそうです。K. pinnataはssp. africanaの異名とのことです。

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白いコルク層が発達した太く立派な幹。まだ特徴的な果実を見たことがありませんが、このサイズなら流石に結実するでしょう。いつか見てみたいものです。

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オオバシダソテツ Stangeria eriopus
一見して大型のシダに見えますが、南アフリカ原産の蘇鉄の仲間。ラベルでは種小名が「eryopus」となっていましたが、これはただの誤記でしょう。学名は現在では話者がいないラテン語が中心だったりしますから、スペルミスは仕方がありません。私もよく間違っています。
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コーンが出ていました。日本で蘇鉄といえば、日本の蘇鉄を含むCycasや、最近流通しているZamiaやDioonが少しあるくらいです。スタンゲリアは非常に珍しいですね。

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こちらは別個体のS. eriopus。蘇鉄の中でも、小葉に中央脈と平行脈があるのはスタンゲリアだけの特徴です。
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こちらもコーンが出ていました。スタンゲリアはS. eriopusの1種類からなる単型属です。

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Sansevieria perrotii var. katana
一見してVandaかと思いましたが、なんとサンセヴィエリア(サンスベリア、サンセベリア)とのことです。一般的に流通しているサンセヴィエリアは地下茎や匍匐茎ですが、このように茎が立ち上がる種は東アフリカに多いそうです。
それはそうと、サンセヴィエリアは遺伝的にはドラカエナ(ドラセナ)に含まれることが明らかとされており、S. perrotiiも2018年にDracaena perrotiiとされているようです。

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Euphorbia cylindrifolia
キリンドゥリフォリアがえらい茂りようです。いったいどういう形なのかよくわかりません。

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こちらもキリンドゥリフォリアですが、塊根が見えますね。

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Euphorbia cap-saintemariensis
カプサイシンテマリエンシスも枝が長く伸びています。こちらも塊根性の花キリンです。

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Euphorbia francoisii(E. decaryi)
フランコイシイは異名で、デカリイが正しい名前です。名札にも()で表記がありました。


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Euphorbia decaryi
こちらは旧・デカリイでしょうか? 要するにE. boiteaui。


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Euphorbia decaryi var. spirosticha(E. spirosticha)
スピロスティカは茂り過ぎて何だかわからない状態です。


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Euphorbia decaryi var. durispina
ドゥリスピナも葉しか見えませんね。ドゥリスピナは由来不明の植物として、E. decaryi var. durispinaの名前で園芸市場に流通していましたが、後に自生株と思われる個体が発見され2021年に論文になり新種として発表されました。私が当該論文を記事にした2023年当時はまだ正式に新種として記載されていませんでしたが、新たに確認したところ「Euphorbia durispina Haev. & Hett., 2021」として記載されました。つまりは、「The International Plant Names Index and World Checklist of Vascular Plants 2025」が更新されていたわけです。何が変わったのか確かめるのが楽しみですね。


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本日も1月に行った東京農業大学のバイオリウムの記事です。写真を撮りまくったせいでスマホが加熱してしまい、シャッター速度が落ちてブレるはズレるは、終いには強制シャットダウンする始末です。シャッター速度が遅いので、何も写っていない写真が沢山ありました。せっかく行ったのにもったいない話です。本日は一番奥の蘇鉄の鉢植えを中心に見ていきましょう。

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Haworthiopsis reinwardtiiでしょうか。ワイルドな仕上がりです。

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Haworthia tortuosa
トルトゥオサは実は由来のよくわからない植物で、H. viscosa系の交配種が疑われていますが、それも確かな話ではありません。明らかに硬葉系ハウォルチアの交配種ということで、現在の学名はHaworthiopsis × tortuosaとなっているようです。


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Poellnitzia rubriflora
ポエルニトゥズィア(ポエルニッチア)は、特殊化したアストロロバです。結節がなく白い粉を吹き、花は赤く鳥媒花と、ことごとくアストロロバらしさがありませんが、遺伝的には明らかなアストロロバです。特徴の違いからポエルニトゥズィアとされてきましたが、現在はAstroloba rubrifloraとなっています。


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Haworthiopsis viscosa
3方向に揃った典型的なヴィスコサです。しかし、よく育っていますね。


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Gasteria excelsa
シャッター速度が落ちているせいで、撮影位置がズレてしまいました。ガステリアは思いのほか大型になるものもあります。エクケルサも大型種ですね。しかし、ガステリアは生長が遅く、見られるようになるまでにかなりの時間がかかります。我が家のエクケルサはプレステラ90のサイズで、まだ2列性のままです。

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亀甲竜(Dioscorea elephantpes)もなかなか立派。丸みがあり膨らんだ形が、少し珍しいですね。

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リクガメがいたので、亀甲竜の下に写真を置いておきます。

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Macrozamia miquelii
ラベルには「ホソバオニザミア」とありました。オーストラリア原産の蘇鉄。細長い小葉と暗い葉色が美しいですね。


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Zamia floridana
ザミアの中では普及種のフロリダナです。小型種ですが、分頭して立派な株ですね。ちなみに、フロリダナの名前で流通していますが、現在はZ. integrifoliaが正しい学名です。そこら辺はかなり込み入った事情がありますから、以下の過去記事をご参照下さい。




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コーンが出ています。

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Ceratozamia hildae
笹のようなメキシコ原産の蘇鉄。「bamboo cycad」という名前は正に見た目通り。ラベルには「pollination 99」、「planted 00」とありましたから、1999年に受粉して2000年に出来た種子を播種したということでしょうか。つまりは今年で25歳の個体です。違法採取により自生地では減少しているかなりの希少種のようですから、実生で繁殖する努力は重要なことです。

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塊茎はこんな感じ。
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笹の葉のような葉。

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Dioon merolaeでしょうか? ラベルがほぼ消えかけていて少しあやふやです。ディオーンはメキシコ原産の蘇鉄です。

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Cycas apoa
ラベルには「ニューギニアソテツ」とありましたが、ニューギニア島の固有種です。

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幹はなかなか立派です。

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葉はすらりとしていて涼し気ですね。

バイオリウムももう終盤です。後はキツネザルの飼育スペースの前だけです。しかし、残念なことにキツネザルの飼育スペースは清掃中で、キツネザルはあまり見れませんでした。ということで続きます。


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本日も東京農業大学のバイオリウムに行った時の記事です。ようやく折り返し地点まで来ましたが、なんと温室に入ってから2時間近く経過しています。見るべきものが多すぎて、なかなか進めません。

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右手にホリダと言うか、Euphorbia polygona系の鉢植えなどユーフォルビアが並んでいました。ここが突き当たりで、右に曲がります。

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Euphorbia grandidens
ダイシキリン(大歯麒麟)と呼ばれる南アフリカ・モザンビーク原産のユーフォルビア。高さ10mほどの樹木状になります。新宿御苑でも見ましたが、「スミダノユキ」とありました。まあ、和名というより園芸名みたいなものなのでしょう。


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Euphorbia ingens
チュウテンカク(沖天閣)と呼ばれる大型のユーフォルビア。アフリカ中央部〜南部に広く分布します。今まで見たチュウテンカクの中では最大クラスです。


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面白い花が開花していました。おそらくVeltheimiaという球根植物。少しアロエの花に似ていますね。

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Aloe ramosissima
2013年にアロエ属から分離しアロイデンドロン属となりました。現在の学名は、Aloidendron ramosissimumです。アロイデンドロンは樹木状に育つ巨大なアロイ類です。ラモシシムムは低い位置から分岐が始まるアロイデンドロンども珍しいタイプです。そういえば、近年少し苗が流通し始めているようです。今まで見た中では、筑波実験植物園の個体がなかなか見応えのあるサイズでした。


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Aloe graminicola
エチオピア、ケニア原産のアロエ。現在はA. lateritia v. graminicolaとされているようです。しかし、A. lateritiaを検索すると斑が縞状に入るアロエが出てきますが、A. lateritia v. graminicolaだと検索結果が不安定でよくわかりません。

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Aloe striata
慈光錦とも呼ばれる南アフリカ原産のアロエ。そういえば、ミニ多肉植物として苗が一時期流通していたことがありましたね。


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Haworthia truncata
いわゆる玉扇と呼ばれる有名なハウォルチア。石がゴロゴロしているような場所では、隠蔽効果があります。窓のあるハウォルチアは、窓だけ地上に露出させて、葉のほとんどが地中に埋まります。


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Haworthia maughanii
万象も同じ雰囲気の展示。現在は、H. truncata v. 
maughaniiとされているようです。よって、玉扇はH. truncata v. truncataを指します。

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Haworthia picta
派手なピクタも白い石の中では目立ちませんね。そういえば、ピクタはH. emelyae v. emelyaeの異名扱いになっていますね。

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十二の巻 Haworthia attenuata
十二の巻をアテヌアタとしているのは珍しいことですが、正しい理解だと思います。伝統的に十二の巻=ファスキアタとされてしまっており、筑波実験植物園や新宿御苑でも十二の巻をファスキアタとしていました。ただし、十二の巻はアテヌアタにしては葉に丸みが強く、整った草姿はアテヌアタらしくはありません。結局、十二の巻は由来不明の交配種なのでしょう。


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Haworthia attenuata
こちらはアテヌアタらしいアテヌアタ。


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Aloe humilis
一般的に流通しているフミリスは結節が過剰ですが、おそらく選抜品種なのでしょう。しかし、このフミリスはあまりにも結節が少なく、フミリスらしくはありません。



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1月に行った東京農業大学のバイオリウムの記事の続きです。バイオリウムの植物は半分以上が多肉植物ですが、すでに多肉植物ゾーンに入っています。本日はディディエレア科やアロエ、ユーフォルビアなどマダガスカルの固有種が集められている場所でした。

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Euphorbia leucodendron
レウコデンドロンはE. alluaudiiと同種とされます。マダガスカルのPencil-StemのユーフォルビアはSection Tirucalliが多いのですが、E. alluaudiiはSection Deuterocalliです。E. hedyotoidesを含むSection Denisophorbiaや花キリンの仲間であるSection Goniostemaの姉妹群です。

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Alluaudia humbertii
アルアウディアはマダガスカルの乾燥地帯に生えるトゲだらけの灌木です。フンベルティイは初めて見ました。枝が繊細ですね。


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Didierea trollii
アルアウディアと同じディディエレア科のディディエレアです。トロリイは太い枝が特徴的ですね。筑波実験植物園でも見ました。

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Euphorbia xylophylloides
いわゆるヘラサンゴと呼ばれる奇妙なユーフォルビア。こちらはSection Tirucalliです。


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Aloe vaombe
マダガスカル原産の巨大アロエ。高さ5mほどになるそうです。


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Aloe deltoideodonta var. ruffingiana
変種ルフィンギアナは、現在は亜種esomonyensisとされているようです。


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Alluaudia comosa
コモサはなかなか良い太さです。

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トゲはかなり強いですね。

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Dracaena draco
いわゆるリュウケツジュ。まだまだ幼樹です。マカロネシアに生える威容は温室では再現は難しいようです。なかなか枝分かれしないようで、筑波実験植物園のリュウケツジュは巨大でしたが、まったく迫力はありませんでしたね。


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Encephalartos trispinulosus
ミツトゲオニソテツと呼ばれるエンケファラルトス。青白い葉が美しい蘇鉄です。
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幹は丸くてかわいらしいですね。

バイオリウムの温室の通路の突き当たりまで来ました。あとは、一番奥とベンチのあるキツネザルの飼育スペースの正面が残るのみです。


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1月に行った東京農業大学のバイオリウムの記事の続きです。入り口から左側の通路を進んでいますが、通路の右側、つまり温室の中央部を見ていきましょう。手前にはアロエ、奥にはディディエレア科植物が沢山ありました。

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Aloe capitata var. quartziticola
マダガスカル原産のアロエ。まあまあのサイズ。花茎の跡がありますね。


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Erythrophysa aesculina
マダガスカル原産の乾燥地の灌木。

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幹肌はなかなか良い荒れ性。別にコーデックスという風ではありませんが、なぜかそんな扱いをされているような気がします。
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ムクロジ科植物ですが、遺伝子解析によりカエデ科やトチノキ科もムクロジ科に含まれることになりました。旧・ムクロジ科、要するにムクロジ亜科はリュウガンやレイシ、ランブータンなどを含む巨大なグループです。

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なかなか良いサイズのAlluaudiaですが、名前がわかりません。
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枝が繊細なのでA. proceraではないでしょう。A. humbertiiでしょうかね?

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トゥアールソテツ Cycas thouarsii
ケニア、タンザニア、モザンビーク、マダガスカル原産の大型の蘇鉄。分布がマダガスカルとアフリカ大陸の海を挟んだ両側というのは、種子が海流散布されているのでしょうか。海岸沿いにも生えて種子は水に浮くそうですがどうでしょうかね?

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根元から脇芽が出ていました。

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Lomatophyllum sp.
あまりロマトフィルム感が薄いのですが、ロマトフィルムとのこと。株立ちしているからでしょうか。ロマトフィルムは通常のアロエとは異なり、果実はジューシーな果肉を持ちます。しかし、近年の遺伝子解析によりロマトフィルムとされてきた種同士は必ずしも近縁ではないことが明らかとなりました。そのため、ロマトフィルム属はアロエ属に吸収されてしまいました。では、なぜロマトフィルムが漿果を持つのでしょうか。ロマトフィルムの分布するマダガスカル周辺の小島の環境に適応した収斂進化なのかも知れませんね。


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Aloe rauhii
マダガスカル原産の小型アロエ。美しい斑が入ります。ラウヒイはワシントン条約(CITES)の付属書Iに記載されている、国際的な取り引きが規制されている植物です。検索して出てくる画像はかなりバリエーションがあり、変異幅が大きいのか雑種が混じっているのかはわかりません。

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特徴的な幹を持つ灌木。ボトルツリーでしょうか?
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葉はあまりボトルツリーらしくありませんが、どうでしょうね?

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Aloe helenae
マダガスカル原産の高さ4mになる大型アロエ。長い葉が特徴と言いますが、それほどでもありませんね。



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1月に東京農業大学のバイオリウムに行って来ましたが、本日もバイオリウムの温室を記事にします。入って左の壁際にサボテンが地植えされていました。

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Dasylirion longissima
ダシリリオンはなぜか植物園では見かけませんが、バイオリウムのダシリリオンは良いサイズですね。ちなみに、「longissima」という種小名は誤りで、正確には「longissimum」ですね。しかし、このロンギシムムという名前はいわく付きで、本当にロンギシムムかどうかは確認しなければなりません。
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D. longissimumは葉の根元には鋸歯があり、全体的に葉縁に弱い鋸歯があります。根元はよく見えませんが、鋸歯は見受けられません。おそらくは、この植物はDasylirion quadrangratumであると考えられます。実はこの2種は標本がなかったことから混同されてきた歴史があり、海外でもD. quadrangratumはD. longissimumの名前で流通しています。そのため、海外からD. longissimumの種子や苗を取り寄せると、基本的にD. quadrangratumが届くことになります。

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キリンウチワ Pereskiopsis velutina
一見してサボテンに見えませんが、サボテンの仲間です。とはいえ、コノハサボテンではなく、なんとウチワサボテンの仲間です。ちなみに、名札に誤りがあり、「Peireskiopsis」となっていましたが、ただの誤記でしょう。さて、P. velutinaはP. diguetiiと同種とされ、現在はP. diguetiiが正しい学名です。

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Calibanus hookeri
非常に丈夫で日本でも屋外で放置されても平気です。ちなみに、カリバヌス属はベアウカルネア属に吸収されて今は存在しません。ということで、現在はBeaucarnea hookeriとなっています。過去にそのあたりを記事にしていますから、以下のリンクをご参照下さい。


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塊茎はひび割れています。生長は非常に遅いと聞きます。

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晃山 Leuchtenbeigia principis
晃山は1属1種の珍種です。サボテンらしからぬ形状から、「Agave cactus」なる呼び名もあるそうです。最近は割りと流通してきたようで、大型園芸店でもたまに見かけるようになりました。しかし、この晃山はトゲが暴れていて、実にワイルドですね。


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金鯱 Kroenleinia grusonii
大型温室ではお馴染みの金鯱です。なかなか良いサイズでした。金鯱は長らくEchinocactusでしたが、2014年に新属であるKroenleiniaとして独立しました。しかし、遺伝子解析による分子系統では、金鯱はFerocactusであることが確認されています。今後、名前が変更される可能性があります。

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すでに開花年齢のようです。
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生長点が潰れたのか、激しく分頭しています。

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ホホバ Simmondisia chinensis
ホホバは化粧品などに利用されるメキシコの乾燥地の灌木です。筑波実験植物園でも見ましたね。

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ホホバの葉。

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サボテンの骨格。柱サボテンは枯れてもこのような材が残るため、現地では建築にも使われていました。

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Euphorbia milii
ハナキリンが咲いていました。まあ、ミリイ系は一年中咲いていますけどね。


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Euphorbia milii var. longifolia
ミリイの変種です。「longifolia」、つまりは「長い葉」ですから、葉の形が違います。また、全体的に細長く育つ感じがします。ちなみに、変種ロンギフォリアは2020年にEuphorbia betrokanaとして独立種となりました。ミリイ系ハナキリンは皆よく似ているため、まとめられる傾向がありましたが、近年では徐々に再分類されているようです。

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変種ロンギフォリア=ヴェトロカナの花。

いよいよ多肉植物が増えてきました。なんとここからは、基本的にすべて多肉植物です。これはたまりませんね。というわけで続きます。


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1月に行った東京農業大学のバイオリウムの記事の続きです。まだ、全体の1/4も進んでいません。本日は入って左側の壁側に吊るされた着生サボテンを見ていきます。

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Rhipsalis sp.
着生サボテンのリプサリスの仲間が沢山吊るされていました。リプサリスはアメリカ大陸以外にも分布を広げた変わったサボテンです。実は着生サボテンに関してはあまりよく知らないため、リプサリスを含めて今度詳しく調べてみます。


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垂れ下がるリプサリス。ブラジルなどの密林では、リプサリスなどの着生サボテンが樹木に沢山着いてます。

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猿恋葦 Hatiora salicornoides
有名な着生サボテンの珍種です。サボテン要素があまりにも無くて驚きます。ちなみに、名札には「Hatiora sarcoinioides」とありますが、これは誤りで正しくは「Hatiora salicornoides」です。詳しくは知りませんが、誤った名前の方で流通しているそうです。


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リプサリスが沢山吊るされていましたが、名前がわかりません。外見的によく似た種が多いので、詳しくない私では残念ながら判別出来ません。

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リプサリスの小さな花。

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こちらには実がありました。リプサリスは実も見どころの1つです。

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こちらもリプサリス。多毛で特徴的です。Rhipsalis pilocarpaでしょうか。
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リプサリスにしては大型で美しい花です。

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Zamia furfuracea
フルフラケアが分頭しています。フルフラケアはなぜか誤ったZamia pumilaというまったくの別種の名前で呼ばれがちです。バイオリウムと神代植物公園は正しい名前でしたが、残念ながら新宿御苑では誤った名前でした。ちなみに、本物のZ. pumilaは行った植物園では見たことがありません。

 
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モクキリン(杢麒麟) Pereskia aculeata
ペレスキアはサボテン科植物の現存するもっとも起源的な属の1つです。しかし、2013年にペレスキアからLeuenbergeria属が分離され、こちらの属の方がより起源的であることが分かりました。
ペレスキアやレウエンベルゲリアと言った、いわゆるコノハサボテンの仲間はサボテンの進化を考える上でとても重要です。人気があるとは言い難いコノハサボテンですが、研究機関の付属施設としては教育的な意味合いもあり割りと大切な展示です。

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サボテン科植物には見えません。

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トックリラン Beaucarnea recurvata
トックリランは剪定されていました。背が高くなりますからね。仕方がありません。

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しかし、塊茎は樹皮が荒れ味がある形。そういえば、トックリランと言えば筑波実験植物園の群生展示が見事でした。

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大型のアガヴェ。まあ、流石にA. americanaではないでしょう。

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ちょうどアガヴェの花が終わったところでした。

さて、バイオリウムはまだ続きます。次回からはユーフォルビアやアロエ、ディディエレア科の多肉植物が登場します。


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本日も東京農業大学のバイオリウムに行った記事です。なんと、まだ最初の角を曲がったところにいます。わずか数メートルの距離ですが、気になる植物が多すぎてなかなか進めません。

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Euphorbia geroldii 
トゲナシハナキリンのゲロルディイです。ハナキリン屈指の美しい花を咲かせますが、残念ながら花期ではありませんでした。マダガスカル原産。


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リュウビンタイがこんなところにもありました。

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名札がない蘇鉄。
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幹も立派。分岐しています。まあ、しかし写真だけを頼りに種別判定するのはなかなか厳しそうです。

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こちらはラフレシアの模型。

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ロウソクノキ Parmentiera cereifera
円柱状の黄色い果実からついた名前とのこと。新宿御苑でも植栽されていましたが、まだ花や果実は見たことがありません。パナマ原産。


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Ceratozamia hildae
一見して笹のように見えますが、メキシコ高地産の蘇鉄です。

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塊茎は平べったいタイプ。

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Bowenia serrulata
こちらはオーストラリア原産の希少蘇鉄。2回羽状複葉を持つ唯一の蘇鉄。ボウィエア属は2種からなる面白い蘇鉄です。

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葉は革質。
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塊茎は埋まり気味。

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見上げたらアナナスが大量に吊ってありました。

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何やらゲロルディイが大量に生えてますね。花期はさぞ華やかなことでしょう。

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Vanilla planifolia
プラニフォリアはもっとも一般名なヴァニラです。
ヴァニラはあちこちの温室で見かけていますが、未だに花は見たことがありません。中南米の原産。

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吊り鉢のアナナス。カラフルな蕾を伸ばしています。

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ミニ胡蝶蘭が開花中。

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Dendrobium nathanielis
風変わりなデンドロビウム。アッサムからマレー半島の原産。


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Haematoxylum campechianum
説明文にはロッドウッド、カンペシアボクとありましたが、他にもアカミノキ、ブラッドウッドという名前もあるようです。樹液はマヤ族が染料として利用してきました。色素成分のヘマトキシリンは、現代でも病理学や解剖学などで細胞核を染めるために利用されています。パナマ原産でマメ科ジャケツイバラ亜科。


さて、次回からは本格的に多肉植物ゾーンに入ります。というより、バイオリウムの温室はほとんど多肉植物と言っても良いぐらい多肉植物だらけです。ということで、まだまだ続きます。


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本日も東京農業大学のバイオリウムに行った話です。バイオリウムの温室はそれほどの規模ではないものの、密度が高く多肉植物の比率が高いこともあり、なかなか進みません。思わぬ貴重な植物を見ることが出来ました。

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バオバブ Adansonia za
妙な種小名ですが、
現地では「ザー」と呼ばれており種小名はそこから来ているそうです。この個体はなんと実生30年生とのこと。マダガスカル原産のバオバブ。

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バオバブの苗もありました。

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Kalanchoe beharensis
「仙女の舞」の名前で知られる大型のカランコエ。神代植物公園でも見ましたが、見上げる高さに育ちます。大きな葉は表面がフェルト状で、「Velvet Elephant Ear」(ベルベットの象の耳)と呼ばれています。

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Kalanchoe synsepala
匍匐茎を伸ばした先に仔植物が出来て移動していくため、「Working Kalanchoe」(歩くカランコエ)と呼ばれているそうです。
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ちょうど開花中。

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謎のカランコエも開花中。

250118105831894
カンナの仲間。名札がないので種は不明。
250118110007848
Canna paniculataだかCanna indicaだか分かりませんが、開花中でした。
250118105812456
イガイガした実もなっていました。

250118105906202
コンテリクラマゴケ Selaginella uncinata
「レインボーファン」と呼ばれますが、光の当たり具合によっては虹色に輝いて見えます。鬱蒼とした場所にあったので、こんな感じですが。中国、ベトナムの原産。

250118110022149
Typhonodorum lindleyanum
巨大なマダガスカルのサトイモ科植物。一見してバショウの仲間に見えます。「elephant ear」と呼ばれる由来である大きな葉が特徴。自生地では水に浸かることもあるようです。
サトイモ科植物なので地下に芋が出来ますがかぶれるため、水にさらして非常食とするようです。この水でさらしてデンプンを回収する方法は、東南アジアのサゴヤシや日本の栃の実などでも知られており、非常に古い時代から存在する方法です。


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リュウビンタイ Angiopteris lygodiifolia
温室にはつきもののリュウビンタイもなかなかのサイズ。


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温室ではよく見るタコノキの仲間。


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装飾的な革質の葉を持つシダ。

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Kalanchoe millotii
毛に覆われたマダガスカル原産の小型カランコエ。

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Kalanchoe bracteata
マダガスカル原産のシルバーリーフ。「Silver Teaspoons」(銀の匙)とも呼ばれますが、他のカランコエも同じ名前で呼ばれているようです。

さて、バイオリウムはまだまだ続きます。入り口から左折して、まだ突き当たりまで至っていません。バイオリウムは個人的に面白い植物が多く、写真ばかりとっていて本当に進みません。


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先週、東京農業大学のバイオリウムに行って来ましたが、前回はバイオリウムに併設された博物館を見て回りました。今回からはいよいよバイオリウムに向かいます。

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眠そうなスナネズミの脇の出入り口からバイオリウムの温室に入るようです。やはり、外から直に入ることは出来ないようです。

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一度、外に出ますが、Cymbidiumの花茎が伸びていました。丈夫ですね。

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屋外に少しアガヴェが並んでいました。

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農大No.1
有名な「農大No.1」と命名されたアガヴェ。1970年にカクタス長田の長田清一氏が東京農業大学の育種研究所に導入したとのことです。当時、名前が不明だったことから、日本多肉植物の会が農大から出た当時一番良いアガヴェということで、「農大No.1」と命名されたようです。現在はAgave titanotaに比定されました。

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Agave filifera ssp.
フィリフェラは「白糸の王妃」という名前で知られる、フィラメントを出すタイプのアガヴェです。しかし、バイオリウムのHPからダウンロード出来る植物の目録を見ると、「姫滝の白糸」となっていますね。姫滝の白糸はどうやら交配種とされているようで、ssp.がついているのはそういう意味なのでしょう。


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笹の雪 Agave victoriae-reginae
笹の雪は基本的にアガヴェに興味がない私でも、溜め息が出るような美しい植物です。

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吹上 Agave stricta
ストリクタ名義の吹上ですが、ストリアタかも知れません。


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温室に入ると湿度が高くムワッとした感じでした。左側に水辺があり、その前には食虫植物が並んでいました。
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マダガスカルウツボカズラ
Nepenthes madagascariensis

おそろしく小さいウツボカズラの実生。2024年の春に播種したそうです。マダガスカリエンシスはウツボカズラの中では難しい部類のようです。しかし、このサイズでもちゃんと捕虫器が出来ていることに驚きました。

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ミミカキグサ Utricularia  bifida
ミミカキグサはタヌキモの仲間で、土中に袋がある食虫植物です。


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アシナガムシトリスミレ
Pinguicula moranensis
ムシトリスミレが開花中でした。
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葉がベタベタしており、虫がトラップされます。

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ヤツマタモウセンゴケ
Drosera binata var. multifida
非常に分岐するタイプのモウセンゴケ。


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Drosera paradoxa
こういうタイプのモウセンゴケは初めて見ました。


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アフリカナガバモウセンゴケ
Drosera capensis
こちらのモウセンゴケは白花タイプとのこと。


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ビカクシダが吊るされていました。

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パパイヤ Carica papaya
なんとなくパパイヤの鉢植えがありました。
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よく見ると開花中。

バイオリウムはまだ入り口です。私は左回りで見学することにしました。左折すると、左側は水辺で右側は乾燥地帯となっています。次回は多肉植物も登場します。


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1月はこれと言ったイベントもありませんから、植物園に行こうかと考えていましたが、時期的に温室メインの植物園じゃないとあまり見るものがありません。近場はだいたい行ってしまい、後は千葉とか茨城、神奈川で、結構遠いので少し躊躇していました。しかし、※欄でバイオリウムをお勧めされたので、割と近いこともあり早速行ってみました。

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東京農業大学「食と農」の博物館へ到着。隣にバイオリウムがあります。ある意味話題の隈研吾氏のデザインとのこと。

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タイの闘鶏の巨大な像が目印。

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鶏像の隣にまずまず立派な蘇鉄(Cycas revoluta)。

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野良ユッカも見上げる高さに。

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隣にバイオリウムの温室がありますが、入り口がよく分かりません。博物館側から入るとみた。

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博物館の入り口前に鶏が飼育されていました。

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チャボはこじんまりとしていて可愛いですね。正式な名前は桂矮鶏というそうです。

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こちらは東天紅。日本三大長鳴鶏。

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入り口には𦥑が沢山。

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南極飯!という企画展示がありました。

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南極の動物の剥製。

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食品サンプル作りが沢山並んでいました。南極と言えば、岩波新書の『南極越冬記』(1958年刊)を思い出します。食は単純に栄養を摂取するだけではなく、日常の楽しみの1つとしても重要です。厳しく単調な生活では娯楽が少ないですからね。

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こちらはバー。

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南極に生える植物の標本もありました。

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ススキも南極では極小です。

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企画展示の裏手にも面白い展示がありました。『有用植物図説』という明治24年(1891年)の書物。このような貴重な資料も見ることが出来ます。
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単子葉類と茸。
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大根と蕪。

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タマムシの発色を再現したチタン製品とのこと。

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こちらは、東京農業大学で誕生した特別なマウスの標本。「かぐや」と命名されたので、竹から顔を出しています。母親の遺伝子だけで生まれてきたマウスですが、通常は出来ないことが分かり特別な方法を駆使しているそうです。

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2階に上がると、鶏の剥製が沢山。尾がとんでもなく長い尾長鶏。

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様々な卵。

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酒造も、日本の農耕に関する重要な文化の1つです。

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昔の古民家が再現されていました。他にも酒樽や美しい酒器なども展示されていました。

バイオリウムに行くと言っておきながら長々と博物館を見て回りましたが、次回からいよいよバイオリウムの温室に向かいます。


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去年の12月に行った夢の島熱帯植物館の続きです。長く続いた記事も、本日が最終となります。建屋の周囲をぐるりと一回りして帰りました。

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巨大な切り株はマレーシアから運ばれてきたものだそうです。フタバガキ科の樹木をラワンと言いますが、日本ではラワンと言えば材の名前として流通していますね。「ショレア・アクミナティッシマ」と説明にありましたが、要するに「Shorea acuminatissima」のことです。2022年にRichetia属に移されました。

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椰子の根元に何かが絡みついています。いったい、何ものでしょうか? 気になりますね。

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2階のオーストラリア庭園から見えたカミヤツデらしき植物。

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薬草園は時期的に閑散としていましたが、アーモンド(Prunus dulcis)はまだ葉がありました。

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建物の裏に周ります。

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裏手の花壇に花が咲いていました。ウィンターセージ(Salvia semiatrata)でしょうか。メキシコの高山に生え、サボテンと一緒に生えるそうです。

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パンパスグラスがあったりします。

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海が一望出来るベンチがありました。船が沢山停留しています。

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1周回って正面に戻ってきました。立派なアコウ(Ficus superba)がありました。
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この寒い中、実が沢山ついています。
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太い幹からも直接実がなります。温室内のカカオと同じ幹生果ですね。幹生果は実に熱帯的ですが、アコウは南方系とはいえ紀伊半島以南まで自生します。
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ガジュマルやアコウなどのイチジク科植物の中には、気根を伸ばすものがあります。

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さて、反対側にもあった椰子に絡まる謎植物ですが、こちら側にもありました。
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すごい絡まりぶりです。
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実がなっていました。明らかにイチジク科植物ですが、近くにあるアコウかは分かりません。むしろ、椰子にもともと絡んだまま一緒に植栽されたような気もします。

というわけで、夢の島熱帯植物館へ行ってきた記録となります。熱帯植物を十二分に堪能しました。夢の島熱帯植物は、まず椰子が巨大でしたね。さらに、関連する植物が並んでいたりしますから、これは良い展示方法だと思いました。しかし、あらかじめ事前知識を必要としますから、詳しければより楽しむことが出来ます。冬でも加温温室のある植物園は暖かく緑に溢れています。皆様も植物園へ行ってみてはいかがでしょうか。


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2025年になってしまいましたが、去年の12月に行った夢の島熱帯植物館の記事の続きです。イベントホールに置かれた大量の鉢植えを見学中です。

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インドセンダン Azadirachta indica
「ニームノキ」としかラベルにありませんでしたから、何かと思ったらどうやらインドセンダンのことでした。伝統医療に使用する「ニームオイル」を採取するなど、生活に利用されているそうです。

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クッカバラ
小型のセロームのようなフィロデンドロン。しかし、ラベルには「クッカバラ」とだけありましたが、実に奇妙な名前です。「クッカバラ」とは「Kookaburra」、つまり「ワライカワセミ」のことです。学名はPhilodendron Kookaburraと書かれがちですが、そのような学名のフィロデンドロンはありません。調べると、P. xanaduであるとも書かれていました。しかし、P. xanaduはブラジル原産で、オーストラリア原産のワライカワセミとイメージが合いません。オーストラリアで流行った的なことが書いてあるサイトもありましたが、ちょっと怪しく感じてしまいました。そもそも、「Philodendron Kookaburra」で検索しても日本語のサイトしかヒットしない時点で、日本で売る際に業者が勝手につけた名前のような気がします。

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ブシュカン Citrus medica 'Sarcodactylis'
いわゆる「仏手柑」で、人の手のような不思議な形の実がなる柑橘類です。ラベルにはシトロン(C. medica)の品種のように書かれていますが、現在はレモンの1種とされています。つまり、「Citrus × limon」です。レモンは交雑種で、C. maxima(ザボン) × C. medica(シトロン) × C. reticulata(マンダリンオレンジ)ということです。
そういえば、高知県では柚子やスダチのような小型の柑橘である「ぶしゅかん」があるそうで、ややこしいですね。こちらは区別のためにひらがな表記なのだとか。


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ヒロハケンチャヤシ Howea forsteriana
キュー王立植物園のサイトでは、解説ではLord Howe島原産とあるのに、分布欄にはNorfolk島原産とありました。どちらが正しいのでしょうか。


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サトウヤシ Arenga pinnata
砂糖を採るために商業的に栽培される椰子ですが、プランテーションに向かないようです。東南アジアの原産。
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幹はやたらにゴツいですね。

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サンジャクバナナ Musa acuminata 'Dwarf Cavendish'
矮性バナナですが鉢栽培されています。そういえば、筑波実験植物園でサンジャクバナナの花を見ました。学名はマレーヤマバショウ(M. acuminata)の園芸品種です。現在流通しているバナナはほとんどが「Cavendish」ですが、正確にはサンジャ
クバナナはその矮性品種ということになります。以前の食用バナナの主流だった「Gros Michel」がパナマ病で壊滅的なダメージを受けたことにより、耐病性に優れていたためCavendishが選ばれました。次点で形やサイズ、運搬中に変色しないなど、必ずしも味で選ばれたわけではないため、CavendishはGros Michelより味が落ちるとされているようです。

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センニンカズラ
センニンカズラと呼ばれるものには2種類あり、葉色が明るく光沢があるPhilodendron bipennifoliumと、葉色が灰緑色で光沢が弱いPhilodendron panduriformeがあるとされているそうです。この個体はP. bipennifoliumということになるのでしょうか?


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タンクブロメリアが開花しています。Aechmeaでしょうか?

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コモチクジャクヤシ Caryota mitis
コモチクジャクヤシは特徴的な葉を持ちます。新宿御苑でも鉢植えのコモチクジャクヤシを見ましたが、やはり地植えの板橋区立熱帯環境植物館が素晴らしいですね。かなり巨大で2階の空中歩道から房なりの果実を見ることが出来ました。


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ラベルがないので名前が分かりませんが、毛に覆われた茎からするとワタゲカズラ(Philodendron squamiferum)でしょうか?

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美しいタンクブロメリアです。

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トックリラン Beaucarnea reculvata
温室ではよく見るトックリランです。地植えの方が迫力が出ますね。筑波実験植物園の群生展示は見事でした。
一般的にはNolina reculvataとされてきましたが、現在はBeaucarneaに統合されました。ちなみに、ラベルのNolina reculnataは誤記。


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タイヘイヨウグルミ Inocarpus fagifer
太平洋諸島に広く分布するマメ科植物。クルミの仲間ではありませんが、有毒な種子は加工することにより食用となります。


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今回で温室は終了です。後は夢の島熱帯植物館の周囲をぐるりと1周して帰りました。次回でラストです。


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今日も去年の12月に行った夢の島熱帯植物館の続きです。今回はイベントホールの鉢植えを堪能しました。

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リュウガン Dimocarpus longan
いわゆる「龍眼」で、果実は中華料理や漢方に利用されます。ちなみに、ラベルには「Euhoria longan」とありましたが、これは「Euphoria」の誤記ですね。さらに、Euphoria longanは現在はDimocarpus longanの異名とされています。

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果実が見られないのは残念。

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Macadamia integrifolia
マカダミアナッツの1種で、4種類あるマカダミアナッツの中でインテグリフォリアはもっとも一般的な種です。オーストラリア原産。

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インテグリフォリアは新宿御苑でも見かけましたが、果実を見たのは初めてです。

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Chamaedorea oblongata
幅が広く薄い美しい葉を持つ中米原産の椰子。ちょうど果実がなっていました。


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キンキジュ Pithecellobium dulce
「Pithecelebium dulce」とラベルにありましたが、これは誤記です。中南米の原産ですが、世界中の熱帯で栽培されます。「金亀樹」と書くらしいですね。

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見るからにマメ科の植物。豆は食用とのこと。
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通常は白花です。園芸品種でしょうか?

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パキラ Pachira
100均でもお馴染みのインテリア植物ですが、育つと普通に樹木として育ちます。ラベルには「パキラ」としかありませんでしたが、パキラ属は54種ありますから種の判別は困難です。ただし、日本で流通しているのはカイエンナッツ(P. aquatica)が一般的のようです。しかし、P. aquaticaとされて栽培される植物は、実際にはP. glabraであるという情報もあります。ここらへんはよく分かりませんね。
カイエンナッツの果実は食用とされることもありますが、有毒なソラニンが含まれており食用が禁止されている地域もあるようです。

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パキラと言えど育つと高さ20m程度にはなるので、幹も実に立派です。

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ソーセージノキ Kigelia africana
新宿御苑でも見かけましたが、5〜10kgにもなるソーセージ型の果実がぶら下がる奇妙な姿はまだ見たことがありません。熱帯アフリカに広く分布します。


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バンレイシ(シャカトウ) Annona squamosa
バンレイシの樹を見たのは初めてです。「釈迦頭」の由来となった特徴的な果実は、まだ見たことはありません。中米原産。

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幹はかなり立派でした。高さ3〜8mとなるようですから、すでに開花している株かも知れません。

イベントホールはまだ続きます。


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さてさて、絶賛正月中ですが、何事もないかの如く、去年の12月始めに行った夢の島熱帯植物館の続きを記事にします。前回はメインの大温室が終わり、食虫植物の温室を廻ったところまででした。食虫植物温室の反対側のドアを開くと、屋外のオーストラリア庭園となっています。2階にありますから空中庭園ですね。

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池がありましたが、12月ですから少し淋しい感じかも知れません。

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ところが、まさかの屋外のサラセニア。サラセニアは寒さも平気そうです。

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ギョリュウバイ Leptospermum scoparium
寒い中、ギョリュウバイが咲いていました。ギョリュウバイはミツバチの蜜源として重要で、蜂蜜はマヌカハニーと呼ばれています。


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Banksia integrifolia
何気なくバンクシアがありました。屋外でも育つものなのですね。インテグリフォリアは神代植物公園の温室で見たことがありますが、ここの個体の方が立派です。
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葉はこんな感じ。
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葉裏は白。
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果実が出来ています。火事に会うと種子が飛び出す仕掛けです。オーストラリアの乾燥地は火事がつきものですからね。植物も適応した生態を持ちます。
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運良く花が咲いていました。初めてみましたね。ラッキーでした。

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1階に植えられた樹木の林冠がちょうど見えます。
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毛に覆われた蕾が見えます。たぶん、カミヤツデ(Tetrapanax papyrifer)ですよね。中国南部、台湾の原産。

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さて、建物に戻りイベントホールに到着しました。ここが終点です。鉢植えの植物が沢山並んでいました。

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2階から見下ろすと、何やら気になる植物があります。
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リュウケツジュ Dracaena draco
リュウケツジュは温室栽培すると、枝分かれしないで単幹になりがちです。しかし、珍しいことにこの高さで枝分かれしています。カナリア諸島原産。


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パラワンヤシ(マニラヤシ) Adonidia merrillii
スッキリした樹形の美しい椰子です。ボルネオ、フィリピンの原産。

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オオミノトケイソウ Passiflora quadrangularis
いわゆるパッションフルーツです。特徴的な花が見られなくて残念。ブラジル、コロンビア原産。

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タヒチモンビン Spondias dulcis
果実は食用です。ニューギニア周辺の原産。

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ちょうど実がありました。果実は緑色のうちに落ちて、その後に黄金色に熟すそうですから、まだ未熟ですね。どのような味なのでしょうか?

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斑入りのパキラが美しいですね。

さて、本日はここまでとしましょう。イベントホールの植物たちはまだ沢山ありました。続きます。


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さて、12月の始めに行った夢の島熱帯植物館の続きです。今回は食虫植物温室をご紹介します。

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ミラクルフルーツ Synsepalum dulcificum
温室を出た通路に何やら鉢が並べてありますが、何気なく通り過ぎてしまいがちですが、全部ミラクルフルーツの鉢です。ミラクルフルーツの果実を食べると、レモン果汁などの酸味が甘味に感じるという不思議な植物です。

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探すとちょっとだけ実がなっていました。

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右の扉はオーストラリア庭園ですが、先に左の扉にある食虫植物温室へ入ります。食虫植物については今年本を読んだので、興味深く見ました。その本はブックレビューを書きましたので、以下のリンクをご参照下さい。

食虫植物は貧栄養に対する適応で、昆虫などを捕獲して養分とする植物です。一応、定義がありますのでお示ししておきましょう。一般的には、①獲物の誘引、②獲物の捕獲、③獲物の分解、④養分の吸収、⑤養分の活用があるそうです。獲物を捕まえるだけでは駄目で、その養分を吸収してそれが生長に役立っている必要があります。というのも、例えば害虫対策にベタベタしている植物もあり、その場合は昆虫などがベタベタにくっついても分解されず、養分にはならないからです。定義を踏まえて見ていきましょう。

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ハエトリグサ Dionaea spp.
ハエトリソウとかハエジゴクと呼ばれる食虫植物で、園芸店でも販売されることがあります。ハエトリグサの仲間は、食虫植物の定義のすべてを満たしています。捕虫器には1枚に3本の感覚毛があり、続けて2回触れると捕虫器が閉じます。空振りを防ぐ巧みな仕組みです。


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温室内には食虫植物ではないTillandsiaやツツアナナスが沢山ありました。

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沢山の種類の食虫植物が並びます。

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サラセニア Sarracenia spp.
サラセニアはウツボカズラと同じ落とし穴型の食虫植物の代表的な例です。食虫植物の定義のすべてを満たしています。サラセニアは植物園ではお馴染みですが、野外に植えられることもあります。


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ウツボカズラ Nepenthes spp.
ウツボカズラは代表的な食虫植物ですが、熱帯性で意外と育てにくい食虫植物です、ウツボカズラも食虫植物の定義のすべてを満たしています。
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小型の可愛らしいウツボカズラ。

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Brocchinia spp.
ブロキニアは植物園でも見かけない落とし穴型の食虫植物です。パイナップル科のツツアナナスの仲間です。食虫植物の定義のうち、③獲物の分解だけは満たしていないとあります。しかし、他の生物により分解を受けるようで、すべての定義が満たされています。

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筒状の葉の中心には水が溜まります。言わば食虫性のタンクブロメリアです。

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ムシトリスミレの仲間 Pinguicula spp.
ベタつく葉で捕虫するトリモチ型の食虫植物。モウセンゴケのようには動きませんが、消化しやすいように葉を凹ませる程度は葉が動くようです。ムシトリスミレは食虫植物の定義のうち、①誘引は不明ですがそれ以外は満たしています。もしかしたら、知らないだけで未知の誘引物質が存在する可能性があるかもしれません。

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花は非常に美しいですね。

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ミミカキグサ Utricularia spp.
ミミカキグサはウトリクラリア属ですから、要するにタヌキモの仲間です。タヌキモは完全に水中性で、水中にある袋にミジンコなどを吸い込んで捕虫する吸い込み罠型です。タヌキモの仲間は食虫植物の程度のすべての定義を満たしています。ミミカキグサは土中に袋があるようです。

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非常に小さい植物です。
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花がちらほら咲いていました。

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モウセンゴケ Drosera spp.
モウセンゴケは粘液で捕虫するトリモチ型の食虫植物。獲物がかかると巻き込むように葉が動きます。モウセンゴケは食虫植物の定義をすべて満たしています。

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奇妙な形の捕虫器。

植物園と言えど、展示イベントでもない限りはウツボカズラかあってもサラセニアくらいしか食虫植物はありません。ですから、常設でこれだけ豊富な食虫植物のコレクションを見ることは素晴らしいことですね。モウセンゴケやミミカキグサは十分珍しいのですが、ブロキニアには驚かされました。



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12月始めに行った夢の島熱帯植物館の続きですが、いよいよメイン温室も最後です。後はイベントホールと室外にある小さな食虫植物温室、それと室外が少しありますね。

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ノヤシ Clinostigma savoryanum
小笠原諸島原産の椰子。和名のダサさからは想像出来ない優美な葉を持ちます。海外沿いではなく山地に生えるタイプ。


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シマムロ Juniperus taxifolia
小笠原諸島唯一自生する針葉樹。ビャクシンですね。


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オウギバショウ Ravenala madagascariensis
いわゆるタビビトノキ。今まで見た中でも最大級のサイズですが、これくらい育つと並んだ葉が美しいですね。マダガスカル原産。

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よく見ると花芽がでていました。

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Dombeya wallichii
マダガスカル原産のアオイ科植物。素晴らしい花を咲かせますが、残念ながら花はありませんでした。

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蕾は沢山ありました。

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花キリンも咲いていました。

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ミツヤヤシ Neodypsis decaryi
マダガスカル原産の椰子。2022年にChrysalidocarpus decaryiとされました。英名でも三角椰子(triangle palm)ですが、葉が120度の間隔で出るため茎の断面が三角形になるからだそうです。


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タチテンノウメ Osteomeles schweriniae
小笠原諸島のO. schweriniaeはvar. boninensisとされたこともありますが、現在はvar. schweriniaeに統一されてしまっているようです。しかし、中国と小笠原諸島はあまりにも地理的に距離がありすぎる気もします。


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ウチワヤシ Licuala grandis
その美しい葉で有名なウチワヤシです。今まで見たウチワヤシの中でも、この個体が最優美ですね。バヌアツ原産。


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オガサワラビロウ Livistona boninensis
小笠原諸島原産のビロウ。ビロウ(L. chinensis)の変種とされることもあります。オガサワラオオコウモリが花を食べにくると書いてありました。



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12月始めに行った夢の島熱帯植物館の続きです。いよいよメインの大温室も終盤です。いくつかの植物は小笠原諸島原産のものもありました。

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タイワンハマオモト Crinum asiaticum var. sinicum
巨大に育つハマオモト(ハマユウ)。var. sinicumは中国南部、台湾、南西諸島の原産。なお、ハマオモトは4変種あり、他に日本や朝鮮半島原産のvar. japonicum、東南アジアに広く分布するvar. asiaticum、オーストラリアやニューギニア原産のvar. pedunculatumがあります。

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タイミングよく開花中でした。そういえば、9月に行った新宿御苑でもタイワンハマオモトの花を見ています。

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マルハチ Sphaeropteris mertensiana
小笠原諸島原産のヘゴ。残念ながら枯れて幹だけでした。しかし、葉の落ちた跡が、丸に逆八の字という名前の由来が見れたのは良かったですね。一般的にはCyathea mertensianaとされますが、現在はヘゴ属ではなく亜属扱いだったSphaeropterisが属に昇格し、Sphaeropteris mertensianaとなっています。


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リュウビンタイモドキ Ptisana boninensis
温室にリュウビンタイはつきものですが、リュウビンタイモドキは初めて見ました。小笠原諸島の原産。

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リュウビンタイの仲間は塊根があります。

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ムニンヒメツバキ Schima wallichii
小笠原諸島原産。S. wallichiiとなっていますが、これはただのヒメツバキの学名ですね。とはいえ、ヒメツバキの仲間は分類が難しいようで、別種とするか否かは異論があるようです。ムニンヒメツバキはヒメツバキの亜種であるS. wallichii ssp. mertensianaとされたこともありますが、現在はS. mertensianaとして独立しています。

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葉はこんな感じ。花が見たいですね。

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タマリンド Tamarindus indica
果実は食用で世界中の熱帯で栽培されます。マダガスカル、コモロ諸島の原産。

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如何にもなマメ科の葉です。

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サポジラ Manilkara zapota
いわゆるチューインガムノキ。果実は食用となりますが、それよりかつては乳液を煮詰めてチューインガムの原料であるチクルガムを採取したことで有名です。


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バンジロウ Psidium guajava
いわゆるグァバですが、グァバはPsidium属全体の呼び名のようです。南米原産ですが、小笠原諸島に帰化しています。

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幹はサルスベリのように樹皮が剥がれています。

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マンゴー Mangifera indica
言わずとしれたマンゴーですが、アッサム、ヒマラヤ地域、ミャンマー、タイの原産とのことで、インドが栽培の中心のようです。日本では九州や沖縄で栽培されますが、小笠原諸島では帰化しています。


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バニラ Vanilla mexicana
ヴァニラはどうも相性が悪く、なかなか花を見ることが出来ません。板橋区立熱帯環境植物館や筑波実験植物園でも花は見られませんでした。
そういえば、ヴァニラは126種ありますが、もっとも一般的なのはV. planifoliaで、品質は劣るV. pomponaもバニラビーンズとして利用されるそうです。このメキシコバニラはどうでしょうか?


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モモタマナ Terminalia catappa
モモタマナは種子が海流で拡散されるタイプで、マダガスカルからオーストラリア、インド、南西諸島までと分布は広大です。日本では南方系のシクンシ科植物は珍しい部類です。



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いよいよ、夢の島熱帯植物館の温室も後半戦です。


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サラダノキ Pisonia grandis
Cabbage Tree、つまりキャベツノキと呼ばれるオシロイバナ科の樹木。マレーシア地域から太平洋諸島では葉や芽が食用となるそうです。葉はレタスのような味なんだそうです。
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明るい葉色は観賞用としても有用です。

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実に熱帯的な滝。

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Goeppertia crotalifera
旧・Calatheaとありましたが、Goeppertia crotaliferaという名前は調べても出てきませんね。キュー王立植物園のデータベースでも確認しましたが、Goeppertiaとされたことはないようです。現在の学名はCalathea crotalifera。中南米の原産。
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花はジグザグしていて面白いですね。

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ショクリョウバナナ Musa × paradisiaca
言わずとしれたバナナ。温室では定番です。
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まだ実は青いですね。

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ホウガンボク Couroupita guianensis
いわゆるホウガンノキで、巨大で堅牢な果実で知られています。花や果実が見られなかったのは残念ですが、初めてホウガンノキを見ることが出来て感動しました。中南米の原産ですが、硬い果実を破壊出来る動物がいないため、野生状態では増える事が出来ないと聞いた事があります。おそらく象などの南米では絶滅した大型哺乳類が関与していたのでしょう。

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パンノキ Artocarpus incisus
果実を煮たり焼いたりして食糧とすることで有名なパンノキです。Artocarpusはパラミツ(ジャックフルーツ)と同属でしたね。
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大きく特徴的な葉は、木陰をつくるため公園などにも植栽されるそうです。

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ドリアン Durio zibethiuns
強烈な臭いがする果実で有名なドリアンです。

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タコノキ Pandanus 
タコノキも温室ではお馴染みのメンバーです。しかし、このタコノキは今まで見た中では最大ですね。気根も多く実に立派です。
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よく見たら高い場所に果実がなっていました。

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アカタコノキ(ビヨウタコノキ) Pandanus utilis
マダガスカル原産のタコノキ。通路を防ぐためか、葉がカットされていました。
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青白い肌に赤い鋸歯が鮮烈です。筑波実験植物園の個体は背が高く、目線の高さに葉がなかったので気が付きませんでした。


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本日も12月始めに行った夢の島熱帯植物館の続きです。温室の半分くらいまで来ましたが、ここから高台に登っていきます。

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ニッパヤシで葺いた「熱帯の家」。休憩所を兼ねています。この東屋の脇から高台に登ります。

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ショウジョウヤシ Cyrtostachys renda
非常に美しい緋色のヤシ。耐寒性がないため日本では温室に植えられています。筑波実験植物園でも見ましたが、間近で見たのは初めてです。タイ、Malaya、ボルネオ、スマトラ島の原産。
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若い稈の美しさは特筆に値します。

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名札はありませんでしたが、ニッケイ(シナモン)の仲間のような気がします。

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気根が垂れ下がる熱帯的な景観。

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ヤエヤマヤシ Satakentia liukiuensis
そびえ立つヤエヤマヤシ。八重山諸島の石垣島と西表島に自生するのヤシ。属名はヤシ研究家の佐竹利彦氏に対する献名とのこと。1属1種の珍種でもあります。

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ブーゲンビレアが高台の頂上で咲いていました。ここからは東屋まで降りていきます。

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ふと足元を見るとアロイドの鮮やかな花が咲いていたりします。

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ダイオウヤシ Roystonea regia
生長速度が早い大型のヤシ。見上げる高さです。優美な姿なため暖地では街路樹として植栽されるそうです。キューバ原産。

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アセロラ Malpighia emarginata
何気ない灌木がアセロラだったりします。中米周辺の原産。

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ユスラヤシ Archontophoenix alexandrae
こちらも大型のヤシ。オーストラリア原産。

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「熱帯の家」に帰ってきました。東南アジアのお面が飾ってあります。

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Goeppertia 'Gekko'
「月光」という名前のクズウコン科植物の園芸品種。大変美しい斑が入ります。ちょうど開花中でした。

折り返し地点まで来ました。まだ夢の島熱帯植物館の記事は続きます。


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12月始めに訪れた、夢の島熱帯植物館の続きです。今回は温室の中央付近まで進みます。

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ココヤシ Cocos nucifera
そびえ立つ巨大なココヤシ。日本人が想像する椰子の実はココヤシの実ですよね。熱帯地域で広く栽培され、様々な用途に使われます。
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よく見たら1つだけ実がなっていました。あれが落ちてきて当たったら只では済まなそうですね。

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パラミツ Artocarpus heterophyllus
巨大な果実を直接幹から生やすことで有名なジャックフルーツです。一抱えもある巨大な果実には未だに出会えていません。
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葉は思いの外、厚みがありしっかりしていて濃色。

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アレカヤシ Dypsis lutescens
一般的には「アレカヤシ」ですが、コガネタケヤシ(ヤマドリヤシ)と言った方が正しいようです。昔はアレカ属とされたこともあるためアレカヤシと呼ばれたのでしょう。現在の学名はChrysalidocarpus lutescensです。

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ビンロウ Areca catechu
いわゆる檳榔樹です。南方の習慣で、ビンロウの実を石灰とともに噛む光景はテレビなどでもお馴染みです。
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ちょうど花を見ることが出来ました。

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キンマ Piper betle
ビンロウの根元を這うつる植物があったのですが、この葉の感じにピンときました。これはピペル、つまりコショウの仲間です。ビンロウと来てピペルときたら、当然キンマなわけです。ビンロウの実はキンマの葉に包んで一緒に噛みます。キンマの葉は結構苦いそうです。このように用途で組み合わせて植えられているのは楽しいですね。

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ゴレンシ Averrhoa carambola
いわゆるスターフルーツですが、要するにでかいカタバミの仲間です。
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艷やかな実が鈴なりになっていました。

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ビワモドキ Dillenia indica
美しい葉が特徴のビワモドキです。印象的な花を咲かせますが、まだ見たことはありません。板橋区立熱帯環境植物館で初めて見ましたが、ビワモドキ科は日本には自生しないため、これも貴重な体験です。

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セイロンマンリョウ Ardisia elliptica
マンリョウ(万両)やカラタチバナ(=百両)と同じヤブコウジ属ですが、高さ5mにもなります。インド洋あたりの原産のようですが、移植されると増えすぎてしまうようで、世界の侵略的外来種ワースト100に指定されています。

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カカオ Theobroma cacao
カカオの実がちょうど沢山なっていました。熱帯の樹木によく見られる、幹から直接開花して果実をつける幹生果です。そういえば、新宿御苑でも着果していましたね。
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よいサイズのカカオ。
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熟成しきった実と若い緑色の実。

いよいよ、夢の島熱帯植物館の温室も半分くらいまで進みました。ここからは、順路を外れ高台に登っていきます。


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前回に引き続き夢の島熱帯植物館へ行った話です。温室に入りましたが、まだ入ったばかりのところで終わっていましたね。今回はグイグイ進みます。

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ヒカゲヘゴ Cyathea lepifera
奄美大島以南に自生する木性シダ。ヘゴは大型で見栄えし優美なため、温室には欠かせない植物です。現在はSphaeropteris lepiferaとされているようです。SphaeropterisはCyathea属内の亜属でしたが、遺伝子解析の結果により分離・独立しました。

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ゾウタケ(ダイマチク) Dendrocalamus giganteus
高さ30m、直径30cmになる最大の竹とのことです。見上げる高さでした。しかし、植物園の温室で竹は割りと珍しいですね。
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驚いたのはこの棹の太さです。写真だとイマイチ伝わりませんが…

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サキシマスオウノキ Heritiera littoralis
盤根が発達することで有名で、マングローブ林などで体を支える働きがあるとされているようです。ちなみに、「先島」とは宮古列島と八重山列島を合わせた地域を指します。とはいえ、種子は海流に乗り拡散されるため、分布はポリネシアやインド洋岸までととても広いものです。
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盤根も少しできていました。

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オヒルギ Burguiera symnorhiza
マングローブ林の構成樹木です。湿地帯が造成されている温室では必ず植えられています。やはり、こちらも海流散布されるため、分布は広大です。

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Heliconiaですかね? 小型ですが、スッキリとした形で色合いも良いですね。

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ミミモチシダ Acrostichum aureum
マングローブ林に生える巨大な水生シダです。神代植物公園でも見かけました。
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葉は革質で巨大。

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ハナチョウジ Russelia equisetiformis
わさわさ生えていますが、ハナチョウジは日本でも暖地なら野外に植えられるそうです。Cyrtanthusのような雰囲気の面白い花が咲きます。

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カトレアが沢山咲いていましたが、実に良い香りがしました。ちょうど洋ランの花期だったみたいです。

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こちらはオンシジウム。

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コチョウランも可愛らしいですね。

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このように着生シダが何気なく生態展示されています。

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滝の裏側を通ります。飛沫が少しかかるダイナミックな仕様。

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ホソバリュウビンタイ  Angiopteris palmiformis
南方系のリュウビンタイですが、より巨大に育ちます。葉は見上げる高さです。そういえば、新宿御苑の温室で異様に巨大なリュウビンタイがありましたが、ホソバリュウビンタイだったのでしょうか?
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塊根は見えづらいですのですがやはり巨大。

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クロツグ Arenga engleri
南西諸島や台湾に分布する小型のヤシ。観賞用に適したタイプではないせいか、あまり栽培されないヤシです。調べてみたら、南西諸島原産のクロツグは2006年にArenga ryukyuensisとして独立したようです。よって、A. engleriは台湾に自生する種に対する学名になります。

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マンゴー Mangifera indica
残念ながら実はありませんでしたが、立派なマンゴーの樹です。筑波実験植物園では鉢植えのマンゴーに小さな青い実がついていましたから、割と若いうちから結実するのかも知れません。

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ヒスイカズラ Strongylodon macrobotrys
花期ではないので目立ちませんが、かなり大規模なヒスイカズラです。花が咲けば見応えがあるでしょうね。神代植物公園では間近で花を見ることが出来ました。オオコウモリが受粉するという面白い生態の植物でもあります。

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パナマソウ Carludovica palmata
パナマノキを見るのは筑波実験植物園に続いて2回目。ヤシのようにも見えますが、実はタコノキに近縁なグループです。実に奇妙な植物ですが、その不思議な花を一度見てみたいものです。


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昨日に引き続き夢の島熱帯植物館へ行った話です。昨日は公園内と植物館の外をぶらついただけでした。今回からいよいよ温室内に入ります。夢の島熱帯植物館はゴミ焼却で発生した熱で温室を加温している施設ですから、温室がメインとなります。

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シェフレラに沢山の蕾がついていました。シェフレラは野外で地植えされることもあるくらい丈夫ですが、花はなかなか見る機会がありません。そういえば、一般的にシェフレラ(Schefflera)と呼ばれていますが、最近シェフレラ属ではなくなったので和名のヤドリフカノキと呼ぶべきなのでしょうか? 昔はホンコンカポックなんて呼んでいましたが、カポックは複数の植物を指しているのであまり良い名前ではなさそうです。ちなみに、Heptapleurum arboricolaが現在の学名です。
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こちらの枝は開花中でした。しかし、地味な花です。地味な花は風媒花と相場が決まっていますが、花粉を量産するような花には見えないので、虫媒花なのでしょう。花粉媒介者にどのようにアピールしているのでしょうか?

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入口に壁掛けのビカクシダ。植物園ではこのサイズは珍しくありません。

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入口前の通路は早くもクリスマス仕様。

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温室に入るとまず鮮やかな赤い花が目に入ります。ヤクチ(Alpinia oxyphylla)とありましたが、レッドジンジャー(Alpinia purpurata)に見えます。

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フウリンブッソウゲ Hibiscus schizopetalus
フウリンブッソウゲが咲いていました。新宿御苑でも見ましたが、実に装飾的な花です。

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斑入りのアスプレニウム。
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芸術的な模様です。

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インドボダイジュ(印度菩提樹) Ficus religiosa
仏教三聖樹の1つ。仏陀がインドボダイジュの下で悟りを開いたとされています。
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インドボダイジュはこの長い滴下尖端が特徴です。

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ムユウジュ(無憂樹) Saraca indica
仏陀三聖樹の1つ。釈迦の生誕に関わる樹。

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サラノキ Shorea robusta
いわゆる沙羅双樹で、仏陀三大聖樹の1つ。仏陀の入滅に関わる樹。サラノキは初めて見ました。日本の寺院ではナツツバキをサラノキとして植えることが多いと説明に書いてありました。
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樹皮が割れています。コルクが発達しているのでしょうか?

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Holmskioldia tettensis
この淡い花弁のようなものは萼で、本来は紫色の花弁がついています。散った後なのかこれから咲くのかはよく分かりません。タヒチアンハットなどと呼ばれているそうです。ちなみに、現在はKaromia属とされているようです。

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滝がある池の景観。

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タイリンヒメフヨウ Malvaviscus penduliflorus
タイリンヒメフヨウが沢山咲いていました。「フヨウ」と付きますが、Hibiscusではありません。
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下向きで開ききらない面白い花です。

夢の島熱帯植物館はまだ温室に入ったばかりです。仏教三聖樹が並べてあった様に、夢の島熱帯植物館では関係する植物がまとめて植えてある場合もあるようです。おそらく、私が気が付かないものもあったかも知れません。さて、夢の島熱帯植物館の記事はまだまだ続きます。


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12月は何もやることがないのですが、最後に植物園に行こうと思い立ちました。今年最後のイベントになりそうですが、季節的に温室内が良いだろうということで、夢の島熱帯植物館に決まりました。この季節に野外の植物は落葉しているものも多く、花や果実を見ることは出来そうにありませんからね。
さて、というわけで新木場駅から徒歩で夢の島熱帯植物館へ向かいました。陽射しが強く日中は暖かいくらいでしたね。

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公園内は沢山の樹木が植えられていましたが、ユーカリらしき樹木があちらこちらにありました。花的にこれもユーカリっぽいですね。

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巨大なカナリーヤシが何本かありました。
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こちらの個体は気根が多く、何やらモサモサした見た目です。

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お馴染みのアオノリュウゼツラン。

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何気なく低木がありますが、花が咲いています。
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これは、まさかのCallistemon。こんな低木状に育つのは予想外でした。

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ハナシュクシャ(ジンジャーリリー、Hedychium)らしき花が沢山咲いていました。

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ここまでは公園内の植栽でした。いよいよ、夢の島熱帯植物館に到着です。

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ハロウィンの名残で巨大カボチャが沢山。
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色も形も様々。

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こちらは花で作ったカボチャの壁画。ベゴニアとトウガラシとマリーゴールドでしょうか?

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ここにもアオノリュウゼツラン。
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何回か花茎が伸びているところは見ていますが、開花のタイミングには上手く合いませんね。
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見上げる高さです。

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ソテツ Cycas revoluta
ソテツはまあまあ良いサイズ。
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開花の跡があります。

241201101550822
Stenocarpus sinuatus
ニューギニアとオーストラリア原産のヤマモガシ科植物。不思議な花をつけますが、流石に季節外れでした。
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装飾的な葉が美しいですね。

241201101606264
Opuntia ficus-indica
果実を食用とするために世界中に移植されたウチワサボテンです。食用以外にも利用出来ないか色々と研究されています。

241201101624235
Aloe arborescens
いわゆるキダチアロエですが、地植えだと大群落を作りがちです。
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開花はまだみたいです

241201101646609
鬼面角 Cereus peruvianus
鬼面角は外栽培でも越冬出来るみたいですね。しかし、C. peruvianusは難のある名前で、Cereus repandusとStenocereus griseusの異名です。鬼面角はC. repandusの方ですね。
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アップにするとこんな感じ。

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名札がありませんが、Agave angustifoliaでしょうか。

241201101726431
Dioon edule
エドゥレは非常に生長が遅いソテツで、このサイズでもそれなりの年齢のはずです。非常に美しい葉を持ちます。しかし、外栽培というか戸外に地植えでも平気なもんですね。
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古いコーンがまだ残っています。

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Melaleuca bracteata
こちらもオーストラリア原産のフトモモ科植物ですから、ブラシノキのような花が咲きます。
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繊細な葉が美しいですね。

恐ろしいことに、まだ温室には入っていません。ということで次回からが本番です。写真を撮りまくったので、夢の島熱帯植物館の記事はしばらく不定期で続ける予定です。


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9月に行った新宿御苑の温室の記事が未だに続いていますが、今日で最後となります。温室を出て、温室の近辺を少しうろついて帰りました。

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パパイヤ
日本だとパパイヤは寒さで冬に枯れてしまいますが、温室だと枯れないため巨大に育ちます。

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まだ実は小さいですね。

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チェリモヤ Annona cherimoya
昔一度だけチェリモヤの果実を食べたことがありますが、
完熟するとねっとりとして非常に甘く、大変美味でした。それ以降は交配種のアテモヤしか入手出来ていません。

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コバンボダイジュ Ficus delioides
小型のボダイジュというかイチジクの仲間。実物は初めて見ました。

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小さな実が沢山なっていました。

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ウツボカズラ Nepenthes × mixta
温室につきもののウツボカズラです。


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ウコン Curcuma longa
運良くウコンの花が咲いていました。いわゆるターメリックです。


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Aristolochia gigantea
奇怪な花で知られるアリストロキアの花が咲いていました。ギガンテアは去年の5月に神代植物公園で初めて見ましたから、これで2回目の出会いです。

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蕾もまた異様な感じがしますね。そういえば、アリストロキアは腐肉臭や糞便臭などを放ちハエを呼びます。ギガンテアは花弁は柑橘系の香りを放ち、花筒は腐臭を放つそうです。今回は開いた花が高い位置にあったので、残念ながら確認できませんでした。
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アリストロキアにありがちなコルク質のヒビ割れた幹。

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Coelogyne guamense
通路の壁には沢山の蘭がぶら下げてありましたが、時期が悪く咲いていたのはコエロギネ(セロジネ)だけでした。

ここで温室を出ましたが、風が非常に強くなっており、温室の入り口に並べてある鉢植えが倒れていました。帰り道、看板やら傘立てやらみんなひっくり返っていましたから、大した暴風でしたね。

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ヤタイヤシ Butia yatay
ヤタイヤシは耐寒性が強く日本でも野外栽培可能なヤシです。とはいえ、それなりのサイズになりますから、庭に植える人もそうはいないでしょう。

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実が沢山なっています。
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芝生には熟した果実が落ちていました。

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アオノリュウゼツラン
巨大なアオノリュウゼツランですが、このようにのびのびとした場所に植えられず、狭い場所に寄せ植えされがちですよね。
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花茎が伸びていました。右は枯れた過去の花茎です。
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よく見ると花は終わっていて、実がなっていますね。そういえば、今年はリュウゼツランの花が咲いたというニュースが沢山ありましたが、実際のところそれほど珍しい現象ではないような気がします。逆に話題になったから、あちこちで取り上げられただけではないでしょうか。あと、実はアオノリュウゼツランではないリュウゼツランは結構あちこちで咲いていますから、気にして見ると意外と目に入るものです。

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ソテツ Cycas  revoluta
立派なソテツの群生株がありました。奄美大島のソテツは外来のカイガラムシにより、相当やられてしまっているようです。場合によっては壊滅もあり得るかも知れません。これといった対抗手段がないのが、歯痒いところです。

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コーンが出た跡がありました。

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Bauhinia forficata
外にもバウヒニアがありました。これで遭遇したバウヒニアは3種類になります。

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一輪だけ咲いていました。大型の花です。

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穏やかに見えますが、暴風が吹き荒れています。

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帰りに駅付近にある、& Sandwich.のBLTCEサンドを購入。すごいボリューム。

というわけで、新宿御苑の温室を堪能してきました。実に9回に渡りしつこく記事にしましたが、これでも加減したほうです。残念ながら一日天気が怪しかったこともあり、温室以外はほとんど見ていませんが、まあまた行けば良いことです。撮影していない植物もまだまだありますからね。とはいえ、もう11月になってしまいます。今年の植物園巡りはこれで最後かも知れません。来年、春になったら再開しましょう。


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9月に行った新宿御苑の温室の続きです。植物園の記事は人気がありませんが、個人的には植物園は面白くて仕方がないので記事は終わりません。

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サガリバナ Barringtonia racemosa
残念ながら花期が終わってしまっています。一夜花。アフリカ東岸・マダガスカルからインド、東南アジア、ニューギニア、オーストラリアまでと非常に分布が広い植物ですが、種子が海流に乗って広まるタイプのようです。日本でも奄美大島以南に自生します。湿地の植物。

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樹の下には沢山の花がらが落ちていました。タイミング的には散ったばかりかも知れません。
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探したら一輪だけ咲いていました。沢山あるのは雄しべです。

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スイレンがひっそりと咲いていました。

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名前のわからない巨大なイモが何気なくあったりします。

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滝の裏側を通ります。

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Dichorisandra thyrsiflora
Blue Gingerの蕾が膨らんできています。ジンジャーと言うものの実際にはツユクサ科植物です。ブラジル原産。


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ヒシガタホウライシダ Adiantum trapeziforme
実に目を引く大型のアジアンタム。別名シシガタホウライシダ。中南米の原産。
ちなみに、A. trapeziformeという名前は3種のシダ植物に命名された名前です。ヒシガタホウライシダはCarl von Linneが1753年に命名したものですが、1762年に命名されたA. trapeziformeはAsplenium marinum var. marinum、1786年に命名されたA. trapeziformeはAdiantum cunninghamiiの異名となっています。この2種の
A. trapeziformeという名前は"sensu auct."、つまりは本来指定された植物と異なる植物に使用されてきたようです。

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フイリソシンカ Bauhinia variegata
バウヒニアは板橋区立熱帯植物館で見たB. purpureaに続いて2種類目。世界中の熱帯域で栽培されています。インド、バングラデシュ、ミャンマー、ネパール、タイ、ベトナム、中国南部の原産。キュー王立植物園のデータベースでは何故かパナマも自生地となっていますが、どうなんでしょうね?
未だにバウヒニアの花は見たことがありませんでしたが、温室の外のバウヒニアが開花していました。次回の記事でご紹介します。


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ベニマツリ Rondeletia odorata
実にまとまりの良い一見して作り物のような紅茉莉の花が咲いていました。キューバ原産。

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マカダミア Macadamia integrifolia
ひっそりと目立たない場所にマカダミアがありました。インテグリフォリアはもっとも一般的なマカダミアのようです。板橋区立熱帯植物館ではM. tetraphyllaがありましたがいずれもまだ小さな樹です。マカダミアの実がなりそうな成木にはまだ出会えていません。オーストラリア原産。

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ゴレンシ Averrhoa carambola
いわゆるスターフルーツです。断面が星形になる面白い果実がなりますが、要するに巨大なカタバミの実です。しかし、カタバミの樹というと不思議な感じがしますね。インドネシア原産ですが、東南アジア一帯や南米で栽培されます。

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ゴレンシの葉。

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タビビトノキ Ravenala madagascariensis
オウギバショウが正式な名前のようですが、タビビトノキが一般的です。植物園の温室にはつきもののようで、これで3回目の出会いです。オウギバショウという名前ですが、バナナの仲間ではなくゴクラクチョウカの仲間のようです。マダガスカル原産。


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Osmoxylon lineare
ウコギ科のオスモキシロンが開花していました。1月に行った板橋区立熱帯植物館でも花を見たので、これで2回目です。あまり馴染みがない植物ですが、温室では一般的なのでしょうか? フィリピン原産。

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お菓子のような面白い花です。


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