ユーフォルビア・オベサ・ドットコム

カテゴリ:植物学 > 多肉植物の新種

2010年以降の多肉植物の新種について、以前より記事にしています。サボテンやアガヴェ、アロエ、エケベリア、セダムの5分類群について、年1回記事を更新してきました。これらは、種類が豊富なため新種も割りと頻繁に見つかるため、それだけで記事になるのです。しかし、大変種類が多く私が好きなユーフォルビアに関しては躊躇していました。なぜなら、ユーフォルビアは多肉植物ではないものの方が多く、乾燥地ではない世界中から新種の報告がなされているからです。基本的に多肉植物の新種の記事なので、多肉植物だけを選別したいのですが、ユーフォルビアの新種を検索すると、コニシキソウタイプやトウダイグサタイプの草本についての論文が出てきてしまいます。しかも、有料論文で読むことが出来ない場合、説明も画像がないためいちいち画像を探して確認する必要がありますし、最近見つかったものなどは画像を検索してもヒットしないものすらあります。というわけで、ユーフォルビアは避けてきたのですが、今年は重い腰を上げて調べてみることにしました。ちなみに、コニシキソウやトウダイグサの仲間にも葉が多少多肉質なものもありましたが、大抵は1年草ですから割愛しました。


2012年
★ブラジル東部Bahia州より、新種のEuphorbia flavianaが記載されました。Chamaesyce亜属Crossadenia節に属し、E. teresに似ていますが細長く輪生枝があります。


2013年
★ボリビアより新種のEuphorbia riinaeが記載されました。Chamaesyce亜属Crossadenia節Ephedropeplus亜節に属し、ブラジル原産のE. gymnocladaに関連しています。 

★ソコトラ島より新種のEuphorbia marie-cladieaeを記載されました。E. socotranaに近縁です。

https://www.inaturalist.org/taxa/1036960-Euphorbia-marie-cladieae


2017年
★インドのアーンドラ・プラデーシュ州より、新種のEuphorbia venkatarajuiが記載されました。Euphorbia亜属で、E. gokakensisやE. caducifoliaに似ています。


2018年
★マダガスカル北東部より、新種のEuphorbia longitubicinicyathiumが記載されました。Euphorbia亜属Euphorbia節に属し、形態的にはマダガスカル東海岸に分布する無棘種であるE. geroldiiやE. robivelonae、E. thualsianaに近縁です。大型で生長がよく、長いトランペット型の莢を持ちます。
https://www.inaturalist.org/taxa/886486-Euphorbia-longitubicinicyathium

★ブラジルのミナス・ジェライス州、Espinhaco山脈の一部であるMontevideo山脈より、新種のEuphorbia tetrangularisが記載されました。ribが4つあります。分子系統においては、Euphorbia亜属Brasilienses節に属しています。

★アフリカ南部のユーフォルビアが整理され、南アフリカよりMedusea亜節のEuphorbia willowmorensis、ナミビア南部よりEsula節のEuphorbia corneliae、ナミビアよりEuphorbia節のEuphorbia otavibergensisが記載されました。

https://inaturalist.lu/taxa/1068293-Euphorbia-willowmorensis/browse_photos


2019年
★ナミビア北部オタビ山脈とその周辺より、新種のEuphorbia otavimontanaが説明されました。棘のある多肉質な低木です。アンゴラ西部に分布するE. ingenticapsaに近縁であると考えられます。
→現在は2018年に記載されたE. otavibergensisの異名となっています。



2020年
★ソマリランドのカル・マドウ山脈西部より、新種のEuphorbia buqensisが記載されました。Euphorbia亜属Euphorbia節に属します。先端が二股に分かれ、単棘を持ちます。E. margaretaeに近縁であると考えられます。

★モザンビーク中央部より、新種のEuphorbia pseudocontortaが記載されました。Euphorbia亜属に属する小型の低木で、E. contortaに近縁です。



2021年
★ソマリア中部より、新種のEuphorbia elburensisが記載されました。Euphorbia亜属Euphorbia亜節に属します。アフリカの角に特徴的な形態を持ちます。

★インドのマハラシュトラ州より、新種のEuphorbia lakshminarasimhaniiが記載されました。Euphorbia亜属Euphorbia亜節に属します。

★インドのマハラシュトラ州より、新種のEuphorbia sahyadricaが記載されました。Euphorbia亜属に属します。E. nivuliaに近縁ですが、低木状で短い葉柄、容易に視認出来る側脈を持つ楕円形の葉などの特徴があります。

★マダガスカルより新種のEuphorbia agatheaeが記載されました。Euphorbia亜属Pervilleanae節に属します。外見はE. denisiiに似ています。樹木状で光沢があり剥離する樹皮があります。

★マダガスカルより新種のEuphorbia atimovataeが記載されました。E. denisiiと類似しており混同されてきました。

★マダガスカルより新種のEuphorbia fuscocladaが記載されました。Euphorbia亜属Goniostema節に属します。E. splendensと比較すると、枝が太く樹皮は暗赤褐色で葉柄があるなど特徴が異なります。

★マダガスカルより新種のEuphorbia kalambatitrensisが記載されました。Euphorbia亜属Goniostema節に属します。E. splendensに似ていますが、葉がはるかに大きく葉身が狭いなど特徴が異なります。

★マダガスカルより新種のEuphorbia linguiformisが説明されました。Euphorbia亜属Goniostema節に属します。細長い舌状の葉が、茎に密着して下向きにつきます。
→草本性のユーフォルビアであるE. linguiformis Mc Vaughが1961年に既に命名されており、この名前はnom. illeg.です。同年に同命名者により、Euphorbia linguifoliaと命名され直しました。

★マダガスカルより新種のEuphorbia mahaboanaが記載されました。Euphorbia亜属Denisophorbia節に属します。E. rangovalensisに分岐パターンが似ていますが、葉が広卵形で沿岸部に分布するなど特徴が異なリます。

★マダガスカルより新種のEuphorbia makayensisが記載されました。Euphorbia亜属Goniostema節に属します。E. psammiticolaやE. leandrianaに似ていますが、若いトゲが細く柔軟で直ぐに消失するなど特徴が異なります。

★マダガスカルより新種のEuphorbia parvimedusaeが記載されました。Euphorbia亜属Goniostema節に属します。E. subapodaに似ていますが、より頑丈で球根状の基部を持つトゲと、目立つ中脈がある細長く鋭い葉を持つなど特徴が異なります。多肉質の茎と塊根があります。

★マダガスカルより新種のEuphorbia spannringiiが記載されました。Euphorbia亜属Goniostema節に属します。葉に広範囲に明るい白色の斑入りで、根は多肉質です。由来不明の「Fishbone euphorbia」として知られていました。

★マダガスカルよりGoniostema節の非公式グループ「Euphorbia perrieri group」に分類される、Euphorbia multibrachiataEuphorbia perrierioidesが記載されました。共に塊茎があり、脱落性のトゲがあります。E. perrieriは大型で枝分かれは少ないのですが、E. multibrachiataは小型で基部からよく分岐します。E. perrierioidesは全体的に軟弱で、E. perrieriとはCyathiumの色が異なり、E. paulianiiとはCyathiumが非常に小さいことで区別されます。

★マダガスカルよりGoniostema節の非公式グループ「Euphorbia rubrostriata group」に分類される、Euphorbia graciliramulosaEuphorbia rigidispinaEuphorbia tsihombensisが記載されました。E. graciliramulosaはE. rubrostriataより小型で基部より3本以上の主茎が出ます。E. rigidispinaは葉裏が赤くE. hofrtaetteriに似ますが、草丈が低く枝が非常に細く区別されます。低木状で斜向します。


2022年
★インドのアーンドラ・プラデーシュ州より、新種のEuphorbia raviiが記載されました。Euphorbia亜属Euphorbia節に属します。E. caducifoliaと近縁です。


2024年
★インドのマハラシュトラ州より、新種のEuphorbia duerriiが記載されました。Euphorbia亜属Euphorbia節に属します。E. sahyadricaに近縁ですが、花柄の形状や蒴果の特徴により区別されます。

★Euphorbia neriifolia complexの解明が行われました。現地調査しタイプ標本の確認、文献や標本を調査した結果、様々な植物がE. neriifoliaとしてまとめられていました。Euphorbia neriifolia complexから、西インド原産の新種として、Euphorbia yadaviiEuphorbia paschimiaが分離されました。


2025年
★インドのデカン高原南端より、新種のEuphorbia paraikalliが説明されました。E. susan-holmesiaeに近縁ですが、幅広い節や密集した輪生枝、最大6枚のribかあり、葉はより大きく、分布も異なります。まだ、キュー王立植物園のデータベースには記載がありません。

★インドのNilgiri山脈とBilirangan山脈より、新種のEuphorbia costatalataが説明されました。E. tortilisに近縁ですが、最大5枚のribや、より長く螺旋状ではない節、花の特徴などから区別されます。
まだ、キュー王立植物園のデータベースには記載がありません。


最後に
以上が近年のユーフォルビアの新種です。とは言え、簡単に調べただけですから、漏れている新種も沢山あるでしょう。毎年、更新してデータを追加していくスタイルなため、初年度の今年は色々と大目に見てやって下さい。
さて、内容をざっと見てみますと、マダガスカルの花キリン(Goniostema節)を中心とした新種が目立ちます。花キリンは見た目が似ているものが多いため混同されがちで、最近整理が進んでいます。この流れはまだ続いていくでしょう。また、マダガスカルの植物は分布がスポット的なため、まだまだ新種が見つかる可能性があります。次に意外にもインドのユーフォルビアの新種が目立ちます。あまり知られていませんが、柱サボテン状のユーフォルビアはインドにも分布します。インドのユーフォルビアは研究が進んでいなかったのか、ここ数年で次々と新種が発表されています。まだ市場では見かけませんが、いずれインドのユーフォルビアもイベントなどで販売されていくでしょう。
2021年はユーフォルビアの整理が大幅に進展しましたが、来年はどうでしょうか? 新たなユーフォルビアの発見を楽しみにしています。


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我がブログでは、多肉植物の2010年以降の新種を列挙した記事を毎年記事にしております。もちろん、全ての多肉植物を取り扱えるわけではなく、基本的に種数が多い、サボテンやアガヴェなどのグループを記事にしています。ベンケイソウ科の中ではエケベリアとセダムの新種についてそれぞれ記事にしていますが、ベンケイソウ科には他にもカランコエやアエオニウムなどポピュラーなグループもあります。ということで、エケベリアとセダム以外のベンケイソウ科植物の新種について記事にしてみました。


内容に入る前にベンケイソウ科の分類についてまとめておきます。とは言え、これは大まかな目安みたいなものです。ベンケイソウ科の分類は係争中の案件のため、未だ定説はなくこれからも変わる可能性が高い分類群です。
①クラッスラ亜科
 1, クラッスラ連
  →Crassula(218種)、Tillaea(→Crassula)
②カランコエ亜科
 1, カランコエ連
  →Adromiscus(29種)、Kalanchoe(177種)、
   Tylecodon(50種)、Cotyledon(19種)
③センペルビブム亜科
 1, テレフィウム連
  →Hylotelephium(28種)、Kungia(2種)、
   Meterostachys(1種)、Orostachys(12種)、
   Sinocrassula(17種)、
 2, ウンビリクス連
  →Umbilicus(16種)、Chiastophyllum(1種)、
   Pseudosedum(14種)、Rhodiola(75種)、
   Phedimus(19種)
 3, センペルビブム連
  →Petrosedum(13種)、Sempervivum(51種)、
   Jovibarba(→Sempervivum)
 4, アエオニウム連
  →Aeonium(38種)、Aichryson(16種)、
   Monanthes(18種)、Hypagophytum(1種)、
   Perriersedum(1種)、Greenova(→Aeonium)
 5, マンネングサ連(セダム連)
  →Sedum(488種)、Rosularia(23種)、
   Prometheum(3種)、Sedella(→Sedum)、
   Dudleya(51種)、Lenophyllum (7種)、
   Villadia(29種)、Echeveria(206 種)、
   Graptopetalum(16種)、Pachyphytum(25種)、
   Thompsonella(8種)、Pistorinia(4種)、
   Cremnophila(3種)、Chaloupkaea(8種)、
   Chazaroa(3種)、Jeronimoa(1種)、
   Quetzalcoatlia(6種)、Afrovivella(1種)


2010年
★中国四川省西部より、新種であるRhodiola wenchuanensisが記載されました。


2011年
★南アフリカの北ケープ州の砂岩の断崖から、新種であるCrassula fragarioidesが記載されました。白い花の背側にある付属品物や赤紫色の葉にある半透明で球状の毛状突起により、C. clavataやC. namaquensis subsp. comptonii、C. elegansと区別されます。
https://inaturalist.nz/taxa/582917-Crassula-fragarioides


2012年
★バハ・カリフォルニアより新種であるDudleya crassifoliaが記載されました。
https://inaturalist.lu/taxa/926017-Dudleya-crassifolia


2013年
★スペインのカナリア諸島のラ・パルマ島より、新種であるMonanthes subrosulataが記載されました。
https://ecuador.inaturalist.org/taxa/1199359-Monanthes-subrosulata


2014年
★ベトナム北部より新種であるSinocrassula vietnamiensisが記載されました。


2015年
★南アフリカより新種であるCotyledon luteaが説明されましたが、この名前はUmbilicus luteusの旧名であることから認められませんでした。また、Crassula ovataの異名でもあります。→Cotyledon adscendens(2016)、Cotyledon xanthantha(2017)参照。
★南アフリカより新種であるCotyledon gloeophyllaが記載されました。
★青海チベット高原より、新種であるRhodiola daochengensisRhodiola tricarpaが記載されました。
★アゾレス諸島のサンタマリア島より、新種であるAichryson santamariensisが記載されました。
https://inaturalist.nz/taxa/976072-Aichryson-santamariensis
★メキシコのJulisco州より、新種であるVilladia ramireziiが記載されました。
★トルコより新種であるRosularia giganteaRosularia bonorum-hominumが記載されました。しかし、2016年にRosulariaから新属Chaloupkaeaが分離され、Chaloupkaea pisidicaChaloupkaea bonorum-hominumとされました。



2016年
★2015年にCotyledon luteaとして説明されたものの、名前が既に使用されていたため使用出来ない非合法名であったことから、新たにCotyledon adscendensとして再度説明されました。しかし、C. adscendensは1949年に既に別種に記載された名前であり、再び非合法名となり認められませんでした。→Cotyledon lutea(2015)、Cotyledon xanthantha(2017)参照。
★南アフリカのナマクワランド北部より、新種であるTylecodon florentiiが記載されました。赤みがかる砂岩の崖の上部に固有です。
https://www.inaturalist.org/taxa/595838-Tylecodon-florentii
★インド北西部より、新種であるRhodiola sedoidesが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/991837-Rhodiola-sedoides
★バハ・カリフォルニアより新種であるDudleya hendrixiiが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/926018-Dudleya-hendrixii
★新属ChaloupkaeaがRosulariaから分離され、Chaloupkaea pisidicaChaloupkaea bonorum-hominumとされました。


2017年
★南アフリカの石英質砂岩土壌からなるサバンナより、新種であるKalanchoe waterbergensisが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/588238-Kalanchoe-waterbergensis
★2015年にCotyledon lutea、2016年にCotyledon adscendensと命名されるも非合法名として却下されたCotyledonは、新種であるCotyledon xanthanthaとして記載されました。
https://ecuador.inaturalist.org/taxa/582859-Cotyledon-xanthantha
★南アフリカより新種であるCotyledon eggliiが記載されました。サバンナの急峻な崖や岩場に生え、蛇紋岩質土壌に生える独特の多肉質の低木です。C. orbiculata var. oblongaと似ていますが、楔形の葉を持ち腺毛がまばらに生え、花冠が水平に広がるなど異なる特徴があります。
https://www.inaturalist.org/taxa/582854-Cotyledon-egglii
★南アフリカより新種であるTylecodon celatusが記載されました。隠蔽性の矮性落葉植物で、黄緑色の花を咲かせます。砂岩室に生育します。T. suffultusやT. similisと近縁です。
https://uk.inaturalist.org/taxa/595833-Tylecodon-celatus
★グラン・カナリア島より、新種であるAichryson roseumが記載されました。


2018年
★メキシコのQueretaro州北西部より、新種であるPachyphytum rogeliocardenasiiが記載されました。石灰岩の岸壁で発見されました。形態的にP. garciaeと似ています。
https://www.inaturalist.org/taxa/746131-Pachyphytum-rogeliocardenasii
★メキシコのGuanajuato州より、新種であるPachyphytum confusumが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/1121868-Pachyphytum-confusum


2019年
★南アフリカより新種であるCotyledon tanquanaが記載されました。C. orbiculata var. orbiculataと似ていますが、楔状の腺毛がある鈍緑色の葉と、短い鈍赤色の花は花冠筒部が水平に広がるなどの違いがあります。
https://pza.sanbi.org/cotyledon-tanquana
★メキシコのGuanajuato州、サンタ・バルバラ山脈より、新種であるPachyphytum viscidumが記載されました。茎と葉に粘着性があり、葉が濃い緑色で全身に蝋がない、花は淡いピンク色です。P. brevifoliumやP. hookeriと近縁である可能性があります。
https://www.inaturalist.org/taxa/1073991-Pachyphytum-viscidum


2020年
★中国広東省より、新種であるPhedimus yangshanicusが記載されました。石灰岩の岩盤または丘陵に生育します。
https://inaturalist.lu/taxa/1373318-Phedimus-yangshanicus
★メキシコのSinaloa州より、新種であるGraptopetalum sinaloensisが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/965178-Graptopetalum-sinaloensis
★メキシコのNuevo Leon 州より、新種であるPachyphytum huastecanumが記載されました。形態学的にはP. hookeriに近縁ですが、より短い茎が異なります。


2021年
★南アフリカのクワズールー・ナタール州より、新種であるCrassula stylesiiが記載されました
https://www.biodiversity4all.org/taxa/1618199-Crassula-stylesii
★マダガスカル北東部より、新種であるKalanchoe darainensisが記載されました。
★マダガスカル南部ナモロナ渓谷より、新種であるKalanchoe torrejacqiiが記載されました。
★南アフリカより新種であるKalanchoe benbothaeが記載されました。
★メキシコのJulisco州より、新種であるGraptopetalum rosanevadoensisが記載されました。しかし、2023年に新属Quetzalcoatliaとして分離され、Quetzalcoatlia rosanevadoensisとされました。



2022年
★マダガスカル北部の中高度湿潤常緑林より、新種であるKalanchoe apiifoliaが記載されました。
★インドのケララ州西ガーツ山脈南部のマティケッタン・ショラ国立公園より、新種であるKalanchoe  dineshiiが記載されました。形態的にはK. bhideiに類似しますが、高さ30〜40cmと小型であることや、葉の茎への付着具合や萼片の形状から区別されます。
https://www.inaturalist.org/taxa/431182-Kalanchoe-dinklagei
★南アフリカより新種であるKalanchoe gideonsmithiiが記載されました。K. rotundifoliaやK. decumbensと近縁ですが、花を含むほとんどの部位が青紫色を帯びる点で区別されます。
★中国より新種であるSinocrassula jiaozishanensisが記載されました。
★青海チベット高原より、新種であるRhodiola yushuensisが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/991826-Rhodiola-yunnanensis
★青海チベット高原より、新種であるRhodiola wangiiRhodiola namlingensisが記載されました。
★韓国より新種であるPhedimus daeamensisが記載されました。
★メキシコのMichoacanより、新種であるGraptopetalum kristeniiが記載されました。しかし、2023年に新属Quetzalcoatliaとして分離され、Quetzalcoatlia kristeniiとされました。
https://www.inaturalist.org/taxa/1496057-Quetzalcoatlia-kristenii
★メキシコ西部より、新種であるGraptopetalum trujilloiが記載されました。しかし、2023年に新属Quetzalcoatliaとして分離され、Quetzalcoatlia trujilloiとされました。
https://www.inaturalist.org/taxa/1496063-Quetzalcoatlia-trujilloi
★2013年に記載されたメキシコ原産のEcheveria yalmanantlanensisが、新属Chazaroaとして分離され、Chazaroa yalmanantlanensisとされました。
https://www.inaturalist.org/taxa/1494949-Chazaroa-yalmanantlanensis


2023年
★南アフリカ原産のCrassula expansaの新しい亜種である、Crassula expansa subsp. stellataが記載されました。
★南アフリカより新種であるKalanchoe deliaeが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/1543400-Kalanchoe-deliae
★南アフリカのクワズール・ナタール州より、新種であるCotyledon mckayiが記載されました。花がC. nielsiiに似ています。
★メキシコのバハ・カリフォルニア州セドロス島より、新種であるDudleya delgadilloiDudleya cochimianaが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/1472009-Dudleya-josedelgadilloi

https://www.inaturalist.org/taxa/1445983-Dudleya-cochimiana/browse_photos

★バハ・カリフォルニアより新種であるDudleya josedelgadilloiDudleya reidmoranii subsp. reidmoraniiDudleya reidmoranii subsp. cascadaが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/1472009-Dudleya-josedelgadilloi

https://www.inaturalist.org/taxa/1472010-Dudleya-reidmoranii-cascada


★メキシコのOaxaca州より、新種であるGraptopetalum irmasoniaeが記載されました。
★Graptopetalum属より新属であるQuetzalcoatlia属が分離されました。Quetzalcoatlia grassiiQuetzalcoatlia kirsteniiQuetzalcoatlia pentandraQuetzalcoatlia rosanevadoensisQuetzalcoatlia superbaQuetzalcoatlia trujilloiが記載されました
https://www.inaturalist.org/taxa/1496056-Quetzalcoatlia-glassii?ch=1

https://www.inaturalist.org/taxa/1496057-Quetzalcoatlia-kristenii?ch=1

https://www.inaturalist.org/taxa/1496059-Quetzalcoatlia-pentandra?ch=1

https://www.inaturalist.org/taxa/1496062-Quetzalcoatlia-superba?ch=1

https://www.inaturalist.org/taxa/1496063-Quetzalcoatlia-trujilloi?ch=1


★メキシコのDurango州より新種であるPachyphytum odamが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/1516898-Pachyphytum-odam


2024年
★南アフリカの南ケープ州から、新種であるCrassula inopinaが説明されました。まだ、正式に記載されておりません。
★南アフリカより新種であるKalanchoe steyniaeが記載されました。
★中国の四川省から、新種であるSinocrassula ganluoensisが記載されました。



2025年
★南アフリカのドラケンスバーグ北部、ムプマランガの断崖から、新種とされるCrassula turpiniaeが説明されました。まだ、正式に記載されておりません。
★マダガスカル西部のTsingy de Bemaraha国立公園より、新種であるKalanchoe luteolaKalanchoe manambolensisが説明されました。まだ、正式に記載されておりません。
★中国の四川省から、新種であるSinocrassula obliquifoliaが説明されました。まだ、正式に記載されておりません。
★中国の四川省から、新種であるSinocrassula holotrichaが説明されました。まだ、正式に記載されておりません。
★中国より新種であるSinocrassula adpressaが説明されました。まだ、正式に記載されておりません。

★南フランスより新種であるSempervivum druentianumが説明されました。まだ、正式に記載されておりません。
★メキシコのGuanajuato州より、新種であるPachyphytum meyraniiが説明されました。萼片より大キナ黄色の花弁を持ちます。完全な黄色の花弁は、パキフィツムで初めてとなります。まだ、正式に記載されておりません。
★メキシコのGuanajuato州より、新種であるPachyphytum angustiflorumが説明されました。まだ、正式に記載されておりません。



以上がエケベリアとセダム以外のベンケイソウ科植物の新種です。傾向としては、種数の多いクラッスラ(218種)やカランコエ(177種)だけではなく、シノクラッスラ(17種)やグラプトペタルム(16種)、パキフィツム(25種)などの少数属でも新種が次々と発見されていることです。このように、新種は次々と発見されていますし、これからも新種は発見されていくでしょう。2025年に限っても、私の調べた限りだけでも8種類、エケベリアとセダムも含めれば24種の新種が見つかっていますが、これらは本当に新種に値するのか、これから審査されることになります。2026年に果たして新種として正式に記載されるのか、また来年も記事にしたいと思います。



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一昨年から2010年以降のエケベリアの新種についての記事を書いています。去年は新たに命名された新種と、一昨年の情報に漏れがあったため追記しました。今年も、あれから1年で命名された新種の情報を追加します。追記した部分は【追記】と表記しています。また、去年の記事は誤記が散見されたため、修正しております。いくつかの新種には画像リンクを貼っておりますからご参照下さい。

実はサボテンや多肉植物も、毎年のように新種が発見されています。地球上のすべての土地が調査し尽くされているわけではないため、未踏の場所を調査したら新種は見つかるもののようです。さらに、詳しく研究されず、似た種類を1種類にまとめてしまっていたりもします。そのようなものは、最近になって再び研究されて整理され始めています。ここ10年ちょいの多肉植物の新種については、サボテン、アロエ、アガベ、セダムについて最近記事にしてまとめて来ました。本日はエケベリアの近年の新種について見てみましょう。論文を軽く漁っただけなので、すべての新種を網羅してはいないかも知れません。

231101214314314~2
Echeveria whitei
『Addisonia』(1925年)より。


2010年
【追記】メキシコのJalisco、Nayarit、ZacatecasのSierra Madre山脈より、新種であるEcheveria perezcalixiiが記載されました。E. fulgensと似ていますが、葉は尖り透明な縁があるなど特徴が異なります。
https://www.inaturalist.org/taxa/546477-Echeveria-perezcalixii


2011年
★メキシコのMichoacanより、新種のEcheveria purhepechaが記載されました。


2012年
メキシコのSinaloaより、新種のEcheveria julianaが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/1256793-Echeveria-juliana


2013年
★メキシコ西部のSierra de Manantlanより、新種のEcheveria yalmanantlanensisが記載されました。石灰岩の山塊Cerro de Grandeの固有種です。2023年に新属であるChazaroa属が提唱され、Chazaroa yalmanantlanensisに変更されました。 
https://www.inaturalist.org/taxa/1494949-Chazaroa-yalmanantlanensis


2014年
★メキシコのColima火山より、新種であるEcheveria muniziiが記載されました。E. fulgensに似ています。
★メキシコ西部Colimaの石灰岩地より、新種であるEcheveria cerrograndensisが記載されました。E. fulgensと近縁と考えられます。
https://inaturalist.nz/taxa/1141146-Echeveria-munizii
★メキシコのJaliscoより、新種のEcheveria marianaeが記載されました。E. novogaliciana、E. dactyliferaに似ています。


2015年
★メキシコのJaliscoより、新種であるEcheveria rulfianaが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/1354116-Echeveria-rulfiana/browse_photos
【追記】メキシコのOaxaca州より、新種であるEcheveria longissima subsp. brachyanthaEcheveria nuyooensisEcheveria triquianaEcheveria uhlii subsp. coelestisが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/275973-Echeveria-craigiana


2016年
★メキシコのMichoacanより、新種であるEcheveria pistioidesが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/628717-Echeveria-pistioides
★メキシコのMichoacanより、新種であるEcheveria coruanaが記載されました。

https://inaturalist.laji.fi/taxa/1257392-Echeveria-coruana


2018年
★ペルーのLimaで、新種であるEcheveria deltoideaEcheveria fruticosaが記載されました。E. deltoideaはE. chiclensisと似ていますが、葉がより大きく幅広で平らな点が異なります。E. fruticosaは直立あるいは横臥する目立つ地上茎を持ちます。
https://www.inaturalist.org/taxa/1597266-Echeveria-fruticosa


2019年
★メキシコのMichoacanより、新種であるEcheveria michihuacanaが記載されました。
https://inaturalist.ala.org.au/taxa/1446671-Echeveria-michihuacana
★メキシコのGuerreroより、新種であるEcheveria xochipalensisが記載されました。
★メキシコのNevado de Colima火山より、新種であるEcheveria sonianevadensisが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/953368-Echeveria-sonianevadensis/browse_photos
【追記】アルゼンチンより新種であるEcheveria argentinensisが記載されました。80年前にJujuy州の標高2700〜3600mで採取されE. peruvianaとされましたが、50年前に新種であると記録されたものの正式に記載されておりませんでした。また、Salta州で新種であるEcheveria saltensisが記載されました。ペルー原産のE. chiclensis var. cantaensisに似ています。
https://inaturalist.mma.gob.cl/taxa/1172257-Echeveria-argentinensis

https://www.inaturalist.org/taxa/1568823-Echeveria-saltensis


2020年
★エクアドルとペルーの国境より、既存種より2種の新種が分離されました。1つはEcheveria quitensisとされてきた中から、Echeveria cojitambensisが分離されました。もう1つはEcheveria cuencaensisと混同されてきたEcheveria tabaconasensisが分離されました。
https://inaturalist.lu/taxa/1413842-Echeveria-cojitambensis
★メキシコのSinaloaより、新種であるEcheveria coppiiが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/1203812-Echeveria-coppii


2021年
★ペルーのTayacaja州より、新種であるEcheveria incaicaが記載されました。E. oreophilaに似ています。
★ペルーのCastrovirreyna州より、新種のEcheveria ostolazaeが記載されました。
★メキシコのGuerreroより、新種であるEcheveria islasiaeが記載されました。
★メキシコのDurangoより、新種であるEcheveria kristeniiが記載されました。E. dactyliferaおよびE. novogalicianaに似ています。



2022年
★メキシコのOaxacaのMixteca Atla山地より、新種であるEcheveria andreaeが記載されました。


2023年
Echeveria pringlei var. parvaを独立させ、Echeveria flammigeraを代替名として記載しました。


2024年
メキシコのMichoacanより、Echeveria sotoiが説明されました。E. gibbifloraに似ていますが、茎は細く背が高くなり、葉はより細く紫がかる灰白色にはならないことや、花のいくつもの細かい特徴が異なります。【追記】The International Plant Names Index and World Checklist of Vascular Plants 2025.により新種として記載されました。
★メキシコのMichoacanより、Echeveria coalcomanensisが説明されました。【追記】The International Plant Names Index and World Checklist of Vascular Plants 2025.により新種として記載されました。
★メキシコのJaliscoより、Echeveria cuevasiiEcheveria vazqueziiが説明されました。E. cuevasiiは亜低木状で中型のロゼットなどSeries NudaeのE. flammigeraと特徴を共有していますが、短枝が少なく葉が長く花序あたりの花が多いなど異なる特徴があります。E. vazqueziiはE. marianaeやE. novogalicianaと似ていますが、大きく無毛のロゼット、短い花序、Series Gibbifloraeに典型的な複数の花序からなる円錐花序を持ちます。
【追記】The International Plant Names Index and World Checklist of Vascular Plants 2025.により新種として記載されました。


2025年
【追記】2025年に報告された新種については、まだ論文が出ただけです。来年に正式に記載されることになります。
【追記】メキシコのJalisco州より、新種であるEcheveria machucaeが説明されました。E. flammigeraに似ていますが、茎や葉が大きく総状花序から時に萼片状の花序を持つなど特徴が異なります。また、E. multicaulis、E. pringlei、E. longisepalaとも比較されます。
【追記】メキシコのGuanajuato州より、新種であるEcheveria barbosaeが説明されました。
【追記】コロンビア北部の山岳地帯から、新種であるEcheveria oswaldianaEcheveria adrianaeEcheveria mutisiiEcheveria boyacaensisが説明されました。
【追記】メキシコのOaxaca州より、新種であるEcheveria altamiraeEcheveria apoalaEcheveria mazateca、Echeveria porfiriana、Echeveria yoloxensisが説明されました。



以上がエケベリアの新種たちです。意外と新種は見つかっていますし、これからも見つかる可能性が高そうです。エケベリアの分布の中心はメキシコのようですが、エクアドルやペルー、コロンビアでも新種が見つかっていますね。もしかしたら、メキシコ以外では調査が遅れているだけで、これからまだまだ新種が見つかるかも知れません。また、今は何と言っても遺伝子解析の時代です。エケベリアは形態学的によく似た種類が多いため、混同されている種類もありそうですから、遺伝子解析により大幅に改訂されてしまうかも知れません。これからのエケベリア研究は目が離せませんね。


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ここ2年ばかり、2010年以降に発見されたセダムについての記事を書いています。ということで、今年もセダムの新種2025をお届けします。
本日はあれから1年経って、当時は論文が出ただけで正式に記載されていなかった新種がどうなったのでしょうか。答え合わせの時間です。さらには去年の記事からは漏れていた種も追記しました。新たな情報には【追記】と表記してあります。あと、いくつかスペルミスもあったので修正したのと、いくつかの種には画像のリンクを貼りました。

Sedumは丈夫で育てやすく、寄植えやグランドカバーなど用途の幅も広く、その種類も非常に沢山あります。しかも、近年に至っても沢山の新種が発見されています。新たな調査により発見される場合もありますが、近年の特徴は遺伝子解析による新種の発見でしょう。産地ごとの微妙な違い程度と考えられて変種や亜種とされてきたものが、遺伝子解析により分離されるという報告がなされるようになりました。このように、新種の発見は大変興味深いものです。しかし、我々趣味家には中々情報が入って来ないものです。本日はそんなセダムのここ10年と少しの新種について、ごく簡単にご紹介しましょう。ただ、私もそのすべてを歩漁出来ませんから、おそらくご紹介出来たのはその一部に過ぎないかも知れません。


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タイトゴメ Sedum japonicum 
小石川植物園(2025年7月)



2010年
★米国のアイダホ州から新種であるSedum valensが記載されました。
https://inaturalist.mma.gob.cl/taxa/625968-Sedum-valens


2011年
【追記】メキシコのGuerrero州から新種であるSedum salazariiが記載されました。多年性の塊根植物で、網目状の葉脈を持ちます。
https://mexico.inaturalist.org/taxa/1457543-Sedum-salazarii


2012年
★メキシコから新種であるSedum kristeniiが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/1256784-Sedum-kristenii
★メキシコとグアテマラから新種であるSedum mesoamericanumが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/865046-Sedum-mesoamericanum
★中国の鉛・亜鉛鉱山地域から新種であるSedum plumbizincicolaが記載されました。
https://mexico.inaturalist.org/taxa/1447376-Sedum-plumbizincicola
★メキシコから新種であるSedum perezdelarosaeが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/1370184-Sedum-perezdelarosae
★メキシコから新種であるSedum jarochoが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/784929-Sedum-jarocho
★メキシコから新種であるSedum brachetiiが記載されました。



2013年
★台湾の石灰岩地から新種であるSedum tarokoenseが記載されました。
https://inaturalist.ala.org.au/taxa/906949-Sedum-tarokoense
★中国から新種であるSedum kuntsunianumが記載されました。



2014年
★米国のカリフォルニア州から新種であるSedum citrinumが記載されました。
https://ecuador.inaturalist.org/taxa/704705-Sedum-citrinum
★中国から新種であるSedum spiralifoliumが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/238489-Sedum-spathulifolium-spathulifolium


2015年
★メキシコから新種であるSedum moniliformeが記載されました。Sedum longipesに良く似ているということです。
★メキシコから新種であるSedum piaxtlaenseが記載されました。
★メキシコから新種であるSedum pyriseminumが記載されました。
https://panama.inaturalist.org/taxa/1256783-Sedum-pyriseminum
★フランスとイタリアの狭い地域から、新種であるSedum aquilanumが記載されました。イベリアとモロッコの固有種であるS. nevadensisであると考えられてきましたが、新たな調査により新種であることが判明しました。


2016年
★東アフリカのケニア山高地から、新種であるSedum kenienseが記載されました。


2017年
★日本の男女群島より新種であるSedum danjoenseが記載されました。Sedum formosanumとされてきましたが、遺伝子解析により別種として分離されました。
★メキシコから新種であるSedum sinforosanumが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/868719-Sedum-sinforosanum
★中国からSedum peltatumが説明されました。しかし、キュー王立植物園のデータベースには記載がありません。



2019年
★中国の石灰岩地から新種であるSedum lipingenseが記載されました。
★中国から新種であるSedum ichangensisが記載されました。
★台湾から新種であるSedum kwanwuenseSedum taiwanalpinumが記載されました。
https://inaturalist.ca/taxa/957574-Sedum-kwanwuense

https://www.inaturalist.org/taxa/1400913-Sedum-taiwanalpinum


2020年
★中国から新種であるSedum nanlingenseが記載されました。Sedum onychopetalumやSedum kiangnanenseに近縁とされます。
★ペルー北部から新種であるSedum hutchisoniiが記載されました。
★日本の小笠原諸島から新種のSedum mukojimenseが記載されました。Sedum boninenseから分離されました。
★日本の宮古島から新亜種であるSedum formosanum subsp. miyakojimaenseが記載されました。基準種であるS. formosusと比較したところ、多年性で多結実性、側腋枝を持つなど異なる特徴があります。


2022年
★メキシコから新種であるSedum dormiensが記載されました。
★日本の九州地方から沖縄に分布するSedum japonicum subsp. uniflorumあるいはSedum uniflorumとされるセダムは、Sedum ryukyuenseとされました。これは、1838年に記載されたSedum uniflorum Hook. & Arn.は、過去に同名のセダムが命名されていたため非合法名として命名され直されました。ちなみに、同名のセダムとは、1810年に命名されたSedum uniflorum Raf.(=Phedimus stellatus)です。 

https://inaturalist.ca/taxa/1630780-Sedum-ryukyuense


2023年
★中国から新種であるSedum jinglaniiが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/1630275-Sedum-jinglanii
★中国から新種であるSedum yangjifengenseが記載されました。
★中国から新種であるSedum danxiacolaが記載されました。
https://inaturalist.ala.org.au/taxa/1584651-Sedum-danxiacola
★日本の九州地方の石灰岩地より、新種であるSedum kawaraenseが記載されました。説明されました。Sedum lipingenseに近縁とされます。【追記】The International Plant Names Index and World Checklist of Vascular Plants 2025.により新種として記載されました。



2024年
★中国の浙江省より新種であるSedum xunvenseが説明されました。S. formosanumに似ていますが、いくつかの特徴と遺伝的に独立していることが確認されています。しかし、まだキュー王立植物園のデータベースには記載がありません。【追記】The International Plant Names Index and World Checklist of Vascular Plants 2025.により新種として記載されました。
【追記】中国の江西省北東部より、新種とされるSedum fluvialeが説明されました。蓮の花状の栄養枝を持ちます。S. subtikeに似ています。しかし、まだキュー王立植物園のデータベースには記載がありません。
https://mexico.inaturalist.org/taxa/1589243-Sedum-fluviale


2025年
【追記】日本の南西諸島の4つの島に分布する、Sedum formosanum subsp. formosanumとされていましたが、分子系統解析と形態学的な解析を行い、新種とされるSedum diversflorumが説明されました。S. danjoenseやS. formosanum subsp. formosanum、S. formosanum subsp. muyakojimense、S. plumbizincicola、S. tetractinumと似ていますが、多年生で黄緑色の茎や、側枝があり、先端が丸いヘラ状の葉、萼片の形態、黄色の葯、10〜12月に開花するなどの特徴が異なります。特に花弁や花芯の数に多様性があります。しかし、まだキュー王立植物園のデータベースには記載がありません。
【追記】中国の広西チワン族自治区で、新種とされるSedum guangxienseが説明されました。S. tosaenseやS. emaginatumに似ていますが、若い茎が直立し葉が遥かに大きく、花弁が狭三角であるなど特徴により容易に区別出来ます。しかし、まだキュー王立植物園のデータベースには記載がありません。
【追記】中国の浙江省はから、新種とされるSedum yongkangenseが説明されました。近縁であるS. ryukyuenseやS. mukojimense、S. boninenseとは異なり、二年生で散房花序を持つなどの特徴があります。しかし、まだキュー王立植物園のデータベースには記載がありません。
【追記】中国東部より、新種とされるSedum orientalichinenseが説明されました。葉が対生するため、S. makinoi、S. emarginatus、S. baileyiと誤認されてきましたが、先端が凹状の葉身を持つため容易に区別出来ます。しかし、まだキュー王立植物園のデータベースには記載がありません。
【追記】中国の浙江省より、新種とされるSedum simingshanenseが説明されました。近縁であるS. xunvenseやS. formosanumとは、単生で薄緑の滑らかな茎と扁平な葉などの特徴により区別されます。しかし、まだキュー王立植物園のデータベースには記載がありません。



231005223111688~2
Sedum bourgaei
『Addisonia』(1917年)より。



セダムは種類が多く皆よく似ていますから、種類の判別は中々困難です。意外にも日本でもまだ新種のセダムが見つかっていますが、その経緯は種の整理や分離独立といった形です。これは、日本のセダムが広く分布する種類と似ていたら、基本的に広域種の地方変異程度に考えてしまうため、このような事態となっているのでしょう。今は遺伝子解析という武器があるため、隠蔽されていた新種が見つけ出されたのです。これからも、このようなケースは増えてくることは確実ですから、場合によっては新種が次々と見つかる可能性もあります。セダムはある意味、今熱い分野なのかも知れませんね。

そういえば、セダムを含むベンケイソウ科の分類は、ここ10年ほどの研究成果により大きな転換期を迎えています。遺伝子工学の発展により進化関係を類推出来る分子系統解析の精度が高まり、ベンケイソウ科植物についてもいくつかの研究がなされています。その成果によると、セダムとされてきた植物は実はまとまりがなく、多系統であることが判明したのです。今までの分類はあくまでも外見的な特徴によるものでしたが、その分け方が必ずしも妥当なものではなかったということです。しかし、セダム属はあまりにも種類が多いため、そのすべてを解析することはなかなか困難で、かつベンケイソウ科全体の改変が必要なことから、分類の変更はなされていません。しかし、研究が進めばベンケイソウ科は改変される可能性が高いでしょう。その時、エケベリア属など馴染みのある名前が統合されて無くなるかも知れません。どのように分類されていくのか、注意深く見守っていきたいと思います。


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毎年、サボテンやアロエ類など多肉植物の新種の情報を記事にしていますが、先日サボテンとアガヴェについては記事を更新しました。アロエにていてもあれから1年に見つかった新種の情報と、いくつか抜けていた種を追加しました。一応、アロエと近縁なAstrolobaやHaworthia、Gasteriaと、GonialoeやAloidendronなどの旧・アロエ属についても一部の情報を追加しました。

去年、記事を書いた時点では、まだ論文で主張されただけで新種と認められていないものもありました。というわけで、アロエ類についても最新版の記事に改訂します。以下、去年の記事のコピーです。変わった部分は【追記】としています。いくつかの新種には画像リンクを貼りました。


2010年
★モザンビークから南アフリカのKwaZulu-Natalにかけての地域より、新種のAloe tongaensisが記載されました。しかし、2013年にAloidendron属に移され、Aloidendron tongaenseとなりました。
https://pza.sanbi.org/aloidendron-tongaense
南アフリカのKuwaZulu-Natal州中部から、新種のLeptaloeであるAloe nicholsiiが記載されました。
http://redlist.sanbi.org/species.php?species=2206-827


2011年
★エチオピアから4種類の新種のアロエが記載されました。Aloe benishangulanaAloe ghibensisAloe weloensisAloe welmelensisです。
https://powo.science.kew.org/taxon/77110966-1
ケニアより新種の2種類のアロエが記載されました。ケニア南西部に自生するAloe springatei-neumanniiは、Aloe wallastoniiに近縁なアロエです。ケニア北部の山地よりAloe tegetiformisが記載されました。枝分かれの多い匍匐茎を持ち、岩や土の上に密集したマット状に育ちます。
ウガンダより新種の2種類のアロエが記載されました。ウガンダ西部のアルバート湖平原に自生するAloe butiabanaと、ウガンダ東部のElgon山の尾根の断崖から下垂するAloe wanalensisです。
https://uk.inaturalist.org/taxa/1417652-Aloe-butiabana
【追記】南アフリカの東ケープ州からGasteria croucheriの新亜種であるGasteria croucheri subsp. pondoensisが記載されました。


2012年
★北ソマリアから新種のAloe nugalensisが記載されました。
★マダガスカルから新種の3種類のアロエが記載されました。Aloe beankaensisAloe ivakoanyensisAloe analavelonensisです。
★ナミビアのBaynes山から新種のAloe huntleyanaが記載されました。
https://pza.sanbi.org/aloe-huntleyana
★南アフリカのMpumalngaから新種のAloe condyaeが記載されました。
https://uk.inaturalist.org/taxa/1239374-Aloe-condyae
★アンゴラ南西部のナミブ砂漠から新種のAloe mocamedensisが記載されました。


2014年
★マダガスカル北部から新種のAloe gautieriが記載されました。
★南アフリカのMpumalangaから新種のAloe andersoniiが記載されました。
https://pza.sanbi.org/aloe-andersonii
★南アフリカの東ケープ州から新種のAloe liliputanaが記載されました。
★南アフリカの東ケープ州から新種のGasteria loedolffiaeが記載されました。
https://pza.sanbi.org/gasteria-loedolffiae
★南アフリカの西ケープ州新種のからGasteria barbaeが記載されました。
エリトリアのナブロ山東斜面とマブラ平原より新種であるAloe montis-nabroが記載されました。散在する低木に守られた軽石上や溶岩の隙間に育ちます。


2015年
★ウガンダから新種のAloe lukeanaが記載されました。
https://en.m.wikipedia.org/wiki/Aloe_lukeana
★南アフリカの西ケープ州から新種のAstroloba cremnophilaが記載されました。


2017年
★マダガスカル北西部から新種のAloe belitsakensisが記載されました。
https://inaturalist.nz/taxa/746185-Aloe-belitsakensis
★マダガスカルから新種のLomatophyllum類である、Aloe maningoryensisAloe alaotrensisが記載されました。
★南アフリカから新種のAstroloba tenaxAstroloba robustaが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/580780-Astroloba-robusta
★南アフリカの西ケープ州から新種のHaworthia grenieriが記載されました。
★南アフリカの西ケープ州から新種のGasteria koeniiが記載されました。
https://www.janvandorpe.be/gasteria/gasteria-koenii
★ケニアより新種のAloe mangeaensisが記載されました。
【追記】南アフリカの西ケープ州から新種のAstroloba tenax var. moltenoiが記載されました。
https://inaturalist.lu/taxa/597896-Astroloba-tenax-moltenoi


2018年
★南アフリカのCape Provから新種のHaworthia duraHaworthia ernstiiHaworthia vitrisが記載されました。
★ケニアから新種のAloe zygorabaiensisAloe uncinataが記載されました。


2019年
★ソマリランドから新種のAloe sanguinalisが記載されました。
https://www.sci.news/biology/aloe-sanguinalis-06915.html
【追記】核DNA含量に基づき、Gasteria disticha var. langebergensisを独立させて、Gasteria langebergensisとして記載しました。南アフリカの西ケープ州に分布します。
https://www.inaturalist.se/taxa/599432-Gasteria-disticha-langebergensis
【追記】2014年にアロエからアロイデンドロンに移されたAloidendron sabaeumが遺伝子解析の結果、アロエに属することが判明しました。しかし、キュー王立植物園のデータベースにおける変更はありません。


2020年
★マダガスカル東部の湿潤林から新種のAloe vatovavensisAloe rakotonasoloiが記載されました。
★南アフリカの東ケープ州から新種のGasteria visseriiGasteria camillaeが記載されました。
https://pza.sanbi.org/gasteria-camillae
★ケニア南東部より新種のAloe ngutwaensisが記載されました。
★インドより新種のAloe trinervisが記載されました。

【追記】マダガスカル東部の熱帯雨林で、新種であるAloe vatovavensisAloe rakotonasoloiが記載されました。狭義のAloeと旧Lomatophyllumの中間的な特徴を示します。


2021年
★アンゴラ北西部から新種のAloe uigensis が記載されました。


2022年
★南アフリカ北部から新種のLeptaloe類であるAloe hankeyiが記載されました。
https://uk.inaturalist.org/photos/272064040
★南アフリカ北部州よりAloiampelos temuior  var. ernstiiが記載されました。オレンジ色の花を咲かせます。
【追記】南アフリカの西ケープ州から、新種であるGasteria disticha var. marxiiが記載されました。小型で厳しい環境への適応と考えられます。


2023年
★アンゴラ南部からの新種としてGonialoe borealisが記載されました。
★ケニアより新種であるAloe nderianaが説明されました。まだ、キュー王立植物園のデータベースには記載されていません。【追記】
The International Plant Names Index and World Checklist of Vascular Plants 2025.により新種として記載されました。


2024年
★ソマリランドのアカシアが優占する乾燥地で、新種であるAloe kayseiが説明されました。まだ、キュー王立植物園のデータベースには記載されていません。【追記】The International Plant Names Index and World Checklist of Vascular Plants 2025.により新種として記載されました。


最後に
と言う訳で、近年のアロエ類の新種でした。基本的に調べたのは名前だけで、そのすべてについて画像検索はしていないため、園芸的な重要度は分かりません。ところで、1753年にAloe L.と言う学名がつけられてから270年ほど経ちますが、まだ新種が続々と発見されていることに驚きます。おそらく、これからも沢山の新種が発見されることでしょう。しかし、残念ながら自生地の破壊により絶滅の危機に瀕しているアロエも沢山あります。また、発見される前に自生地の破壊により絶滅するものも出てくるはずで、既に人知れず絶滅しているものも少なくないはずです。新種の記載は不道徳なコレクターや業者による盗掘の危険性を高めてしまいますが、自生地の保護には多少の力が働く可能性もあります。知られていなければ保護の算段すらつかないため、科学者たちの奮闘に期待したいところです。
【追記】最近のアロエ類の最大のインパクトは、当然ながら2010年代に始まったアロエ類の再編成です。アロエは分割されAloe sensu stricto、Aloidendron、Aloiampelos、Gonialoe、Aristaloe、Kumaraになり、逆にLomatophyllumやChortolirionがアロエに編入されました。また、ハウォルチアも分割され、Haworthia sensu stricto、Haworthiopsis、Tulistaとなりました。さらに、PoellnitziaがAstrolobaに編入されました。ここにGasteriaを加えてアロエ類とし、まとまりのあるグループであることが示されたのです。
その後のアロエ類の最大のインパクトと言えば、私個人としてはGonialoeの新種が挙げられるでしょうか。そもそもGonialoeは3種類しかありませんでしたが、3種類目のGonialoe sladenianaが1920年に記載されて100年以上振りの新種ということになります。大変な驚きでした。次にAstroloba spiralis sensu latoの分割です。ずいぶんと異なるタイプがA. spiralisにまとめられていましたが、ついにA. spirellaとA. pentagonaが分割されたのです。私自身も「ハリー」と名札が付いた優美なアストロロバを栽培していますが、これはnom. nud.ですがA. pentagona系と目されてきました。以前からA. spiralisとの違いに戸惑っていましたが。こ、れでようやくスッキリしました。最後に新属Aloestrelaの誕生ですが、これは将来的にAloidendronに編入される可能性が大なので今は様子見しています。



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去年、サボテンやアロエ、セダムなどのここ10年あまりに見つかった新種についてまとめた記事を書きました。今年はあれから1年でどう変わったのか、新たに見つかった新種はあるのかをポツポツと記事にしています。アガベについてもこの1年で見つかった新種はあるのか、あるいは説明された新種候補が正式に新種として記載されたのかを見ていきましょう。
ちなみに、論文が出て新種が説明されたとしても、それは新種であると著者が主張しているだけなので、まだ正式に新種として記載されたわけではありません。場合によっては既存種と同種かも知れません。ですので、論文が発表されてもすぐに新種として記載されるわけではありませんから、去年発表された新種候補たちはどうなったのか調べてみました。以下、追加した情報は【追記】と表記しております。ちなみに、画像が見つかったものはリンクを貼りました。


【追記】アガヴェの新しい分類について
Agaveに近縁なManfredaとPolianthesが、Agaveに統合される流れがありました。そのため、あまり似ていないチューベローズまでアガヴェとなっていました。しかし、2024年にアガヴェの仲間が遺伝子解析され、先端にトゲがあるEchinoagaveやParaagave、Paleoagaveをアガヴェから分離する提案があり、今年のThe International Plant Names Index and World Checklist of Vascular Plants 2025.により正式に認められました。その副産物として、PolianthesやManfredaがアガヴェから明瞭に分離可能であることも判明したのです。そのため、統合されたPolianthesやManfredaが再分離されることになりました。


Agave sensu lato(広義のアガヴェ)の系統解析

          ┏━━Agave sensu stricto 
      ┏┫   (狭義のアガヴェ)
      ┃┃┏━Polianthes
      ┃┗┫ (incl. Prochnyanthes)
  ┏┫    ┗━Manfreda
  ┃┃
  ┃┃┏━━Echinoagave
  ┃┗┫
  ┫    ┗━━Paraagave
  ┃
  ┗━━━━Paleoagave


2011年
★メキシコのバハ・カリフォルニアから、新種のAgave turneriが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/863368-Agave-turneri
★メキシコ南部から、新種のManfreda justosierranaManfreda umbrophilaManfreda verhoekiaeが記載されました。しかし、2012年にはAgave属に移され、それぞれAgave justorierranaAgave umbrophilaAgave verhoekiaeとされました。
【追記】Agaveとされた3種は再びManfredaとされました。
M. verhoekiae
https://www.inaturalist.org/taxa/281296-Manfreda-verhoekiae
【追記】メキシコより新種であるPolianthes zapopanensisが記載されました。2012年にAgave zapopanensisとする提案がありましたが現在は認められておりません。
https://www.inaturalist.org/taxa/554323-Polianthes-zapopanensis


2012年
★メキシコ西部のmanantlanicola山脈の高地から、新種であるAgave manantlanicolaが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/863381-Agave-manantlanicola
★メキシコのJulisco州から、新種であるAgave temacapulinensisが記載されました。Agave wocomahiと近縁と考えられます。
https://www.inaturalist.org/taxa/863406-Agave-temacapulinensis


2013年
★Agave gypsophilaを再評価し、Agave abisaiiAgave andreaeAgave kristeniiAgave pablocarrilloiが分離されました。
★メキシコのVeracruzより、新種であるAgave jimenoiが記載されました。
★アリゾナ州中部より、新種であるAgave verdensisAgave yavapaiensisが記載されました。種子をあまり作らず、主に栄養繁殖により増えます。
A. verdensis
https://www.inaturalist.org/taxa/743411-Agave-verdensis
A. yavapaiensis
https://www.inaturalist.org/taxa/863420-Agave-yavapaiensis
【追記】メキシコより新種であるAgave gracielaeが記載されました。2024年にAgaveから分離され、Echinoagave gracielaeとなりました。
https://inaturalist.lu/taxa/1525254-Echinoagave-gracielae
【追記】メキシコより新種であるAgave kavandiviが記載されました。2024年にAgaveから分離され、Echinoagave kavandiviとされました。
https://www.inaturalist.org/taxa/1525255-Echinoagave-kavandivi


2014年
★メキシコのバハ・カリフォルニアのVizcaino半島から、新種のAgave azureaが記載されました。Agave vizcainoensisに近縁と思われます。
https://www.inaturalist.org/taxa/863429-Agave-azurea
★メキシコ西部のQueretaroから、新種のAgave doctorensisが記載されました。Agave montium-sancticaroiに似ています。
https://www.inaturalist.org/taxa/468172-Agave-doctorensis
★メキシコのOaxacaより、新種であるPolianthes alboaustralisが記載されました。しかし、2015年にはAgave属に移され、Agave alboaustralisとされました。【追記】再びPolianthesとされました。


2015年
★メキシコのJuliscoより、新種であるPolianthes cernuaが記載されました。しかし、同2015年にAgave属に移され、Agave neocernuaとされました。【追記】再びPolianthesとされました。
https://www.inaturalist.org/taxa/1267671-Polianthes-cernua


2016年
★メキシコ西部より、新種であるPolianthes quilaeが記載されました。しかし、2017年にはAgave属に移され、Agave quilaeとされました。【追記】再びPolianthesとされました。
https://www.inaturalist.org/taxa/1267672-Polianthes-quilae


2017年
★コロンビアから新種であるAgave paxが記載されました。
★メキシコ西部より、新種であるManfreda occidentalisが記載されました。しかし、2019年にはAgave属に移され、Agave occidentalisとされました。【追記】再びManfredaとされました。
https://www.inaturalist.org/taxa/1058619-Manfreda-occidentalis


2018年
★メキシコのVeracruz中央海岸より、新種であるAgave maria-patriciaeが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/746075-Agave-maria-patriciae
★メキシコのOaxaca南東部より、新種であるAgave cremnophilaが記載されました。【追記】2024年にEchinoagave cremnophilaとしてアガヴェ属から独立しました。
★メキシコ西部のSierra del  Surより、新種であるManfreda santana-micheliiが記載されました。しかし、2019年にはAgave属に移され、Agave santana-micheliiとされました。【追記】再びManfredaとされました。
https://www.inaturalist.org/taxa/936911-Manfreda-santana-michelii
★メキシコのMichoacan州より、新種であるPolianthes venustulifloraが記載されました。しかし、2019年にはAgave属に移され、Agave venustulifloraとされました。
★アリゾナ州中部より、新種であるAgave sanpedroensisが記載されました。アリゾナ州の先住民族であるHohokam族が1450年頃まで栽培していた「失われた作物」であると著者は主張しています。
★メキシコのGerrero州から、新種であるManfreda arceliensisが記載されました。また、2023年にAgave属に移され、Agave arceliensisとされました。【追記】再びManfredaとされました。


2019年
★メキシコのTmaulipas州より、Agave lexiiが記載されました。Agave tenuifoliaやAgave striataに似ています。【追記】2024年にEchinoagave lexiiとしてアガヴェ属から独立しました。
Echinoagave lexii
https://www.inaturalist.se/taxa/1525256-Echinoagave-lexii
★メキシコのOaxaca北中部より、新種であるAgave oteroiが記載されました。 
Agave oteroi
https://www.inaturalist.se/taxa/1076020-Agave-oteroi
★メキシコ西部のChorros del Varal州立保護区より、新種であるAgave garciaruiziiが記載されました。Agave angustiarumおよびAgave imppressaに関連するようです。
Agave garciaruizii
https://www.inaturalist.se/taxa/1233151-Agave-garciaruizii
【追記】メキシコより新種であるAgave gypsicolaが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/867263-Agave-gypsicola
【追記】メキシコより新種であるAgave megalodontaが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/867265-Agave-megalodonta
【追記】メキシコより新種であるAgave quiotepecensisが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/867264-Agave-quiotepecensis


2020年
★メキシコのOaxaca南部から、新種であるAgave calciphilaが記載されました。Agave angustiarumやAgave ghiesbreghtii、Agave huehuetecaに似ています。
https://www.inaturalist.org/taxa/1268056-Agave-calciphila
★コロンビアから新種であるAgave sylvesterianaが記載されました。
Agave sylvesteriana
https://www.inaturalist.org/taxa/1146456-Agave-sylvesteriana
【追記】メキシコのケレタロから、新種であるAgave muxiiが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/1074436-Agave-muxii


2021年
★メキシコのTamaulipas州の湿った渓谷で、新種であるAgave crypticaが記載されました。Agave tenuifoliaと混同されてきたようです。【追記】2024年にEchinoagave crypticaとしてアガヴェ属から独立しました。
https://www.inaturalist.org/taxa/1525251-Echinoagave-cryptica


2022年
★メキシコ西部のBalsas盆地から、新種であるAgave infiernilloensisが記載されました。Agave gypsicolaに似ていますが、新種は葉が1mを超える大型種です。
https://inaturalist.lu/observations/128806410
★メキシコのOaxaca州西部より、新種であるAgave rosalesiiが記載されました。Agave ellemeetiana var. subdentataより分離されました。
Agave rosalesii
https://www.inaturalist.org/taxa/1373684-Agave-rosalesii
★メキシコのJaliscoより、新種であるAgave martaelenaeAgave servandoanaが記載されました。
A. martaelenae

https://www.inaturalist.org/taxa/1432325-Agave-martaelenae
A. servandoana
https://mexico.inaturalist.org/taxa/1432326-Agave-servandoana
【追記】メキシコのオアハカの石灰岩地より、新種であるAgave salomoniiが記載されました。A. chiapensisおよびA. mitisと比較されます。
https://www.inaturalist.org/taxa/1413945-Agave-salomonii


2023年
★メキシコのSinaloaより、新種であるAgave mayoが記載されました。Agave schidigeraと共通する特徴があります。
https://www.inaturalist.org/taxa/1497655-Agave-mayo
★メキシコ原産のPolianthes montanaから、Polianthes aarodrigueziiが分離されました。The International Plant Names Index and World Checklist of Vascular Plants 2024. により、受け入れられず異名にもならない未配置名(unplaced names)とされています。【追記】The International Plant Names Index and World Checklist of Vascular Plants 2025. により記載されました。 
https://inaturalist.lu/taxa/1445984-Polianthes-aarodriguezii


2024年
Agave属よりEchinoagaveParaagavePaleoagaveが分離されました。
また、Agaveに統廃合が進んでいるPolianthesやManfredaが復活しました。
Echinoagave
https://www.inaturalist.org/taxa/1524995-Echinoagave
Paraagave
https://www.inaturalist.org/taxa/1524996-Paraagave
メキシコのJaliscoより、新種であるEchinoagave nievesiorumが説明されました。まだ、キュー王立植物園のデータベースには記載がありません。【追記】The International Plant Names Index and World Checklist of Vascular Plants 2025. により記載されました。 
【追記】メキシコのオアハカより、Agave yucuanensisが説明されました。石膏土壌に生えます。まだ、キュー王立植物園のデータベースには記載がありません。



最後に
さて、というわけで2010年以後のAgaveの新種についての記事でした。もちろん、これはすべてを網羅したものではなく、検索をかけて出てきたものだけです。漏れがあるのは当然として、古いものは検索に引っ掛からないパターンもありそうです。しかし、毎年追記していますから、少しづつ充実していくでしょう。



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さて、毎年恒例のサボテンの新種の記事です。去年は8月に記事をあげましたが、論文が出たばかりでまだ新種として認定されていないものもありました。ということで、去年の記事を振り返ります。現在ではどうなっていますでしょうか。また、あれからの1年間で新たに発表された新種のサボテンはあるのでしょうか。以下、去年の記事のコピーです。変わった部分は【追記】としています。いくつかの新種には画像リンクを貼りました。あと、スペルミスをいくつか修正しました。


1753年にCarl von LinneがサボテンをCactus属と命名した時には、すでにヨーロッパでもサボテンが栽培されていました。それから、沢山のサボテンが命名されてきましたが、未だに新種のサボテンが見つかっています。最近見つかったサボテンはなんだろうかと思って、少し調べてみました。と言っても、すべての新種を調べた訳ではなく、検索してすぐに出てきたものだけです。しかし、それでも2010年以降に限っても、それなりの種類は見つかりました。主に論文のAbstractだけをサラッと読んだだけですから、あまり詳しい内容は分かりません。ですから、簡単に見ていきましょう。


2011年
★メキシコのTamaulipas州からマミラリアの新種、Mammillaria cielensisが記載されました。しかし、現在はM. zubleraeの異名となっています、


2012年
★アルゼンチンのブエノスアイレス州からウチワサボテンの新種、Opuntia ventanensisが記載されました。しかし、現在ではOpuntia fragilisの異名とされています。


2013年
★ペルー南部からボルジカクタスの新種、Borzicactus hoxeyiが記載されました。しかし、2014年にLoxanthocereus属になり、Loxanthocereus hoxeyiとなりました。
https://www.inaturalist.org/taxa/1516322-Loxanthocereus-hoxeyi


2014年
★ペルー北部からエスポストアの新種、Espostoa cremnophilaが記載されました。
★メキシコのオアハカ州からウェベロケレウスの新種、
Weberocereus alliodorusが記載されました。2018年にSelenicereus alliodorusとする意見もありましたが、認められておりません。【追記】Selenicereus alliodorusとする意見は、現在認められています。
★メキシコのタマウリパス州からマミラリアの新種、
Mammillaria huntianaが記載されました。しかし、現在ではM. roseoalbaの異名とされています。
★メキシコのZacatecasからオプンチアの新種、Opuntia gallegianaが記載されました。
★米国のアリゾナ州からオプンチアの新種、Opuntia diploursinaが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/630897-Opuntia-diploursina
★米国のカリフォルニア州からキリンドロプンティアの新種、Cylindropuntia chuckwallensisが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/474848-Cylindropuntia-chuckwallensis
★ブラジルのリオデジャネイロ州からリプサリスの新種、Rhipsalis flagelliformisが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/1536806-Rhipsalis-flagelliformis


2015年
★アルゼンチンのコルドバ州からギムノカリキウムの新種、Gymnocalycium campestreが記載されました。
https://inaturalist.nz/taxa/1576558-Gymnocalycium-campestre
★メキシコ中央部でツルビニカルプスの新種、Turbinicarpus heliaeが記載されました。 しかし、2021年にKadenicarpus属になり、Kadenicarpus heliaeとされています。
https://www.inaturalist.org/taxa/525908-Turbinicarpus-heliae
★メキシコ中部からオプンチアの新種、Opuntia delafuentianaが記載されました。
★メキシコのバハ・カリフォルニア州で、7種類のウチワサボテンの新種が記載されました。それは、Opuntia clarkiorumCylindropuntia libertadensisCylindropuntia waltoniorumCylindropuntia cedrosensisCylindropuntia alcahes var. gigantensisCylindropuntia alcahes var. mcgilliiCylindropuntia ganderi var. catavinensisです。このうち、3つの変種は2019年に新種を記載した著者自身により亜種に変更されています。
【追記】メキシコのベラクルス州からオプンチアの新種、Opuntia perotensisが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/563695-Opuntia-perotensis
【追記】メキシコからオプンチアの新種、Opuntia leiascheinvarianaが説明されました。しかし、現在ではO. ficus-indicaのsynonymとされています。


2017年
★エルサルバドルでディソカクタスの新種、Disocactus salvadorensisが記載されました。
★メキシコのCoahuila州からウチワサボテンの新種、
Corynopuntia deinacanthaCorynopuntia halophilaが記載されました。しかし、2018年に2種類ともGrusonia属になり、Grusonia deinacanthaGrusonia halophilaとされています。実は、Corynopuntia属は消滅し、すべてGrusonia属となっています。
ドミニカ共和国南西部のPedernales州からレプトケレウスの新種、Leptocereus demissusが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/1259634-Leptocereus-demissus
★ハイチからケレウスの新種、Cereus haitiensisが説明されました。しかし、この名前は非合法名(nom. illeg.)とされ、認められませんでした。これは、1926年にすでにC. haitiensisが命名されていたため、名前が重複してしまうことからと考えられます。ちなみに、現在ではSerrulatocereus serruliflorusの異名となっています。


2018年
★メソアメリカ地域からデアミアの新種、Deamia montalvoaeが記載されました。
★メキシコのオアハカ州からテロカクタスの新種、
Thelocactus tepelmemensisが記載されました。
★メキシコ原産のStenocereus griseus複合体から、Stenocereus huastecorumが分離されました。しかし、未だに未記載種となっています。【追記】現在、S. huastecorumはThe International Plant Names Index and World Checklist of Vascular Plants 2025.により新種として記載されています。
https://www.inaturalist.org/taxa/638321-Stenocereus-huastecorum
★キューバ西部のPinar del Rio州のカルスト石灰岩の崖からレプトケレウスの新種、Leptocereus assurgens var. albellusLeptocereus chrysotyriusが記載されました。L. assurgens var. albellusは、2020年にL. assurgens subsp. albellusとなっています。また、同じく2020年にL. albellusとする意見もありました。同じく2020年にL. chrysotyriusはL. assurgens subsp. chrysotyriusとされました。


2019年
★メキシコ南部からケファロケレウスの新種、Cephalocereus parvispinusが記載されました。
https://inaturalist.ca/taxa/1133501-Cephalocereus-parvispinus
★メキシコのヌエボレオン州からツルビニカルプスの新種、
Turbinicarpus boedekerianusが記載されました。
https://uk.inaturalist.org/taxa/858375-Turbinicarpus-boedekerianus
【追記】チリのアタカマ地方からエウリクニアの新種、Eulychnia vallenarensisが記載されました。E. acidaに類似します。2020年にPhilippicereus vallenarensisとする意見もありましたが認められておりません。 
https://www.inaturalist.org/taxa/1151173-Eulychnia-vallenarensis


2020年
★ペルーからリマンベンソニアの新種、Lymanbensonia choquequiraensisが記載されました。
https://uk.inaturalist.org/taxa/1346314-Lymanbensonia-choquequiraensis
★メキシコのハリスコ州からアカントケレウスの新種、Acanthocereus paradoxusが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/1148417-Acanthocereus-paradoxus
★メキシコのシナロアからコケミエアの新種、Cochemiea thomasiiが記載されました。2021年にMammillaria thomasiiとする意見もありましたが、認められておりません。
https://www.inaturalist.org/taxa/1038794-Cochemiea-thomasii
★メキシコからマミラリアの新種、Mammillaria breviplumosaが記載されました。しかし、現在ではM. sanchez-mejoradae subsp. breviplumosaの異名とされています。
★分類が曖昧だったEchinocereus pulchellus複合体が整理され、
Echinocereus acanthosetusEchinocereus sharpiiが新種として分離されました。
★ドミニカ共和国のアンティル諸島原産のLeptocereus weingartianus複合体から、新種のLeptocereus velozianusが分離されました。また、2021年にNeoabbottia velozianaとする意見もありましたが認められておりません。
https://inaturalist.ca/taxa/1589319-Leptocereus-velozianus


2021年
★メキシコのハリスコ州南部からアカントケレウスの新種、Acanthocereus atropurpureusが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/1291103-Acanthocereus-atropurpureus
★メキシコのバハ・カリフォルニア半島からウチワサボテンの新種、Opuntia sierralagunensisOpuntia caboensisが記載されました。
★ドミニカ共和国やハイチに自生するPilosocereusはP. polygonusとされてきましたが、新種のPilosocereus brevispinusPilosocereus excelsusPilosocereus samanensisに分解されました。【追記】P. brevispinusは2022年にP. polygonus subsp. brevispinusとする意見がありますが、認められておりません。


2022年
★ニカラグアからデアミアの新種、Deamia funisが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/1435132-Deamia-funis
★メキシコのサン・ルイス・ポトシ州からマミラリアの新種、Mammillaria morentinianaが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/1433006-Mammillaria-morentiniana
★分類が曖昧だったMammillaria fittkaui複合体を分析し、ハリスコ州原産のMammillaria arreolaeを新種として記載されました。
https://uk.inaturalist.org/taxa/1427658-Mammillaria-arreolae/browse_photos
メキシコのBajioからステノカクタスの自然交雑種であるStenocactus × irregularisが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/1608519-Stenocactus---irregularis


2023年
★ペルーからウチワサボテンの新種、Cumulopuntia mollispinaが記載されました。【追記】2024年にSphaeropuntia mollispina、およびSphaeropuntia sphaerica f. mollispinaとする意見がありますが、認められておりません。
★ブラジルからパロディアの新種、Parodia flavaが説明されました。まだ未記載種のようです。
★ブラジルのリオグランデ・ド・スル州西部からパロディアの新種、Parodia hofackerianaが記載されました。【追記】2023年にNotocactus hofackerianus、2024年にNotocactus mueller-melchersii subsp. hofackerianusとする意見もありましたが認められておりません。ちなみに、NotocactusはParodiaに吸収され、属としては消滅しました。
https://phytotaxa.mapress.com/pt/article/view/phytotaxa.598.4.2
★ホンジュラスのCelaque山国立公園からアカントセレウスの新種、Acanthocereus lempirensisが記載されました。
https://uk.inaturalist.org/taxa/1491587-Acanthocereus-lempirensis
★ブラジル東部の半乾燥地からタキンガの新種、Tacinga paiaiaが説明されました。まだ未記載種のようです。【追記】T. paiaiaはThe International Plant Names Index and World Checklist of Vascular Plants 2025.により新種として記載されました。
★メキシコのGuanajuatoからマミラリアの新種、Mammillaria monochrysacanthaが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/1500362-Mammillaria-monochrysacantha
★ケレウス属の遺伝子を解析し、ブラジルのミナスジェライス州とバイーア州原産のCereus ingensと、ブラジル北部原産のCereus gerardiが分離されました。しかし、まだ未記載種のようです。【追記】C. ingensとC. gerardiはThe International Plant Names Index and World Checklist of Vascular Plants 2025.により新種として記載されました。
https://mexico.inaturalist.org/taxa/1624208-Cereus-gerardi


2024年
2024年に公表された新種はまだ未記載のものもあります。
★ブラジル北東部のCeara州からタキンガの新種、Tacinga mirimが説明されました。いままで、より大型のT. palmadoraと混同されてきました。
【追記】T. mirimはThe International Plant Names Index and World Checklist of Vascular Plants 2025.により新種として記載されました。
★コロラド州西部からスクレロカクタスの新種、Sclerocactus dawsoniaeが説明されました。S. glaucusより小型でトゲが少なく、遺伝的にも異なります。【追記】S. dawsoniaeはThe International Plant Names Index and World Checklist of Vascular Plants 2025.により新種として記載されました。https://guatemala.inaturalist.org/taxa/1551384-Sclerocactus-dawsoniae
★メキシコのBajio地域からマミラリアの新種、Mammillaria ariasiiが説明されました。M. hahnianaに似ています。
【追記】M. arasiiはThe International Plant Names Index and World Checklist of Vascular Plants 2025.により新種として記載されました。https://www.inaturalist.org/taxa/1543654-Mammillaria-ariasii/browse_photos
★メキシコのSan Luis Potosi州からオプンチアの新種、Opuntia fortanelliが説明されました。
【追記】O. fortanelliはThe International Plant Names Index and World Checklist of Vascular Plants 2025.により新種として記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/1538864-Opuntia-fortanelli
【追記】ユーベルマニア属の分子系統解析により、Uebelmannia nudaが分離されました。ブラジルのGerais州の原産で、遺伝的にはU. pectiniferaに近縁です。半地下生など珍しい特徴を持ちます。【追記】U. nudaはThe International Plant Names Index and World Checklist of Vascular Plants 2025.により新種として記載されました。https://www.cactuspro.com/forum/read.php?1,921125
【追記】ブラジルのミナスジェライス州からコレオケファロケレウスの新種、Coleocephalocereus superbusが説明されました。マゼンダ色の花を咲かせます。しかし、まだ新種としての記載がありません。
https://inaturalist.nz/taxa/1557126-Coleocephalocereus-superbus
【追記】メキシコのシナロア州からオプンチアの新種、Opuntia erucaが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/1589864-Opuntia-eruca


2025年
2025年に発表された新種は、まだ正式な記載はされておりません。来年、The International Plant Names Index and World Checklist of Vascular Plants 2026により正式に記載されることになります。
【追記】メキシコからマミラリアの新種、Mammillaria scoriaが説明されました。
https://polibotanica.mx/index.php/polibotanica/article/view/1241
【追記】チリのアタカマ地方からエリオシケの新種、Eriosyce tuberculosaが説明されました。
【追記】メキシコのサン・ルイス・ポトシ州からグルソニアの新種、Grusonia pulvinataが説明されました。
【追記】コスタリカからセレニケレウスの新種、Selenicereus haberiが説明されました。


最後に
以上が調べた限りの最近の新種のサボテンです。検索が不十分だったのでいくつか追加しました。また、去年の8月以降、最低でも6種類の新種が発表されています。いまだに新種が発見されることに驚きます。地中に埋まるように育つEriosyce tuberculosaや、超小型のマミラリアであるMammillaria scoriaなどは園芸的に面白そうです。
さて、今年に発表された種は、これから検証されて、将来的に正式にデータベースに記載されていく可能性があります。せっかく調べたのですから、毎年チェックしていきたいですね。



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去年の11月に2010年以降に発見されたエケベリアの新種についての記事を書きました。あれから1年経ちました。去年記事を書いた後に発表されたものや、私の論文検索に漏れがありましたので追記もしました。追記した部分は【追記】と表記しています。また、去年の記事は誤記が散見されたため、修正しております。

実はサボテンや多肉植物も、毎年のように新種が発見されています。地球上のすべての土地が調査し尽くされているわけではないため、未踏の場所を調査したら新種は見つかるもののようです。さらに、詳しく研究されず、似た種類を1種類にまとめてしまっていたりもします。そのようなものは、最近になって再び研究されて整理され始めています。ここ10年ちょいの多肉植物の新種については、サボテン、アロエ、アガベ、セダムについて最近記事にしてまとめて来ました。本日はエケベリアの近年の新種について見てみましょう。論文を軽く漁っただけなので、すべての新種を網羅してはいないかも知れません。

231101214314314~2
Echeveria whitei
『Addisonia』(1925年)より。

2011年
★メキシコのMichoacanより、新種のEcheveria purhepechaが記載されました。

2012年
【追記】メキシコのSinaloaより、新種のEcheveria julianaが記載されました。

2013年
★メキシコ西部のSierra de Manantlanより、新種のEcheveria yalmanantlanensisが記載されました。石灰岩の山塊Cerro de Grandeの固有種です。【追記】2023年に新属であるChazaroa属が提唱され、Chazaroa yalmanantlanensisに変更されました。

2014年
★メキシコのColima火山より、新種であるEcheveria muniziiが記載されました。E. fulgensに似ています。
★メキシコ西部Colimaの石灰岩地より、新種であるEcheveria cerrograndensisが記載されました。E. fulgensと近縁と考えられます。
★メキシコのJaliscoより、新種のEcheveria marianaeが記載されました。E. novogaliciana、E. dactyliferaに似ています。

2015年
★メキシコのJaliscoより、Echeveria rulfianaが記載されました。

2016年
★メキシコのMichoacanより、新種であるEcheveria pistioidesが記載されました。
★メキシコのMichoacanより、新種であるEcheveria coruanaが記載されました。


2018年
【追記】ペルーのLimaで、新種であるEcheveria deltoideaEcheveria fruticosaが記載されました。E. deltoideaはE. chiclensisと似ていますが、葉がより大きく幅広で平らな点が異なります。E. fruticosaは直立あるいは横臥する目立つ地上茎を持ちます。

2019年
★メキシコのMichoacanより、新種であるEcheveria michihuacanaが記載されました。
★メキシコのGuerreroより、新種であるEcheveria xochipalensisが記載されました。
★メキシコのNevado de Colima火山より、新種であるEcheveria sonianevadensisが記載されました。


2020年
★エクアドルとペルーの国境より、既存種より2種の新種が分離されました。1つはEcheveria quitensisとされてきた中から、Echeveria cojitambensisが分離されました。もう1つはEcheveria cuencaensisと混同されてきたEcheveria tabaconasensisが分離されました。
★メキシコのSinaloaより、新種であるEcheveria coppiiが記載されました。

2021年
★ペルーのTayacaja州より、新種であるEcheveria incaicaが記載されました。E. oreophilaに似ています。
★ペルーのCastrovirreyna州より、新種のEcheveria ostolazaeが記載されました。
★メキシコのGuerreroより、新種であるEcheveria islasiaeが記載されました。
★メキシコのDurangoより、新種であるEcheveria kristeniiが記載されました。E. dactyliferaおよびE. novogalicianaに似ています。


2022年
★メキシコのOaxacaのMixteca Atla山地より、新種であるEcheveria andreaeが記載されました。

2023年
Echeveria pringlei var. parvaを独特させ、Echeveria flammigeraを代替名として記載しました。

2024年
【追記】メキシコのMichoacanより、Echeveria sotoiが説明されました。E. gibbifloraに似ていますが、茎は細く背が高くなり、葉はより細く紫がかる灰白色にはならないことや、花のいくつもの細かい特徴が異なります。
【追記】メキシコのMichoacanより、Echeveria coalcomanensisが説明されました。
【追記】メキシコのJaliscoより、Echeveria cuevasiiEcheveria vazqueziiが説明されました。E. cuevasiiは亜低木状で中型のロゼットなどSeries NudaeのE. flammigeraと特徴を共有していますが、短枝が少なく葉が長く花序あたりの花が多いなど異なる特徴があります。E. vazqueziiはE. marianaeやE. novogalicianaと似ていますが、大きく無毛のロゼット、短い花序、Series Gibbifloraeに典型的な複数の花序からなる円錐花序を持ちます。


以上がエケベリアの新種たちです。意外と新種は見つかっていますし、これからも見つかる可能性が高そうです。エケベリアの分布の中心はメキシコのようですが、エクアドルでも新種が見つかっていますね。もしかしたら、メキシコ以外では調査が遅れているだけで、これからまだまだ新種が見つかるかも知れません。また、今は何と言っても遺伝子解析の時代です。エケベリアは形態学的によく似た種類が多いため、混同されている種類もありそうですから、遺伝子解析により大幅に改訂されてしまうかも知れません。これからのエケベリア研究は目が離せませんね。


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去年、サボテンやアロエ、セダムなどのここ10年あまりに見つかった新種についてまとめた記事を書きました。今年はあれから1年でどう変わったのか、新たに見つかった新種はあるのかをポツポツと記事にしています。アガベについてもこの1年で見つかった新種はあるのか、あるいは説明された新種候補が正式に新種として記載されたのかを見ていきましょう。
ちなみに、論文が出て新種が説明されたとしても、それは新種であると著者が主張しているだけなので、まだ正式に新種として記載されたわけではありません。場合によっては既存種と同種かも知れません。ですので、論文が発表されてもすぐに新種として記載されるわけではありませんから、去年発表された新種候補たちはどうなったのか調べてみました。以下、追加した情報は【追記】と表記しております。

近年、多肉植物で最も盛り上がっているのはAgaveでしょう。「サボテン・多肉植物のビッグバザール」でも、Agaveの専門店が出店するようになり、あちこちでAgaveを出しています。多肉植物に強い園芸店でもAgaveはコーデックスに代わる目玉となっています。いつまでAgaveブームが続くのかは分かりませんが、流行っているオテロイ(Agave oteroi)は2019年に記載されたばかりの新種であることを考えたら、まだまだ盛り上がる要素は出てくるかも知れませんね。さて、そんなAgaveですが、オテロイの例にあるように新種が見つかっています。ここ10年と少しのAgaveの新種を見てみましょう。ちなみに、最近のAgaveに関する論文をざっと漁っただけなので、漏れもあるでしょうし、Abstractを流し読みしただけなので何かしらの間違いがあるかも知れません。まあ、ご参考までにということで。


2011年
★メキシコのバハ・カリフォルニアから、新種のAgave turneriが記載されました。
★メキシコ南部から、新種のManfreda justosierranaManfreda umbrophilaManfreda verhoekiaeが記載されました。しかし、2012年にはAgave属に移され、それぞれAgave justorierranaAgave umbrophilaAgave verhoekiaeとされました。


2012年
★メキシコ西部のmanantlanicola山脈の高地から、新種であるAgave manantlanicolaが記載されました。
★メキシコのJulisco州から、新種であるAgave temacapulinensisが記載されました。Agave wocomahiと近縁と考えられます。


2013年
★Agave gypsophilaを再評価し、Agave abisaiiAgave andreaeAgave kristeniiAgave pablocarrilloiが分離されました。
★メキシコのVeracruzより、新種であるAgave jimenoiが記載されました。
【追記】アリゾナ州中部より、新種であるAgave verdensisAgave yavapaiensisが記載されました。種子をあまり作らず、主に栄養繁殖により増えます。

2014年
★メキシコのバハ・カリフォルニアのVizcaino半島から、新種のAgave azureaが記載されました。Agave vizcainoensisに近縁と思われます。
★メキシコ西部のQueretaroから、新種のAgave doctorensisが記載されました。Agave montium-sancticaroiに似ています。
★メキシコのOaxacaより、新種であるPolianthes alboaustralisが記載されました。しかし、2015年にはAgave属に移され、Agave alboaustralisとされました。

2015年
【追記】メキシコのJuliscoより、新種であるPolianthes cernuaが記載されました。しかし、同2015年にAgave属に移され、Agave neocernuaとされました。

2016年
★メキシコ西部より、新種であるPolianthes quilaeが記載されました。しかし、2017年にはAgave属に移され、Agave quilaeとされました。

2017年
★コロンビアから新種であるAgave paxが記載されました。
★メキシコ西部より、新種であるManfreda occidentalisが記載されました。しかし、2019年にはAgave属に移され、Agave occidentalisとされました。

2018年
★メキシコのVeracruz中央海岸より、新種であるAgave maria-patriciaeが記載されました。
★メキシコのOaxaca南東部より、新種であるAgave cremnophilaが記載されました。【追記】2024年にEchinoagave cremnophilaとしてアガヴェ属から独立する提案がなされております。
★メキシコ西部のSierra del  Surより、新種であるManfreda santana-micheliiが記載されました。しかし、2019年にはAgave属に移され、Agave santana-micheliiとされました。
★メキシコのMichoacan州より、新種であるPolianthes venustulifloraが記載されました。しかし、2019年にはAgave属に移され、Agave venustulifloraとされました。
【追記】アリゾナ州中部より、新種であるAgave sanpedroensisが記載されました。アリゾナ州の先住民族であるHohokam族が1450年頃まで栽培していた「失われた作物」であると著者は主張しています。


2019年
★メキシコのTmaulipas州より、Agave lexiiが記載されました。Agave tenuifoliaやAgave striataに似ています。【追記】2024年にEchinoagave lexiiとしてアガヴェ属から独立する提案がなされております。

Echinoagave lexii
https://www.inaturalist.se/taxa/1525256-Echinoagave-lexii

★メキシコのOaxaca北中部より、新種であるAgave oteroiが記載されました。 

Agave oteroi
https://www.inaturalist.se/taxa/1076020-Agave-oteroi

★メキシコ西部のChorros del Varal州立保護区より、新種であるAgave garciaruiziiが記載されました。Agave angustiarumおよびAgave imppressaに関連するようです。

Agave garciaruizii
https://www.inaturalist.se/taxa/1233151-Agave-garciaruizii

2020年
★メキシコのOaxaca南部から、新種であるAgave calciphilaが記載されました。Agave angustiarumやAgave ghiesbreghtii、Agave huehuetecaに似ています。

Agave calciphila
https://www.inaturalist.org/taxa/1268056-Agave-calciphila

★コロンビアから新種であるAgave sylvesterianaが記載されました。

Agave sylvesteriana
https://www.inaturalist.org/taxa/1146456-Agave-sylvesteriana

★メキシコのGerrero州から、新種であるManfreda arceliensisが説明されました。しかし、この種は認められておりません。【追記】The International Plant Names Index and World Checklist of Vascular Plantsにより新種として記載されました。記載年は2020年ではなく2018年とされています。また、2023年にAgave属に移され、Agave arceliensisとされました。

2021年
★メキシコのTamaulipas州の湿った渓谷で、新種であるAgave crypticaが記載されました。Agave tenuifoliaと混同されてきたようです。【追記】2024年にEchinoagave crypticaとしてアガヴェ属から独立する提案がなされております。

Echinoagave cryptica
https://www.inaturalist.org/taxa/1525251-Echinoagave-cryptica

2022年
★メキシコ西部のBalsas盆地から、新種であるAgave internilloensisが記載されました。Agave gypsicolaに似ていますが、新種は葉が1mを超える大型種です。
★メキシコのOaxaca州西部より、新種であるAgave rosalesiiが記載されました。Agave ellemeetiana var. subdentataより分離されました。

Agave rosalesii
https://www.inaturalist.org/taxa/1373684-Agave-rosalesii

★メキシコのJaliscoより、新種であるAgave martaelenaeAgave servandoanaが説明されました。しかし、データベースへの記載はまだのようです。【追記】The International Plant Names Index and World Checklist of Vascular Plants 2024. により新種として記載されました。

2023年
★メキシコのSinaloaより、新種であるAgave mayoが記載されました。Agave schidigeraと共通する特徴があります。【追記】The International Plant Names Index and World Checklist of Vascular Plants 2024. により新種として記載されました。

Agave mayo
https://www.inaturalist.org/taxa/1497655-Agave-mayo

★メキシコ原産のPolianthes montanaから、Polianthes aarodrigueziiが分離されました。【追記】The International Plant Names Index and World Checklist of Vascular Plants 2024. により、受け入れられず異名にもならない未配置名(unplaced names)とされています。

2024年
【追記】Agave属よりEchinoagaveParaagaveを分離する提案がなされました。まだ、キュー王立植物園のデータベースには記載がありません。
また、PolianthesやManfredaがAgave属から明瞭に分離可能であることも判明しました。このことにより、Agaveに統廃合が進んでいるPolianthesやManfredaが復活する可能性があります。

Echinoagave
https://www.inaturalist.org/taxa/1524995-Echinoagave

Paraagave
https://www.inaturalist.org/taxa/1524996-Paraagave

【追記】メキシコのJaliscoより、新種であるEchinoagave nievesiorumが説明されました。まだ、キュー王立植物園のデータベースには記載がありません。

さて、Agaveの新種を漏れはあるかも知れませんが、大体の種類は収集出来たのではないでしょうか。ここでは、ManfredaやPolianthesが入っていますが、2000年代後半から2010年代前半にかけてManfredaやPolianthesがAgaveに含まれることが遺伝子解析により明らかになりました。そのため、ManfredaやPolianthesは徐々にAgaveへ改名されていきました。しかし、その最中でも新種は相変わらずManfredaやPolianthesと命名され続けたようですね。まあ、結局はAgaveに訂正されてしまいましたが。
【追記】大雑把にAgaveへの統廃合の流れを追って見ました。割り早い時期に行われた遺伝子解析ではPolianthesやManfredaがAgaveから分離出来ないとされましたが、2024年の論文では分離されています。これは、遺伝子解析の質が上がったことも関係あるのでしょう。また、EchinoagaveとParaagaveの独立も提案されており、アガヴェ自体が大きく変わりそうです。気になるため現在論文を読んでいます。近いうちに記事に出来ればと考えております。


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去年の10月に、2010年以降に発見されたセダムについての記事を書きました。本日はあれから1年経って、当時は論文が出ただけで正式に記載されていなかった新種がどうなったのでしょうか。答え合わせの時間です。さらには去年の記事からは漏れていた種もいくつか追記しました。新たな情報には【追記】と表記してあります。あと、いくつかスペルミスもあったので修正しました。

Sedumは丈夫で育てやすく、寄植えやグランドカバーなど用途の幅も広く、その種類も非常に沢山あります。しかも、近年に至っても沢山の新種が発見されています。新たな調査により発見される場合もありますが、近年の特徴は遺伝子解析による新種の発見でしょう。産地ごとの微妙な違い程度と考えられて変種や亜種とされてきたものが、遺伝子解析により分離されるという報告がなされるようになりました。このように、新種の発見は大変興味深いものです。しかし、我々趣味家には中々情報が入って来ないものです。本日はそんなセダムのここ10年と少しの新種について、ごく簡単にご紹介しましょう。ただ、私もそのすべてを歩漁出来ませんから、おそらくご紹介出来たのはその一部に過ぎないかも知れません。

231005222419419~2
Sedum spp.
『Illustrations of the British flora』(1908年)より。


2010年
★米国のアイダホ州から新種であるSedum valensが記載されました。


2012年
★メキシコから新種であるSedum kristeniiが記載されました。
★メキシコとグアテマラから新種であるSedum mesoamericanumが記載されました。
★中国の鉛・亜鉛鉱山地域から新種であるSedum plumbizincicolaが記載されました。
★メキシコから新種であるSedum perezdelarosaeが記載されました。
★メキシコから新種であるSedum jarochoが記載されました。
★メキシコから新種であるSedum brachetiiが記載されました。


2013年
★台湾の石灰岩地から新種であるSedum tarokoenseが記載されました。
★中国から新種であるSedum kuntsunianumが記載されました。


2014年
★米国のカリフォルニア州から新種であるSedum citrinumが記載されました。
★中国から新種であるSedum spiralifoliumが記載されました。


2015年
★メキシコから新種であるSedum moniliformeが記載されました。Sedum longipesに良く似ているということです。
★メキシコから新種であるSedum piaxtlaenseが記載されました。
★メキシコから新種であるSedum pyriseminumが記載されました。
【追記】フランスとイタリアの狭い地域から、新種であるSedum aquilanumが記載されました。イベリアとモロッコの固有種であるS. nevadensisであると考えられてきましたが、新たな調査により新種であることが判明しました。


2016年
★東アフリカのケニア山高地から、新種であるSedum kenienseが記載されました。


2017年
★日本の男女群島より新種であるSedum danjoenseが記載されました。Sedum formosanumとされてきましたが、遺伝子解析により別種として分離されました。
★メキシコから新種であるSedum sinforosanumが記載されました。
★中国からSedum peltatumが説明されました。しかし、キュー王立植物園のデータベースには記載がありません。


2019年
★中国の石灰岩地から新種であるSedum lipingenseが記載されました。
★中国から新種であるSedum ichangensisが記載されました。
★台湾から新種であるSedum kwanwuenseSedum taiwanalpinumが記載されました。


2020年
★中国から新種であるSedum nanlingenseが記載されました。Sedum onychopetalumやSedum kiangnanenseに近縁とされます。
★ペルー北部から新種であるSedum hutchisoniiが記載されました。
★日本の小笠原諸島から新種のSedum mukojimenseが記載されました。Sedum boninenseから分離されました。
【追記】日本の宮古島から新亜種であるSedum formosanum subsp. miyakojimaenseが記載されました。基準種であるS. formosusと比較したところ、多年性で多結実性、側腋枝を持つなど異なる特徴があります。


2022年
★メキシコから新種であるSedum dormiensが記載されました。
★日本の九州地方から沖縄に分布するSedum japonicum subsp. uniflorumあるいはSedum uniflorumとされるセダムは、Sedum ryukyuenseとされました。これは、1838年に記載されたSedum uniflorum Hook. & Arn.は、過去に同名のセダムが命名されていたため非合法名として命名され直されました。ちなみに、同名のセダムとは、1810年に命名されたSedum uniflorum Raf.(=Phedimus stellatus)です。 


2023年
★中国から新種とされるSedum jinglaniiが説明されました。【追記】The International Plant Names Index and World Checklist of Vascular Plants 2024. により新種として記載されました。
★中国から新種とされるSedum yangjifengenseが説明されました。【追記】The International Plant Names Index and World Checklist of Vascular Plants 2024. により新種として記載されました。
★中国から新種とされるSedum danxiacolaが説明されました。
【追記】The International Plant Names Index and World Checklist of Vascular Plants 2024. により新種として記載されました。
★日本の九州地方の石灰岩地より、新種とされるSedum kawaraenseが説明されました。Sedum lipingenseに近縁とされます。
【追記】The International Plant Names Index and World Checklist of Vascular Plants 2024. により新種として記載されました。

2024年
【追記】中国の浙江省より新種であるSedum xunvenseが説明されました。S. formosanumに似ていますが、いくつかの特徴と遺伝的に独立していることが確認されています。しかし、まだキュー王立植物園のデータベースには記載がありません。

231005223111688~2
Sedum bourgaei
『Addisonia』(1917年)より。


セダムは種類が多く皆よく似ていますから、種類の判別は中々困難です。意外にも日本でもまだ新種のセダムが見つかっていますが、その経緯は種の整理や分離独立といった形です。これは、日本のセダムが広く分布する種類と似ていたら、基本的に広域種の地方変異程度に考えてしまうため、このような事態となっているのでしょう。今は遺伝子解析という武器があるため、隠蔽されていた新種が見つけ出されたのです。これからも、このようなケースは増えてくることは確実ですから、場合によっては新種が次々と見つかる可能性もあります。セダムはある意味、今熱い分野なのかも知れませんね。

【追記】
そういえば、セダムを含むベンケイソウ科の分類は、ここ10年ほどの研究成果により大きな転換期を迎えています。遺伝子工学の発展により進化関係を類推出来る分子系統解析の精度が高まり、ベンケイソウ科植物についてもいくつかの研究がなされています。その成果によると、セダムとされてきた植物は実はまとまりがなく、多系統であることが判明したのです。今までの分類はあくまでも外見的な特徴によるものでしたが、その分け方が必ずしも妥当なものではなかったということです。しかし、セダム属はあまりにも種類が多いため、そのすべてを解析することはなかなか困難で、かつベンケイソウ科全体の改変が必要なことから、分類の変更はなされていません。しかし、研究が進めばベンケイソウ科は改変される可能性が高いでしょう。その時、エケベリア属など馴染みのある名前が統合されて無くなるかも知れません。どのように分類されていくのか、注意深く見守っていきたいと思います。


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去年はサボテンやアロエ類の新種の情報を記事にしましたが、先日サボテンについては記事を更新しました。あれから1年に見つかった新種の情報と、いくつか抜けていた種を追加しました。
さて、一般的には論文が出た=科学的な証明がなされたと解釈されがちですが、それは正確ではありません。論文の内容はまだ仮説のようなもので、沢山の科学者が読み内容を吟味します。場合によっては試験を再試し確認されることもあります。ですから、新種についても、まだ論文で新種が説明されただけでは駄目で、他の知られている種ではないのか、記載内容は科学的に正確かが吟味されます。
去年の8月に記事を書いた時点では、まだ論文で主張されただけで新種と認められていないものもありました。というわけで、アロエ類についても最新版の記事に改訂します。以下、去年の記事のコピーです。変わった部分は【追記】としています。いくつかの新種には画像リンクを貼りました。

先日、ここ10年ちょいくらいの、サボテンの新種についての記事を書きました。サボテンは巨大なグループで分布も広く、新種が見つかる余地はまだまだありそうです。その他の多肉植物では、何と言ってもアロエは新種が見つかる可能性が高いと言えます。アロエの新種を説明した論文を探してみたので、少し見てみましょう。まあ、サボテンの時と同じく、すべての新種を調べた訳ではなく、簡単に調べて出てきたものだけです。一応、アロエと近縁なAstrolobaやHaworthia、Gasteriaと、GonialoeやAloidendronなどの旧・アロエ属についても一部の情報を追加しました。

2010年
★モザンビークから南アフリカのKwaZulu-Natalにかけての地域より、新種のAloe tongaensisが記載されました。しかし、2013年にAloidendron属に移され、Aloidendron tongaenseとなりました。
https://pza.sanbi.org/aloidendron-tongaense
【追記】南アフリカのKuwaZulu-Natal州中部から、新種のLeptaloeであるAloe nicholsiiが記載されました。
http://redlist.sanbi.org/species.php?species=2206-827

2011年
★エチオピアから4種類の新種のアロエが記載されました。Aloe benishangulanaAloe ghibensisAloe weloensisAloe welmelensisです。
https://powo.science.kew.org/taxon/77110966-1
【追記】ケニアより新種の2種類のアロエが記載されました。ケニア南西部に自生するAloe springatei-neumanniiは、Aloe wallastoniiに近縁なアロエです。ケニア北部の山地よりAloe tegetiformisが記載されました。枝分かれの多い匍匐茎を持ち、岩や土の上に密集したマット状に育ちます。
【追記】ウガンダより新種の2種類のアロエが記載されました。ウガンダ西部のアルバート湖平原に自生するAloe butiabanaと、ウガンダ東部のElgon山の尾根の断崖から下垂するAloe wanalensisです。
https://uk.inaturalist.org/taxa/1417652-Aloe-butiabana

2012年
★北ソマリアから新種のAloe nugalensisが記載されました。
★マダガスカルから新種の3種類のアロエが記載されました。Aloe beankaensisAloe ivakoanyensisAloe analavelonensisです。
★ナミビアのBaynes山から新種のAloe huntleyanaが記載されました。
https://pza.sanbi.org/aloe-huntleyana
★南アフリカのMpumalngaから新種のAloe condyaeが記載されました。
https://uk.inaturalist.org/taxa/1239374-Aloe-condyae
★アンゴラ南西部のナミブ砂漠から新種のAloe mocamedensisが記載されました。

2014年
★マダガスカル北部から新種のAloe gautieriが記載されました。
★南アフリカのMpumalangaから新種のAloe andersoniiが記載されました。
https://pza.sanbi.org/aloe-andersonii
★南アフリカの東ケープ州から新種のAloe liliputanaが記載されました。
★南アフリカの東ケープ州から新種のGasteria loedolffiaeが記載されました。
https://pza.sanbi.org/gasteria-loedolffiae
★南アフリカの西ケープ州新種のからGasteria barbaeが記載されました。
【追記】エリトリアのナブロ山東斜面とマブラ平原より新種であるAloe montis-nabroが記載されました。散在する低木に守られた軽石上や溶岩の隙間に育ちます。

2015年
★ウガンダから新種のAloe lukeanaが記載されました。
https://en.m.wikipedia.org/wiki/Aloe_lukeana
★南アフリカの西ケープ州から新種のAstroloba cremnophilaが記載されました。

2017年
★マダガスカル北西部から新種のAloe belitsakensisが記載されました。
https://inaturalist.nz/taxa/746185-Aloe-belitsakensis
★マダガスカルから新種のLomatophyllum類である、Aloe maningoryensisAloe alaotrensisが記載されました。
★ケニアから新種のAloe zygorabaiensisAloe uncinataが記載されました。
★南アフリカから新種のAstroloba tenaxAstroloba robustaが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/580780-Astroloba-robusta
★南アフリカの西ケープ州から新種のHaworthia grenieriが記載されました。
★南アフリカの西ケープ州から新種のGasteria koelniiが記載されました。
https://www.janvandorpe.be/gasteria/gasteria-koenii
【追記】ケニアより新種のAloe mangeaensisが記載されました。

2018年
★南アフリカのCape Provから新種のHaworthia duraHaworthia ernstiiHaworthia vitrisが記載されました。

2019年
★ソマリランドから新種のAloe sanguinalisが記載されました。
https://www.sci.news/biology/aloe-sanguinalis-06915.html

2020年
★マダガスカル東部の湿潤林から新種のAloe vatovavensisAloe rakotonasoloiが記載されました。
★南アフリカの東ケープ州から新種のGasteria visseriiGasteria camillaeが記載されました。
https://pza.sanbi.org/gasteria-camillae
【追記】ケニア南東部より新種のAloe ngutwaensisが記載されました。
【追記】インドより新種のAloe trinervisが記載されました。


2021年
★アンゴラ北西部から新種のAloe uigensis が記載されました。

2022年
★南アフリカ北部から新種のLeptaloe類であるAloe hankeyiが記載されました。
https://uk.inaturalist.org/photos/272064040
【追記】南アフリカ北部州よりAloiampelos temuior  var. erntrtiiが記載されました。オレンジ色の花を咲かせます。

2023年
★アンゴラ南部からの新種としてGonialoe borealisが説明されました。まだ、キュー王立植物園のデータベースには記載されていません。【追記】The International Plant Names Index and World Checklist of Vascular Plants 2024. により新種として記載されました。
【追記】ケニアより新種であるAloe nderianaが説明されました。まだ、キュー王立植物園のデータベースには記載されていません。
【追記】ソマリランドのアカシアが優占する乾燥地で、新種であるAloe kayseiが説明されました。まだ、キュー王立植物園のデータベースには記載されていません。


最後に
と言う訳で、近年のアロエ類の新種でした。基本的に調べたのは名前だけで、そのすべてについて画像検索はしていないため、園芸的な重要度は分かりません。ところで、1753年にAloe L.と言う学名がつけられてから270年ほど経ちますが、まだ新種が続々と発見されていることに驚きます。おそらく、これからも沢山の新種が発見されることでしょう。しかし、残念ながら自生地の破壊により絶滅の危機に瀕しているアロエも沢山あります。また、発見される前に自生地の破壊により絶滅するものも出てくるはずで、既に人知れず絶滅しているものも少なくないはずです。新種の記載は不道徳なコレクターや業者による盗掘の危険性を高めてしまいますが、自生地の保護には多少の力が働く可能性もあります。知られていなければ保護の算段すらつかないため、科学者たちの奮闘に期待したいところです。


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去年の8月にサボテンの新種について調べた記事をあげました。論文が出たばかりで、まだ新種として認定されていないものもありました。ということで、去年の記事を振り返ります。現在ではどうなっていますでしょうか。また、あれからの1年間で新たに発表された新種のサボテンはあるのでしょうか。以下、去年の記事のコピーです。変わった部分は【追記】としています。いくつかの新種には画像リンクを貼りました。

1753年にCarl von LinneがサボテンをCactus属と命名した時には、すでにヨーロッパでもサボテンが栽培されていました。それから、沢山のサボテンが命名されてきましたが、未だに新種のサボテンが見つかっています。最近見つかったサボテンはなんだろうかと思って、少し調べてみました。と言っても、すべての新種を調べた訳ではなく、検索してすぐに出てきたものだけです。しかし、それでも2010年以降に限っても、それなりの種類は見つかりました。主に論文のAbstractだけをサラッと読んだだけですから、あまり詳しい内容は分かりません。ですから、簡単に見ていきましょう。

2011年
【追記】メキシコのTamaulipas州からマミラリアの新種、Mammillaria cielensisが記載されました。しかし、現在はM. zubleraeの異名となっています、

2012年
★アルゼンチンのブエノスアイレス州からウチワサボテンの新種、Opuntia ventanensisが記載されました。しかし、現在ではOpuntia fragilisの異名とされています。

2013年
★ペルー南部からボルジカクタスの新種、Borzicactus hoxeyiが記載されました。しかし、2014年にLoxanthocereus属になり、Loxanthocereus hoxeyiとなりました。

2014年
★ペルー北部からエスポストアの新種、Espostoa cremnophilaが記載されました。
★メキシコのオアハカ州からウェベロケレウスの新種、
Weberocereus alliodorusが記載されました。【追記】2018年にSelenicereus alliodorusとする意見もありましたが、認められておりません。
★メキシコのタマウリパス州からマミラリアの新種、
Mammillaria huntianaが記載されました。しかし、現在ではM. roseoalbaの異名とされています。
【追記】メキシコのZacatecasからオプンチアの新種、Opuntia gallegianaが記載されました。
【追記】米国のアリゾナ州からオプンチアの新種、Opuntia diploursinaが記載されました。
【追記】米国のカリフォルニア州からキリンドロプンティアの新種、Cylindropuntia chuckwallensisが記載されました。
【追記】ブラジルのリオデジャネイロ州からリプサリスの新種、Rhipsalis flagelliformisが記載されました。


2015年
★アルゼンチンのコルドバ州からギムノカリキウムの新種、Gymnocalycium campestreが記載されました。
https://identify.plantnet.org/k-world-flora/species/Gymnocalycium%20campestre%20%C5%98epka/data
★メキシコ中央部でツルビニカルプスの新種、
Turbinicarpus heliaeが記載されました。 しかし、2021年にKadenicarpus属になり、Kadenicarpus heliaeとされています。
【追記】メキシコ中部からオプンチアの新種、Opuntia delafuentinaが記載されました。
【追記】メキシコのバハ・カリフォルニア州で、7種類のウチワサボテンの新種が記載されました。それは、Opuntia clarkiorumCylinderopuntia libertadensis
Cylinderopuntia waltoniorumCylinderopuntia cedrosensisCylinderopuntia alcahes var. gigantensisCylinderopuntia alcahes var. mcgilliiCylinderopuntia ganderi var. catavinensisです。このうち、3つの変種は2019年に新種を記載した著者自身により亜種に変更されています。

2017年
★エルサルバドルでディソカクタスの新種、Disocactus salvadorensisが記載されました。
★メキシコのCoahuila州からウチワサボテンの新種、
Corynopuntia deinacanthaCorynopuntia halophilaが記載されました。しかし、2018年に2種類ともGrusonia属になり、Grusonia deinacanthaGrusonia halophilaとされています。実は、Corynopuntia属は消滅し、すべてGrusonia属となっています。
【追記】ドミニカ共和国南西部のPedernales州からレプトケレウスの新種、Leptocereus demissusが記載されました。
【追記】ハイチからケレウスの新種、Cereus haitiensisが説明されました。しかし、この名前は非合法名(nom. illeg.)とされ、認められませんでした。これは、1926年にすでにC. haitiensisが命名されていたため、名前が重複してしまうことからと考えられます。ちなみに、現在ではSerrulatocereus serruliflorusの異名となっています。


2018年
★メソアメリカ地域からデアミアの新種、Deamia montalvoaeが記載されました。
★メキシコのオアハカ州からテロカクタスの新種、
Thelocactus tepelmemensisが記載されました。
https://www.thelocactus.cactus-mall.com/Species_Files/tepelmemensis.html
【追記】メキシコ原産のStenocereus griseus複合体から、Stenocereus huastecorumが分離されました。しかし、未だに未記載種となっています。
【追記】キューバ西部のPinar del Rio州のカルスト石灰岩の崖からレプトケレウスの新種、Leptocereus assurgens var. albellusLeptocereus chrysotyriusが記載されました。L. 
assurgens var. albellusは、2020年にL. assurgens subsp. albellusとなっています。また、同じく2020年にL. albellusとする意見もありました。同じく2020年にL. chrysotyriusはL. assurgens subsp. chrysotyriusとされました。

2019年
★メキシコ南部からケファロケレウスの新種、Cephalocereus parvispinusが記載されました。
https://inaturalist.ca/taxa/1133501-Cephalocereus-parvispinus
★メキシコのヌエボレオン州からツルビニカルプスの新種、
Turbinicarpus boedekerianusが記載されました。
https://uk.inaturalist.org/taxa/858375-Turbinicarpus-boedekerianus

2020年
★ペルーからリマンベンソニアの新種、Lymanbensonia choquequiraensisが記載されました。
★メキシコのハリスコ州からアカントケレウスの新種、
Acanthocereus paradoxusが記載されました。
★メキシコのシナロアからコケミエアの新種、
Cochemiea thomasiiが記載されました。【追記】2021年にMammillaria thomasiiとする意見もありましたが、認められておりません。
★メキシコからマミラリアの新種、
Mammillaria breviplumosaが記載されました。しかし、現在ではM. sanchez-mejoradae subsp. breviplumosaの異名とされています。
★分類が曖昧だったEchinocereus pulchellus複合体が整理され、
Echinocereus acanthosetusEchinocereus sharpiiが新種として分離されました。
【追記】ドミニカ共和国のアンティル諸島原産のLeptocereus weingartianus複合体から、新種のLeptocereus velozianusが分離されました。また、2021年にNeoabbottia velozianaとする意見もありましたが認められておりません。


2021年
★メキシコのハリスコ州南部からアカントケレウスの新種、Acanthocereus atropurpureusが記載されました。
★メキシコのバハ・カリフォルニア半島からウチワサボテンの新種、Opuntia sierralagunensisOpuntia caboensisが記載されました。
★ドミニカ共和国やハイチに自生するPilosocereusはP. polygonusとされてきましたが、新種のPilosocereus brevispinusPilosocereus excelsusPilosocereus samanensisに分解されました。

2022年
★ニカラグアからデアミアの新種、Deamia funisが記載されました。
★メキシコのサン・ルイス・ポトシ州からマミラリアの新種、Mammillaria morentinianaが説明されました。しかし、キュー王立植物園のデータベースにはまだ記載がありません。新種であるか否か、正式に審査されるのはこれからのようです。【追記】現在、M. morentianaはThe International Plant Names Index and World Checklist of Vascular Plants 2024.により新種として認定されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/1433006-Mammillaria-morentiniana
★分類が曖昧だったMammillaria fittkaui複合体を分析し、ハリスコ州原産のMammillaria arreolaeを新種として説明しました。しかし、こちらもまだキュー王立植物園に記載はありません。【追記】現在、M. arreolataはThe International Plant Names Index and World Checklist of Vascular Plants 2024.により新種として認定されました。
https://uk.inaturalist.org/taxa/1427658-Mammillaria-arreolae/browse_photos
【追記】メキシコのBajioからステノカクタスの自然交雑種であるStenocactus × irregularisが記載されました。

2023年
★ペルーからウチワサボテンの新種、Cumulopuntia mollispinaが説明されました。【追記】現在、C. mollispimaはThe International Plant Names Index and World Checklist of Vascular Plants 2024.により新種として認定されました。
★ブラジルからパロディアの新種、Parodia flavaが説明されました。【追記】まだ未記載種のようです。
★ブラジルのリオグランデ・ド・スル州西部からパロディアの新種、Parodia hofackerianaが説明されました。【追記】現在、P. hofackerianaはThe International Plant Names Index and World Checklist of Vascular Plants 2024.により新種として認定されました。また、2023年にNotocactus hofackerianusとする意見もありましたが認められておりません。ちなみに、NotocactusはParodiaに吸収され、属としては消滅しました。
【追記】ホンジュラスのCelaque山国立公園からアカントセレウスの新種、Acanthocereus lempirensisが記載されました。
https://uk.inaturalist.org/taxa/1491587-Acanthocereus-lempirensis
【追記】ブラジル東部の半乾燥地からタキンガの新種、Tacinga
 paiaiaが説明されました。まだ、未記載種のようです。
【追記】メキシコのGuanajuatoからマミラリアの新種、Mammillaria monochrysacanthaが記載されました。
https://www.inaturalist.org/taxa/1500362-Mammillaria-monochrysacantha
【追記】ケレウス属の遺伝子を解析し、ブラジルのミナスジェライス州とバイーア州原産のCereus ingensと、ブラジル北部原産のCereus gerardiが分離されました。しかし、まだ未記載種のようです。

2024年
2024年に公表された新種は、まだ未記載種となっています。これから、審査されることになります。
【追記】ブラジル北東部のCeara州からタキンガの新種、Tacinga mirimが説明されました。いままで、より大型のT. palmadoraと混同されてきました。
【追記】コロラド州西部からスクレロカクタスの新種、Sclerocactus dawsoniaeが説明されました。S. glaucusより小型でトゲが少なく、遺伝的にも異なります。
https://guatemala.inaturalist.org/taxa/1551384-Sclerocactus-dawsoniae
【追記】メキシコのBajio地域からマミラリアの新種、Mammillaria ariasiiが説明されました。M. hahnianaに似ています。
https://www.inaturalist.org/taxa/1543654-Mammillaria-ariasii/browse_photos
【追記】メキシコのSan Luis Potosi州からオプンチアの新種、Opuntia fortanelliが説明されました。
【追記】ユーベルマニア属の分子系統解析により、Ubelmannia nudaが分離されました。ブラジルのGerais州の原産で、遺伝的にはU. pectiniferaに近縁です。半地下生など珍しい特徴を持ちます。
https://www.cactuspro.com/forum/read.php?1,921125

最後に
以上が調べた限りの最近の新種のサボテンです。検索が不十分だったのでいくつか追加しました。また、2024年にも、8月までで既に5種類もの新種のサボテンが発表されています。しかし、まだ確認段階で正式に認められるのは来年以後になるでしょう。園芸的に見るならば、ユーベルマニアの新種はかなりインパクトが大きく感じます。今後、園芸市場に出回るでしょうか?
さて、今年に発表された種は、これから検証されて、将来的に正式にデータベースに記載されていく可能性があります。せっかく調べたのですから、これからは毎年チェックしていきたいですね。



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実はサボテンや多肉植物も、毎年のように新種が発見されています。地球上のすべての土地が調査し尽くされているわけではないため、未踏の場所を調査したら新種は見つかるもののようです。さらに、詳しく研究されず、似た種類を1種類にまとめてしまっていたりもします。そのようなものは、最近になって再び研究されて整理され始めています。ここ10年ちょいの多肉植物の新種については、サボテン、アロエ、アガベ、セダムについて最近記事にしてまとめて来ました。本日はエケベリアの近年の新種について見てみましょう。論文を軽く漁っただけなので、すべての新種を網羅してはいないかも知れません。

231101214314314~2
Echeveria whitei
『Addisonia』(1925年)より。


2011年
・メキシコのMichoacanより、新種のEcheveria purhepechaが記載されました。

2012年
・メキシコのSinaloaより、新種のEcheveria cheveriaが記載されました。

2013年
・メキシコ西部のSierra de Manantlanより、新種のEcheveria yalmanantlanensisが記載されました。石灰岩の山塊Cerro de Grandeの固有種です。

2014年
・メキシコのColima火山より、新種であるEcheveria muniziiが記載されました。E. fulgensに似ています。
・メキシコ西部Colimaの石灰岩地より、新種であるEcheveria cerrograndensisが記載されました。E. fulgensと近縁と考えられます。
・メキシコのJaliscoより、新種のEcheveria marianaeが記載されました。E. novogaliciana、E. dactyliferaに似ています。

2015年
・メキシコのJaliscoより、Echeveria rulfianaが記載されました。

2016年
・メキシコのMichoacanより、新種であるEcheveria pistioidesが記載されました。
・メキシコのMichoacanより、新種であるEcheveria coruanaが記載されました。


2017年
・Echeveria pringlei var. parvaを独特させ、Echeveria fjammigeraを代替名として提案しました。しかし、この提案は認められておりません。

2019年
・メキシコのMichoacanより、新種であるEcheveria michihuacanaが記載されました。
・メキシコのGuerreroより、新種であるEcheveria xochipalensisが記載されました。
・メキシコのNevado de Colima火山より、新種であるEcheveria sonianevadensisが記載されました。


2020年
・エクアドルとペルーの国境より、既存種より2種の新種が分離されました。1つはEcheveria quitensisとされてきた中から、Echeveria cojitambensisが分離されました。もう1つはEcheveria cuencaensisと混同されてきたEcheveria tabaconasensisが分離されました。
・メキシコのSinaloaより、新種であるEcheveria coppiiが記載されました。

2021年
・ペルーのTayacaja州より、新種であるEcheveria incaicaが記載されました。E. oreophilaに似ています。
・ペルーのCastrovirreyna州より、新種のEcheveria ostolazaeが記載されました。
・メキシコのGuerreroより、新種であるEcheveria islasiaeが記載されました。
・メキシコのDurangoより、新種であるEcheveria kristeniiが記載されました。E. dactyliferaおよびE. novogalicianaに似ています。


2022年
・メキシコのOaxacaのMixteca Atla産地より、新種であるEcheveria andreaeが記載されました。

以上がエケベリアの新種たちです。意外と新種は見つかっていますし、これからも見つかる可能性が高そうです。エケベリアの分布の中心はメキシコのようですが、エクアドルでも新種が見つかっていますね。もしかしたら、メキシコ以外では調査が遅れているだけで、これからまだまだ新種が見つかるかも知れません。また、今は何と言っても遺伝子解析の時代です。エケベリアは形態学的によく似た種類が多いため、混同されている種類もありそうですから、遺伝子解析により大幅に改訂されてしまうかも知れません。これからのエケベリア研究は目が離せませんね。


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近年、多肉植物で最も盛り上がっているのはAgaveでしょう。「サボテン・多肉植物のビッグバザール」でも、Agaveの専門店が出店するようになり、あちこちでAgaveを出しています。多肉植物に強い園芸店でもAgaveはコーデックスに代わる目玉となっています。いつまでAgaveブームが続くのかは分かりませんが、流行っているオテロイ(Agave oteroi)は2019年に記載されたばかりの新種であることを考えたら、まだまだ盛り上がる要素は出てくるかも知れませんね。さて、そんなAgaveですが、オテロイの例にあるように新種が見つかっています。ここ10年と少しのAgaveの新種を見てみましょう。ちなみに、最近のAgaveに関する論文をざっと漁っただけなので、漏れもあるでしょうし、Abstractを流し読みしただけなので何かしらの間違いがあるかも知れません。まあ、ご参考までにということで。

2011年
・メキシコのバハ・カリフォルニアから、新種のAgave turneriが記載されました。
・メキシコ南部から、新種のManfreda justosierranaManfreda umbrophilaManfreda verhoekiaeが記載されました。しかし、2012年にはAgave属に移され、それぞれAgave justorierranaAgave umbrophilaAgave verhoekiaeとされました。


2012年
・メキシコ西部のmanantlanicola山脈の高地から、新種であるAgave manantlanicolaが記載されました。
・メキシコのJulisco州から、新種であるAgave temacapulinensisが記載されました。Agave wocomahiと近縁と考えられます。


2013年
・Agave gypsophilaを再評価し、Agave abisaiiAgave andreaeAgave kristeniiAgave pablocarrilloiが分離されました。
・メキシコのVeracruzより、新種であるAgave jimenoiが記載されました。

2014年
・メキシコのバハ・カリフォルニアのVizcaino半島から、新種のAgave azureaが記載されました。Agave vizcainoensisに近縁と思われます。
・メキシコ西部のQueretaroから、新種のAgave doctorensisが記載されました。Agave montium-sancticaroiに似ています。
・メキシコのOaxacaより、新種であるPolianthes alboaustralisが記載されました。しかし、2015年にはAgave属に移され、Agave alboaustralisとされました。

2016年
・メキシコ西部より、新種であるPolianthes quilaeが記載されました。しかし、2017年にはAgave属に移され、Agave quilaeとされました。

2017年
・コロンビアから新種であるAgave paxが記載されました。
・メキシコ西部より、新種であるManfreda occidentalisが記載されました。しかし、2019年にはAgave属に移され、Agave occidentalisとされました。

2018年
・メキシコのVeracruz中央海岸より、新種であるAgave maria-patriciaeが記載されました。
・メキシコのOaxaca南東部より、新種であるAgave cremnophilaが記載されました。
・メキシコ西部のSierra del  Surより、新種であるManfreda santana-micheliiが記載されました。しかし、2019年にはAgave属に移され、Agave santana-micheliiとされました。
・メキシコのMichoacan州より、新種であるPolianthes venustulifloraが記載されました。しかし、2019年にはAgave属に移され、Agave venustulifloraとされました。


2019年
・メキシコのTmaulipas州より、Agave lexiiが記載されました。Agave tenuifoliaやAgave striataに似ています。
・メキシコのOaxaca北中部より、新種であるAgave oteroiが記載されました。
・メキシコ西部のChorros del Varal州立保護区より、新種であるAgave garciaruziiが記載されました。Agave angustiarumおよびAgave imppressaに関連するようです。


2020年
・メキシコのOaxaca南部から、新種であるAgave calciphilaが記載されました。Agave angustiarumやAgave ghiesbreghtii、Agave huehuetecaに似ています。
・コロンビアから新種であるAgave sylvesterianaが記載されました。
・メキシコのGerrero州から、新種であるManfreda arceliensisが説明されました。しかし、この種は認められておりません。

2021年
・メキシコのTamaulipas州の湿った渓谷で、新種であるAgave crypticaが記載されました。Agave tenuifoliaと混同されてきたようです。

2022年
・メキシコ西部のBalsas盆地から、新種であるAgave internilloensisが記載されました。Agave gypsicolaに似ていますが、新種は葉が1mを超える大型種です。
・メキシコのOaxaca州西部より、新種であるAgave rosalesiiが記載されました。Agave ellemeetiana var. subdentataより分離されました。
・メキシコのJaliscoより、新種であるAgave martaelenaeAgave servandoanaが説明されました。しかし、データベースへの記載はまだのようです。

2023年
2023年に出た論文で説明された新種は、まだデータベースへの記載はありません。これから精査されるのでしょう。
・メキシコのSinaloaより、新種であるAgave mayoが記載されました。Agave schidigeraと共通する特徴があります。
・メキシコ原産のPolianthes montanaから、Polianthes aarodrigueziiが分離されました。


さて、Agaveの新種を漏れはあるかも知れませんが、大体の種類は収集出来たのではないでしょうか。ここでは、ManfredaやPolianthesが入っていますが、2000年代後半から2010年代前半にかけてManfredaやPolianthesがAgaveに含まれることが遺伝子解析により明らかになりました。そのため、ManfredaやPolianthesは徐々にAgaveへ改名されていきました。しかし、その最中でも新種は相変わらずManfredaやPolianthesと命名され続けたようですね。まあ、結局はAgaveに訂正されてしまいましたが。


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Sedumは丈夫で育てやすく、寄植えやグランドカバーなど用途の幅も広く、その種類も非常に沢山あります。しかも、近年に至っても沢山の新種が発見されています。新たな調査により発見される場合もありますが、近年の特徴は遺伝子解析による新種の発見でしょう。産地ごとの微妙な違い程度と考えられて変種や亜種とされてきたものが、遺伝子解析により分離されるという報告がなされるようになりました。このように、新種の発見は大変興味深いものです。しかし、我々趣味家には中々情報が入って来ないものです。本日はそんなセダムのここ10年と少しの新種について、ごく簡単にご紹介しましょう。ただ、私もそのすべてを歩漁出来ませんから、おそらくご紹介出来たのはその一部に過ぎないかも知れません。

231005222419419~2
Sedum spp.
『Illustrations of the British flora』(1908年)より。


2010年
・米国のアイダホ州から新種であるSedum valensが記載されました。


2012年
・メキシコから新種であるSedum kristeniiが記載されました。
・メキシコとグアテマラから新種であるSedum mesoamericanumが記載されました。
・中国から新種であるSedum plumbizinicicolaが記載されました。
・メキシコから新種であるSedum perezdelarosaeが記載されました。
・メキシコから新種であるSedum jarochoが記載されました。
・メキシコから新種であるSedum brachetiiが記載されました。


2013年
・台湾の石灰岩地から新種であるSedum tarokoenseが記載されました。
・中国から新種であるSedum kuntsunianumが記載されました。


2014年
・米国のカリフォルニア州から新種であるSedum citrinumが記載されました。
・中国から新種であるSedum spiralifoliumが記載されました。


2015年
・メキシコから新種であるSedum moniliformeが記載されました。Sedum longipesに良く似ているということです。
・メキシコから新種であるSedum piaxtlaenseが記載されました。
・メキシコから新種であるSedum pyriseminumが記載されました。


2016年
・東アフリカのケニア山高地から、新種であるSedum kenienseが記載されました。


2017年
・日本の男女群島より新種であるSedum danjoenseが記載されました。Sedum formosanumとされてきましたが、遺伝子解析により別種として分離されました。
・メキシコから新種であるSedum sinforosanumが記載されました。
・中国からSedum peltatumが説明されました。しかし、キュー王立植物園のデータベースには記載がありません。


2019年
・中国の石灰岩地から新種であるSedum lipingenseが記載されました。
・中国から新種であるSedum ichangensisが記載されました。
・台湾から新種であるSedum kwanwuenseSedum taiwanalpinumが記載されました。


2020年
・中国から新種であるSedum nanlingensisが記載されました。Sedum onychopetalumやSedum kiangnanenseに近縁とされます。
・ペルー北部から新種であるSedum hutchisoniiが記載されました。
・日本の小笠原諸島から新種のSedum mukojimenseが記載されました。Sedum boninenseから分離されました。


2022年
・メキシコから新種であるSedum dormiensが記載されました。
・日本の九州地方から沖縄に分布するSedum japonicum subsp. uniflorumあるいはSedum uniflorumとされるセダムは、Sedum ryukyuenseとされました。これは、1838年に記載されたSedum uniflorum Hook. & Arn.は、過去に同名のセダムが命名されていたため非合法名として命名され直されました。ちなみに、同名のセダムとは、1810年に命名されたSedum uniflorum Raf.(=Phedimus stellatus)です。 


2023年
2023年に出た論文で説明された新種は、まだデータベースに記載がありません。
・中国から新種とされるSedum jinglaniiが説明されました。
・中国から新種とされるSedum yangjifengensisが説明されました。
・中国から新種とされるSedum danxiacolaが説明されました。
・日本の九州地方の石灰岩地より、新種とされるSedum kawarenseが説明されました。Sedum lipingenseに近縁とされます。


231005223111688~2
Sedum bourgaei
『Addisonia』(1917年)より。


セダムは種類が多く皆よく似ていますから、種類の判別は中々困難です。意外にも日本でもまだ新種のセダムが見つかっていますが、その経緯は種の整理や分離独立といった形です。これは、日本のセダムが広く分布する種類と似ていたら、基本的に広域種の地方変異程度に考えてしまうため、このような事態となっているのでしょう。今は遺伝子解析という武器があるため、隠蔽されていた新種が見つけ出されたのです。これからも、このようなケースは増えてくることは確実ですから、場合によっては新種が次々と見つかる可能性もあります。セダムはある意味、今熱い分野なのかも知れませんね。

★バージョンアップした2024年版の記事をアップしました!↓



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先日、ここ10年ちょいくらいの、サボテンの新種についての記事を書きました。サボテンは巨大なグループで分布も広く、新種が見つかる余地はまだまだありそうです。その他の多肉植物では、何と言ってもアロエは新種が見つかる可能性が高いと言えます。アロエの新種を説明した論文を探してみたので、少し見てみましょう。まあ、サボテンの時と同じく、すべての新種を調べた訳ではなく、簡単に調べて出てきたものだけです。一応、アロエと近縁なAstrolobaやHaworthia、Gasteriaと、旧・アロエ属についても一部の情報を追加しました。

2010年
・モザンビークから南アフリカのKwaZulu-Natalにかけての地域より、新種のAloe tongaensisが記載されました。しかし、2013年にAloidendron属に移され、Aloidendron tongaensisとなりました。

2011年
・エチオピアから4種類の新種のアロエが記載されました。Aloe benishangulanaAloe ghibensisAloe weloensisAloe welmelensisです。

2012年
・北ソマリアから新種のAloe nugalensisが記載されました。
・マダガスカルから新種の3種類のアロエが記載されました。Aloe beankaensisAloe ivakoanyensisAloe analavelonensisです。
・ナミビアのBaynes山から新種のAloe huntleyanaが記載されました。
・南アフリカのMpumalngaから新種のAloe condyaeが記載されました。
・アンゴラ南西部のナミブ砂漠から新種のAloe mocamedensisが記載されました。


2014年
・マダガスカル北部から新種のAloe gautieriが記載されました。
・南アフリカのMpumalangaから新種のAloe andersoniiが記載されました。
・南アフリカの東ケープ州から新種のAloe liliputanaが記載されました。
・南アフリカの東ケープ州から新種のGasteria loedolffiaeが記載されました。
・南アフリカの西ケープ州新種のからGasteria barbaeが記載されました。

2015年
・ウガンダから新種のAloe lukeanaが記載されました。
・南アフリカの西ケープ州から新種のAstroloba cremnophilaが記載されました。

2017年
・マダガスカル北西部から新種のAloe belitsakensisが記載されました。
・マダガスカルから新種のLomatophyllum類である、Aloe maningoryensisAloe alaotrensisが記載されました。
・ケニアから新種のAloe zygorabaiensisAloe uncinataが記載されました。
・南アフリカから新種のAstroloba tenaxAstroloba robustaが記載されました。
・南アフリカの西ケープ州から新種のHaworthia grenieriが記載されました。
・南アフリカの西ケープ州から新種のGasteria koelniiが記載されました。

2018年
・南アフリカのCape Provから新種のHaworthia duraHaworthia ernstiiHaworthia vitrisが記載されました。

2019年
・ソマリランドから新種のAloe sanguinalisが記載されました。

2020年
・マダガスカル東部の湿潤林から新種のAloe vatovavensisAloe rakotonasoloiが記載されました。
・インドの砂漠から新種のAloe ngutwaensisが記載されました。
・南アフリカの東ケープ州から新種のGasteria visseriiGasteria camillaeが記載されました。


2021年
・アンゴラ北西部から新種のAloe uigensis が記載されました。

2022年
・南アフリカ北部から新種のLeptaloe類であるAloe hankeyiが記載されました。

2023年
・アンゴラ南部からの新種としてGonialoe borealisが説明されました。まだ、キュー王立植物園のデータベースには記載されていません。

と言う訳で、近年のアロエ類の新種でした。基本的に調べたのは名前だけで、画像検索はしていないため、園芸的な重要度は分かりません。しかし、個人的にはゴニアロエの新種が気になります。ゴニアロエは3種類しかありませんから、新種の発見は大変な驚きです。とはいえ、論文が出たばかりですから、正式な学名として認められるかどうかはこれからでしょう。また、Aloe tongaensisは巨大なAloidendronの新種と言うことで、このような目立つ植物が今まで記載されていなかったのは不思議です。あと、Aloe ngutwaensisはインドからの新種と言うことですが、アロエの自然分布がインドまであることに驚きました。アロエの私の持つイメージでは、アフリカ大陸とマダガスカル、アラビア半島に少しあるくらいなものでした。まあ、これは勝手な思い込みで、調べれば簡単に分かることでしたね。

※追記
アロエの新種についての2024年バージョンの記事をあげました。そちらもご参照下さい。
https://euphorbia-obesa.com/archives/26670219.html


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1753年にCarl von LinneがサボテンをCactus属と命名した時には、すでにヨーロッパでもサボテンが栽培されていました。それから、沢山のサボテンが命名されてきましたが、未だに新種のサボテンが見つかっています。最近見つかったサボテンはなんだろうかと思って、少し調べてみました。と言っても、すべての新種を調べた訳ではなく、検索してすぐに出てきたものだけです。しかし、それでも2010年以降に限っても、それなりの種類は見つかりました。主に論文のAbstractだけをサラッと読んだだけですから、あまり詳しい内容は分かりません。ですから、簡単に見ていきましょう。

2012年
アルゼンチンのブエノスアイレス州からウチワサボテンの新種、Opuntia ventanensisが記載されました。しかし、現在ではOpuntia fragilisの異名とされています。

2013年
・ペルー南部からボルジカクタスの新種、Borzicactus hoxeyiが記載されました。しかし、2014年にLoxanthocereus属になり、Loxanthocereus hoxeyiとなりました。

2014年
・ペルー北部からエスポストアの新種、Espostoa cremnophilaが記載されました。
・メキシコのオアハカ州からウェベロケレウスの新種、
Weberocereus alliodorusが記載されました。
・メキシコのタマウリパス州からマミラリアの新種、
Mammillaria huntianaが記載されました。しかし、現在ではM. roseoalbaの異名とされています。

2015年
・アルゼンチンのコルドバ州からギムノカリキウムの新種、Gymnocalycium campestreが記載されました。
・メキシコ中央部でツルビニカルプスの新種、
Turbinicarpus heliaeが記載されました。 しかし、2021年にKadenicarpus属になり、Kadenicarpus heliaeとされています。

2017年
・エルサルバドルでディソカクタスの新種、Disocactus salvadorensisが記載されました。
・メキシコのCoahuila州からウチワサボテンの新種、
Corynopuntia deinacanthaCorynopuntia halophilaが記載されました。しかし、2018年に2種類ともGrusonia属になり、Grusonia deinacanthaGrusonia halophilaとされています。実は、Corynopuntia属は消滅し、すべてGrusonia属となっています。

2018年
・メソアメリカ地域からデアミアの新種、Deamia montalvoaeが記載されました。
・メキシコのオアハカ州からテロカクタスの新種、
Thelocactus tepelmemensisが記載されました。

2019年
・メキシコ南部からケファロケレウスの新種、Cephalocereus parvispinusが記載されました。
・メキシコのヌエボレオン州からツルビニカルプスの新種、
Turbinicarpus boedekerianusが記載されました。

2020年
・ペルーからリマンベンソニアの新種、Lymanbensonia choquequiraensisが記載されました。
・メキシコのハリスコ州からアカントケレウスの新種、
Acanthocereus paradoxusが記載されました。
・メキシコのシナロアからコケミエアの新種、
Cochemiea thomasiiが記載されました。
・メキシコからマミラリアの新種、
Mammillaria breviplumosaが記載されました。しかし、現在ではM. sanchez-mejoradae subsp. breviplumosaの異名とされています。
・分類が曖昧だったEchinocereus pulchellus複合体が整理され、
Echinocereus acanthosetusEchinocereus sharpiiが新種として分離されました。

2021年
・メキシコのハリスコ州南部からアカントケレウスの新種、Acanthocereus atropurpureusが記載されました。
・メキシコのバハ・カリフォルニア半島からウチワサボテンの新種、Opuntia sierralagunensisOpuntia caboensisが記載されました。
・ドミニカ共和国やハイチに自生するPilosocereusはP. polygonusとされてきましたが、新種のPilosocereus brevispinusPilosocereus excelsusPilosocereus samanensisに分解されました。

2022年
・ニカラグアからデアミアの新種、Deamia funisが記載されました。
・メキシコのサン・ルイス・ポトシ州からマミラリアの新種、Mammillaria morentinianaが説明されました。しかし、キュー王立植物園のデータベースにはまだ記載がありません。新種であるか否か、正式に審査されるのはこれからのようです。
・分類が曖昧だったMammillaria fittkaui複合体を分析し、ハリスコ州原産のMammillaria arreolaeを新種として説明しました。しかし、こちらもまだキュー王立植物園に記載はありません。

2023年
2023年に記載された新種は、まだキュー王立植物園のデータベースには記載がありません。
・ペルーからウチワサボテンの新種、Cumulopuntia mollispinaが説明されました。
・ブラジルからパロディアの新種、Parodia flavaが説明されました。
・ブラジルのリオグランデ・ド・スル州西部からパロディアの新種、Parodia hofackerianaが説明されました。

以上が調べた限りの最近の新種です。しかし、よく考えたら新種が書かれたサイトとかありそうですね。海外ではそういうデータを集めたようなサイトも多いですし。まあ、でも論文から直に名前を抽出して、データベースと照合して、自分で確かめた内容ですから、勉強になったと思うことにしました。今年に発表された種は、これから検証されて、将来的に正式にデータベースに記載されていく可能性があります。せっかく調べたのですから、これからは注視していきたいですね。

※追記
2024年バージョンの記事を挙げましたから、そちらもご参照下さい。いくつかの情報を追加しています。
https://euphorbia-obesa.com/archives/26481044.html


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