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カテゴリ: フォウクィエリア

Agaveに引き続き、CITES2018を取り上げます。本日はメキシコの乾燥地を中心に分布するFouquieriaについてです。

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Fouquieria Kunth, 1823

Fouquieria科の唯一の種であるFouquieria属には11種類あり、メキシコと米国南部の乾燥地に見られる乾性低木です。CITES2018には3種類が記載されています。
★Fouquieria fasciculataは高さ4〜15mになる木本で、幹の下部は直径60cmまで膨れます。枝は先細りし、赤いトゲがあります。幹は基部で膨れ、円錐状に細くなるのではなく、急激に細くなります。CITESの附属書Iに記載されています。
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Fouquieria fasciculata
             (Humb. ex Roem. & Schult.)  Nash, 1903
異名 :
・Cantua fasciculata Humb.
                ex Roem. & Schult., 1819

・Bronnia spinosa Kunth, 1823

★Fouquieria purpusiiは高さ4mになることがあり、先細りになる薄緑色の幹にコルク色のマーキングがあります。CITESの附属書Iに記載されています。
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Fouquieria purpusii Brandegee, 1909

★Fouquieria columnarisはFouquieria最大種で、高さ20mになります。幹は緑色がかります。花弁は黄色が多く、柱頭は花弁より長く伸び、花は散房花穂ではなく末端穂につきます。幹は基部だけではなく、全体的に太くなります。CITESの附属書IIに記載されています。
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Fouquieria columnaris (Kellogg)
      Kellogg ex Curran, 1885

異名 :
・Idria columnaris Kellogg, 1863
・Fouquieria gigantea Orcutt, 1886

用途は、造園や観賞用の鉢植えとして、多肉植物愛好家に求められています。CITESのデータベースによると、人工繁殖した個体の取引は非常に少なく、その大部分は米国、スペイン、ドイツ、チェコ共和国により輸出されています。大きな現地球は米国から入手できる可能性がありますが高額です。
附属書Iに記載されたF. fasciculataとF. purpusiiは、生きている個体か否かを問わずすべての取引が規制されています。附属書IIに記載されたF. columnarisは、種子、花粉、切り花、組織培養された植物を除いて、取引が規制されています。
Fouquieriaは種子と挿し木から育てることが出来ますが、生長は非常に遅く広く普及しているとは言えません。種子や苗はオンライン及び、ヨーロッパや米国のナーセリーから入手出来ます。

以上がCITES2018のFouquieriaの項目です。日本ではFouquieriaの人気はイマイチですが、F. fasciculataの苗が、イベントで高額で取引されているのを見たことがあります。幹が太らず観賞価値が低いF. diguetiiやF. macdougaliiは、何故か園芸店に苗が並んだりもしました。イベントではF. columnarisやF. fasciculataの現地球も稀にありますが、やはり非常に高額です。しかし、パキポディウムやオペルクリカリアほどには流通はないようですね。日本国内に限って言えば、違法取引が問題となるレベルの人気はなさそうです。
私はFouquieriaの実生苗、あるいは挿し木苗を購入しています。しかし、中々育ちが遅く、見られるようになるまではまだまだ長い時間がかかりそうです。


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Fouquieriaは米国とメキシコの乾燥地に生える砂漠植物です。Fouquieriaは一般的に水分を貯蔵する塊根や塊茎、多肉質な葉などを持ちません。一部の種類は塊茎を持ちますが、相当な大きさにならないと幹は太りませんし綺麗な壺型には育ちません。栽培されたFouquieriaは、枝を切り詰めて盆栽のように幹を太らせますが、これは自然な姿ではありません。水分を貯蔵する手段がないFouquieriaが乾燥地に生き残るための戦略は、乾季には葉を落として休眠し、雨が降れば急激に育つというものです。そのため、ほとんど生長が見られない年もあるようです。Fouquieriaは非常に長寿な植物と言われていますが、生長しない年があるのならば年輪が出来ておらず、Fouquieriaの正確な年齢が分からないかも知れません。という訳で、本日のお題はFouquieriaの幹の年輪は正確な年齢を表しているのか? という問題についてです。参考にするのは、Keith T. Killingbeckの2017年の論文、『Are growth rings accurate fingerprints of plant age in a stem-succulent, drought deciduous shurb growing in the Chihuahuan Desert?』です。

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Fouquieria splendens

米国とメキシコにあるチワワ砂漠とソノラ砂漠の象徴的な植物であるOcotillo(Fouquieria splendens)は2世紀以上の年齢に達する長寿命な低木と言われています。しかし、これまでに測定されたOcotilloは、最も古いものでも105歳にしかなりません。Ocotilloの年輪が正確な年齢を表しているのか分からないため、著者は調査を行いました。
温帯の植物は季節性の落葉をするため、1年に1つの年輪が出来ます。しかし、砂漠植物は雨が降らなければ生長せず、または雨が降れば1年に複数回生長することもあります。つまり、年輪が出来ない年、あるいは年輪が複数出来る年がある可能性もあります。
さて、調査はチワワ砂漠のNew Mexico州南部のJordana盆地Summerford山の麓で行われました。Ocotillo苗の枝の生長を記録し、年輪を数えました。

同い年のOcotilloでも生育が異なり、すべての枝の合計の長さは、最大の個体で1369cm、最小の個体で173cmでした。サイズは約8倍の差がありますが、年輪を数えるとまったく同じ本数でした。つまり、Ocotilloは生育の良し悪しでは年輪に違いはなく、1年に1本の年輪ができることが確認されました。これにより、Ocotilloの年齢を数えることが出来ます。

過去に計測された年輪は104歳でしたが、著者は107歳の年輪を計測しています。もっと古いであろう個体のサンプルもありましたが、残念ながら中央が抜けており年輪を正確に測定出来ませんでした。著者は非常に大量の枝を有する個体もいることから、より古い年齢のOcotilloが存在すると考えているそうです。

以上が論文の簡単な要約となります。
Ocotilloは温帯域の樹木と同様に、1年に1本の年輪を刻むことが分かりました。Fouquieriaは実際に育てていれば分かりますが、生長中であっても乾けば素早く葉を落とし休眠します。ですから、休眠中はまったく生長出来ません。また、葉を落として休眠してから雨が降れば、新しい葉が出て来て生長を開始します。おそらくは、野生でも葉を落としたり新しく葉を出したりを繰り返しているはずです。しかし、それでも年輪は増えたりはしないのです。通常は生長が止まったら新しい年輪が出来るような気がします。不思議ですね。さて、この研究により年輪が正確な年齢を表していることが明らかになりましたが、最も高齢なOcotilloは何歳かという謎はまだ未解明です。Ocotilloはいったい何歳まで生きるのでしょうか? 多肉植物はまだまだ謎だらけです。


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Fouquieriaはメキシコの乾燥地に生える灌木です。日本でも一部の種類は実生苗がある程度は流通しています。私も何種類か育てていますが、意外にもFouquieriaは乾燥に敏感で葉がすぐに落ちてしまい困っていました。そんな中、Fouquieriaを種子から10年間栽培したEnrico Ceottoの2017年の『Cultivation of Ocotillo from Seeds to Flowers: A Ten Year Experience in Northern Italy』という論文を見つけました。夏は暑く冬は寒い北イタリアでの栽培記録です。同じく、夏は暑く冬は寒い日本のFouquieria栽培の参考になるかも知れません。

野生のOcotillo
Ocotillo(Fouquieria splendens)は、米国南西部とメキシコ北部に分布する干ばつ落葉性砂漠低木です。高さは6mまでで、赤色の花を咲かせハチドリやミツバチにより受粉します。西部の個体は花が長くハチドリが主要な花粉媒介者で、東部の個体は花が短くミツバチが主要な花粉媒介者であるとされています。
干ばつ落葉植物は乾燥するとすぐに葉を落として休眠します。葉を落とすことにより、蒸散による水分損失を最小限として、長期間の乾燥に耐えるのです。Ocotilloも葉のない状態で干ばつに耐え、雨が降ると急速に葉を出します。

ボローニャの環境
論文ではイタリア北部のボローニャで著者がOcotilloを栽培しました。ボローニャの気候はOcotilloの自生地とは異なります。ここでは、アリゾナ州のツーソンと比較します。ボローニャの年間降水量は平均671mmで、主に春と秋に降ります。7〜8月はツーソンと比較するとボローニャの方が降水量が少なく乾きます。しかし、相対湿度はボローニャが通年にわたり高くなっています。ボローニャの気温はツーソンより低くなりますが、6〜8月には非常に暑くなることが頻繁にあります。ボローニャの夏は34〜37℃に達し、相対湿度が高いこともあり実際の気温より暑く感じます。このように、まったく異なる環境でOcotilloを、種子から10年間にわたり育てた記録です。

実生
Ocotilloの種子は平らで奇妙なものです。著者はアリゾナ州のMohave郡Yuccaで、2008年7月に種子を採取し月末に播種しました。播種した20個の種子は1週間以内に発芽し、14本の幼苗を得ました。
干ばつに強い砂漠の植物であっても、種子の発芽と幼苗の生存には水分が必要です。著者は発芽にはJiffy Peat Pellet(水で膨らむピートで出来たポット)を使用しました。ピートは多孔質で空気を含み、水分を貯蔵します。発芽後は根が急速に育つため、植え替えが必要です。

水やり
Ocotilloのアキレス腱は根腐れ病に対する弱さで、常に湿った土壌では生きられません。著者の経験ではサボテンと比較しても根腐れを起こしやすく敏感です。著者は水はけを重視し、砂質土とピートの組み合わせをチョイスしました。
Brookbank(1992)は、Ocotilloの土壌は湿らせておく必要があるが、ずっと湿っていてはならないと言っています。標準的な方法は、乾いてから水やりをすることです。著者は以下の2つの規則を採用しました。曰く、①土壌の表面が濡れている時には水をやらない、②土の表面の1/4以下湿らせ残りを乾いたままにする、ということです。
さて、実生は多くの水分を必要としますが、砂漠では湿った環境が数週間続くため幼苗は急速に育ちます。しかし、タイミングよく雨が降らないとその後は生き残れません。
栽培
から1年でOcotilloの特性を備えた成体のミニチュアに育ちました。すでに干ばつに耐えることができます。生育期に過剰にならない水をやることで、急速に育ちます。Ocotilloは通常は肥沃度の低い土壌に生えるため、施肥はほとんど必要ありません。とはいえ、著者は窒素(N)、リン(P)、カリウム(K)、および微量元素が入った液肥を与え、その効果は確認したようです。
著者の4年目の栽培では8月に雨が降らなかったため、葉を落として干ばつに耐えていましたが、8月31日に雷雨がありました。その10日後には新しい葉が生え揃いました。

害虫
著者は最初は室内で幼苗を育てようとしましたが、葉が不自然な見た目になったので、完全な日照を必要としていることを示しています。また、温室栽培は便利ですが、防除が難しいコナジラミがつきやすく、屋外ではクモなどにより害虫により減少しました。また、いくつかの年にはアブラムシがつきました。Ocotilloの新しい葉や茎はアブラムシに敏感でした。アブラムシは取り除くのはなかなか困難で、殺虫剤が必要です。

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Fouquieria splendens
アブラムシがついて少し葉が縮れました。


冬期
秋と冬はOcotilloは休眠します。温暖な気候では、休眠は11月から4月まで続きます。休眠中は土壌は乾燥させておきます。著者はOcotilloを無加温の温室に置いて、雨から保護しました。冬の間は氷点下になりましたが、Ocotilloは耐えることができました。

挿し木
Ocotilloは茎を挿し木することにより増やすことが出来ます。挿し木苗は実生苗と比べて急速に育ちますが、著者の挿し木苗は側枝がいつまで経っても出てこないということです。
木質化した茎を挿し木に使用しますが、冬の終わりに茎を切断すると夏の間は休眠状態となり、気候が穏やかな9〜10月に新しい葉を出す傾向があります。そのため、著者は秋に茎を切断して乾いたピートに挿して室内に置いておき、春先に控え目に水やりを始めればやがて葉が出て来ます。

開花
2016年の5月、8歳のOcotilloは開花しました。花は豊富な蜜を出し、ミツバチが頻繁に訪れます。著者はミツバチによる受粉によりOcotilloの種子を手にすることが出来ました。

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今年はよく育ち、枝は去年までの高さと同じくらい伸びました。

以上が論文の簡単な要約です。
私もFouquieriaを苗ですが何種類か育てており、乾燥に敏感ですぐに葉を落としてしまうことが悩みでした。これは論文にあるように、干ばつに耐えるための戦略で、何もおかしなことではなかった訳です。しかし、ちょうど乾いたタイミングで水やりをするのは中々困難なので、私の育てているFouquieriaは葉が出たり落ちたりを繰り返しており中々育ちません。仕方がないので、今年は浅く腰水して育てていますが、今のところ根腐れの兆候はありません。むしろ、急激に枝が伸び始めて驚いているくらいです。危ない橋を渡っているのかも知れませんからおすすめは出来かねますが…。まあ、ある程度大きく育てば、もう少し耐えられるようになるでしょうか? いずれにせよ、私がFouquieriaの花を拝めるのは遠い未来のようですね。



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Fouquieriaはメキシコの砂漠に生える灌木です。F. columnarisやF. fasciataは幹が太る塊茎植物として園芸用に栽培されます。しかし、ほとんどのFouquieriaは塊茎植物ではありませんから、それほど人気があるという訳ではありません。
そう言えば、私が入手したFouquieriaはいつの間にやら8種類になりました。最近は様々な多肉植物の苗が流通していますから、人気があろうがなかろうが、あちこちのイベントに行っていると簡単に集まってしまうのです。私の育てているFouquieriaはすべて苗で、小さい代わりに何より安価でしたから、コレクションするにもハードルが低くていいですね。さて、Fouquieriaはここ数年はよく目にしますが、あまり育てている人の話はネットでも聞きませんし、花が咲いたという話もありません。それなりに流通しているはずですから不思議です。単純にFouquieria好きが少ないので、話題に出にくいだけかも知れませんけどね。
実はFouquieriaは乾くとすぐに葉をポロポロ落としてしまうので、困っていました。去年は頻繁に水やりしてみましたが、暑い日には乾くのが早いせいかやはり葉が落ちてしまいました。砂漠に生える植物なのにおかしな話です。基本的に塊茎や塊根がないため、なぜ砂漠に生えることが出来るのか不思議です。根も細く細かいため、とても乾燥に強く見えません。いったい、どのような手段で砂漠に生えることが出来ているのでしょうか? 今後、調べてみたいですね。
という訳で、あまりにも育たないので、仕方なくFouquieriaはすべて腰水栽培しています。私のライフサイクルでは、水やりはせいぜい週2回くらいしか出来ませんから仕方がなくです。しかし、驚くべきことに、今のところFouquieriaたちは大変調子がよく、葉が勢いよく出てきました。

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腰水栽培中。

Fouquieriaは遺伝子を解析されており、種同士の遠近が明らかとなっています。それは、2018年に発表された『Recent radiation and  dispersal of an ancient lineage : The case of Fouquieria (Fouquiericeae, Ericales) in American deserts』という論文で、Fouquieriaの遺伝的な系統関係を調べています。ちなみに、Fouquieriaは現在11種類が認められていますが、この論文ではF. burrageiは調べていないようです。(◎は私が育てているFouquieria)

                            ┏━━◎F. ochoterenae
                        ┏┫
                        ┃┗━━◎F. leonilae
                    ┏┫
                    ┃┗━━━◎F. diguetii
                    ┃
                ┏┫        ┏━◎F. splendens
                ┃┃┏━┫
                ┃┗┫    ┗━F. shrevei
    ┏━━┫    ┃
    ┃        ┃    ┗━━━◎F. macdougalii
    ┃        ┃
┏┫        ┗━━━━━◎F. formosa
┃┃
┃┗━━━━━━━━◎F. columnaris

┃                            ┏━F. purpusii
┃                        ┏┫
┗━━━━━━┫┗━◎F. fasciculata 1
                            ┃
                            ┗━━◎F. fasciculata 2


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Fouquieria columnaris
コルムナリスは「観峰玉」という名前もあります。かつては、Idria属とする意見もありましたが、遺伝的解析の結果で、完全にFouquieriaに含まれることが確定しました。しかし、葉が薄く柔らかいせいかハダニが付きやすくてやや難儀しています。


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Fouquieria splendens
スプレンデンスは先月入手したばかりです。葉のない状態でしたが、外に出して腰水したら急激に葉が出てきました。葉はコルムナリスによく似ていて薄く柔らかいのですが、少し幅がなく細長い雰囲気があります。面白いことに、遺伝的には他のFouquieriaよりコルムナリスに近縁という訳ではありません。シュレヴェイに近縁です。


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Fouquieria macdougalii
小さく丸い葉に覆われたマクドウガリイですが、葉は薄く柔らかいものです。スプレンデンスに近縁です。


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Fouquieria diguetti
ディグエティイは、葉柄が長くスプーン型の葉が特徴です。葉はやや厚みがあります。レオニラエやオコテレナエに近縁です。


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Fouquieria formosa
フォルモサは、葉に厚みがあり硬い方です。葉は小さいものの、長さに対して幅は広く丸く見えます。


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Fouquieria leonilae
レオニラエは小型種の割に葉は大きいようです。室内で出た葉は外に出したら陽焼けしましたが、遮光はしません。灌木は葉が陽焼けしても、強光に適応した新しい葉が出て来ますから問題はありません。オコテレナエに近縁です。


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Fouquieria fasciculata
ファスキクラタの葉は厚みがあり硬い方です。葉に光沢があるのは、表面にケチクラ層が発達しているからです。クチクラは葉の耐久性を高め、病害虫に対して抵抗性が高くなります。プルプシイに近縁です。


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Fouquieria ochoterenae
オコテレナエも葉に光沢がありますから、葉は厚みがあり硬い方です。レオニラエに近縁です。

以上のように8種類のFouquieriaの葉を比べてみましたが、意外にも葉の特徴は遺伝的な遠近とは無関係でした。本当は花や枝振り、トゲについても比較したいところですが、まだ苗なのでまだ出来ません。
Fouquieriaは赤色の変わった形の花が咲き、ハチドリが蜜を吸いに訪れるそうです。ぜひ、花を拝みたいところです。しかし、花が咲くまでにどれくらいかかるでしょうか? F. leonilaeは小型種で、早く花が咲くと海外の園芸雑誌にありました。非常に楽しみです。


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今年の正月明けに開催された、新年のサボテン・多肉植物のビッグバザールでラフレシアリサーチさんからFouquieria leonilaeを購入しました。相変わらず、珍しいものを持ってきてくれます。購入時は葉のない小さな棒でしかなかったのですが、最近暖かくなってきましたから葉を初めて拝むことが出来ました。F. leonilaeは、11種類のFouquieriaの中でも一番新しく発見された種類です。しかし、命名は1961年のFouquieria leonilae Mirandaですから、今から60年以上前とかなり昔ですね。
さて、そんなF. leonilaeはあまり見かけないFouquieriaです。一体どんな植物なのでしょうか? 少し調べた限りでは、まともな情報はあまり出てきません。仕方がないので、海外の雑誌をちょろっと読んでみました。

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Fouquieria leonilae

まずは、2014年の「Acta Succulenta」から。
F. leonilaeは高さ2m、最大4mの低木で、直径15cmのやや細い幹を持ちます。幹は多肉質で柔らかく、皮は緑色で非常に薄く紙のようです。枝は少なく上部にあります。F. leonilaeはFouquieriaの中で最小のトゲを持ち、葉は卵形で最大5cmです。花は赤く細長い筒状で、ハチドリにより受粉する鳥媒花です。
分布はメキシコのGerrero州の中央Balsas窪地、Zopilote渓谷でのみということです。F. leonilaeの分布する岩だらけの谷は20平方km強です。標高は400~600mです。特に若い植物はBurseraやJaprophaに似ています。瓦礫だらけの斜面などで育つため、一見して岩生植物に見えます。この地域では、Mammillaria guerreronisやNeobuxbaumia mezcalaensis、Agave aff. petrophilaが見られます。

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次にCentral Arizona Cactus and Succulent Societyによる、2017年の「Central Spine」を見てみましょう。
この可憐な種はFouquieriaの中でも最も珍しいものの1つです。比較的細い枝分かれがあります。花はわずか30~60cmで咲き、長い花序と濃い血のように赤い色で可憐です。欠点は寒さ(マイナス2.2℃未満)に対する感度であり、水をやりすぎると腐敗しやすいようです。十分な光を与えても良いですが、西日(afternoon sun)をあまり当てなければ、Fouquieriaの中でも最も魅力的でユニークなものの1つになることが出来るでしょう。

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思いの外、大きな葉が出ました。

というわけで、F. leonilaeについて少し調べました。まあ、大した情報はありませんでしたが、割合小さいうちから花が咲くみたいですから将来が楽しみですね。そういえば、Fouquieriaは11種類ありますが、いつの間にやら7種類が集まりました。最近は変わった植物が入手しやすいため、もしかしたらそのうち全種類集まってしまうかもしれません。とはいえ、ネット通販や種子には手を出さず、偶然イベントで入手出来るのを待ちます。出会いは一期一会ですからね。


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Fouquieriaは観峰玉(F. columnaris)やF. fasciculataが有名で、現地球が多肉ブームというかコーデックス・ブームに乗っかり高額で売買されました。しかし、最近では実生苗も販売されるようになり、イベントでは様々な種類が見られるようになりました。私もなんだかんだで実生苗をポツポツと購入しているうちに6種類集まりました。ちなみにFouquieriaは現在11種が認められています。一応ですがその11種類のFouquieriaの命名年を以下に示しましょう。

1823年 Fouquieria formosa
1848年 Fouquieria splendens
1885年 Fouquieria columnaris(観峰玉)
1903年 Fouquieria fasciculata
              Fouquieria macdougalii
1909年 Fouquieria purpusii
1911年 Fouquieria burragei
1925年 Fouquieria diguetii
1939年 Fouquieria shrevei
1942年 Fouquieria ochoterenae
1961年 Fouquieria leonilae

簡単に補足説明すると、観峰玉はIdria属とされることもありますが、現在ではFouquieria属です。また、BronniaやPhiletaeriaも、Fouquieriaの異名とされています。

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Fouquieria ochoterenae

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Fouquieria leonilae

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Fouquieria diguetii

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Fouquieria macdougalii

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Fouquieria formosa

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Fouquieria columnaris

さて、そんなFouquieriaですが、2018年に発表された『Recent radiation and  dispersal of an ancient lineage : The case of Fouquieria (Fouquiericeae, Ericales) in American deserts』という論文では、現在のFouquieriaが分岐した年代を、遺伝子解析から推測しています。論文によると、Fouquieriaの出現は白亜紀後期にまで遡るそうです。白亜紀は中生代末期ですから、まだ恐竜が闊歩していた時代にFouquieriaは生まれたということになります。中生代の次は新生代が始まり、新生代は第3紀と第4紀に分けられます。第3紀は古第3紀と新第3紀に分けられ、現在のFouquieriaの種類はこの新第3紀に分岐したようです。新第3紀は2303万年~258万年前の期間です。新第3紀は人類誕生の頃ですから、現在のFouquieriaたちは割と新しい種類ということになります。しかも、ただ1種類から始まり、新第3紀に急速に10種類(※)に進化したのです。
※F. burrageiはこの論文では取り扱
っていないため不明です。

                            ┏━━F. ochoterenae
                        ┏┫
                        ┃┗━━F. leonilae
                    ┏┫
                    ┃┗━━━F. diguetii
                    ┃
                ┏┫        ┏━F. splendens
                ┃┃┏━┫
                ┃┗┫    ┗━F. shrevei
    ┏━━┫    ┃
    ┃        ┃    ┗━━━F. macdougalii
    ┃        ┃
┏┫        ┗━━━━━F. formosa
┃┃
┃┗━━━━━━━━F. columnaris

┃                            ┏━F. purpusii
┃                        ┏┫
┗━━━━━━┫┗━F. fasciculata 1
                            ┃
                            ┗━━F. fasciculata 2


遺伝子解析の結果からは、Fouquieriaは2つのグループに分けられます。F. purpusiiとF. fasciculataは現生のFouquieriaの中では古い時代に他の種類と分岐しました。次にF. columnarisだけは他の種類から孤立しています。F. ochoterenae、F. leonilae、F. diguetiiは姉妹群で、F. splendens、F. shrevei、F. macdougaliiの群と非常に近縁です。F. formosaはこれらの6種類と近縁です。


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フォウクィエリアをぼちぼち集めています。まあ、あまり熱心に探しているわけではなくて、イベントなどで苗があったら買うかもしれないくらいの勢いです。私の好きなユーフォルビアやギムノカリキウム、ハウォルチオプシスといった面々が最優先ですから、まあ後回しですね。あと、何故か私は現地球が少し苦手です。完成された現地球より、苗から育てたいという気持ちがあるからかもしれません。苗は現地球の様な迫力はありませんが、大抵の植物は苗の頃は生長著しいので、日々生長して変化していく様子を見る楽しみがあります。そんな中で、数年前はフォウクィエリアと言えば立派な現地球が売られることが多かったように思われます。しかし、最近では苗も少しずつ見かけます。特にFouquieria digdtiiやFouquieria macdougaliiはある程度は量産されているようで、苗が園芸店にもまれにですが並ぶようになりました。


Fouquieria macdougaliiは一般的には、「マクドガリー」と呼ばれているようです。例によってうるさい事を言いますが、この読み方について少し調べて見ました。私はラテン語読みで「マクドウガリイ」と読みますが、語源にさかのぼる派もいるそうなので、語源も調べて見ました。まあ、見た感じから人名だろうと思いましたがやはりそうで、砂漠植物の研究者であるD.T.MacDougalに対する献名でした。"MacDougal"は「マクドウガル」あるいは「マクドゥーガル」と読むのが一般的らしいので、語源にこだわるなら「マクドウガリー・マクドウガリイ」あるいは「マクドゥーガリー・マクドゥーガリイ」となります。

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Fouquieria macdougalii
葉の形がFouquieria diguetiiと異なり矢じり型で、葉柄が長く伸びます。

マクドウガリイはメキシコのソノラ砂漠に自生します。岩の多い平原や斜面、丘の中腹、溶岩地、メサ(卓状大地)、砂地といった様々な種類の土壌に生えます。
Fouquieriaを現地では"ocotillo"と呼ぶことから、Fouquieria属を"ocotillo family"と称することもあります。マクドウガリイは"Tree ocotillo"と呼ばれ、砂漠の代表的な灌木の一つです。現地ではBursera confusa、Olneya tesota、Cercidium praecox、Cercidium microphyllum、Prosopis velutina 等とともに砂漠の植生の主要構成メンバーなんだそうです。自生地にはサボテンも生えており、Lophocereus schottii、Stenocereus thurberi、Stenocereus alamosensisが見られます。

マクドウガリイの学名は1903年に命名されたFouquieria macdougalii Nashです。Nashはアメリカの植物学者であるGeorge Valentine Nashのことで、ニューヨーク植物園のキュレーターでした。Nashはバハマ、南フロリダ、ハイチで植物の調査を行いました。

そう言えば、フォウクィエリアは真っ赤な非常に目立つ花を咲かせますが、ハチドリによって受粉するそうです。そこで、思い出したのは、南アフリカではガステリアがタイヨウチョウにより受粉するということです。北アメリカとアフリカと大きく離れた場所で、それぞれの土地で花の蜜を主要な餌とすると鳥がいて、それぞれの土地でその鳥に受粉を依存する多肉植物がいるという偶然に驚かされます。フォウクィエリアとガステリア、ハチドリとタイヨウチョウはまったく近縁ではないことも自然の妙を感じさせますね。


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Fouquieriaはかつて私の憧れだった植物です。私が学生の頃、当時の最新の園芸書に記載されたFouquieriaの写真、おそらくは現地球ですが、そのあまりの美しさに驚きました。しかし、当時は国内でFouquieriaは販売されておらず、今にして想えば海外のナーセリーから個人輸入するしかない時代でした。まだ学生だった私は個人輸入なんて思い付かず、写真を見て嘆息するに留まっていました。その後は園芸趣味から離れていたのですが、近年の多肉ブームでFouquieriaも園芸店やイベントでちらほら見かけるようになりました。私は育っていく過程や、育て方の試行錯誤が楽しい方なので苗が好ましいのですが、最近の多肉ブームではどうやら現地球が多かったみたいです。しかし、ここ2年ほどは国内実生苗も少しずつ手に入るようになりました。大変喜ばしいことです。
そんな中、一番最初に入手したFouquieriaの苗が、Fouquieria diguetiiです。
そういえば、Fouquieriaはフーキエリアとかフォーキエリアとか読み方は本やサイトによりまちまちですが、私の個人的な好みで、以降はラテン語読みで'Fouquieria"は「フォウクィエリア」、"diguetii"はディグエッティーではなく「ディグエティイ」でいかせていただきます。

ディグエティイはメキシコ原産のフォウクィエリアの仲間です。P
alo Adánと呼ばれ、バハ・カリフォルニア半島の南側やソノラ砂漠に自生する、乾燥地に生える灌木です。ディグエティイは赤い筒状の大変目立つ花を咲かせますが、ハチドリが蜜を吸いに来て受粉する鳥媒花ということです。

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購入時。

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最近のディグエティイ

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育て方は自分でも良くわかっていない部分があり、試行錯誤中です。
乾燥地の灌木なので、昨年は乾かし気味にしていましたが、葉が枯れてポロポロ落ちてしまいました。まあ、直ぐに新しい葉は出てきますが長持ちしません。新しい葉が出ては枯れるを繰り返しました。そんな状態ですから、ほとんど茎は伸びませんし太くもなりません。
そんなことがありましたから、今年は水やりをほぼ毎日行っています。ただし、暑すぎるせいかそれでも乾上がってしまうみたいで、育ちはいまいちでした。仕方がないので、ハウォルチアの遮光棚に置いたところ、綺麗な葉が出てきました。とは言うもののでやはり日照不足らしく、他のフォウクィエリアは枝が伸びるもののトゲが出ないので、これは徒長が疑われます。ディグエティイは枝は伸びていませんが、やはり日照不足なのかもしれません。
他の方はどうやっているのだろうと気になってフォウクィエリアを検索すると、なんと腰水栽培している人もいるようです。ちゃんと日に当てていれば徒長はしないようです。私は根腐れが怖くて出来ませんが。しかし、砂漠の植物だろうになぜこんなに乾燥に弱いのか不思議です。フォウクィエリアは乾燥地の植物の癖に根がやたらに繊細だったりするわけで、どうやって自生地で乾燥に耐えているのでしょうかね? どうにも不思議です。
対策となるかはわかりませんが、、乾きにくくするだけなら、普通の花木を鉢栽培するみたいに、大きい鉢に用土たっぷりで植えて乾きにくくしてしまえばいいだけのことかもしれません。

フォウクィエリア属は1823年に命名されたFouquieria formosaがはじめてですが、同じく1823年にBronnia spinosa、後のFouquieria fasciculataが命名されたいます。まあ、F. fasciculataは1819年にCantua fasciculataが最初の命名でした。
ディグエティイの学名は1925年に命名されたFouquieria diguetii (Tiegh.) I.M.Johnst.です。面白いことに、ディグエティイの初命名は1899年のBronnia diguetii Tiegh.Bronnia thiebautii Tiegh.です。同年に同じ命名者に命名されていますから、2種類あると考えられたのかもしれません。種小名は命名が早いものが受け継がれますが、"diguetii"と"thiebautii"は命名はおそらく同時ですが、なぜ"diguetii"が選ばれたのかはわかりません。また、1903年に命名されたFouquieria peninsularis Nashは、ディグエティイと同種とされ、現在は異名(シノニム)とされています。


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夏のサボテン・多肉植物のビッグバザールで、Fouquieria ochoterenaeを入手しました。Fouquieriaはメキシコ原産の乾燥地に生える灌木です。

過去にフォークィエリアの種類についてまとめた記事はこちら。

何故かこのFouquieria ochoterenaeをオコチョロ(ocotillo)と勘違いしてしまっていました。一般的にオコチョロとはFouquieria splendensのことで、尾紅寵(おこちょう)とも呼びます。しかし、オコチョロで調べると、メキシコの砂漠に生えるFouquieriaの灌木をオコチョロと呼ぶという解説に行き当たりました。よくよく調べるとFouquieria自体が"ocotillo family"などと呼ばれていることが分かりました。要するに、地元ではFouquieriaの種を区別せずにまとめて"ocotillo"と呼んでいるらしいのです。
ですから、オコチョロ(ocotillo)とはFouquieria属の灌木の呼び名で、尾紅寵はFouquieria splendensの園芸名ということなのでしょう。
さて、どうもそういうことらしいので、我が家の"ocotillo family"を紹介します。


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Fouquieria ochoterenae
ビッグバザール購入品。生長は早いみたいです。

学名は1942年に命名されたFouquieria ochoterenae Mirandaです。

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Fouquieria formosa
今年の夏のヨネヤマプランテイションのイベント購入品。まだ、良く分かりませんが、葉質的には丈夫そうです。

学名は1823年に命名されたFouquieria formosa Kuntです。

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Fouquieria macdougalii
去年の秋のヨネヤマプランテイションのイベント購入品。丈夫みたいですが、育ちはいまいち。
学名は1903年に命名されたFouquieria macdougalii Nashです。1911年に命名されたFouquieria jaboncillo Loesは、現在はマクドウガリィと同種とされています。


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Fouquieria diguetii
2年前に入手しましたが、乾かしぎみにし過ぎて中々育ちません。
ディグエティイが最初に命名されたのは1899年で、Bronnia diguetii Tiegh.Bronnia thiebautii Tiegh.の2種類あるとされました。しかし、この2種は同種として、1925年のFouquieria diguetii (Tiegh.) I.M.Johnst.となりました。また、1903年に命名されたFouquieria peninsularis (Tiegh.) Nashは、現在は異名とされています。

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Fouquieria colummaris
観峰玉の苗。夏のビッグバザールで入手しました。葉ダニにやられて現在回復中。
観峰玉が最初に命名されたのは1863年のIdria colummaris Kelloggです。しかし、1885年にイドリア属からフォークィエリア属になり、Fouquieria colummaris (Kellogg) Kellogg ex Curranとなりました。1886年に命名されたFouquieria gigantea Orcuttは、現在は異名とされています。

フォークィエリアの育て方は、実のところ私にも良く分かっていない部分があります。実際のところ、ユーフォルビアと同じ管理をすると葉がポロポロ落ちてしまうので、どうやらあまり乾かしすぎない方が良いみたいです。さらに、私が育てているのは小さい苗ですから、ことさら乾燥には耐えられないのでしょう。しかし、それでも新しい葉は直ぐに出てきますから、丈夫ではあるみたいです。我が家の"ocotillo family"の中では古株のディグエティイはそんな経緯でここまできたものですから、あまり生長していません。今年から始めた新しい管理方法で上手く育ってくれればいいのですが…


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フォークィエリア
観峰玉でお馴染みのコーデックス 、フォークィエリアに関するお話です。
フォークィエリアは多肉・コーデックスのブームで、目にする機会も増えているのではないでしょうか。そんなフォークィエリアですが、最近は観峰玉以外の種類も見かけるようになりました。私もその流れで、2種類ほど苗を入手しました。そこで、早速調べてみると、なんと現時点でフォークィエリア属として学術的に認められている種類はたったの11種類なんだそうです。この程度なら、フォークィエリア属の来歴を調べるのも簡単そうです。
とりあえずは、命名された年を基準に年表にしてみました。旧学名や学術的に認められていないシノニム(異名)も入っています。

1819年 Cantua fasciculata(=F. fasciculata) ※旧学名
1823年 Bronnia spinosa(=F. fasciculata) ※異名
              Fouquieria formosa
1848年 Fouquieria splendens
1863年 Idria columnaria(=F. columnaris) ※旧学名
1885年 Fouquieria columnaris(観峰玉)
1886年 Fouquieria gigantea(=F. columnaris) ※異名
1899年 Bronnia diguetii(=F. diguetii) ※旧学名
1903年 Fouquieria peninsularis(=F. diguetii) ※異名
              Fouquieria fasciculata
              Fouquieria macdougalii
1909年 Fouquieria purpusii
1911年 Fouquieria jaboncillo
                                       (=F. macdougalii) ※異名
              Fouquieria burragei
1925年 Fouquieria diguetii
1939年 Fouquieria shrevei
1942年 Fouquieria ochoterenae
1961年 Fouquieria leonilae

分類
フォークィエリアは現在の分類体系では、ツツジ目フォークィエリア科フォークィエリア属とされています。フォークィエリア科はフォークィエリア属のみで構成される、1科1属の分類群です。フォークィエリア科はハナシノブ科に近いとされています。ハナシノブ科と言えば、その代表格はフロックスでしょう。芝桜もフロックスに含まれます。
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Fouquieria macdougalii

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Fouquieria diguetii

自生地
フォークィエリアは乾燥地に生えていますが、幹や根が太るいわゆるコーデックスの特徴を示す種類は、F. columnaris(観峰玉)やF. purpusii、F. fasciculata位です。それ以外の種類は幹は太らず、メキシコの砂漠を含む乾燥地の灌木として自生しています。
ですから、育て方、楽しみかたは色々ありそうです。一つは、あくまでもコーデックスとして育てるパターンです。伸びる枝を切り詰めながら幹を太らせます。言わば盆栽的な作り方です。パキポディウムの天馬空なんかと同じような仕立てかたとなります。
他には、自生地の様に灌木として背が高く育てて、豪華な花を楽しむというのもアリでしょう。まあ、この場合は場所をとりますから、誰でも出来るわけではありませんが。

育て方
実は、というほどのことではないのですが、私はフォークィエリアの育て方が良くわかりません。私はフォークィエリアを多肉ユーフォルビアと一緒に育てています。しかも、多肉ユーフォルビアに合わせた育て方です。要するに、真夏でも無遮光で、水も絞って硬く作っています。そのせいが、葉がすぐに枯れ落ちてしまいます。葉が枯れて新しい葉が出てを繰り返していますから、生長はすこぶる遅いのです。観峰玉など幹が太るもの以外は、生長はそれほど遅くはないはずなんですけどね。
今は寒いので室内に取り込んでいますけど、私は冬でもフォークィエリアは休眠させないので、水遣りに関してちょっとした実験をしています。それは、用土の表面が乾いた位のタイミングで水遣りするというだけです。週1回の水遣りを2回にしただけなんですけどね。多肉植物の冬の水遣りは難しくて、水遣りの後になかなか乾かないと根が傷んで腐ったりすることがあります。ですから、私は扇風機で2~3日で乾くようにしています。恐らくそれもフォークィエリアには良くないでしょう。考えてみると根本的な問題は用土が乾きすぎることにあるのですから、今年の植え替えでは乾きにくい用土をかんがえなくてはならないでしょう。


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