ユーフォルビア・オベサ・ドットコム

カテゴリ:多肉植物 > その他

4月に五反田TOCであったビッグバザールでは、ユーフォルビアを中心に色々買いました。ラフレシア・リサーチさんで、白雲巒岳とコルムナリスという割と珍しいユーフォルビアを入手することが出来ました。ラフレシア・リサーチさんは毎度おまけをくれますが、この時はアガヴェの抜き苗でした。アガヴェは初めてでしたから、育て方もわかりません。とりあえず鉢に植え込んでみましたが、それから4ヶ月でまあまあ育ってきました。

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2022年4月。抜き苗。小さ過ぎて、まったく特徴が出ていません。アガヴェと言われなければわからない位です。

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2022年8月。だいぶ育ちました。ユーフォルビアとまったく同じ育て方をしていたというか、放置気味でしたが特に問題はなかったみたいです。

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全体的に蒼味がかり、中に白い筋が入っています。ムルチフィリフェラの特徴が出てきました。育つと白いフィラメントが美しい種類のようですが、あと何年かかることやら…

ムルチフィリフェラの学名は1972年に命名されたAgave multifilifera Gentryです。1992年には「乱れ雪」ことAgave filiferaの亜種とする意見、つまりAgave filifera subsp. multifilifera (Gentry) B. Ullrichもありましたが、現在では認められておりません。しかし、Agave filiferaが命名されたのは1834年ですから、ムルチフィリフェラの発見は新しい部類ですね。

そういえば、学名のmultifiliferaはラテン語で、"multi-"が「多数の」、"filifera"は「糸を持った」という意味ですから、フィラメントを沢山持っている特徴から来ているようです。一方のAgave filiferaは、ただのfiliferaですから「糸を持った」となりますが、ムルチフィリフェラの方がフィラメントが多いのでしょうか? サイズによってもフィラメントの多さは異なるように見受けられますから、実際に育ててみないとわからないかもしれません。

ムルチフィリフェラはあまり大きくならないようで、高さ30~45cmくらいみたいです。マイナス18℃くらいまでは耐えられるという情報もありますが、苗のころは何やら危険な感じがしますから冬は室内で安全策をとりたいと思います。
ムルチフィリフェラはメキシコのソノラ砂漠と、アメリカのアリゾナ州Paparito山脈の標高1000-2200mに生えると言います。寒さに強いのも、なんとなくわかる気がします。




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緑の太鼓(Green drum)はマダガスカル原産のツル植物です。葉が多肉質でコインの様な形をしており、Silver Dollar PlantとかDollar vineなどと呼ばれています。
ツルが増えて鉢が明らかに小さいので、植え替えました。


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ツルが暴れています。鉢が小さいのでバランスが悪く、風が吹くと鉢ごと転がってしまいます。

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抜くと根が回っていました。

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朱泥鉢に植え替えました。プラ鉢より重いので、多少は倒れにくいはず。

そういえば、緑の太鼓はウリ科植物です。ウリ科の多肉植物といえば、大きな塊根を持つGerrardantus やIbervilleaなどがあります。ここいらへんも好きなのですが、あえて買わないことにしています。なぜなら、緑の太鼓のツルは垂れ下がるだけなので場所を取りませんが、GerrardantusやIbervilleaはツルが長く伸びて絡まりつくので、それなりの置場所が必要だからです。残念ながらそんなスペースはありません。

緑の太鼓の分類は、ウリ科Cucurbitaceae、ザノニア亜科Zanonioideae、ザノニア族Zanonieaeです。
ザノニア族にはGerrardantusやZygosicyosも含まれます。ザノニア族は基本的にツル植物です。
ザノニア族は5属が含まれます。XerosicyosとZygosicyosはマダガスカル原産、Gerrardantusは南アフリカや熱帯アフリカ原産です。Zanoniaはインドからニューギニア原産でアジア域に分布します。Siolmatraは南米原産です。


緑の太鼓の学名は1939年に命名された、Xerosicyos danguyi Humbertです。Humbertはフランスの植物学者であるHenri Jean Humbertのことです。


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カンガルーポケットはマレーシアからオーストラリア原産のツル植物です。葉は多肉質で乾燥に耐性があります。乾燥への耐性は、着生植物の特徴です。着生植物は樹木の幹に根で張り付いて育ちます。注意が必要なのは、着生植物は寄生しているわけではないので、樹木から栄養を貰っているわけではないことです。
じゃあなんで着生するのかというと、これは熱帯林に適応するためです。熱帯林は数十メートルの高い木がひしめき合って生えています。そのため、熱帯林の中は非常に暗く、日中でも日が差しません。日本の森林では、下生えで笹なんかが生えていますが、熱帯林は下生えがなく雑草すら生えることが出来ないのです。樹木の幹に着生すれば、地面と異なり日を浴びることが出来るのです。ですから、熱帯林の草本は着生植物が非常に多いのが特徴です。
着生植物は沢山あります。例えばランの仲間、胡蝶蘭をはじめとした洋ランのほとんどの種類は着生植物です。ラン科の約15000種のほとんどが着生植物です。他にもパイナップル科の植物、例えばチランドシアやフリーセア、ネオレゲリアなどが着生植物として有名です。また、熱帯林に生えるリプサリスや孔雀サボテンなどのサボテンも着生植物です。熱帯林ではオオタニワタリやビカクシダなど着生シダも多く見られます。


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やや多肉質の葉を持つ。

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中が中空の大きな袋状の葉も持ちます。袋の中には根が生えています。

ネットでカンガルーポケットを検索したところ、気になる記述が割と目につきました。それは、中空の袋を"貯水嚢"と呼んで、水を貯めるとかいい加減なことが書いてあることです。カンガルーポケットの袋に水を貯める機能はありません。育てている人も、水が溜まっている所を見たことはないはずなんですけどね。不思議です。
この袋の機能は、アリに巣を提供するためのものです。アリが袋の中に巣を作って、アリの出す老廃物から袋内の根で栄養を吸収します。また、アリは巣を守るために、カンガルーポケットの葉を食べる毛虫などの昆虫を攻撃します。熱帯林の着生植物では割とアリと共生するアリ植物は普通に見られます。
カンガルーポケットはアリ植物ですが、日本のアリは入りませんから、そこは安心です。


カンガルーポケットはフクロカズラという名前もあります。海外ではKangaroo pouch、Bladder vineなどの呼び方があります。ポケットではなくポーチですが、やはり袋状の葉からきた名前です。Bladder vineは膀胱のツタという意味ですが、ラグビーボールが豚の膀胱から出来ていた様に、膀胱は生活に利用されてきたことから付いた名前でしょう。日本人にはぴんとこないでしょうけど。

カンガルーポケットの学名は1886年に命名された、Dischidia vidalii Becc.です。学名はペクチノイデスと呼ばれ勝ちですか、これは1912年に命名されたDischidia pectinoides H.Pearsonから来ていますが、こちらは異名で正式に認められている学名ではありません。

そういえば、Dischidiaはガガイモ科とされて来ましたが、遺伝子解析による最新の分類体系であるAPG分類体系では、ガガイモ科はキョウチクトウ科となりました。ですから、現在Dischidiaはキョウチクトウ科に分類されます。


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ソフォラ・プロストラタはニュージーランド原産の低木です。
枝がジグザグに伸びるので、ジグザグの木(マダガスカルのディデイエレア科植物)に似ていますが、ソフォラはマメ科植物です。

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Sophora prostrata Buchanan, 1883 publ. 1884
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数年育てていますが、幹はなかなか太くなりません。まあ、元々つまようじくらいの細さだったので、だいぶ太くなったとも言えます。
これは、‘Little Baby’の名前で売られていたものです。わざわざ品種を作る必要もなさそうですが、ただの商品名かもしれません。

海外の趣味家はかなり肥培しているみたいなので、堆肥をてんこ盛りにして水多目で育てたほうがいいかもしれません。
戸外で越冬できるか試してみましたが、枝先がだいぶ枯れてしまいました。完全戸外栽培はなかなか厳しい模様です。大きくなれば耐寒性もあがるかもしれませんが。

ソフォラ属=クララ属です。クララとはクサエンジュのことで、結構毒性が高いようです。ソフォラ・プロストラタはどうなんでしょうかね?


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英語でSea onion、日本では子持ちオーニソガラムの名前で知られているバルブを紹介します。

子持ちオーニソガラムはバルブ類、つまりは球根植物です。ただし、チューリップなどの球根と異なり球根は土に埋まらず、親球根から仔球根が出来てそれがポロポロ落ちて増えます。薄皮の内側に仔が出来て、薄皮が剥がれると仔球根が出てくる様子から、Pregnant Onion、つまり妊娠中のタマネギと言われることもあるようです。
何故かネットではヨーロッパ原産と書かれることもありますが、南アフリカ原産です。一応、ケープバルブと呼べないこともない気がします。

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上の写真の様に、仔球根が親球根からポロポロ落ちます。

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落ちた仔球根は転がった先で、根と芽を出して育ちます。乾燥に強いので、生着率は高いようです。

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転がった先で育ち、また仔球根を出して増えます。

さて、育て方ですが、これは物凄く簡単です。
地植えして放置でOK。霜に強く、雪が積もっても平気です。
以前は鉢栽培していたのですが、生長が早くよく増えるので、根詰まりを起こしやすいためやや面倒でした。
ただ、路地栽培は簡単で良いのですが、どんどん増えて手に終えなくなる感じはあります。

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増えすぎて困ります。

最後に学名についてです。
Ornithogalum caudatumとされがちですが、正式な学名は異なります。その経緯を解説します。
まず、1777年にオランダのニコラウス・フォン・ジャカンが、Ornithogalum longibracteatumと命名したのが最初のようです。ジャカンは神聖ローマ皇帝のフランツ1世により西インド諸島の調査を行った人物で、モーツァルトの友人とのことです。ちなみに、グランカクタスの佐藤勉さんが書いた『世界の多肉 3070種』ではこの学名を採用しているみたいで、和名は海ネギとなっています。ただし学名はOrnithogalum lonqibracfcatumと盛大な誤植があります。
1789年にジャカンにより、学名はOrnithogalum caudatumに変更されました。同年、スコットランドの植物学者であるウィリアム・エイトンにより、やはりO. caudatumとされました。
その後、1794年にスウェーデンの植物学者・博物学者・医学者であるカール・ペーテル・ツンベルクにより、Ornithogalum bracteatumとされました。ツンベルクは二名式学名の提唱者であり現代分類学の祖であるカール・フォン・リンネの弟子であり、鎖国下の日本にも来て出島に滞在しました。ツンベルクに献名されて命名された日本の植物の学名も沢山あり、種小名がthunbergiiとあるユキヤナギ、ハルリンドウ、タブノキ、クロマツ、ユウスゲなどがあります。
2009年に遺伝子解析の結果を踏まえ、Ornithogalum属からAlbuca属に移動となりました。つまり、Albuca bracteataです。この学名は、ツンベルクの学名を正当として命名されました。ですから表記上、Albuca bracteata (Thunb.) J.C.Manning & Goldblattが正式名称です。J.C.Manning & Goldblattは、南アフリカの植物学者であるジョン・チャールズ・マニングとピーター・ゴールドブラットのことです。


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