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カテゴリ: パキポディウム

私はユーフォルビア好きで、まあそのほとんどが普及種ですが育てています。ただ、ユーフォルビアには毒があり、扱いには多少なりとも気を付ける必要があります。しかし、やはり毒があるパキポディウムについては、なぜか語られることはありません。パキポディウムに毒? と思った方もおられるかも知れませんが、パキポディウムはキョウチクトウの仲間ですから、毒があることは意外とまではいかないのです。ただし、パキポディウムは別に毒が滲み出ているわけではありませんから、葉を毟って食べたりしない限りは特に害はありません。
日本ではパキポディウムと言ったらマダガスカル原産種が圧倒的で、P. rorulatum系(gracilius, cactipesなど)やP. brevicaule、P. horombense、P. densiflorum、P. windsoliiが主流です。これらのマダガスカル原産種は枝を剪定することは基本的にありませんから、毒があったとしてもそれほど注意が必要なわけでもありません。また、アフリカ大陸原産種のP. bispinosumやP. succulentumあたりは枝を剪定しながら育てますが、ユーフォルビアのように、切り口から乳液があふれ出るわけでもないため、それほど神経質にならなくても問題なさそうです。

パキポディウムの毒に関する論文
さて、そんな毒があるパキポディウムですが、どのような毒かは私も知りませんでした。しかし、調べてみるとパキポディウムの毒性について調べた論文を見つけました。それは、Anurag A. Agrawal, Aliya Ali, M. Daisy Johnson, Amy P. Hastings, Dylan Burge & Marjorie G. Weberの2017年の論文、『Toxicity of the spiny thick-foot Pachypodium』です。
この論文は意外性のある内容で、面白い試験をしています。というのも、例えば毒性のある乳液を出すユーフォルビアについて調べると、乳液の成分を分析した化学式や構造式が淡々と並ぶ論文が沢山あります。当然ながらこれらは科学的には重要で意味があるのでしょうけど、私には妙に味気無く感じてしまいます。それらに比べると、この論文はパキポディウムの種類によって毒性の強さに違いがあるのかとか、葉を食べるイモムシに対する毒性を見たりと中々変わったことをしています。というわけで、早速内容に移りましょう。

強心配糖体
ここで最初に用語の説明をします。パキポディウムの毒性を調べるために使用しているのがNa+/K+-ATPaseという酵素に対する反応です。このNa+/K+-ATPaseは、細胞の内外のナトリウムとカリウムの濃度を調整している酵素です。基本的に動物の細胞内にはカリウムが多く、細胞外の血液などにはナトリウムが多くなっています。この濃度の違い(濃度勾配)により、細胞外から細胞内へ、あるいは細胞内から細胞外への物質の輸送が行われます。つまり、このNa+/K+-ATPaseの働きを阻害してしまうことにより、動物に対して毒性が出るのです。具体的には強心配糖体と言って心臓にダメージが来る危険な毒です。

試験① パキポディウムの種類と毒の強さ
さて、このNa+/K+-ATPase(豚由来)に対する阻害を試験した結果、その毒性を5段階評価しています。この場合は数字が大きいほど、毒性が高いことになります。並びは遺伝子解析によるものです。

            ┏P. namaquanum
        ┏┫
        ┃┗P. bispinosum
    ┏┫ 
    ┃┃┏P. lealii
    ┃┗┫
    ┃    ┗P. saundersii
┏┫
┃┃    ┏P. ambongensis
┃┃┏┫
┃┃┃┃┏P. lamerei
┃┃┃┗┫
┃┗┫    ┗P. geayi
┃    ┃
┃    ┃┏P. rutenbergianum
┫    ┗┫
┃        ┗P. decaryi

┃    ┏P. windsorii
┃┏┫
┃┃┗P. baronii
┃┃
┗┫┏P. rosulatum 
    ┃┃       
ssp. rosulatum
    ┃┃        ┏P. inopinatum
    ┗┫    ┏┫
        ┃    ┃┗P. rosulatum ssp. bicolor
        ┃┏┫
        ┃┃┃┏P. horombense
        ┃┃┗┫
        ┗┫    ┃┏P. eburneum
            ┃    ┗┫
            ┃        ┗P. densiflorum
            ┃
            ┗P. rosulatum ssp. cactipes

以上の結果は中々面白いものです。上の4種類、P.namaquanum、P. bispinosum、P. lealii、P. saundersiiはアフリカ大陸の原産で毒性は高い傾向があります。次の5種類はマダガスカル島原産ですが、背が高くなるものが多くアフリカ大陸原産種に近縁です。これらはやはり毒性は高い傾向があります。赤い花を咲かせるP. baroniiとP. windsoriiは毒性が高い傾向があります。下の7種類はマダガスカル島原産で、背が低く幹が太ります。興味深いのは、分岐の根元に近いロスラツムやカクチペスは毒性が弱いのに、分岐先の1つであるイノピナツムは毒性が高まっていることです。一度弱毒となり再び強毒に進化するという奇妙なものですが、このような進化を誘うような要因が何かあるのでしょうか?

試験② オオカバマダラの幼虫の生長を阻害するか?
次に、オオカバマダラの幼虫にパキポディウムの葉の抽出物を食べさせる試験です。なんでこんなことをするのかを説明する前に、まずは背景をお話しましょう。
オオカバマダラは渡り鳥ならぬ渡りをする蝶として有名です。しかも、このオオカバマダラには毒があり、鳥ですら襲わない毒鳥です。オオカバマダラの幼虫は毒のあるトウワタ(Asclepias)の葉を食べて育ちます。そのため、オオカバマダラの体にはトウワタ由来の毒が蓄積しており、その毒でオオカバマダラは身を守っているのです。しかし、よく考えれば、オオカバマダラに毒があるのは、オオカバマダラにはトウワタの毒が効かないからでしょう。実はこのトウワタの毒はパキポディウムと同じくNa+/K+-ATPaseを阻害する強心配糖体です。もしかしたら、オオカバマダラにはパキポディウムの毒は効かないかもしれないのです。

結果として、オオカバマダラの幼虫はパキポディウムの葉(実際にはトウワタの葉に塗ったパキポディウムの葉の抽出物)を食べた量が多いほど、生長が阻害されることがわかりました。オオカバマダラにパキポディウムの毒が効いているように思えます。

試験③ オオカバマダラの酵素を阻害するか?
では、実際にどの程度、毒が効いているのか見てみましょう。最初の試験では使用したNa+/K+-ATPaseは豚由来でした。しかし、同時にオオカバマダラのNa+/K+-ATPaseの働きを阻害するのかも試験したのです。

さて、結果ですが、なんとオオカバマダラの
Na+/K+-ATPaseは、豚由来のNa+/K+-ATPaseと比べると約100倍もトウワタの毒に対して耐性があることがわかりました。オオカバマダラは酵素からしてトウワタの毒が効かなくなっているのです。では、パキポディウムの毒ではどうかというと、オオカバマダラのNa+/K+-ATPaseも豚由来のNa+/K+-ATPaseも、効果に差がありませんでした。つまりは、オオカバマダラはパキポディウムの毒には耐性がないということになります。

最後に
読めばお分かりのように、同じ強心配糖体とはいえ、トウワタとパキポディウムでは毒の成分は異なるのでしょう。とするなら、オオカバマダラにパキポディウムの毒が効くのは当たり前の話でしょう。一口にNa+/K+-ATPaseの働きを阻害すると言っても、どのように阻害するかは物質により異なる可能性が大です。さらに言えば、実際にパキポディウムの葉を食べるイモムシもいるということですから、一概にトウワタよりもパキポディウムの方が毒性が高いとも断言出来ません。パキポディウムの葉を食べるイモムシにトウワタの葉を食べさせたら、結構毒が効いてしまうかもしれません。
というように、非常に面白い研究ではありますが、結果ははっきりしないものでした。しかし、パキポディウムには強烈な毒性があることと、Na+/K+-ATPaseの阻害作用が明らかになりました。しかも、パキポディウムの種類により毒性も異なるのです。しかし、この差は何が原因でしょうか? 非常に気になります。


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パキポディウムの苗を幾つか育てていますが、秋が深まるにつれて葉がパラパラと落ち始めました。しかし、その葉の落ち具合はバラバラでした。その違いは種類によるものなのか、生育の良し悪しによるものなのか、あるいはその両方かはわかりません。私がパキポディウムを室内に取り込んだのは去年の10月29日のことでしたが、古い葉が紅葉/黄葉し始めているタイミングでした。なんとなく、葉は少しずつ落ちていくイメージでしたが、年末になるまで意外と暖かかったためか、あまり葉は落ちませんでした。そんな冬のパキポディウムについてご紹介しましょう。

①Section Gymnopus
Section Gymnopusはマダガスカル原産のパキポディウムの主流派です。
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Pachypodium rorulatum subsp. rorulatum
ロスラツム系の基本。植物用ランプが強すぎるようで、少し葉が焼け気味です。葉は半分くらい落ちました。subsp. rorulatumに近縁なのはP. rorulatum subsp. bemarahenseです。

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Pachypodium rorulatum var. drakei
ドラケイは現在ではロスラツムと同種とされています。枝や葉が細長いタイプです。葉はまったく落ちませんでした。

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魔界玉 Pachypodium makayence
P. rorulatum subsp. makayenceが正式名称ですが、遺伝子解析の結果からは言うほどロスラツムに近縁ではありませんでした。ロスラツム系の中では、マカイエンセ、カクチペス、グラキリウスが近縁です。葉が繁りすぎて塊茎が見えません。葉もあまり落ちませんでした。

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Pachypodium cactipes
P. rorulatum subsp. cactipesが正式名称です。マカイエンセと同じくロスラツムにそれほど近縁ではありません。今年は生長がいまいちでしたから、もともと葉が少なかったので葉がほとんどなくなってしまいました。

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象牙宮 Pachypodium gracilius
正式名称はP. rorulatum subsp. graciliusです。非常に小さな実生苗。やはり、ロスラツムとはあまり近縁ではありません。葉はすべて落ちました。

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Pachypodium brevicalyx
ブレビカリクスは始めP. densiflorum var. brevicalyxでしたが、その後にP. brevicalyxとして独立しましたが、最終的にデンシフロラムと同一種とされています。ただし、遺伝的な遠近は良くわかりません。なんとなく全体的に粗雑な感じがしますが、葉はまったく落ちませんでした。

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Pachypodium densiflorum
デンシフロラムは分布ごとに遺伝子が異なることがわかっており、複数種からなっているのかもしれません。大型なため寒さに強いのでかなり遅くまで外に置いていました。そのせいか葉がほとんど落ちました。


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なぜか落ちない葉もあります。

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Pachypodium enigmaticum
デンシフロラムから分離されたエニグマティクムですが花が大型です。まだ開花しませんが。葉は落ちませんでした。

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Pachypodium eburneum
P. rorulatum var. eburneumとされたこともあります。デンシフロラム系です。夏の暑さで一度弱りましたが復活しました。復活してから葉は増えませんが、冬でも葉は落ちません。

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Pachypodium horombense
ホロンベンセもP. rorulatum var. horombenseとされたこともあります。ロスラツム系よりもトゲが強いですね。どちらかといえばデンシフロラム系です。葉は少し落ちました。


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恵比寿笑い Pachypodium brevicaule subsp. brevicaule
ブレビカウレは平たく育ちます。デンシフロラムと近縁です。葉は半分くらい落ちました。


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白花恵比寿笑い Pachypodium  brevicaule subsp. leucoxanthum
レウコキサンツムはブレビカウレの白花の亜種とされますが、遺伝子解析の結果ではブレビカウレとあまり近縁ではありません。同じ白花のP. inopinatumと近縁です。葉はほとんど落ちました。

②Section Porphyropodium
マダガスカル原産で赤花のパキポディウム。
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Pachypodium windsorii
P. baronii var. windsoriiとされたこともあります。まだ花は咲きません。葉はパラパラ落ちますが、少し残りました。

③Section African
アフリカ大陸原産のパキポディウムです。
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Pachypodium succulentum
ビスピノスムやナマクアヌムと近縁です。去年の冬は塊根が鉢底に当たってしまい緑色のまま葉が落ちてしまいました。植え替えたので今年は調子が良さそうです。葉はまったく落ちませんでした。

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Pachypodium bispinosum
葉が落ち始めましたが、塊根が伸びて鉢底に当たっていないか不安です。今年は深い鉢に植え替えます。


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Pachypodium saundersii
サウンデルシイはアフリカ大陸原産種の中でもP. lealiiと近縁です。寒くなってから葉色は良くありませんが、葉はあまり落ちませんね。

なんだかんだでパキポディウムも増えてしまいました。しかし、遺伝子解析の結果からパキポディウムは4つのグループに分けられますが、何故かSection Leucopodiumは1種類も持っていません。Section LeucopodiumではP. lamereiやP. geayiがあります。見かけたことはありますが、あまり好みではないため購入しませんでした。しかし、P. decaryiは少し気になりますから見かけたら購入してしまうかもしれません。
それはそうと、今年は葉を落とさないパキポディウムが多いみたいですが、流石に春までは持たないかもしれません。丈夫なP. succulentum、P. brevicalyx、P. rorulatum var. drakeiあたりは葉が落ちないかもしれませんが。まあ、いずれにせよ、来年は植え替えて生長にブーストをかけたいところです。


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去年は幾つかの多肉植物の即売会で、パキポディウムの小苗を何種類か購入したりしました。元より全種類集めるつもりはありませんでしたから、現在は手持ちにない種類を見かけてもスルーし、手持ち株の育成に重点をおいています。さて、そんなパキポディウムですが、過去には遺伝子解析による最新の論文を記事にしたことがあります。
そんな中、白い花を咲かせるパキポディウムに対する論文を見つけました。Jonas Lüthyの2008年の論文、『Notes on Madagascar's white-flowering, non-arborescent pachypodium and description of a new subspecies』です。現在のパキポディウムの分類は著者のLüthyの基準を採用していますから、Lüthyの論文は思いの外、重要です。では、早速内容に入りましょう。
花の色はパキポディウムの分類の歴史において重要な役割を果たしてきました。基本的に樹木性パキポディウムは白い花、非樹木性パキポディウムは黄色い花、さらには赤い花のP. baroniiとP. windsoriiがあります。花の色の違いにより、フランスの植物学者であるPichonはパキポディウムを3亜属に分けました。樹木性で白い花のChionopodium亜属(chion=雪)、低木状で黄色い花のChrysopodium亜属(chrysos=金)、赤い花のPorphyropodium亜属(porphyreos=紫)です。この分類は白い花を咲かせる非樹木性パキポディウムが発見される1980年代まで疑問視されませんでした。

エブルネウム P. eburneum
Boiteauは白い花を咲かせるP. rorulatumらしきパキポディウムをManandora河とMania河の合流地点近くの岩だらけの頂上で観察し、1949年以前に報告しました。しかし、Pichonは自身の分類の例外となるはじめてのケースであることを認識しましたが、それ以上の注意は払われませんでした。このBoiteauの観察は後のP. eburneumの最初の報告だったようです。実際にP. eburneumが新種として記載されたのは1997年のことでした。ただし、1980年代後半にはすでに園芸市場では取引されており、P. rorulatum albiflorumという俗称で呼ばれていました。1992年から始まった自生地の探索は幾度かの失敗の後、1996年にスイスのWalter ösliとRalph HoffmannによりIbity山で発見されました。この発見が、新種の正式な記載に繋がるきっかけでした。
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Pachypodium eburneum

イノピナツム P. inopinatum
1980年代後半に白い花を持つ低木状のパキポディウムが園芸市場に登場しました。RauhによりP. rorulatumの白花個体とされました。1993年にP. eburneumの話でも登場したWalker ösliとRalph HoffmannはVohombohitra山脈のManakana近くで自生地を発見しました。1996年にP. inopinatumとして正式に記載され、P. rorulatumとの比較がなされました。著者はP. densiflorumとの関係があると考えているようです。

新種のパキポディウム?
Ibity山でP. eburneumが発見された後、プラントハンターは別の地域の個体群を報告し、ösliはIbity山の西にあるAndrembesoa渓谷で地元の写真家が撮影した開花写真を所有しています。2004年には花の直径が7cmにもなるややトゲの強いパキポディウムが、P. cf eburneumとして流通しました。CastillonはIbity山の南の地域の自生地を報告しており、1998年にはP. eburneumがP. densiflorumやP. brevicauleと一緒に生えているところを観察しました。新たな自生地はこれからも見つかる可能性があります。

レウコキサンツム
P. brevicaule subsp. leucoxanthum ssp. nov.

2004年頃、園芸市場に新たな白い花のパキポディウムが出現しました。Andrembesoa周辺からの採取を示唆していますが、自生地はまだわかっておりません。このパキポディウムは"P. brevicaule white flower"と呼ばれていますが、花は白色から淡い黄色まで幅があります。最近の研究では種子がP. brevicauleとは異なることが明らかとされています。P. brevicauleは非常に均一であることが知られており、亜種として区別するための新しい名前が必要です。著者はP. brevicaule subsp. leucoxanthumと命名しました。これは、「白い、淡い」を表す'leucos'と「黄色」を表す'xanthos'からなります。
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Pachypodium brevicaule subsp. leucoxanthum

以上が論文の簡単な要約となります。
しかし、近年の論文では遺伝子解析の結果から、P. densiflorumは産地により遺伝子に違いがあることがわかりました。おそらく本来のP.densiflorumはP. brevicauleと近縁です。P. eburneumはややはっきりしませんが、系統的にはP. densiflorumやP. brevicauleと近縁でしょう。また、P. horombenseと分布が近いP. densiflorumは、おそらくP. densiflorumではなくP. horombenseに含まれるのでしょう。さらに、3つ目のグループはP. densiflorumとP. inopinatumとP. brevicaule subsp. leucoxanthumからなります。驚くべきことに、P. brevicaule subsp. leucoxanthumはP. brevicaule subsp. brevicauleとは近縁ではありません。しかし、これらの成果は現在の学術的な分類としては正式に採用されていません。更なる詳細な解析を必要としているのかも知れませんが、いずれパキポディウム属全体の全面的な改訂は避けられないように思われます。

ちなみに、著者がこの論文で提案したPachypodium brevicaule subsp. leucoxanthumは現在認められています。論文にあるssp.nov.とは単に新亜種という意味です。著者は種子がP. brevicauleとは異なると述べていますが、将来的には別種になるかも知れません。
また、巨大な花を咲かせるパキポディウムについてですが、Pachypodium enigmaticumのことでしょうか? 論文では簡単にしか触れられていませんから、断言できませんが…


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カクチペス(Pachypodium cactipes)はマダガスカル原産のパキポディウムの1種です。学名は1895年にPachypodium cactipesと命名されましたが、2004年にはロスラツムの亜種とされPachypodium rosulatum subsp. cactipesとされています。国内ではカクチペスのラベルがついた実生苗を見かけることがあります。しかし、このカクチペスについて、その原産地について疑問を投げ掛けた論文を見つけました。それは、Jean-Philippe Castillon, Jean-Bernard Castillon, Solo H. J. V. Rapanarivoの2021年の論文、『Correction d'une erreur a propos de Pachypodium cactipes K. Schum』です。

論文の概要は、P. cactipesのタイプ標本はTolanaro地方 ではなく、Mahajanga州で採取されたものというものです。それに従うと、P. cactipesはP. rosulatumと同種あるいは亜種ということになるとあります。また、Tolanaro(Fort-Dauphin)のパキポディウムはP. cactipesと間違われているということです。

詳しく内容を見てみましょう。
K. Schumannは1895年にタイプ標本のない最小限の説明でP. cactipesを命名しました。後の1907年にP. cactipesはCostantin & Boisにより取り上げられ、タイプ標本J. M. Hildebrandt3114であることを確認しました。この標本は後にRapanarivoとLeeuwenbergによりレクトタイプ化され 、P. cactipesのタイプ標本とされています。この標本は詳細な産地は不明ですが、相当するTambohoranoとBesalampyの間のRanobe川付近ではP. rosulatumが見られます。
Costantin & Boisは同じ記事でP. cactipesをP. rosulatumの異名としました。1934年のPierrier de la Bathieや1949年のPichonも異名であると確認しました。
ただし、P. rosulatumのタイプ標本Baron256は調べると、なんとP. horombenseに相当することがわかりました。しかし、P. horombenseとP. rosulatumという学名は、1世紀に渡り広く知られているため、1999年にLeeuwenbergとRapanarivoは現在知られているため組み合わせが正式な学名となるように変更しました。

Luthyは2004年にP. rosulatumを分類しました。北西部にはsubsp. rosulatum、Isaloにはsubsp. gracilius、Berevo(Tsiribihinana)にはsubsp. bicolor、Makayにはsubsp. makayense、Fort-Dauphinにはsubsp. cactipes、Bemarahaにはsubsp. bemahenseが分布します。ただし、それほど分離しているわけではないようです。P. cactipesはP. rosulatumの分布の南端で、Tolanaroから1000km以上離れたMahajanga州に由来します。
著者はP. cactipesはP. rosulatum subsp. rosulatumと同種であると考えています。また、Bemarahaの石灰台地がBesalampyまで途切れることなく続いているため、P. rosulatum subsp. bemahenseと同一種である可能性も指摘されているそうです。

さて、著者はTolanaroのパキポディウムがカクチペスではないことを明らかにしましたが、ではカクチペスの産地とされてかたTolanaroのパキポディウムとは何でしょうか。それは、1907年に命名されたPachypodium rosulatum f. stenantha Costantin & Boisです。これは、誤ってvar. stenanthaと表記されることもあります。また、1934年に同じ種にP. rosulatum var. delphinense H. Perrierと命名されたこともあるようです。しかし、f. stenanthaは現在認められている学名ではありません。しかし、著者はf. stenanthaをロスラツム系ではなく、独立した別種とすべきと考えています。P. rosulatumとの形態学的な違いや、f. stenanthaの地理的孤立からの考えのようです。
また、最新の遺伝子解析についても最後に少し触れていますが、これはBurgeらの2013年の論文、
Phylogeny of the plant genus Pachypodium (Apocynaceae)』ですね。なんで知っているかというと、すでに記事にしているからです。
この論文では、P. rosulatum系は、subsp. rosulatumとsubsp. bemahensieは近縁でしたが、subsp. makayense、subsp. gracilius、subsp. bicolor、subsp. cactipes(著者の言うTolanaroに分布するP. stenantha)はP. rosulatumとは近縁とは言いがたい結果でした。著者はこのP. rosulatumの亜種の独立と、f. stenanthaを復帰すべきとしています。

論文の内容は以上です。私も2013年の論文を読んで、ロスラツム系のまとまりのなさを知り、学名の大幅な改変が必要ではないかと感じました。それは、研究者たちも同じでしょう。しかし、現在でもロスラツム系は健在です。いつかロスラツム系が解体される時は来るのでしょうか?
また、著者の提唱するPachypodium stenanthum (Costantin & Bois) J. B. Castillon, J. P. Castillon & Rapanarivo, comb. et stat. nov.はいつか正式な学名として記載されるのでしょうか。その場合は、P. rosulatum subsp. cactipesはP. rosulatum subsp. rosulatumに吸収されてしまうのでしょうか。大変気になる話題ですから、私も注視していきたいと考えております。


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最近では多肉植物に力をいれている園芸店では、パキポディウムの実生苗も見かけるようになって来ました。しかし、流石にまだビッグバザールで見かけるマカイエンセやイノピナツムなどは販売されていません。本日ご紹介するエニグマティクムも同様で、まだそれほど流通していないパキポディウムです。私も園芸店の多肉植物即売会では見かけたことはありませんでしたが、2021年11月に開催されたサボテン・多肉植物のビッグバザールで入手しました。エニグマティクムはパキポディウムの中でも発見が遅く、学名は2014年に命名されたPachypodium enigmaticum Pavelka, Prokes, V.Vlk, Lavranos, Zidek & Ramav.です。また、エニグマティクムはちょっと珍しい発見の経緯がありました。何か資料はないかと探っていたところ、エニグマティクムの命名者らの書いた論文を見つけました。Peter Pavelka, Borivoj Prokes, Vitezslav Vlk, John J. Lavranosによる『Pachypodium enigmaticum -a new species in the Densiflorum complex』です。
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Pachypodium enigmaticum
まだ小さい苗です。


早速、論文の内容に入りましょう。
著者らは2003年から8回もマダガスカルでパキポディウムの調査を実施しました。目的の1つは、Pachypodium densiflorumの分布と変動を探ることにありました。P. densiflorumは中央高地の広大な地域に分布しています。
2003年に著者らは、マダガスカルで園芸農園を営むAlfred Razafindratsiaeから、葉が無毛のP. densiflorumを購入しチェコ共和国に持ち帰りました。しかし、驚いたことに、P. densiflorumとおぼしきパキポディウムは、初秋に直径62mmに達する非常に大きな黄花を咲かせたのです。著者らも知らないパキポディウムであり、入手の経緯からして野生個体が存在するのか疑わしいようにも思われました。Razafindratsiaeは野生個体が由来であると主張していましたが、実際にP. densiflorum × P. brevicauleの交雑種は自然界でも発生しているため、交雑の可能性も考えたようです。著者らはP. densiflorumの分布域の西側の境界を3週間かけて探索し、ついにRazafindratsiaeの農園のパキポディウムと同一の個体群を発見しました。そのため、Alfred Razafindratsiaeの農園のパキポディウムの起源は野生個体であり、新種であることが判明しました。種小名の"enigmaticum"は、農園で栽培されている間、このパキポディウムが謎であったことから命名されました。著者らはこの地域を5回訪れましたが、それ以外の地域では発見されておりません。

P. densiflorumは分布が広いため、形態が変化しやすいようです。花が咲くまではP. enigmaticumとP. densiflorumは区別が難しく、日本国内ではP. enigmaticumと偽ったP. densiflorumが流通したこともあるみたいです。著者らはP. enigmaticumの特徴を炙り出すために、良く似たP. densiflorumの特徴をまとめています。著者らの本来の目的がP. densiflorumの分布と変動を探ることにあったわけですから、著者ら以上にP. densiflorumの特徴を述べられる人物は稀でしょう。
さて、P. densiflorumは花色も非常に多様で、北部の個体群は黄色、Itremoの中央部ではオレンジ色、南端のAmbalavao周辺に向かって再び黄色になります。花のサイズも北部では約3.0~3.5cm、Itremoでは2.0~3.0cm、南部では約2.0cmに達します。葉の毛は北部では少なく、Itremoの中央部では葉は楕円形あるいは狭い倒卵形で密に毛があり、南部では葉は倒卵形で毛があります。
P. enigmaticumの花は非常に大きく形状も異なります。P. eburneumやP. graciliusの花は花冠筒はカップ状で雄しべはカップの奥にあります。しかし、P. enigmaticumはは花冠筒が非常に細く(通常3mm)、かつ非常に長く(最大3.5cm)、雄しべは突出します。開花時期も異なり、野生のP. densiflorumやP. brevicauleは10月から12月に開花しますが、野生のP. enigmaticumは6月から7月に開花します。著者らは基本的には花の構造により、P. enigmaticumを新種と考えました。花の構造による分類は植物学の基本ですから、オーソドックスな記載と言えます。

その他の可能性として、P. densiflorum以外のパキポディウムとも比較しています。P. enigmaticumの産地はP. brevicauleと似ており、特に若い苗の頃は茎の形状や葉に毛がないなど良く似ています。しかし、P. brevicauleの花は最大でも3.0cmほどで、花の構造が異なり雄しべは突出しません。
また、その他のパキポディウムと比較しても、類似した種はありません。自然状態では開花時期、生息地、花の構造、さらには花粉媒介者も異なり雑種は見つかりませんでした。

Lüthyによる分類法 : Nesopodium亜属、Gymnopus節、Densiflora列
Holotype : 2003年にAlfred Razafindratsiaeが収集
分布 : マダガスカルの固有種。標高920mのMandoto地区。


以上がエニグマティクムの論文の簡単な紹介でした。まさか、ファームで新種が発見されるとは驚かされますが、まさに原産地ならではの話でしょう。
しかし、私が育てているエニグマティクムはまだ小さい苗ですから、まだまだ花は咲きそうにありません。何年先かわかりませんが、その巨大な花を咲かせてくれる日を楽しみにしています。



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パキポディウムはマダガスカル島の原産種が多いのですが、そのほとんどが黄色い花を咲かせます。しかし、マダガスカル島には赤い花を咲かせるパキポディウムが2種類あります。Pachypodium baroniiとPachypodium windsoriiです。実はこの2種は他のマダガスカル島産パキポディウムと分類学的に異なるグループです。P. rosulatum系のgraciliusやcactipes、P. brevicaule、P. horombenseなどはGymnopus節、P. baroniiとP. windsoriiはPorphyropodium節となっているようです。さて、去年はパキポディウムの苗をいくつか購入しましたが、その中にはPachypodium windsoriiの苗もありました。というわけで、P. windsoriiについて少し調べてみました。

パキポディウムの分類については、過去に記事にしましたのでこちらもどうぞ。
先ほどから、私はPachypodium windsoriiと表記していますが、一般的にはPachypodium baronii var. windsoriiと表記されます。どちらが正しいのかは微妙なところで、常に変わる可能性があります。しかし現在のところ、学術的に認められている学名はPachypodium windsoriiです。
まとめますと、はじめて学名がつけられたのは1916年のPachypodium windsorii Poiss.です。Poiss.はフランスの植物学者であるHenri Louis Poissonのことです。Euphorbia poissoniiはPoissonに対する献名です。しかし、1949年にPachypodium baronii var. windsorii (Poiss.) Pichon.とされました。Pichonはフランスのキョウチクトウ科を専門とする植物学者である、Marcel Pichonのことです。

さて、ではなぜウィンドゥソリイはバロニイ変種ではなく、独立種とされたのでしょうか。イギリス王立植物園が主宰する『Plants of the World Online』によると、2004年に出版された『Bradleya. Yearbook of British Cactus and Succulent Society』に掲載された、Jonas M.
Lüthyの「Another look at the Pachypodium of Madagascar.」という論文を根拠としているようです。タイトルはマダガスカルのパキポディウムをもう一度見てみよう、といった感じでしょうか? 内容的には既知のパキポディウムについて、過去の知見からそれぞれの特徴と類似、現状の問題などを挙げたもので、総説的な雰囲気です。どうも購入しないと全文は読めないらしく、見出しを読んだだけですから詳しくはわかりません。しかし、P. baroniiとP. windsoriiがそれぞれ独立種とされていることは間違いないようです。
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昨日の11月に購入。何故か葉が1枚だけ落ちないで冬を越しました。

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2022年10月。あまり変わっていないような気もしますが少し膨らみました。葉は光沢が強く、Gymnopus節とは雰囲気が異なります。

ウィンドゥソリイはマダガスカル島の極北にあるWindsor城山塊にのみ知られていました。P. windsoriiの種小名はこのWindsor城から来ているようですね。しかし、2005年にBeantely山塊とAmboaizamikono山塊で、新たに自生地が発見されました。
自生地は石灰質の階段状あるいは急な斜面で育ちます。森林伐採や山火事により生息が脅かされているそうです。



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パキポディウムには沢山の種類がありますが、その中でもロスラツム系は亜種が沢山あり一大グループを形成します。そんなロスラツム系の中でも亜種グラキリウスが人気で、現地球が盛んに輸入されています。最近では亜種カクチペスの実生苗も大型園芸店では、まれに販売されるようになりました。多肉植物の即売会に行けば亜種マカイエンセも入手は可能です。しかし、ロスラツムそのものである亜種ロスラツムは何故か話題に挙がりません。不思議です。まあ、単に流行りではないというだけかもしれませんけど。まあ、そんなロスラツムを入手した事もあり、とにかくそんなロスラツムについて少し調べてみました。

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Pachypodium rosulatum subsp. rosulatum

DSC_1719
やや縦長に育ちます。
ロスラツムの学名は1882年に命名されたPachypodium rosulatum Bakerです。マダガスカルのパキポディウムでは、一番早くに命名されました。

ロスラツムには亜種があります。
①カクチペスは1895年にPachypodium cactipes K.Schum.と命名されましたが、2004年にはロスラツム亜種のPachypodium rosulatum subsp. cactipes (K.Schum.) Lüthyとなりました。
②マカイエンセは2004年にPachypodium makayense Lavranosと命名されましたが、同年にロスラツム亜種のPachypodium rosulatum subsp. makayense (Lavranos) Lüthyとされました。
③グラキリウスは1934年にPachypodium rosulatum var. gracilius H.Perrierと命名されましたが、1999年にはPachypodium gracilius (H.Perrier) Rapan.、2004年にはPachypodium rosulatum subsp. gracilius (H.Perrier) Lüthyとされました。
④ビカラーは1997年にPachypodium bicolor Lavranos & Rapanarivoと命名されましたが、2004年にPachypodium rosulatum subsp. bicolor (Lavranos & Rapanarivo) Lüthyとされました。
⑤ベマラヘンセは2004年に命名されたPachypodium rosulatum subsp. bemarahense Lüthy & Lavranosです。

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Pachypodium rosulatum subsp. cactipes

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Pachypodium rosulatum subsp. makayense

また、ロスラツム変種ドラケイは、1907年にPachypodium drakei Costantin & Bois、1972年(publ. 1973)にはPachypodium rosulatum var. drakei (Costantin & Bois) Margr.とされました。しかし、現在はロスラツムと同種とされています。
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Pachypodium rosulatum var. drakei

また、かつてロスラツムの変種とされたことがあるものの、現在では独立種とされているパキポディウムもあります。
ホロンベンセは1922-1923年(publ. 1924)にPachypodium horombense Poiss.と命名されましたが、1973年にPachypodium rosulatum var. horombense (Poiss.) G.D.Rowleyとする意見もありましたが、現在では認められておりません。
また、イノピナツムは1996年にPachypodium inopinatum Lavranosと命名されましたが、1998年にPachypodium rosulatum var. inopinatum (Lavranos) G.D.Rowleyとする意見もありましたが、現在では認められておりません。


パキポディウム属の分子系統(抜粋)
            ┏━━━P. ebruneum
            ┃
            ┃┏━━P. brevicaule subsp. brevicaule
        ┏╋┫
        ┃┃┗━━P. densiflorum
        ┃┃
        ┃┗━━━P. horombense
        ┃
    ┏┫┏━━━P. inopinatum
    ┃┣┫
    ┃┃┗━━━P. brevicaule subsp. leucoxantum
    ┃┃
    ┃┗━━━━P. rosulatum subsp. bicolor
┏┫
┃┃┏━━━━P. rosulatum subsp. gracilius
┃┣┫
┃┃┗━━━━P. rosulatum subsp. cactipes
┫┃
┃┗━━━━━P. rosulatum subsp. makayense

┃┏━━━━━P. rosulatum subsp. rosulatum
┗┫
    ┗━━━━━P. rosulatum subsp. bemarahense

上の分子系統はロスラツムの近縁種の部分を抜粋し、簡略化したものです。亜種ロスラツムに最も近縁なのは亜種ベマラヘンセです。他のロスラツム亜種は異なる枝にありやや離れます。亜種マカイエンセ、亜種カクチペス、あるいは亜種グラキリウスは、もしかしたら分岐の根元にあるのかも知れず、一概にロスラツム系ではないとは言えないのかもしれません。しかし、素人目には独立種とした方が自然に思えます。さらに、亜種ビカラーに至っては、見てお分かりの通りブレビカウレ(恵比寿笑い)やデンシフロラム(シバの女王の玉櫛)に近縁に見えます。
2004年にLüthyにより、5種のパキポディウムがロスラツムの亜種とされました。それから18年たちました。そろそろ見直す時期に来ているようにも思えますが、どうでしょうかね? 



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パキポディウム・サウンデルシイはモザンビーク、ジンバブエ、南アフリカ、スワジランドに分布するパキポディウム属の一種です。「白馬城」という名前の方が有名かもしれませんが、パキポディウムの中ではあまり流通していない種類です。やはり、パキポディウム属と言えばマダガスカル原産種がメインで、アフリカ大陸産のパキポディウムは人気はいまいちかもしれません。まあ、アフリカ大陸産でも、P. succulentumやP. bispinosumは最近園芸店でも実生苗を見かけるようになってきましたが、白馬城は残念ながら見かけませんね。私は昨年冬に五反田TOCで開催されたビッグバザールで偶然入手しました。別にパキポディウムを買いに行ったわけではないのですが、たまたまパキポディウムの苗が沢山あったのでついつい買ってしまいました。

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細かいトゲが枝に出る

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トゲは2本セットで長く伸びる。

白馬城の学名は1892年に命名されたPachypodium saundersii N.E.Br.です。1973年のにはPachypodium lealii subsp. saundersii (N.E.Br.) G.D.Rowley、つまりレアリイの亜種とする意見もありましたが、現在では認められておりません。ただし、レアリイと白馬城が近縁であることは、遺伝子解析の結果から正しいとされています。

他のアフリカ大陸産のパキポディウムであるP. succulentumやP. bispinosumとはトゲの付きかたが異なり、むしろマダガスカル原産パキポディウムに近く見えます。ただし、他のアフリカ大陸産と枝の出方は似ています。もしかしたら、南アフリカ南部産パキポディウムとマダガスカル原産パキポディウムをつなぐ存在なのかもしれませんね。



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最近、多肉植物について書かれた学術論文を少しずつ記事にして紹介しています。残念ながら興味を覚える方は少ないようで、あまり受けは良くないみたいですが、懲りずに論文を探しては読んでいます。そんな中、パキポディウムの進化と分類について書かれた論文を見つけましたのでご紹介します。本日は2013年に発表された『Phylogeny of the plant genus Pachypodium (Apocynaceae)』という論文を簡単に解説させていただきます。

パキポディウム属はアフリカ南部とマダガスカルに分布します。この論文では21種類のパキポディウムを調べています。調べたのはリボソームDNAのITS領域と葉緑体DNAのtrn LF領域で、パキポディウム属の系統関係を調べる目的の研究です。
結論はパキポディウムは5つのグループにわかれていることが明らかになったということです。過去に花の構造や形態、分布等の情報からパキポディウム属の分類がなされてきましたが、この論文の解析結果とおおよそ一致していましたが、異なる部分もありました。

今までの分類体系では、まずマダガスカル産のNesopodium亜属とアフリカ大陸産のPachypodium亜属に分けられます。旧・分類体系を示します。この時、"Subgenus"は「亜属」、"Section"は「節」、"Series"は「列」と日本語では訳されるようです。

旧・分類体系
★Subgenus Nesopodium
1, Section Gymnopus
1-1, Series Romasa
    P. brevicaule subsp. brevicaule
    P. brevicaule subsp. leucoxantum
    P. rosulatum subsp. bemarahense
    P. rosulatum subsp. bicolor
    P. rosulatum subsp. cactipes
    P. rosulatum subsp. gracilius 
    P. rosulatum subsp. makayense 
    P. rosulatum subsp. rosulatum
1-2, Series Densiflora
    P. densiflorum
    P. eburneum
    P. horombense
    P. inopinatum
2, Section Leucopodium
2-1, Series Contorta
    P. decaryi
    P. rutenbergianum
    P. sofiense
2-2, Series Ternata
    P. geayi
    P. lamerei
    P. mikea
2-3, Series Pseudoternata
    P. ambongense
    P. menabeum
3, Section Porphyropodium
    P. baronii
    P. windsolii
★Subgenus Pachypodium
    P. bispinosum
    P. namaquanum
    P. saundersii
    P. succulentum

遺伝子解析の結果をまとめたものが、下の分子系統になります。まずは、Section Gymnopusを見てみます。ここからは、論文の解析結果を見ながら、私の個人的な考えをお示しします。というのも、論文では試験方式やデータの処理法方などが議論され、必ずしも分類体系の提唱はされていないからです。ですから、その結果を見た我々が解釈する必要があるのです。

分子系統
        ┏━Section Gymnopus①
    ┏┫
    ┃┗━Section Gymnopus②
┏┫
┃┗━━Section Porphyropodium

╋━━━Section Leucopodium

┣━━━Section African①

┗━━━Section African②

Section Gymnopus①の詳細を見ると、まず気がつくのはP. densiflorumのまとまりのなさです。P. densiflorumは8個体を見ていますが、分布域が広いのが特徴です。P. horombenseに遺伝的に近縁とみられるP. densiflorum6は、実際に採取された地点がP. horombenseの採取された地点に近い個体です。また、P. inopinatumに遺伝的に近縁とみられるP. densiflorum7やP. densiflorum8は、やはり採取地点が近い関係にあります。これをみる限り、本来のP. densiflorumはP. densiflorum1~5であって、P. densiflorum6はP. horombenseのdensiflorumタイプでP. densiflorum7やP. densiflorum8はP. inopinatumのdensiflorumタイプなのではないかと疑わせます。
次はP. brevicauleです。P. brevicaule subsp. brevicauleと白花種のP. brevicaule subsp. leucoxantumの遺伝的位置は近くありません。P. brevicaule subsp. brevicauleはP. densiflorum系統であり、P. brevicaule subsp. leucoxantumはP. inopinatum系統です。
次はP. rosulatum subsp. bicolorですが、他のP. rosulatum系とは乗っている枝が異なり、むしろP. densiflorumやP. brevicauleと近縁に見えます。P. rosulatum系統とするのは無理があるのではないでしょうか? 分布を見ると、P. rosulatum subsp. bicolorはマダガスカル中部で、どちらかと言えばp. densiflorumやP. brevicaule subsp. brevicauleに近く見えます。

Section Gymnopus①
        ┏━━━P. eburneum1
        ┃
        ┃┏━━P. eburneum2
        ┃┃
        ┃┣━━P. brevicaule subsp. brevicaule1
        ┃┃
        ┃┣━━P. brevicaule subsp. brevicaule2
        ┃┃
        ┃┣━━P. brevicaule subsp. brevicaule3
        ┃┃
    ┏╋┫┏━P. densiflorum1
    ┃┃┃┃
    ┃┃┣╋━P. densiflorum2
    ┃┃┃┃
    ┃┃┃┗━P. densiflorum3
    ┃┃┃
    ┃┃┣━━P. densiflorum4
    ┃┃┃
    ┃┃┗━━P. densiflorum5
    ┃┃
    ┃┃┏━━P. densiflorum6
    ┃┃┃
┏┫┗╋━━P. horombense1
┃┃    ┃
┃┃    ┣━━P. horombense2
┃┃    ┃
┃┃    ┗━━P. horombense3
┃┃
┃┃    ┏━━P. densiflorum7
┃┃    ┃
┃┃┏╋━━P. densiflorum8
┃┃┃┃
┫┣┫┗━━P. inopinatum
┃┃┃
┃┃┗━━━P. brevicaule subsp. leucoxantum
┃┃
┃┗━━━━P. rosulatum subsp. bicolor

┃┏━━━━P. rosulatum subsp. gracilius
┣┫
┃┗━━━━P. rosulatum subsp. gracilius

┣━━━━━P. rosulatum subsp. cactipes

┗━━━━━P. rosulatum subsp. makayense

次にSection Gymnopus②を見てみましょう。P. rosulatum subsp. rosulatumは5個体が非常によくまとまっています。分布はマダガスカル北部です。しかし、Section Gymnopus①のP. rosulatum subsp. makayenceやP. rosulatum subsp. gracilius、P. rosulatum subsp. cactipesはマダガスカル南部に分布し距離があると言えます。この、マダガスカル南部に分布するP. rosulatumの亜種たちは、P. rosulatum系統とするべきではなく、それぞれ独立種とする方が自然に思えます。
また、旧・分類体系のSeries RomasaやSeries Densiflora は、分子系統ではまったく意味をなさない分類となっています。なぜなら、P. rosulatum系がまとまりがないことや、P. brevicaule系はP. rosulatum系ではなくP. densiflorum系に近縁だからです。

Section Gymnopus②
┏━━━Section Gymnopus①

┃    ┏━P. rosulatum subsp. rosulatum1
┃┏┫
┫┃┗━P. rosulatum subsp. rosulatum2
┃┃
┃┣━━P. rosulatum subsp. rosulatum3
┃┃
┗╋━━P. rosulatum subsp. rosulatum4
    ┃
    ┣━━P. rosulatum subsp. rosulatum5
    ┃
    ┗━━P. rosulatum subsp. bemarahense

Section Porphyropodiumは、赤い花を咲かせるパキポディウムです。マダガスカル原産のパキポディウムは基本的に黄花ですから少し違います。外見上はSeries Gymnopusとは葉の形がまったく違います。ただし、Section GymnopusとSection Porphyropodiumは姉妹群です。マダガスカル原産のパキポディウムは、一応は遺伝的にアフリカ大陸産のパキポディウムと区別できることになります。
P. windsoriiはP. baroniiの変種とする考え方もありますが、この結果からだけでは近縁であることしかわかりません。

Section Porphyropodium
┏━━━Section Gymnopus

┫    ┏━P. baronii1
┃┏┫
┗┫┗━P. baronii2
    ┃
    ┃┏━P. windsorii1
    ┗┫
        ┗━P. windsorii2

Section Leucopodiumはどちらかと言えば、縦長に育つタイプです。P. lamereiは7個体を調べていますが、割とまとまっています。P. mikeaはP. lamereiと同じ枝に乗っていますが、P. lamereiとほぼ同種とすべきか、P. lamereiから進化した種類とすべきかはわかりません。とても近縁であることはわかります。
P. lamerei、P. mikea、P. menabeum、P. geayiは姉妹群です。P. lamerei、P. mikea、P. geayiはマダガスカル南部、P. menabeumはマダガスカル中部、P. ambongenseはマダガスカル北部に分布します。
旧・分類体系では、P. decaryi、P. rutenbergianum、P. sofienseはSeries Contrtaとされていますが、分子系統でもこれは支持されています。ただし、それ以外のSeriesは支持されません。P.rutenbergianumとP. sofienseはマダガスカル北部、P. decaryiはマダガスカル最北端に分布します。

Section Leucopodium
                ┏P. lamerei1
                ┃
                ┣P. lamerei2
                ┃
            ┏╋P. lamerei3
            ┃┃
            ┃┣P. lamerei4
            ┃┃
        ┏┫┗P. mikea
        ┃┃
        ┃┃┏P. lamerei5
        ┃┃┃
        ┃┗╋P. lamerei6
        ┃    ┃
    ┏┫    ┗P. lamerei7
    ┃┃
    ┃┃┏━P. menabeum1
    ┃┃┃
    ┃┣╋━P. menabeum2
    ┃┃┃
┏┫┃┗━P. menabeum3 
┃┃┃
┃┃┗━━P. geayi
┃┃
┫┗━━━P. ambongense

┃        ┏━P. decaryi1
┃    ┏┫
┃┏┫┗━P. decaryi2
┃┃┃
┗┫┗━━P. decaryi3
    ┃
    ┣━━━P. rutenbergianum
    ┃
    ┗━━━P. sofiense

Section Africanはアフリカ大陸産のパキポディウムです。
Section African①のP. bispinosumとP. succulentumは近縁で、分布も南アフリカ南部に重なります。P. namaquanumも近縁で、南アフリカとナミビアの国境付近とナミビアの一部に分布します。相対的にはSection African①に所属する種は分布も近いと言えます。
Section African②に所属するP. lealiiとP. saundersiiは分布域が大きく離れています。P. saundersiiは南アフリカ、ジンバブエ、モザンビークの国境付近に分布しますが、P. lealiiはナミビア北部、ボツワナ北部、ナミビアとアンゴラの国境付近に分布が点在します。P. lealiiは分布が点在していてそれぞれが離れていますから、もともとは広い分布域を持っており、徐々に分布が狭くなり残ったのが、現在の点在する分布なのでしょう。

Section African①
    ┏━P. bispinosum
┏┫
┫┗━P. succulentum

┗━━P. namaquanum

Section African②
┏━P. lealii

┗━P. saundersii


いかがだったでしょうか? 意外だった、あるいは実際に育てている実感として近いと思った方もおられるかもしれません。私自身、最新の科学の知見に詳しいわけではなく、勉強しながら論文を探しています。しかし、科学は最新の情報が、あっという間に古臭くなったりしますから、最新情報を追いかけるのは素人の私には難しい部分があります。この記事も、来年頃にはいつの話をしているのか、ずいぶんと古い知識を語っているなぁと評されるかもしれませんね。
それはそうと、実は論文はそのほとんどが一般に公開されており、誰でも読むことが出来ます。研究者は最新の論文を読んで情報を得ますから、科学の発展のためには直ぐに読めることは重要です。そして、科学者か論文を書いた時に、読んで参考とした論文名を最後に一覧の形で表記します。この時にどれだけ多くの論文で引用されたかが、論文の価値を決めます。引用されるということは、多くの研究者が読んで重要と認めた論文という意味ですからね。
しかし、残念ながら一部の論文は、というか一部の論文の掲載紙は有料です。買えばいいじゃないかと思われるかもしれませんが、タイトルと数行の要約では本当に知りたい内容であるかわかりませんから、購入して読んでみて初めて要不用がわかるわけです。流石に手当たり次第とはいかないもので、手に入る論文だけですが、今後も懲りずに紹介出来ればと考えております。


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多肉植物は手持ちの維持だけで長く離れていたので知らなかったのですが、ここ何年か多肉ブームがあったようです。すでにブームの最盛期は過ぎたようですが、多肉人口自体は増えたようです。最近は現地球だけではなく実生苗も園芸店やイベントで沢山並ぶ様になりました。
昨年はパキポディウムの小苗をじわじわ集めたりしましたが、元より全種類集めようという意図はありません。昔入手した実生デンシフロラムを長く育てていましたから、パキポディウム自体に愛着があります。園芸店やイベントでパキポディウムの可愛らしい苗を見ると、ついつい買ってしまうのです。そんなこんなで、去年入手したのが「魔界玉」こと"Pachypodium makayense"です。
マカイエンセは国内ではそれほど流通していないようで、園芸店では見かけないパキポディウムです。私は五反田TOCのビッグバザールで入手しましたが、特に探していたわけではないにも関わらずたまたま目に入ったもので、なんとも非常に幸運でした。

DSC_1649

魔界玉はマダガスカル南部のTulear州のMakay山に分布します。
このMakay山から、"魔界"玉と命名されたのでしょう。

DSC_1650
トゲは赤味を帯びます。新しいトゲはより赤味が強いのですが、古いトゲの色が抜けただけなのかもしれません。強光で赤味が増したら面白いのですがね。まだ、よくわかりません。

DSC_1651

意外にもパキポディウムには毒があるようですが、パキポディウム属はキョウチクトウの仲間ですから、良く考えたら当たり前のことなのかもしれません。

魔界玉の学名は2004年にはじめて命名されましたから、かなり新しい種と言えます。この時は独立種と考えられ、Pachypodium makayense Lavranosとされました。しかし、同年にロスラツムの亜種、つまりはPachypodium rosulatum subsp. makayense (Lavranos) Lüthyとされ、これが現在の正式な学名です。
しかし、遺伝子解析の結果では、魔界玉はP. rosulatum subsp. rosulatumよりもP. densiflorumやP. brevicauleと近縁とされています。今後、パキポディウム属の分類は大きく変わる可能性があります。

多肉ブームで現地球が沢山輸入されましたが、最近では国内実生苗も沢山売られています。多肉植物に力を入れている園芸店では、P. succulentumやP. bispinosumあたりはカクタス長田さんの実生苗がミニ多肉としてあったりします。五反田TOCのビッグバザールでは、P. inopinatumが沢山あって驚きました。他にもP. makayenseや新種のP. enigmaticumまで実生苗が販売されていて驚きます。流石にP. saundersiiやP. windsoliiあたりは少ないものの、入手可能です。園芸店の入荷情報をチェックして、P. brevicalyx、P. brevicaule subsp. leucoxantumあたりは入手しました。何の気なしに園芸店を覗いて見つけたのは、P.
 eburneum、P. densiflorum、P. horombense、P. rosulatumあたりです。他にも縦長に育つタイプのパキポディウムは販売されていますが、いまいち食指が動きません。当分は手持ちの管理に専念することとします。
そういえば、パキポディウム属の分類を調べた面白い論文を見つけましたから、明日の記事にする予定です。



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サキュレンタムPachypodium succulentumは南アフリカ原産のパキポディウムです。天馬空という名前もあります。
パキポディウムはマダガスカル原産の種類が多く、デンシフロルムPachypodium densiflorum、恵比寿笑いPachypodium brevicaule、ロスラツムPachypodium rosulatum、グラキリウスPachypodium graciliusなど有名種はだいたいそうです。マダガスカル原産ではない、南アフリカなどアフリカ南部原産の種類はサキュレンタム、ビスピノスムPachypodium bispinosum、光堂Pachypodium namaquanum、白馬城Pachypodium saundersii、レアリィイPachypodium lealiiなどがあります。この中ではサキュレンタムに近いのは、遺伝子解析の結果ではビスピノスムです。
マダガスカル原産種のパキポディウムは枝は太く、花が咲くと3つに別れます。しかし、サキュレンタムやビスピノスムは細い枝がヒョロヒョロ伸びます。


DSC_0558
2021年10月
購入時。すぐに植え替えました。


DSC_0800
2022年2月
購入から4ヶ月後。葉が緑色のまま、パラパラ落ちるのでとても心配になりました。根腐れの恐れもありました。

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2022年5月
かなり心配していたのですが、根の状態を確認するために4月に植え替えました。良く見ると、鉢がひし形にゆがんでいました。抜いてみたところ、塊根が巨大化しており、鉢底に当たっていました。どうも、鉢がゆがんでいたのは、塊根が大きくなりすぎていたようです。葉が緑色のまま落ちたのは、それが原因のような気もします。大きい鉢に植え替えて、塊根も少し出しました。しかし、秋から冬の間にこんなに生長するとは想定外です。生長著しいので、来年も植え替える必要があるかもしれません。近縁種のP. bispinosumも育てていますが、こうなっていないか心配です。

サキュレンタムの学名が最初に命名された時はパキポディウムではありませんでした。1782年に命名されたEchites succulentus L.fil.です。ちなみにパキポディウム属は1830年の創設で、この時にPachypodium succulentum (L.fil.) Sweetとされました。これが、現在学術的に認められている正式な学名です。同じく1830年にBelonites succulentus (L.fil.) E.Mey.も命名されましたが、認められておりせん。また、Pachypodium succulentum Steud.も知られていますが、こちらは由来がよく分からない学名で、当然ながら認められていない学名です。
サキュレンタムにはその他にも、沢山の異名があります。命名から早い順に、1830年に命名されたPachypodium tuberosum Lindl.、1837年に命名されたPachypodium tomentosum G.Don、1840年に命名されたEchites tuberosus Haw. ex SteudBarleria rigida Spreng. ex Schultdl.、1932年に命名されたPachypodium griquense L.BolusPachypodium jasminiflorum L.Bolusが知られています。



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パキポディウム・デンシフロルム(Pachypodium densiflorum)が開花しました。我が家のパキポディウム13種類の中では一番早い開花です。

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花茎はまだ7本。

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一番花。

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つぼみはパラソルの様。


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2020年の3月にザ・ガーデン本店ヨネヤマプランテーションへ行きましたが、その時に恵比寿笑いの白花種を購入しました。
ラベルには小さくレウコキサンツムとあります。恵比寿笑いの亜種です。学名は、Pachypodium brevicaule subsp. leucoxanthumです。

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2020年3月
購入時。まだ、恵比寿笑いらしさのない小苗です。用土がカチカチでしたから、すぐに植え替えました。

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2020年11月
なんとなく、恵比寿笑い感が出てきました。葉はもりもり出て、他のパキポ苗より元気なくらいでした。11月なので葉はだいぶ落ちています。

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2021年9月
だいぶ太ってきました。葉色がいまいちで、少し肥料不足かもしれません。

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2022年1月
すっかり葉は落ちました。今年、植え替え時かも知れません。
そろそろ花が見たいところです。

他のパキポディウムの記事はこちら。



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カクチペスはマダガスカル原産のパキポディウムです。ロスラツムの変種(Pachypodium rosulatum subsp. cactipes)とされることが多いようです。しかし、Gbifでアクセプトされた学名はPachypodium cactipesとされています。

さて、そんなカクチペスを手に入れたのは2020年の3月、ザ・ガーデン本店ヨネヤマプランテーションでした。多肉植物BIG即売会があり、なにやらパキポディウムが沢山あったのでついつい買ってしまいました。
時期的には買い時ではないのですけどね。

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2020年3月
すぐに引き抜いて根の状態を確認して、植え替えました。その後、無事に葉が出てきて一安心。

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2020年11月
8ヶ月後。生長し一回り大きくなりました。
寒くなり葉はだいぶ落ちています。

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2021年9月
2年で枝分かれしました。
上に伸びるより、どんどん太くなります。

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2021年12月
すっかり葉は落ちました。
どんどん太くなります。将来が楽しみです。
来年は花が咲いてくれると嬉しいのですが、まだ早いでしょうかね?

他のパキポディウムの記事はこちら。


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