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カテゴリ: サボテン

本日は2013年に発表された論文『Gymnocalycium mostii aggregate : Taxonomy in the northern part of its distribution area including newly described taxa』をご紹介します。著者はチェコの植物学者であるRadomír Řepka & Peter Kouteckyです。
論文の趣旨は、Gymnocalycium prochazkianum、Gymnocalycium simile、Gymnocalycium simplexの3種について、その形態や分布、ゲノムサイズの調査により、3種の関係性を考察しています。

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Gymnocalycium prochazkianum

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Gymnocalycium prochazkianum
                                    subsp. simile
            (=G. simile)


ここで、タイトルにあります"Gymnocalycium mostii aggregate"、つまりは「ギムノカリキウム・モスティイ集群」とは何かという話をしましょう。G. mostiiとはいわゆる「紅蛇丸」のことですが、現在G. mostiiには亜種や変種が認められておりません。つまりは、黒豹丸G. mostii var. kurtzianumも、ただのG. mostiiと同一視されています。さらには、G. bicolorやG. prochazkianum、G. simile(G. prochazkianum subsp. simile)、G. simplex(G. prochazkianum subsp. simplex)も、現在ではG. mostiiに集約されてしまっているのです。気を付けなければならないのは、紅蛇丸と言った場合はG. mostiiのことですが、G. mostiiと言った場合は紅蛇丸を示すとは限らないことです。単にG. mostiiと言った場合には、G. bicolorやG. prochazkianumなども含んだ学名だからです。ただ、その場合のG. mostiiはかなりの変異幅を持っていますから、「集群」という表現となっているのでしょう。しかし、研究者は論文でもG. prochazkianumやG. bicolorの学名を使用しています。やはり、不便なのでしょうか? 必ずしもG. mostiiとする統一見解があるわけではないのかもしれません。まあ、学名なんてそのうち変わるかもしれませんけどね。
※集群 : 亜属内の何らかの集合。

さて、内容に入る前にギムノカリキウム属について、簡単に解説します。2011年の論文でPablo H. Demaioはギムノカリキウム属を7つの亜属に分けました。その1つであるScabrosemineum亜属は共通する種子の特徴があるそうです。この特徴はG. mostiiグループにも見られますが、種子の色や葯やフィラメントの色の違いにより、G. mostiiグループは8つに分けられるとされます。
G. mostii sensu stricto
        ※狭義のG. mostii
G. mostii f. kurtzianum
G. mostii var. miradorense
G. mostii subsp. valnicekianus
G. bicolor nom.inval.
        ※nom.inval.=規約に従わない無効名
    =G. mostii subsp. bicolor
G. genseri nom.nud.
        ※nom.nud.=裸名
G. prochazkianum
    =G. mostii subsp. prochazkianum
G. bicolor var. simplex nom.prov.
       ※nom.prov.=正名がつくまで有効な学名

G. mostiiグループはアルゼンチンのコルドバ州とサンティアゴ・デル・エステロ州に分布します。
G. bicolor var. simplexは"Northern bicolor"とも呼ばれ、G. bicolor(s.str.)やG. prochazkianumとは形態が異なります。しかし、種子リストではG. prochazkianumとG. bicolor var. simplexの中間的な移行形態も見られるそうです。

さて、論文では形態的な比較もしており、例えば全体のサイズはprochazkianum<simile ≦simplex、稜の数はp
rochazkianum<simile <simplex、トゲの数はprochazkianum<simile<simplex、トゲの長さはprochazkianum<simile<simplex、果実のサイズはprochazkianum>simile >simplexなど、G. simileはG. prochazkianumとG. simplexの中間的な特徴を示し、G. simileの交雑により誕生した可能性を示唆しています。ただし、種内の特徴の変動幅を見た場合、意外にも交雑を疑われるG. simileよりG. prochazkianumの方が変動幅が高いことがわかりました。
次にG. prochazkianumは太く長い貯蔵根があり、G. simileも似たような根を持つことがありますが、G. simplexはわずかに肥厚することはありますが根は分岐します。

自生地ではG. simplexは平らな球形から半球形で土壌に1/2ほど埋まりますが、古い個体は完全に地上に露出します。G. prochazkianumは古い個体でも最大3/4は土壌に埋まります。G. simileは自生地の集団により、土壌に埋まったり露出したりします。
また、種子の形状ではG. simileとG. simplexはほぼ同じなんだそうです。


ここで、ゲノムサイズの解析について解説します。どうやらフローサイトメトリーにより解析を行ったようです。フローサイトメトリーはフローサイトメーター(FACS)という機器を用います。これは細胞にレーザーを当てて、その特徴を分析する機器です。FACSが優れているのは、数千~数万という細胞を短時間で解析可能であることです。
このFACSを用いた解析では、G. prochazkianum、G. simile、G. simplexは、すべて二倍体であることがわかりました。Scabrosemineum亜属は基本的に二倍体ですが、四倍体も知られていたため確認したみたいです。これは異なる倍数体同士では交配しない可能性があるため、同じ二倍体であることが交雑可能性の否定的要素の除外として重要だったみたいですね。


分布域を比較すると、G. prochazkianum、G. simile、G. simplexのそれぞれ離れており、連続していません。3種の中ではG. prochazkianumが最南端に分布します。
①G. prochazkianumはアカシアが優勢である低木地帯に生えます。低木により遮光される環境に育つことがあります。土壌は瓦礫地で花崗岩と花崗岩の崩壊物からなり、非常に低栄養で強く乾燥します。G. prochazkianumはこの極端な環境によく適応しています。太く長い貯蔵根は環境への適応により発達したのかもしれませんね。
②G. simplexはG. prochazkianumよりも北に分布し、比較的大きな分布域を持ちます。花崗岩の崩壊による砂質の土壌に育ちます。G. simplexはあまり埋まらず、直射日光にさらされます。G. simplexはG. prochazkianumと同様に栄養素の乏しい土壌です。
③G. simileはG. prochazkianumとG. simplexの生息域の間に分布し、生息域は繋がっておりません。石の多い斜面の低木地帯に生えるためG. prochazkianumに地質学的条件は似ています。岩石は花崗岩質で、花崗岩が崩壊して出来た砂質の土壌でも育ち、生態学的にはG. simplexに似ています。


ここまでの内容の結論としましては、G. simileはG. prochazkianumとG. simplexの自然交雑種である可能性が高いということです。
考えたこととして、これはただの雑種ではないかもし知れないということです。通常は雑種を防ぐ生態的あるいは発生学的な防壁があり、近縁種が混ざって生えていても、交雑は起きません。もし雑種が出来ても不捻と言って、雑種には発芽可能な種子が出来ないことが多いようです。しかし、ギムノカリキウム属は簡単に雑種が出来てしまい、雑種でも種子を作り増えることが出来ます。どうも自然交雑がギムノカリキウム属の進化に深く関わっているように思えます。交雑しても地理学的な隔離があれば、独立種としての道筋を辿るのではないでしょうか。そもそも、ギムノカリキウム属は短期間に進化したらしく、遺伝子解析による分離がいまいちなグループです(Demaio, 2011)。自然交雑が進化の起爆剤となっているのかもしれません。


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Gymnocalycium esperanzaeは2011年に命名された、割と発見が新しいサボテンです。しかし、G. esperanzaeの命名者であるRadomír Řepkaが2012年に発表した『GYMNOCALYCIUM ESPERANZAE : A NOTHOSPECIES?』という論文では、交雑種の可能性があるという指摘をしています。

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Gymnocalycium esperanzae

論文では遺伝子解析をしていますが、その前にギムノカリキウムの分類について簡単に説明します。ギムノカリキウム属の分類は必ずしも統一見解があるわけではないようですが、ギムノカリキウム属全体の遺伝子を解析した2011年のPablo H.Demaioの論文『MOLECULAR PHYLOGENY OF GYMNOCALYCIUM (CACTACEAE) : ASSESSMENT OF ALTERNATIVE INFRAGENERIC SYSTEMS, A NEW SUBGENUS, AND TRENDS IN THE EVOLUTION OF THE GENUS』によると、以下の様な分子系統となっているようです。ギムノカリキウム属は7亜属に分けられています。今まではギムノカリキウム属は種子の特徴から分類されてきましたが、遺伝子解析の結果と一致していました。ちなみに、このDemaioの論文はŘepkaも参照としています。

            ┏━━Subgenus Gymnocalycium
        ┏┫
    ┏┫┗━━Subgenus Trichomosemineum
    ┃┃
┏┫┗━━━Subgenus Macrosemineum
┃┃
┃┗━━━━Subgenus Scabrosemineum

┫┏━━━━Subgenus Muscosemineum
┣┫
┃┗━━━━Subgenus Pirisemineum

┗━━━━━Subgenus Microsemineum

さて、それでは『GYMNOCALYCIUM ESPERANZAE : A NOTHOSPECIES?』の内容に戻ります。種子の特徴からは、G. esperanzaeはScabrosemineum亜属とされます。Scabrosemineum亜属の種子は0.6-1mmと小さく褐色、植物はしばしば大型で根はnapiform(かぶら状)とされています。
しかし、著者はG. esperanzaeは、G. bodenbenderianumとG. castellanosiiの自然交雑種ではないかと推測しています。G. castellanosiiはScabrosemineum亜属ですが、G. bodenbenderianumはTrichomosemineum亜属であり、驚くべきことにあまり近縁ではありません。G. castellanosiiとG. bodenbenderianumは広い分布域を持ちますが、その分布が重なる点にG. esperanzaeが生じているようです。
しかし、自然交雑は植物の進化において一般的なこと(Ellstrand et al.2008)であり、環境に適応して種分化の機会を生み出す力である(Anderson 1949, Arnold 1997, Rieseberg 1995, 1997, Rieseberg & Carney 1998)とする意見が多いそうです。サボテン科の進化には、自然交雑による倍数体化(遺伝子が重複)が重要とされています(Friedrich 1974, Pinkava 2002, Machado 2008, Mottram 2008)。ですから、G. esperanzaeはただの雑種ではなく、新種が生まれつつあるのかも知れないということです。交雑自体は割と新しく起きた可能性があります。

では、実際の①G. castellanosii(subsp. armillatum)、②G. esperanzae、③G. bodenbenderianumの特徴を比較してみましょう。

種                   ①                ②                ③
根                   枝分かれ    かぶら状    かぶら状
中央の棘       1-3本           0本              0本
若い棘           黒                黒                 褐色
雄しべ           ピンク        淡い緑色     淡い緑色
種子の形       丸~卵形    丸~卵形     帽子形
種子の色       黒                黒                 褐色
種子の光沢   +                  +                   +++    
種子の表面   少し凸状    少し凸状     平ら
Elaiosome    -                -                  +

G. esperanzaeの種子の特徴はG. castellanosiiと似ていますから、Scabrosemineum亜属とされたわけですが、根や棘、雄しべの色はG. bodenbenderianumに似ています。しかし、遺伝子解析の結果ではG. bodenbenderianum、G. ochoterenae、quehlianum、G. intertextumなどのTrichomosemineum亜属と近縁であることがわかりました。
つまり、伝統的な種子の分類ではScabrosemineum亜属なのに、遺伝子的にはTrichomosemineum亜属であるということです。面白いですね。
ちなみに、Elaiosomeとは種子に付いている蟻を呼ぶための栄養分のことです。これはサボテンに限らず植物の種子に広く見られるもので、蟻がElaiosomeを目的に種子を巣に運び込みます。種子は土中に入ることにより発芽しやすくなります。
生態的にはG. bodenbenderianumは砂質の平野部の低木の陰に生えますが、G. castellanosiiは低い丘の荒い砂利状に生えます。G. esperanzaeは丘や山の尾根、岩や砂利質など、G. castellanosiiに近いということです。

以上でGymnocalycium esperanzaeについての論文紹介は終了です。種子の特徴からはScabrosemineum亜属ですが、遺伝的にはTrichomosemineum亜属というちぐはぐさからは、確かに交雑を疑いたくなります。しかし、遺伝子解析も2種類の遺伝子をみただけですから、交雑を調査するための解析はしていません。ですから、まだこの結論は確実とは言えないでしょう。まだ、議論すべき点は残っているように思われます。


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2021年に開催された冬のサボテン・多肉植物のビッグバザールで、あまり見かけないギムノカリキウムを入手しました。ラベルには「Gymnocalycium esperanzae VoS 1791」とありました。どうやら輸入物ということですが、どう見ても実生苗ですから海外のファームで播種されたもののようです。あまり情報はないようですから、少し調べてみました。

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名札には「VoS 1791」とあります。これは、フィールド・ナンバーと言って、採取情報がわかります。調べてみましたが、"VoS"は採取人の名前の略で、この場合は「Volker Schädlich」の略です。VoSナンバーは略されがちですから、「VoS 1791」では調べても詳細はわからない可能性が高いので、Gymnocalycium esperanzaeのフィールド・ナンバーの一覧を見てみました。そしてヒットしたのが、"VoS 14-1791"です。

Field number: VOS 14-1791
Collector: Volker Schädlich
Species: Gymnocalycium esperanzae
Locality: Corral de Isaac, La Rioja, Argentina
Altitude: 519m
Date: 2014


フィールド・ナンバーを調べると、採取人や採取地点などの情報がわかります。場合によっては、高度や採取年月日も記載されています。

次にGymnocalycium esperanzaeの学名を調べてみました。学名は2011年に命名されたGymnocalycium esperanzae Řepka & Kulhánekです。命名者は正確には、Radomír Řepka & Tomáš Kulhánekのことです。どうやら、論文の記載に際して"TOM 09-436/1"(=RER 434)というフィールド・ナンバーの個体を元にしたようです。早速、調べてみました。

Field number: TOM 436.1
Collector: Tomáš Kulhánek
Species: Gymnocalycium esperanzae
Locality: W of Nuevo Esperanza, La Rioja, Argentina

エスペランザエという種小名は、"
Nuevo Esperanza"という地名から来ていることがわかります。

しかし、Gymnocalycium esperanzaeは産地によっては白い粉に覆われます。Gymnocalycium esperanzaeは生息域が狭い割に、個体差が大きいとされているようです。
このように色々と情報を漁っていたところ、エスペランザエに関する面白い論文を見つけました。その内容は明日、記事にする予定です。議論を呼ぶ内容で大変興味深いものです。



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ボルシーはアルゼンチン原産のギムノカリキウムの一種です。現在では九紋竜Gymnocalycium gibbosumの亜種とされているようです。

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Gymnocalycium gibbosum subsp. borthii

九紋竜の学名は1844年に命名されたGymnocalycium gibbosum (Haw.) Pfeif. ex Mittlerです。しかし、この種小名gibbosumが最初に命名されたのは1816年のことです。gibbosum系の学名は以外の様な経過をたどりました。
1816年 Cactus gibbosum Haw.
1826年 Cereus gibbosum (Haw.) Sweet
1828年 Echinocactus gibbosum (Haw.) DC.
1844年 Gymnocalycium gibbosum
                                       (Haw.) Pfeif. & Mittler


G. gibbosumには沢山の異名がありますが、現在は認められておりません。あまりに異名が多いので、亜種、変種、品種を除いたリストを以下に示します。
1828年 Cereus reductus DC.
1830年 Echinocactus nobilis Haw.
1837年 Echinocactus mackieanus Hook.
1850年 Echinocactus leucodictyus Salm-Dyck
1925年 Gymnocalycium brachypetalum Speg.
              Gymnocalycium chubutense (Speg.) Speg.
1931年 Echinocactus brachypetalum
                                          (Speg.) Werderm.            
1995年 Gymnocalycium mackieanum
                   (Hook.) Metzing, Mereg. & R. Kiesling
2006年 Gymnocalycium dubniorum Halda & Milt

さて、次にボルシーの学名は2005年に命名されたGymnocalycium gibbosum subsp. borthii (Kloop ex T.Hill) G.J.Charlesです。初めて命名されたのは、1987年のGymnocalycium borthii Kloop ex T.Hillですが、上記の如く2005年にG. gibbosumの亜種とされました。



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シャボテン新図鑑
shabomaniac!
2022-05-22

昔は今の様に多肉植物は沢山売られていませんでしたから、私もサボテンを集めたりしていました。枯らしたり引っ越したりして置き場がなかったりと、まあバタバタして今では極少数を維持するだけになりました。その後は公私で忙しく、永らく園芸店からも足が遠退いていました。しかし、最近知らない間に多肉ブームがあったらしく、図鑑でしか見たことがない珍しい多肉植物が売られるようになり、3年前くらいから多肉植物を再開したわけです。時代はベンケイソウ科やアガヴェ、コーデックスが流行りですが、サボテンも地味に今まで見なかった様な種類が売られていたりします。私もギムノカリキウムの平たく育つものは、見かけるとついつい購入してしまいます。
そんな中、園芸店ではまず見かけないギムノカリキウムをイベントで入手しました。それが、プロチャズキアナムです。個人的な話で申し訳ないのですが、私は学名はラテン語読みが好みなので、以降は「プロカズキアヌム」と記述させていただきます。

さて、プロカズキアヌムは1999年に発見されましたから、割と新しい種類です。いや、20年以上前だろうと思うかもしれませんが、サボテンの学名の命名自体は1753年から始まっていますから、まだ新種が見つかるということに驚きがあります。それはそうとして、プロカズキアヌムの学名は最初は1999年に命名されたGymnocalycium prochazkianum Šormaです。しかし、海外含めてプロカズキアヌムはあまり情報がありません。仕方がないので、プロカズキアヌムの原産地の情報を探すために、採取情報が記載されているフィールドナンバーを探してみました。そこで、プロカズキアヌムを命名したŠormaが採取したとおぼしき採取個体の情報を見つけました。

Field number: VS 141
Collector: Vladimír Šorma
Species: Gymnocalycium prochazkianum
Locality: Quilino, Cordoba, Argentina
Altitude: 600m


このVS141が1999年にプロカズキアヌムが命名された際の個体かもしれませんね。
ここで、一旦私の所有個体を紹介します。


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Gymnocalycium prochazkianum

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Gymnocalycium prochazkianum
                                         subsp. simile VoS1417

下の個体はプロカズキアヌム亜種シミレですが、フィールドナンバー付きです。ともに、白い粉をまとった暗い色合いで平たい特徴は同じです。
そういえば、プロカズキアヌムには亜種があり、2006年に命名されたGymnocalycium prochazkianum subsp. ivoi Halda & Milt、2013年に命名されたGymnocalycium prochazkianum subsp. simile 
ŘepkaGymnocalycium prochazkianum subsp. simplex Řepkaがあります。

私の所有するプロカズキアヌム亜種シミレのフィールドナンバーは"VoS1417"ですが、これが不思議と情報がありません。ただ、フィールドナンバーを収集して検索できるサイトはいくつかありますが、すべてのフィールドナンバーが登録されている訳ではありませんから、こういうこともあります。しかし、VoSナンバーは"VoS00-0001"の様な形式が通常な気がしますから、何かおかしな感じもします。よくよくVoSナンバーの一覧を調べてみたのですが、"VoS13-1417"を見つけました。

Field number: VOS 13-1417
Collector: Volker Schädlich
Species: Gymnocalycium prochazkianum
Locality: South of Orcosuni, Cordoba, Argentina
Altitude: 743m
Date: 2013

おそらくはこれが正式なフィールドナンバーでしょう。以前、私の入手した他のサボテンでもやはりこのようにフィールドナンバーは略されるものがありましたから、まぁまぁあることなのかもしれません。しかし、いざ情報を探す段となった時に、このように略されてしまうと困ってしまいますね。
ちなみに、フィールドナンバーのデータでは、亜種シミレという記載ではありません。どうしてでしょうか? これは、簡単な話で採取時点の学名が記載されるからです。採取されたのが2013年で、亜種シミレが命名されたのも2013年ですから、採取時点では亜種シミレという学名は存在しなかったのでしょう。こういうことは良くあることなので、注意が必要です。学名が変更になった場合でも、フィールドナンバーは採取時点の学名で登録されていますから、現在ではまったく異なる学名であることは珍しくありません。

さて、ここまでプロカズキアヌムについて調べてきましたが、実のところG. prochazkianumという学名は現在認められておりません。プロカズキアヌムは2002年にはGymnocalycium valnicekianum subsp. prochazkianum (Šorma) T.Hill & Amerh、2013年にはGymnocalycium mostii subsp. prochazkianum (ŠormaG.J.Charlesと紅蛇丸Gymnocalycium mostiiの亜種とする意見もありました。
しかし、現在ではプロカズキアヌムは紅蛇丸Gymnocalycium mostii (Gürke) Britton & Roseと同一種とされています。G. mostiiは現在は亜種や変種が認められておりません。ただし、明らかに特徴の異なるプロカズキアヌムが亜種や変種扱いされていないのは、不自然にも感じます。G. bicolorや黒豹玉G. mostii var. kurtzianumなども、G. mostiiに集約されている状態ですから、これから整理がされていく可能性はあるように思えます。


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最近、ギムノカリキウムのうち、平べったく育つ瑞昌玉、竜頭、武勲丸、バッテリーといったあたりについて、情報をまとめて来ました。

G. quehlianumについて
G. ochoterenaeについて

今回は怪竜丸についてです。怪竜丸は昔から国内でも流通しているギムノカリキウムの一種です。ただし、その出自などは謎に包まれています。


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怪竜丸

快竜丸?怪竜丸?
ネットでは怪竜丸あるいは快竜丸の名前で売られていますが、混同されているパターンと、区別されているパターンがあります。
ここでは、まず「優型ギムノを守る会」という、1961~1978年にかけて存在した会の会誌を参照にしてみます。
「快」竜丸は戦前からG. bodenbenderianumの学名で栽培されてきましたが、肌も明るい色でトゲは立ち上がり、鳳頭に近い雰囲気があります。鉄冠という呼び方もあります。
「怪」竜丸は戦後にG. bodenbenderianumの学名で輸入されてきた個体に付けられた名前です。肌は暗くトゲは張り付くように付きます。会誌では快竜丸Bタイプ=怪竜丸ということです。
私の所有個体は「怪」竜丸の方ですね。


園芸名と学名の関係
輸入されてきた時は、G. bodenbenderianumでしたが、本やサイトにより異なる学名がついている事があります。
ギムノフォトプロムナードの記事によると、G. bodenbenderianumは守殿玉に当てられ、怪竜丸にはG. basiatrumが当てられています。欧州の種子販売リストでは、G. bodenbenderianumとG. basiatrumが業者により混在しているみたいです。

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守殿玉

しかし一番の問題は、怪竜丸が分類学上の種を示してはいないということです。輸入されたある特徴を持ったタイプに怪竜丸の名前がついただけで、ある種類全体についた名前ではないからです。
原種や亜種、変種にそれぞれ園芸名がつけられることは良くあることです。しかし、怪竜丸がG. basiatrumの1タイプであるとして、G. basiatrumという種全体を怪竜丸と呼ぶことは出来ないからです。なぜなら、G. basiatrumとして採取された個体が、全て怪竜丸の特徴を持っているわけではないからです。
あくまで、怪竜丸はG. basiatrumの1タイプについた名前でしかないということです。
DSC_1496


学名
怪竜丸の学名は2014年に命名されたG. basiatrum F.Berger, Amerh. & Sedlmeierで、守殿玉の学名は1929年に命名されたGymnocalycium bodenbenderianum (Hosseus ex A.Berger) A.Bergerです。
G. bodenbenderianumは異名が多く私が確認しただけで実に24もありました。有名どころのみを列挙してみます。

1959年 G. triacanthum Backeb
1962年 G. occultum Frick ex 
Schütz
    →1996年 G. stellatum subsp. occultum
                         Frick ex H.Till & W.Till

    →2008年 G. occultum
                   (Frick ex H.Till & W.Till) H.Till

1966年 G. kozelskyanum Schütz
    →1991年 G. riojense subsp. kozelskyanum
                         
Schütz ex H.Till & W.Till
1966年 G. moserianum Schütz
    →2008年 G. intertextum f. moserianum
                                                  J.G.Lamb.

1966年 G. asterium var. paucispinum Backeb.
    →1975年 G. stellatum var. paucispinum
                                 (Backeb.) R.Strong
    →1991年 G. riojense subsp. paucispinum
                           Backeb. ex 
H.Till & W.Till
    →2008年 G. paucispinum
                   (
Backeb. ex H.Till & W.Till) H.Till
1982年 G. piltziorum Schütz
    →1991年 G. riojense subsp. piltziorum 
                                  Schütz ex H.Till & W.Till
1991年 G. riojense Frick ex H.Till & W.Till

最後に
ここのところ、G. quehlianum、G. ochoterenae、G.bodenbenderianum、G. basiatrumといった、分類学的にも混乱している割りと似た連中についてまとめて来ました。あとは、G. ragoneseiくらいでしょうか。とりあえずは、この一連のシリーズも終了です。もし、新たに異なるタイプを入手しましたら、改めて記事にはするかもしれません。

そういえば、最近ではサボテンは多肉植物に押されぎみで、イベントではその主役の座を明け渡したように思われます。
しかし、サボテンは代表的な多肉植物で本来は多肉植物の1つなのに、「サボテン・多肉植物」という風にある種の特別扱いをされてきたわけで、さしずめサボテンは多肉植物の王様です。それは、サボテンは種類が多く、他の多肉植物と比べて日本に入ってきた時期が早かったため、広く普及したことなどがあげられます。
しかし、近年の多肉植物ブームでサボテンは大分影が薄くなったのは様々なサボテン以外の多肉植物も次々と日本に入ってきたことが理由でしょう。
とは言うものの、若い人も含めて明らかに多肉植物ファンは増えていますから、関連してサボテンに興味を持つ人もいるはずです。なんだかんだ言って、実の所ではサボテン人口も増えている様な気もします。
まあ、私は流行りどころに疎く、流行りに上手く乗れないので、不人気種ばかり追いかける羽目に陥り勝ちですけどね。



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先日の夏のサボテン・多肉植物のビッグバザールで武勲丸を入手しました。武勲丸の学名はGymnocalycium ochoterenaeと言われています。しかし、ギムノカリキウム・バッテリーやインターテクスツムの学名もGymnocalycium ochoterenaeであると言われることがあります。どういうことなのでしょうか?
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武勲丸

先週、瑞昌玉の学名がGymnocalycium quehlianumかもしれないね、くらいの内容について記事にしました。そこで、G. quehlianumに近縁とされるG. ochoterenaeについても調べたわけで、ちょうど良く武勲丸を入手したこともあり記事にしてみました。

園芸名と学名の関係
武勲丸はギムノカリキウム属のサボテンです。しかし、ギムノカリキウムはギムノカリキウム属内の交雑が簡単にできることから、昔から趣味家の間でも交配が行われてきました。そのため、由来のわからない交配種が溢れ、どれが元々の交雑していない株かわからなくなるという悲劇が起こりました。これは、特に武勲丸、バッテリー、怪竜丸、瑞昌玉、竜頭あたりで顕著だったかのかもしれません。これらは、元々良く似ていて判別が難しい部類だからです。そのため、趣味家の集まりで各種の特徴を抽出して、その特徴を持つ系統の維持が行われました。これ自体は素晴らしい事なのですが、特徴を維持するために結果的に選抜が行われたとも言えます。本来、実生すると純系の株でも子株の特徴にはばらつきが出ます。ある程度の幅があるのが当たり前なのです。しかし、選抜が行われると園芸上好ましい特徴を持つ株以外は淘汰されるため、その種が本来持つ多様性を失わせてしまいます。とはいえ、この系統維持が行われなかったら、ギムノカリキウムは由来不明の交雑種ばかりになっていたかもしれませんから、感謝しなくてはなりません。

この選抜が行われてきた武勲丸たちは、現在学名がわからなくなっています。というのも、園芸名は輸入されてきたある特徴を持つ株に付けられ、しかも選抜されてきた結果だからです。原産地の野生株はかなりの変異幅があり、日本の選抜株と照合はなかなか難しいのです。そもそも、輸入されてきた現地球には学名が付けられてきているはずですが、実はそれも怪しいかもしれません。当時と現在では学名はかなり変わっていますから、業者によりあるいは時代により、様々な学名で呼ばれていた可能性があります。実際に現在の海外の有名種子業者の学名も業者によりまちまちで、同じ種を異なる学名で呼んでいるという事実があります。ただし、現状では武勲丸はオコテレナエ(G. ochoterenae)とされているようです。それがどれほど正しいかは、良くわかりません。
学名は1936年に命名されたGymnocalycium ochoterenae Backeb.です。

バッテリーとインターテクスツム
The World Checklist of Vascular Plants』によるとバッテリーとインターテクスツムは、やはりG. ochoterenaeとされています。ただし、Gymnocalycium quehlianumと同様にまだレビュー中とされているようです。G. ochoterenae全体としてはバッテリーやインターテクスツムは異名扱いですが、バッテリーやインターテクスツムの個別の詳細情報を見ると、未だに"Not Accepted"となっていないようです。まだ別種、あるいは亜種や変種扱いとされる目は残っているのかもしれません。

バッテリーは1950年に命名されGymnocalycium vatteri Buinigとされましたが、1993年にGymnocalycium ochoterenae subsp. vatteri (Buining) Papschとされ、これがAcceptされた名前です。

インターテクスツムは1987年に命名されGymnocalycium intertextum Backeb. ex H.Tillとされ、これがAcceptされた名前です。1993年にはGymnocalycium bodenbenderianum subsp. intertextum (Backeb. ex H.Till) H.Tillという学名もありますが、インターテクスツムはG. bodenbenderianum系ではなくG. ochoterenae系とされたので認められておりません。どうやら、インターテクスツムはかつてGymnocalycium sp. Hig.と呼ばれていたものらしいです。

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バッテリー
一本トゲのイボが目立たない古いタイプ。

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バッテリー
強刺でトゲは3本、平たく育ちイボが目立つ最近のタイプ。

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インターテクスツム

現状では武勲丸とバッテリー、インターテクスツムは同じG. ochoterenaeで、兄弟というかG. ochoterenaeの変異の幅に収まってしまうとされています。しかし、確実な証拠がない状態ですから、いつ変更となるかわかりませんし、その可能性は十二分にあります。場合によっては、近縁とされるG. quehlianumやG. bodenbenderianum、G. basiatrumあたりも交えて大幅に再編されることすら考えられます。
とりあえず、これでG. quehlianumとG. ochoterenaeについては解説しましたから、近日G. bodenbenderianumについても無駄に長い話をしようと思っております。



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 私のメイン多肉はユーフォルビアですから、やはりユーフォルビアばかり集めていますが、実はサボテンも少しずつ集めています。どうにも、ギムノカリキウムGymnocalyciumの扁平な連中がどうにも気になってしまうのです。とは言うものの、TOCのビッグバザール等のイベントにせよ園芸店にせよ、今やサボテンは少数派。今やエケベリアやコーデックス、アガヴェの天下です。ビッグバザールと言えど平べったいギムノカリキウムでは、やはり怪竜丸やバッテリーばかりで、それ以外には中々お目にかかる機会はありません。
そんな中、ルートを調べて園芸店を徒歩でハシゴするという、暇人特有のばかばかしい遊びをしていた時に、侘しい冬の園芸店のビニールハウスに"瑞昌丸"なる名札がついた謎のギムノカリキウムと出会ったのです。


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ラベルには"瑞昌丸"とありましたが、まあ瑞昌玉でしょう。サイズはまだ小さいため、最終的なトゲの強さはまだわかりません。ネットで瑞昌玉を探すと、たまにこのタイプが見つかります。
購入時は非常に弱トゲでしたが、新トゲは明らかに強くなっています。トゲはイボにあまり張り付かず、あまり瑞昌玉らしくありません。ただし、トゲの色は根本が赤く先端が白い典型的な配色。
肌は濃い緑色で、一般的に強光線に弱いとされる色です。実際、購入時に日焼けしてしまい、我が家の環境に慣れるまで1年かかりました。


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次に千葉のイベントでサボテン専門のブースがあり、典型的な瑞昌玉があったので購入しました。
トゲはあまり強くないのですが、太く短いトゲがイボに張り付くように生える典型的な瑞昌玉。ただし、トゲに赤みがないタイプ。肌は艶消し状で緑色は淡い。

学名の謎
さて、瑞昌玉の学名について一席ぶつつもりだったのですが、これが中々どうして難しいのです。そもそも、日本のギムノカリキウムの園芸名と学名がリンクしていないという問題があります。これはややこしいのですが、事の経緯を説明します。
ここでは、仮想のギムノカリキウムとしてAという学名があったとしましょう。このAは産地によりいくつものタイプがあったとしましょう。しかし、これは良くあることなのですが、それぞれのタイプの間の産地には中間的な特徴を持つ個体も存在します。この時に、ある1タイプが日本へ輸入されてきました。このタイプに瑞昌玉という園芸名がつけられました。大抵、Aのある特徴を見て"瑞昌玉"としますから、種子を採った時に園芸上好ましい特徴が出たものを選抜していきます。
しかし、現在地のAは必ずしも園芸上選抜された瑞昌玉とは特徴が一致しないわけです。つまり、瑞昌玉はAの一部ですが、Aの様々なタイプを瑞昌玉とは言えないのです。

さらに言うと、瑞昌玉はGymnocalycium stellatum var. kleinianumあるいはGymnocalycium quehlianum var. kleinianumと言われていますが、実際にはどの学名にあたるのかよく分からないというか、そうではないかと言われているだけなのかもしれません。
まあ、それだけで済めばいいのですが、実際には原産地の瑞昌玉と瑞昌玉と近しいとおぼしき仲間についての学名、G. stellatumG. quehlianumG. asteriumG. bodenbenderianumG. riojenseといったギムノカリキウムは皆良く似ており学術的にも混乱しています。

G. quehlianumに統一?
The World Checklist of Vascular Plants』 によると、1925年に命名されたGymnocalycium stellatum (Speg.) Speg.1957年に命名されたGymnocalycium asterium A.Cast.は、1926年に命名されたGymnocalycium quehlianum (F.Haage ex H.Quehl) Vaupel ex Hosseusの異名としているようです。しかし、よく読むとレビュー中とあります。まだまだ議論があるようです。
そういえば、瑞昌玉だけではなく、竜頭や鳳頭、新鳳頭もG. quehlianumではないかと言われています。単純な個体差を園芸品種として固定したに過ぎないのでしょうか?

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竜頭

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鳳頭

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新鳳頭

論文
2011年に『MOLECULAR PHYLOGENY OF GYMNOCALYCIUM (CACTACEAE) : ASSESSMENT OF ALTERNATIVE INFRAGENETIC SYSTEMS, A NEW SUBGENUS, AND TRENDS IN THE EVOLUTION OF THE GENUS』というギムノカリキウムの系統を調査した論文が出ました。その論文ではフィールドナンバー付きの原産地で採取された株を用いて遺伝子を解析していますが、瑞昌玉が所属すると考えられるTrichomosemineum亜属で示されているのはGymnocalycium quehlianumとGymnocalycium bodenbenderianumだけです。しかし、これは2種類しか調べていないというより、G. stellatumやG. asterium、G. riojenseを学名として認めずに2種に統合しているように思えます。まあ、それほど沢山の株を調べたわけではないようですが。
※論文ではGymnocalycium ochoterenaeが扱われておりませんが、ただ調べていないだけなのか、G. ochoterenaeを認めていない立場なのかはよくわかりません。

遺伝子解析と定規
一般的な話ですが、遺伝子解析する場合はすべての塩基配列を調べているわけではありません。大抵は数種類の遺伝子を解析します。目的によりますが、様々な植物で調べられていて実績がある遺伝子がチョイスされがちです。実は各遺伝子は同じスピードで変異しているわけではなく、変異速度は遺伝子ごとに異なります。例えば、重要な遺伝子ほど変異しにくくなります。これは葉・茎・根などの基本構造や代謝機能を司る遺伝子は、もし変異が入ってしまうと変異の種類によっては生育出来ないので、子孫に変異が伝わることがないからです。ただし、重要な遺伝子でも変異が入っても問題がない場合もありますが、いずれにせよ変異が入りにくい傾向があります。逆に変異が入りやすいのは、重複した遺伝子です。遺伝子のミスコピーにより同じ遺伝子が2つになることがあります。この場合、重複した遺伝子の片方があればその機能を果たすことができますから、もう一つは機能的にいらないので凄まじい勢いで変異が入ります。実はこれが新しい機能を持った新しい遺伝子の進化を引き起こすきっかけだったりします。
それぞれの遺伝子の変異速度は計算できますから、変異が早い遺伝子、変異が遅い遺伝子をある種の定規として目的により選択します。短期間に進化した、例えばここ1000万年で進化したグループに単位が大きい定規(変異の遅い遺伝子)で解析しても違いを捉えられないでしょうし、逆に何億年単位の進化を調べるのに短い定規(変異の早い遺伝子)で解析しても測定出来ません。
ですから、ギムノカリキウムの系統を調べた論文では、恐らくはギムノカリキウム属全体を調べるのに適した長さの遺伝子が定規としてチョイスされているはずです。しかし、進化の末端である、まさに今進化している種分化を見るためには、もっと短い定規が必要です。G. quehlianumの類縁種は急激に拡散して進化した、割りと新しい種と見なされています。つまり、現在は長い定規で計ったので、G. quehlianumとされる種の園芸上では区別されている個体差を判別出来ていないということになります。ですから、短い定規による測定が出来ていない以上、すべてがG. quehlianumとすることはまだ出来ないのです。もしかしたら、まだ細分化される可能性はありそうです。

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瑞昌玉の花

G. quehlianumの経緯
果たして瑞昌玉の学名がG. quehlianumにあたるのかどうかわかりませんが、今は一応そうであると仮定して学名の経緯を見てみます。しかし、G. quehlianumの学名はかなり混乱しており、実にややこしいことになっています。
1925年 Gymnocalycium stellatum
                                          (Speg.) Speg.

1926年 Gymnocalycium quehlianum
      (F.Haage ex H.Quehl) Vaupel ex Hosseus

1957年 Gymnocalycium asterium A.Cast.
このうちG. quehlianumに集約されました。学名は命名が早いものが優先されますが、一見すると1925年に命名されたG. stellatumになりそうな気がします。しかし、G. quehlianumは1899年にEchinocactus quehlianum F.Haage ex H.Quehlとして命名され、1926年にギムノカリキウム属に移動しました。ですから、G. quehlianumが一番早い命名なので、これが正式な学名となっています。
ややこしいのはここからで、例えばG. occultum=G. stellatum subsp. occultum=G. bodenbenderianumだったり、G. stellatum var. zantnerinum=G. quehlianum var. zantnerinum=G. quehlianumだったりします。このように、G. quehlianum、G. stellatum、G. bodenbenderianum、G. asteriumあたりは、どれかがどれかの亜種や変種として捉えられて来た経緯があります。本当にややこしいのですね。

学術的にもまだレビュー中ですからまだはっきりしたことは言えません。しかし、中々こういうある種の"役に立たない(=産業利用しにくい=金にならない)"タイプの研究は中々進展しない傾向があります。ただの一趣味家に過ぎない私などからしたら、いつの日か研究が進み整理されることを願うしかありませんけどね。



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植物は葉緑体を持ち光合成をします。光合成は植物の基本的なエネルギー獲得システムであり、植物の緑色や赤色は葉緑体に含まれる光合成色素の色が現れたものです。そんな植物の中でも、乾燥地に生える多肉植物は、特別な光合成システムを獲得しています。簡単に解説して行きます。
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光合成の基本システムとC3植物
まず、光合成を簡単に説明します。水と光エネルギーからNADPに水素をつけてNADPHとする光化学系Iと、ADPにリン酸をつけてATPとする光化学系IIがあり、副産物としてできる酸素を放出します。この、光と水からNADPHとATPを作る反応を明反応と言います。さらに、NADPHとATPのエネルギーを用いて、二酸化炭素をカルビン・ベンソン回路に取り込んで、ブドウ糖を合成する反応を暗反応と言います。この時に光が必要なのは明反応で、暗反応は明反応で作られたNADPHとATPがあれば光がなくても作動します。これが光合成の基本ですが、二酸化炭素がカルビン・ベンソン回路に入ると3個の炭素からなる物質に変換されることから、このシステムで光合成する植物をC3植物と言います。日本に生える植物の多くはC3植物です。
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呼吸
注意が必要なのは、光合成で作られたブドウ糖はそのままではエネルギーにはならないということです。ブドウ糖は呼吸により最終的にATPに変換されます。ATPは植物でも動物でも共通のエネルギー源です。ブドウ糖を解糖系によってピルビン酸に変換し、アセチルCoAとなりクエン酸回路に入ってNADとFADに水素が渡されて、NADHとFADHとなります。この時に副産物として二酸化炭素が出来ます。水素伝達系によりNADHやFADHの水素が水と酸素と反応して、大量のATPが合成されます。
動物の呼吸は酸素を吸って二酸化炭素を出しますが、これはATPを合成するために呼吸していることになります。

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気孔と乾燥
光合成をする時の酸素の放出や二酸化炭素の取り込みは、葉の表面にある気孔と呼ばれる開閉する穴で行われます。しかし、乾燥地に生えることが多い多肉植物は、二酸化炭素を取り込むために頻繁に気孔を開くと、水分まで失われてしまいます。これを防ぐために、C3植物とは異なるシステムを進化させたものもあります。それは、C4植物とCAM植物です。
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C4植物
C4植物は、取り込んだ二酸化炭素を炭素が4つの物質に変換するC4回路があります。そのC4回路からカルビン・ベンソン回路に炭素が渡されて、最終的にブドウ糖を合成します。C4回路は低濃度の二酸化炭素でも働き、二酸化炭素を濃縮します。そのため、高温・乾燥時に気孔を閉じたまま、二酸化炭素不足にならないで光合成を効率的に行うことが出来ます。
では、C4植物はC3植物よりも有利なのではないかと考えてしまいますが、必ずしもそうとは言えません。C4植物は二酸化炭素を固定するのにC3植物よりも多くのエネルギーが必要なため、日本の様な温帯域ではC3植物の方が有利でしょう。特に太陽光が届きにくい林床などの日陰~半日陰の環境では、C4植物は圧倒的に不利です。あくまでも、C4植物は高温や乾燥に適応した方法なのです。
C4植物は必ずしも多肉植物ではありませんが、イネ科、カヤツリグサ科、アカザ科、トウダイグサ科(Euphorbia)やヒユ科、キク科(Othonna、Senecio)が代表格です。しかし、トウダイグサ科はC3、C4、CAM植物を含むなど、必ず分類群ごとに別れているわけではないので注意が必要です。
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CAM植物
CAM植物はサボテン科やパイナップル科(Tillandsia、Dyckia)で見られる乾燥に耐性を持つ植物に特有の光合成の方式です。ベンケイソウ科(Adromischus、Aeonium、Curassula、Dudleya、Echeveria、Sedum、Sempervivum)で典型的に見られるためベンケイソウ型有機酸代謝といわれ、頭文字をとってCAM(Curassulacean Acid Metabolism)植物と呼びます。また、CAM植物はマダガスカル島の植物に多いと言われているそうです。
基本的にCAM植物はC4植物と同じで、二酸化炭素をC4回路に取り込みます。CAM植物では日中は気孔を閉じて、気温が下がる夜間に気孔を開きます。そして、二酸化炭素をC4回路に取り込んで、リンゴ酸を合成します。このリンゴ酸は液胞に貯蔵されます。夜間も乾燥する場合は気孔を閉じて、呼吸により出された二酸化炭素を使ってリンゴ酸を合成します。最後は貯蔵されたリンゴ酸の炭素を用いてカルビン・ベンソン回路が働きます。
ちなみに、多肉植物の葉が分厚く水分を溜め込んでいるのは、リンゴ酸を液胞に貯蔵するためでもあるわけですが、あまり知られていない様に思われます。
この様にCAM植物はC4植物よりも水分の損失が少なく、乾燥への耐性が強いと言えます。しかし、最大光合成速度は小さく、CAM植物の生長は遅いとされます。ただし、ベンケイソウ科植物は、あまり乾燥していない場合にはC3植物の様に、直接カルビン・ベンソン回路に二酸化炭素を供給することもあり、必ずしも生長が遅いとは限りません。
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おわりに
光合成は寄生性や腐生性のもの意外のほとんどの植物にとって、その生の根幹を司るものです。ですから、光合成のシステムは植物好きならば知っていて当然とは言いませんが、知っておいてもいいのではないでしょうか。例えば光合成を促進するために、一日中光を当てていれば、それだけ植物は良く育つのかというと、そうは上手くいきません。もう、お分かりですよね?
植物についてそのメカニズムまで知ることは、意外と植物栽培に有用だったりします。例えば葉や根、茎の役目は何か、知ることはとても重要です。根毛は水分や栄養の吸収のためにありますが、太い根は水分や栄養の吸収には、まったく関係がないことはご存知ですか? ではなんのためにあるのでしょうか? こんなこと一つとっても、植え替え時の根の扱いが変わります。皆さんも植物学を学んでみてはいかがでしょうか。


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バッテリーはギムノカリキウム属のサボテンです。春秋の壺という、あまり使われない園芸名もあります。
バッテリーと言えば下向き一本トゲが有名ですが、三本トゲもあります。というよりも、最近は三本トゲの強刺タイプが人気な様です。


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上の写真は、三本トゲの強刺タイプです。
同じサイズでそっくりなものが沢山あったので、同じ親の実生なのでしょう。これは、平たく育ち、稜が目立ちます。実は一本トゲの個体もあったですが、購入しませんでした。なぜなら、バッテリーは生長するとトゲの本数が変化するかもしれないからです。
一本トゲが三本トゲになるだけではなく、三本トゲが一本トゲになるかもしれません。育ててみないと確実なことは言えません。

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次は、一本トゲのタイプです。
あまり平たくなく、稜が目立たちません。トゲは立ち気味でしたが、育てるうちに寝てきました。
このように、バッテリーにはタイプの違いが結構あります。同じ実生から、三本トゲと一本トゲが出てきます。さらに、稜の形も様々です。コレクションするのに、これは楽しみがいがあります。

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さて、バッテリーの育てかたですが、トゲの強さの割に強光を嫌うそうです。まあ、ギムノカリキウム属自体その様な傾向がありますし、平べったく育つギムノカリキウムは灌木の根本に半分埋まって育ちますから、強光を避けるのは当然かもしれません。さらに、バッテリーは夏に弱いとされている様です。
私は真夏でも、特に遮光はしないで育てていますが、今のところ特に日焼けなどの問題は起きていません。もしかしたら、温室やビニールハウスで、夏に蒸れてしまうことが良くないのかもしれません。風通しがあればいける旧・硬質系ハウォルチアのツリスタ属なんかと同じ可能性もあります。

バッテリーの学名は良くわかりません。Gymnocalycium vatteriと命名されたのが、1950年のことです。さらに、1993年にはGymnocalycium ochoterenae subsp. vatteriとなり、これが学術的には一番浸透して使われている学名です。しかし、最近では武勲丸Gymnocalycium ochoterenaeの1タイプに過ぎないという考え方もあるようです。まあ、結局のところ、はっきりしないというのが現状です。更なる研究成果を期待するしかありません。まあ、園芸的にはバッテリーで通じるのでそれほど困りませんけど。


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新天地は日本でも昔から栽培されているギムノカリキウム属のサボテンです。ギムノカリキウム属としてはよくあるアルゼンチン原産となります。

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新天地 Gymnocalycium saglionis

新天地はギムノカリキウム属の中でも大型の種類です。私が育てている新天地は直径20cm程度ですが、30cm以上になるそうなのでまだまだ大きくなりそうです。1cmくらいのミニサボテンを購入して、約30年でここまで育ちました。無遮光で霜にも当てっぱなし、丈夫なのをいいことに植え替えもろくすっぽしない有り様なので、生長も遅そうです。

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良く見ると、新しいトゲが出ています。写真は2022年の1月末のものなので、真冬に戸外で生長中ということになります。これは、ゲゲゲの仙太郎さんのHPで解説されています。何でも、春と夏はトゲは動かないで球体が太っていって、秋からトゲが出てくるとのことです。なんとも不思議な感じがします。
そう言えば、新天地は割りと色々なタイプがある、というより個体差が結構あるみたいですね。

新天地は最初、フランスの園芸家のジャック・フィリップ・マルタン・セルスにより、Echinocactus saglionis Celsと命名されました。セルスは徴税人でしたが、フランス革命により職を追われ、何故か園芸家として大成功を納めた人物のようです。人生何があるかわかりませんね。
その後、アメリカの植物学者・分類学者のナサニエル・ロード・ブリトンと、同じくアメリカの植物学者であるジョセフ・ネルソン・ローズが、1922年に新天地をギムノカリキウム属に移しました。つまり、Gymnocalycium saglionis (Cels) Britton & Roseです。ローズはサボテンの専門家で、ブリトンと組んでサボテンに関する論文や図鑑を書いています。

そう言えば、海外のサイトをダラダラ見ていたら、G. saglionisの実をジャムにして食べるなんて書いてありましたが、国内でやってみた人っているんでしょうかね? なかなか面白そうです。


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ギムノカリキウム・エリナケウムはアルゼンチン原産のサボテンの一種です。erinaceumはラテン語でハリネズミの意味です。刺座から出るトゲがギムノカリキウム属の中では多いため、ギムノカリキウムらしくないと言われたりします。ギムノカリキウムの中でも地味で、目立たない種類かも知れません。

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Gymnocalycium erinaceum WR726B

2011年にAmerican Journal of Botanyに掲載されたMOLECULAR PHYLOGENY OF GYMNOCALYCIUM (CACTACEAE) : ASSESSMENT OF ALTERNATIVE INFRAGENERIC SYSTEMS, A NEW SUBGENUS, AND TRENDS IN THE EVOLUTION OF GENUS という論文では、ギムノカリキウム属の遺伝子解析を行い、ギムノカリキウム属内の系統樹を作成しています。このことにより、進化の道筋がわかり、類縁関係がはっきりしました。
ギムノカリキウム属は7亜属に分類され、新天地G. saglionisが祖先的な位置にあるとされました。エリナケウムはギムノカリキウム属ギムノカリキウム亜属に分類されています。遺伝的に近縁な種類は、G.amerhauseri、白蓮G. reductum subsp. reductumがあります。

そう言えば購入時にラベルにG. erinaceumとしか記入されていないと思ったのですが、家に着いてラベルを引き抜いてみたところ、土に刺さって見えなかった部分にR726とありました。フィールドナンバーです。フィールドナンバーは、その植物が採取された時の情報がわかります。
実際にCactus and Succulent Field Number Query (http://www.cl-cactus.com/)というサイトでR726を検索してみました。何故かG. sutterianumがヒットしてしまいました。しかも、R726はWR726のことで、WRはWalter Rauschという採取者の名前の略でした。どうやら、726という地点で3種類のギムノカリキウムを採取したようで、WR726、WR726A、WR726Bが登録されています。
WR726      G. sutterianum
WR726A   G. quehlianum v. rolfianum
WR726B   G. erinaceum
つまり、私のエリナケウムはWR726Bのことでした。
採取情報として、Dean Funes, Cordoba, Arg.とあります。つまり、アルゼンチンのコルドバ州、デアン・フネス近辺でWalter Rauschが採取したということになります。
Walter Rauschはオーストリアの植物学者・探検家で、サボテンの研究者でロビビア属を専門としていたようです。学名でも、Lobivia rauschii、Sulcorebutia rauschii、Gymnocalycium rauschii、Notocactus rauschii、Parodia rauschii、Echinopsis rauschii、Lobivia walteri、Rebutia walteriと、Walter Rauschの名前がつけられています。

このように、一見して地味なサボテンでも、調べてみると沢山の情報が得られて中々面白く感じます。
皆様も背後に隠れて見えなかった情報を調べてみてはいかがでしょうか?


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インターテクスツム(Gymnocalycium intertextum)は2021年3月に、鶴仙園さんで購入しました。

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2021年3月

Gymnocalycium bodenbenderianum subsp. intertextumとも言われたりしますが、ギムノフォトプロムナードさんでは武勲丸(Gymnocalycium ochoterenae)に近いと書かれていました。
Gbifの学名検索では、Gymnocalycium ochoterenae subsp. ochoterenaeが正しく、Gymnocalycium intertextumはシノニム(異名)とされている様です。
ただし、ギムノのこの仲間の分類は学術的にもはっきりしないところがありますから、今後がらりと学名が変わってしまう可能性が結構あります。

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2021年11月

購入してから8ヶ月でトゲが凄まじいことになりました。

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ビッグバザール購入品の続き。
ギムノカリキウム(Gymnocalycium)の2つ目。

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プロチャズキアナム(G.prochazkianum ssp. simile VoS1417)

プロチャズキアナムの亜種、simileです。エスペランザエと同じくラフレシアリサーチさんからの購入です。
エスペランザエ同様、怪しげな肌色で扁平形ですが、トゲは白っぽい感じです。こちらは白粉をよく出すようで、すでに白っぽい模様が見受けれます。

さてさて、一体どんな感じに育つのか今から楽しみです。

続きます。



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ビッグバザールで購入したギムノカリキウム(Gymnocalycium)の紹介です。

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エスペランザエ(G.esperanzae VoS1791)

黒いトゲ、怪しい肌色、扁平な形。面白いですね。
2010年に発表された新種。ラフレシアリサーチさんで購入しましたが、輸入してから3ヶ月くらいだそうです。根の張りがまだまだなので、気をつけないと行けませんね。

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白粉の痕跡があります↑

ギムノフォトプロムナードさんの記事では、白粉が出ることもあるそうですが、国内では白粉は付かないそうです。この個体も古い下の方のトゲ周りの肌に少し白粉がついておりますが、上の方には白粉はないみたいです。白粉が出る条件が不明みたいですが、たまたま白粉が出ることをちょっぴり期待してみたりします。成長が楽しみですね。

VoS1791はフィールドナンバーです。いわゆる産地情報ですね。この個体の場合、VoS1791で採集された個体から得られた種子の実生ということになります。フィールドナンバーを検索すると、採取地を知ることができます。
よく売っているフィールドナンバーなしの個体は、色々な産地のものが混じって交配させています。産地によって個性がありますから、それらの交配と選抜によって、素晴らしい品種が沢山作り出されています。特徴を強調させた美しくものが多く、先達の苦労のあとが偲ばれます。逆にフィールドナンバーつきの個体は、野性的な魅力が満載です。どちらもそれぞれの良さがありますから、共に集めたいものですね。

続きます。



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