5月に行った小石川植物園の記事の続きです。東京大学の植物園らしく、研究成果や植物の面白い生態が掲示されていたりします。今回はタチガシワの擬態花についての解説が大変興味深い内容でした。また、終わりかけでしたが、コンニャクの花を初めて見ました。なんとも、実に奇妙な花でした。

ホタルカズラ Lithospermum zollingeri
現在はAegonychon zollingeriとされています。中国、日本、韓国、台湾の原産。ムラサキ科。Lithospermumはアジア、中東、ヨーロッパに3種が知られています。

タチガシワ Vincetoxicum nakaianum
タチガシワは2024年に記載された新種です。旧・ガガイモ科、現在はキョウチクトウ科で、カモメヅル属ということです。日本の原産。カモメヅル属は旧大陸に264種が知られています。
一見してなんてことがない植物ですが、小石川植物園の研究により面白い生態が明らかとなっています。例えば、ショクダイオオコンニャクやラフレシア、蘭のBulbophyllum、旧・ガガイモ科の多肉植物などは腐臭を放ち蝿を呼び寄せて受粉するものがあります。これらは、花を腐肉に擬態させて蝿を受粉に利用しているわけです。タチガシワの花には特に臭いはありませんが、キモグリバエ科の蝿により受粉します。キモグリバエの仲間は捕食された昆虫の体液を吸う蝿で、タチガシワの花からはキモグリバエの仲間を誘引する成分が分離されました。タチガシワの自生地を調査したところ、特に蜘蛛に襲われたクロヤマアリから放たれる臭いがタチガシワの花の臭いと極めて似ており、実際にキモグリバエの仲間が誘引されたということです。しかも、ただ潰しただけのアリには誘引されないということで、なんというニッチな擬態なのかと驚きました。ちなみに、2025年に論文が公開されているようです。

残念ながら花はありませんでしたが、尖った形の実がなっていました。実がなっているということは、このタチガシワにも襲われたアリの臭いに惹かれたキモグリバエの仲間が来て受粉させたということになります。

コバンノキ Phyllanthus flexuosus
コミカンソウの仲間です。というかコミカンソウ科コミカンソウ属ですから、普段見かける小さなコミカンソウと同属なことに驚きます。中国、日本の原産。コミカンソウ属は世界に1067種が知られています。

コミカンソウと言えば絶対送粉共生で有名です。絶対送粉共生は花と花粉媒介者が強く結びついた非常に特殊な関係です。有名なのはイチジクの仲間(Ficus)とイチジクコバチですが、他にもユッカ(Yucca)とユッカガ、コミカンソウとハナホソガが知られています。
さて、コミカンソウの仲間であるコバンノキには、雄花に虫癭(虫瘤)を作る2種のタマバエにより受粉することが判明しています。

名札はありませんが、ニワトコ(接骨木)の仲間でしょうか。

まだ未熟な果実がなっていました。ニワトコ(Sambucus sieboldiana)は円錐花序で、セイヨウニワトコ(S. nigra)やアメリカニワトコ(S. canadensis)は皿状の集散花序ですから、この樹はどうやらただのニワトコのようですね。ちなみに、ニワトコはヨーロッパアカニワトコ(S. racemosa subsp. racemosa)の亜種とする場合もあるようです。日本、韓国、クリル諸島、サハリンの原産。ガマズミ科(旧・レンプクソウ科)。ニワトコ属は世界に22種が知られています。

名札のない照葉樹がありましたが、トゲのある葉は特徴的です。ヒイラギの仲間であることは分かります。ヒイラギはキンモクセイの仲間(モクセイ科)で葉は対生しますが、この樹は互生ですからモチノキ科のセイヨウヒイラギかアメリカヒイラギでしょう。アメリカヒイラギのトゲは柔らかく触れても痛くないといいますが、こちらは硬そうですからセイヨウヒイラギ(Ilex aquifolium)ですかね。

葉のトゲはまばらですが、これは樹が大きくなるとなりがちな現象だそうです。柱サボテンも幼植物の時だけ強いトゲを持っていたりしますから、弱く枝が少ない幼樹の防御手段なのでしょう。

小さな花も咲いていました。

ミヤマトベラ(深山扉) Euchresta japonica
マメ科の常緑小低木。塊根性です。中国、日本、韓国の原産。Euchrestaは東南アジア、東アジアに4種が知られています。

コンニャク Amorphophallus konjac
コンニャクの花は初めて見ました。中国の原産。サトイモ科。旧大陸に246種が知られています。

トウチャ(唐茶) Camellia sienensis f. macrophylla
現在はチャノキ(C. sienensis var. sienensis)に含まれます。しかし、葉は普通のチャノキより長く、また非常に苦いため緑茶には適していません。ツバキ科。カメリア属はアジアに243種が知られています。
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ホタルカズラ Lithospermum zollingeri
現在はAegonychon zollingeriとされています。中国、日本、韓国、台湾の原産。ムラサキ科。Lithospermumはアジア、中東、ヨーロッパに3種が知られています。

タチガシワ Vincetoxicum nakaianum
タチガシワは2024年に記載された新種です。旧・ガガイモ科、現在はキョウチクトウ科で、カモメヅル属ということです。日本の原産。カモメヅル属は旧大陸に264種が知られています。
一見してなんてことがない植物ですが、小石川植物園の研究により面白い生態が明らかとなっています。例えば、ショクダイオオコンニャクやラフレシア、蘭のBulbophyllum、旧・ガガイモ科の多肉植物などは腐臭を放ち蝿を呼び寄せて受粉するものがあります。これらは、花を腐肉に擬態させて蝿を受粉に利用しているわけです。タチガシワの花には特に臭いはありませんが、キモグリバエ科の蝿により受粉します。キモグリバエの仲間は捕食された昆虫の体液を吸う蝿で、タチガシワの花からはキモグリバエの仲間を誘引する成分が分離されました。タチガシワの自生地を調査したところ、特に蜘蛛に襲われたクロヤマアリから放たれる臭いがタチガシワの花の臭いと極めて似ており、実際にキモグリバエの仲間が誘引されたということです。しかも、ただ潰しただけのアリには誘引されないということで、なんというニッチな擬態なのかと驚きました。ちなみに、2025年に論文が公開されているようです。

残念ながら花はありませんでしたが、尖った形の実がなっていました。実がなっているということは、このタチガシワにも襲われたアリの臭いに惹かれたキモグリバエの仲間が来て受粉させたということになります。

コバンノキ Phyllanthus flexuosus
コミカンソウの仲間です。というかコミカンソウ科コミカンソウ属ですから、普段見かける小さなコミカンソウと同属なことに驚きます。中国、日本の原産。コミカンソウ属は世界に1067種が知られています。

コミカンソウと言えば絶対送粉共生で有名です。絶対送粉共生は花と花粉媒介者が強く結びついた非常に特殊な関係です。有名なのはイチジクの仲間(Ficus)とイチジクコバチですが、他にもユッカ(Yucca)とユッカガ、コミカンソウとハナホソガが知られています。
さて、コミカンソウの仲間であるコバンノキには、雄花に虫癭(虫瘤)を作る2種のタマバエにより受粉することが判明しています。

名札はありませんが、ニワトコ(接骨木)の仲間でしょうか。

まだ未熟な果実がなっていました。ニワトコ(Sambucus sieboldiana)は円錐花序で、セイヨウニワトコ(S. nigra)やアメリカニワトコ(S. canadensis)は皿状の集散花序ですから、この樹はどうやらただのニワトコのようですね。ちなみに、ニワトコはヨーロッパアカニワトコ(S. racemosa subsp. racemosa)の亜種とする場合もあるようです。日本、韓国、クリル諸島、サハリンの原産。ガマズミ科(旧・レンプクソウ科)。ニワトコ属は世界に22種が知られています。

名札のない照葉樹がありましたが、トゲのある葉は特徴的です。ヒイラギの仲間であることは分かります。ヒイラギはキンモクセイの仲間(モクセイ科)で葉は対生しますが、この樹は互生ですからモチノキ科のセイヨウヒイラギかアメリカヒイラギでしょう。アメリカヒイラギのトゲは柔らかく触れても痛くないといいますが、こちらは硬そうですからセイヨウヒイラギ(Ilex aquifolium)ですかね。

葉のトゲはまばらですが、これは樹が大きくなるとなりがちな現象だそうです。柱サボテンも幼植物の時だけ強いトゲを持っていたりしますから、弱く枝が少ない幼樹の防御手段なのでしょう。

小さな花も咲いていました。

ミヤマトベラ(深山扉) Euchresta japonica
マメ科の常緑小低木。塊根性です。中国、日本、韓国の原産。Euchrestaは東南アジア、東アジアに4種が知られています。

コンニャク Amorphophallus konjac
コンニャクの花は初めて見ました。中国の原産。サトイモ科。旧大陸に246種が知られています。

トウチャ(唐茶) Camellia sienensis f. macrophylla
現在はチャノキ(C. sienensis var. sienensis)に含まれます。しかし、葉は普通のチャノキより長く、また非常に苦いため緑茶には適していません。ツバキ科。カメリア属はアジアに243種が知られています。
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