外来種とは本来の分布域ではなく場所に、人為的に移入した生物のことです。移入といっても、意図的なものもあればそうではないものもあります。いずれにせよ、在来種に悪影響を与えるため、好ましい存在ではありません。日本にもアメリカザリガニやブラックバスなどが問題となっています。植物では完全に日本の環境に適応した帰化植物は非常に多く、帰化植物だけの図鑑が出版されているくらいです。逆に日本原産の葛や虎杖は海外で猛威を振るっています。というように、外来種は世界的な問題となっています。当然ながら、多肉植物の自生地にも外来種は忍び寄っています。
本日はPablo C. Guerreroaらの2011年の論文、『Ecology and evolution of negative and positive interaction in Cactaceae: lessons and pending tasks』をご紹介します。この論文は、サボテンに関わる4つのトピックについて、今までの様々な研究を参照に解説しています。以前、トピックの1つであるチリ原産の柱サボテンの寄生植物について見ましたが、本日は「Response of the native cactus Harrisia portoricensis Britton. (tribe Trichocereeae) to the presence of the exotic grass Megathyrsus maximus (Jacq.) B.K.Simon & S.W.L.Jacobs (Poaceae)」をご紹介します。
乾燥地と外来種
外来種(exotic species)・侵略的外来種(invasive species)と在来種(native species)の相互作用により引き起こされる生物多様性の変化については報告があります。しかし、サボテンに関する多様性への影響については解明が始まったばかりです。乾燥地帯や半乾燥地帯は世界の陸地面積の35%以上を占めており、高い種多様性と固有性を有しているため、外来種の与える影響に関する知識は重要です。
Harrisia portoricensisの分布
Harrisia portoricensisはカリブ海の4つの島に固有の細長いサボテンです。Puerto Rico島では局地的に絶滅しており、Mona島、Monito島、Desecheo島に限定されます。H. portoricensisは夜咲きで、米国連邦規則では絶滅危惧種に指定されています。
外来種の侵入
H. portoricensis(以後、ハリシア)最大の残存個体群はMona島にありますが、島内のハリシア生息域には、20世紀に家畜の飼料としてアフリカから持ち込まれた多年生のイネ科植物であるMegathyrsus maximus(以後、移入種)の侵入を受けています。このイネ科植物は島全体に広く分布し拡大しています。
外来種の影響
2007年以降、Mona島において侵入した移入種と、ハリシアの調査が行われてきました。その結果、移入種はハリシアのライフサイクルの全体に渡り悪影響を及ぼしていました。移入種が存在する場合、ハリシアは生存、生長、繁殖が抑制されました。特に若い個体ほど外来種の存在に対して脆弱であるように思われます。ハリシアの種子の発芽や新たな実生は移入種が生息していない地域で見られます。移入種がいない場合の生存率は幼植物で70%以上、成木では90%以上でしたが、移入種がいた場合の生存率は幼植物で30%、成木てわは68%でした。また、移入種がいない場合の果実の生産量は2倍以上となります。さらに、生長も移入種がいない場合の方が早いことが判明しています。移入種の存在が、ハリシアの生存を脅かしています。
本日はPablo C. Guerreroaらの2011年の論文、『Ecology and evolution of negative and positive interaction in Cactaceae: lessons and pending tasks』をご紹介します。この論文は、サボテンに関わる4つのトピックについて、今までの様々な研究を参照に解説しています。以前、トピックの1つであるチリ原産の柱サボテンの寄生植物について見ましたが、本日は「Response of the native cactus Harrisia portoricensis Britton. (tribe Trichocereeae) to the presence of the exotic grass Megathyrsus maximus (Jacq.) B.K.Simon & S.W.L.Jacobs (Poaceae)」をご紹介します。
乾燥地と外来種
外来種(exotic species)・侵略的外来種(invasive species)と在来種(native species)の相互作用により引き起こされる生物多様性の変化については報告があります。しかし、サボテンに関する多様性への影響については解明が始まったばかりです。乾燥地帯や半乾燥地帯は世界の陸地面積の35%以上を占めており、高い種多様性と固有性を有しているため、外来種の与える影響に関する知識は重要です。
Harrisia portoricensisの分布
Harrisia portoricensisはカリブ海の4つの島に固有の細長いサボテンです。Puerto Rico島では局地的に絶滅しており、Mona島、Monito島、Desecheo島に限定されます。H. portoricensisは夜咲きで、米国連邦規則では絶滅危惧種に指定されています。
外来種の侵入
H. portoricensis(以後、ハリシア)最大の残存個体群はMona島にありますが、島内のハリシア生息域には、20世紀に家畜の飼料としてアフリカから持ち込まれた多年生のイネ科植物であるMegathyrsus maximus(以後、移入種)の侵入を受けています。このイネ科植物は島全体に広く分布し拡大しています。
外来種の影響
2007年以降、Mona島において侵入した移入種と、ハリシアの調査が行われてきました。その結果、移入種はハリシアのライフサイクルの全体に渡り悪影響を及ぼしていました。移入種が存在する場合、ハリシアは生存、生長、繁殖が抑制されました。特に若い個体ほど外来種の存在に対して脆弱であるように思われます。ハリシアの種子の発芽や新たな実生は移入種が生息していない地域で見られます。移入種がいない場合の生存率は幼植物で70%以上、成木では90%以上でしたが、移入種がいた場合の生存率は幼植物で30%、成木てわは68%でした。また、移入種がいない場合の果実の生産量は2倍以上となります。さらに、生長も移入種がいない場合の方が早いことが判明しています。移入種の存在が、ハリシアの生存を脅かしています。