最近、多肉植物のイベントでEuphorbia spannringiiという名前の花キリン苗が流通するようになりました。私は本格的に流通する前の先触れを、去年の秋にBBで入手しました。さて、私が驚いたのは、これが由来不明の塊根性花キリンである「フィッシュボーン」と呼ばれるものに見えたからです。葉の葉脈がはっきりと白く筋状となっており、名前の通り「魚の骨」のように見えます。しかし、いつの間にやら学名がついたのかと驚きましたが、どうやら2021年の論文によるものであることが分かりました。その論文は、Thomas Haevermans & Wilbert L. A. Hetterscheidの2021年の論文、『Taxonomic changes and new species in Malagasy Euphorbia (Euphorbiaceae)』です。論文中では13種の花キリンの新種の記載と、レクトタイプを1種、ネオタイプを2種、エピタイプを1種、さらには複数の異名(Synonym)を提案しています。さて、本日はその中からEuphorbia spannringiiについて見ていきます。
新種スパンリンギイ
★Euphorbia spannringii Haev. & Hett., sp. nov.
E. spannringiiは少なくとも10年前から栽培されており、「Fishbone euphorbia」とも呼ばれてきました。ホロタイプとパラタイプを作成するための植物が発見されるまで、野生個体は見つかっていませんでした。
E.spannringiiはEuphorbia亜属Goniostema節に属し、広範囲な明るく白い斑入りの葉により他の種と際立って異なります。このような斑入りの葉は、E. cremersiiやE. razafindratsira、E. moratiiの変異の範疇でも見られます。E. spannringiiは葉が亜皮質で短く、葉が細長く楕円形〜披針形であるE. cremersiiとは異なります。また、E. spannringiiは葉が直立し葉裏が白いのに対し、E. cremersiiは葉が頷き型で葉裏はくすんだ紅褐色です。E. moratiiは葉身が狭く尖りくすんだ紅褐色である点で異なります。

Euphorbia spannrigii Haev. & Hett.
2024年9月に開催された、サボテン・多肉植物のビッグバザールにて購入しました。
特徴
葉身のみが地上から出ています。根は多肉質で房状の主根から、多肉質な枝を伸ばします。雌雄同株です。葉は落葉性で全縁、葉柄は細長く葉身のみが地上から出ます。葉柄は無毛で基部に翼があり、地下にある時は白く露出すると赤緑になります。
葉は45〜60mm × 15〜30mmで、倒披針形で基部は鈍形で先端は鋭形から鈍形で無毛です。葉縁は赤みを帯び平らかわずかに波打ちます。通常は一次脈と二次脈が白色で、時に二次脈の間に白斑が入ります。
花序は二叉に分かれ長さ10cm以下、1つの枝に同時に5個以下の花序がつきます。花柄から脇芽が出て蕾になることもあります。

まだ若い実生苗ですが、塊根が出来ています。
最後に
以上が論文の簡単な要約です。花の詳細な特徴や、タイプの産地なども記載されていましたが、今回は割愛しました。
さて、マダガスカルでは未だに新種の多肉植物が見つかります。しかし、E. spannringiiのように先に未記載種として流通してから、後に新種として記載されるのは珍しいですね。マダガスカルは種が非常に多様化しており、分布が狭い地域に限定されがちです。そのため、原産地の特定は困難を極めます。開発により未調査地が消滅していることも珍しくありません。産地が特定され、正式に命名されたことは僥倖でした。
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新種スパンリンギイ
★Euphorbia spannringii Haev. & Hett., sp. nov.
E. spannringiiは少なくとも10年前から栽培されており、「Fishbone euphorbia」とも呼ばれてきました。ホロタイプとパラタイプを作成するための植物が発見されるまで、野生個体は見つかっていませんでした。
E.spannringiiはEuphorbia亜属Goniostema節に属し、広範囲な明るく白い斑入りの葉により他の種と際立って異なります。このような斑入りの葉は、E. cremersiiやE. razafindratsira、E. moratiiの変異の範疇でも見られます。E. spannringiiは葉が亜皮質で短く、葉が細長く楕円形〜披針形であるE. cremersiiとは異なります。また、E. spannringiiは葉が直立し葉裏が白いのに対し、E. cremersiiは葉が頷き型で葉裏はくすんだ紅褐色です。E. moratiiは葉身が狭く尖りくすんだ紅褐色である点で異なります。

Euphorbia spannrigii Haev. & Hett.
2024年9月に開催された、サボテン・多肉植物のビッグバザールにて購入しました。
特徴
葉身のみが地上から出ています。根は多肉質で房状の主根から、多肉質な枝を伸ばします。雌雄同株です。葉は落葉性で全縁、葉柄は細長く葉身のみが地上から出ます。葉柄は無毛で基部に翼があり、地下にある時は白く露出すると赤緑になります。
葉は45〜60mm × 15〜30mmで、倒披針形で基部は鈍形で先端は鋭形から鈍形で無毛です。葉縁は赤みを帯び平らかわずかに波打ちます。通常は一次脈と二次脈が白色で、時に二次脈の間に白斑が入ります。
花序は二叉に分かれ長さ10cm以下、1つの枝に同時に5個以下の花序がつきます。花柄から脇芽が出て蕾になることもあります。

まだ若い実生苗ですが、塊根が出来ています。
最後に
以上が論文の簡単な要約です。花の詳細な特徴や、タイプの産地なども記載されていましたが、今回は割愛しました。
さて、マダガスカルでは未だに新種の多肉植物が見つかります。しかし、E. spannringiiのように先に未記載種として流通してから、後に新種として記載されるのは珍しいですね。マダガスカルは種が非常に多様化しており、分布が狭い地域に限定されがちです。そのため、原産地の特定は困難を極めます。開発により未調査地が消滅していることも珍しくありません。産地が特定され、正式に命名されたことは僥倖でした。
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