今年の5月に東京都薬用植物園に行きましたが、その記事の続きです。薬用植物がメインですから、基本的に地味であまり見栄えしませんが、図鑑でしか見たことがないような植物が沢山見られます。


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ヒュウガトウキ(日向当帰) Angelica furcijuga
九州原産のセリ科植物。絶滅危惧II類(VU)。山人参と呼ばれ民間薬とされました。現在でもサプリメントなどにされているようですが、その効果は定かではありません。ちなみに、現在ヒュウガトウキはイヌトウキ(A. tenuisecta)の変種とされているようです。


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ニチニチソウ(日々草) Catharanthus roseus
(Vinca rosea)
花壇に植えられる園芸植物として一般的ですが、有毒植物でもあります。まさかのキョウチクトウ科でしたが、よく花を見ると確かにそんな感じですね。しかし、白血病や悪性リンパ腫などに利用する抗腫瘍剤の原料でもあります。マダガスカル原産というのも意外です。



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ライムギ Secale cereale
なぜ、薬用植物の区画にライ麦が栽培されているのか不思議でしたが、ライ麦に寄生する麦角が製剤原料という意味でした。麦角はついていませんが、納得です。麦角出来た麦は毒性が高く、食べてしまうと危険ですが、日本ではほとんど発生しないそうです。しかし、麦角からは様々な薬となる成分が分離されているのと同時に、幻覚剤である違法薬物LSDの原料でもあります。

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よく見ると雄しべが出ていました。要するにこれが開花の様子です。イネ科植物は風媒花なので、花粉媒介者を呼び寄せる必要がないため基本的に地味な花です。しかし、風媒花であるがゆえに大量の花粉をばらまく必要があるため、イネ科植物は花粉症の原因植物となります。


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ジギタリス Digitalis purpurea
「狐の手袋」の名前でも知られ、花壇に植えられるポピュラーな草花です。しかし、全体的に強い毒性がありますが、これは食べなければ問題はありません。

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頂点の花は開いて形がやや崩れがちです。
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こちらの頂点の花は奇形ですね。珍しいようにも見えますが、ちょっとした切っ掛けでこういうことは起きたりします。


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シュッコンアマ(宿根亜麻) Linum perenne
多年生の亜麻。ちらほら花が咲いていました。

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淡い青みがかるかわいらしい花でした。


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ベニバナトチノキ(紅花栃木) Aesculus carnea
アカバナトチノキとセイヨウトチノキ(マロニエ)の交配種。学名は交配種ですから、Aesculus × carneaとなっています。
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花色が濃く花穂も大きいですね。


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イチハツ(一初) Iris tectorum
中国原産のアヤメ科植物。根茎は有毒ですが、食中毒の時に吐剤や下剤として利用したこともあるそうです。日本への到来は室町時代と古く、茅葺き屋根の上に植える風習があったそうです。



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