東京都下の小平市にある東京都薬用植物園に行ってきました。4月は忙しく植物園巡りは中断していましたが、ようやく再開します。
東京都薬用植物園は管轄が東京都保険医薬局なため、薬草や毒草、さらには御禁制品(ドラッグ)まで扱う特殊な植物園です。時期的に冬は何も生えてなさそうですから、暖かくなるのを待っていました。5月中旬は「あへん法」で栽培が禁止されているケシの花が見頃とのことで楽しみです。


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西武拝島線の東大和市駅から降りて直ぐに入口があります。


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入口には巨大な赤松がありました。黒松の方が一般的に植栽されますが、黒松は海岸沿いに生える植物なため、赤松が本来の植生です。しかし、黒松は枝ぶりや樹形、幹肌の荒れ模様が豪壮で良いため、植生されるのは大抵は黒松です。というわけで、赤松は市街地ではあまり見かけない樹木となりました。
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この赤さが赤松たる所以です。
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東京都薬用植物園では、このように成分や詳細な用途が書かれています。薬用植物園らしいですね。


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ナギイカダ Ruscus aculeatus
トイレの植え込みが、まさかのナギイカダです。ちょうど実がなっていました。地中海沿岸に自生し、明治初期に渡来したようです。



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アオノリュウゼツラン Agave americana
なんとなくアオノリュウゼツランがあります。



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キダチアロエ Aloe arborescens
キダチアロエは放置していても、いつの間にやら群生しがちです。


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クサノオウ Chelidonium majus var. asiaticum
クサノオウが開花しています。ケシ科の有毒植物。現在はC. asiaticumとして独立種になっているようです。

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花はアブラナに似ています。


さて、先ずは「漢方薬原料植物区」に向かいます。隣接する「有用樹木区」も一緒に見ていきます。


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フランスカイガンショウ Pinus pinaster
「海岸松」という意味のようです。
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葉が長く枝が繊細な松です。


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ヤマモモ Myrica rubra
まだ小さいですが、ヤマモモの実がなっていました。
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どうやら、漢方としての用途もあるようですね。


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アオツヅラフジ Cocculus trilobus
アオツヅラフジはブルームに覆われた青い実がなり、個人的には観賞に耐える植物だと思っています。漢方薬としては「木防已」と呼ばれますが、市場性はないそうです。
学名は2020年にNephroia orbiculataとなりました。日本の分類学ではCocculusは「アオツヅラフジ属」でしたが、その代表格たるアオツヅラフジが、別属となってしまったため今後どうなるのか気になります。


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アサクラザンショウ Zanthoxylum piperitum form. inerme
山椒のトゲがない品種。多肉植物でも「inermis」というトゲのない種類はありますね。
アサクラザンショウは、かの牧野富太郎が記載した植物ですが、現在サンショウに亜種・変種・品種は認められておりません。

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まだ若い実がなっていました。


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ブドウサンショウ
アサクラザンショウから派生した品種で、実が大きいとのこと。

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実はなっていましたが、まだ若いのでその違いは明らかではありません。


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ウド Aralia cordata
「うどの大木」と言いますが、ウドを見るのは初めてです。まあ、本当に大木にははなりません。

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若芽や根茎を食用にしますが、漢方としての利用もあるそうです。知りませんでした。


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フユアオイ(冬葵) Malva verticillata
見た感じはゼニアオイですが、フユアオイは初めて見ました。種子や葉を漢方として利用するそうです。
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花を見ると違いは一目瞭然ですね。


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カラスビシャク Pinellia ternata
カラスビシャクは畑地では割りとポピュラーな雑草です。「半夏」という名前で漢方として利用されるそうです。



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バショウ(芭蕉) Musa basjoo
中国原産と考えられているバショウですが、耐寒性があるため日本でもたまに庭に植栽されます。日本には江戸時代に入ってきたそうです。
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ちょうど花が咲いていました。小さなバナナがなっていますが、大きくはならず食用には向きません。生薬としての利用はあったようですね。


記事が長くなったので、続きは次回としましょう。しかし、この植物園は素晴らしいですね。気になる植物が多すぎて、なかなか進めません。「漢方薬原料植物区」で30分以上うろついてしまったため、このペースでは明らかに他を見る時間がなくなります。中断してケシを見に行きました。というわけで、次回はお楽しみのケシの様子を記事にします。



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