さて、12月の始めに行った夢の島熱帯植物館の続きです。今回は食虫植物温室をご紹介します。
ミラクルフルーツ Synsepalum dulcificum
温室を出た通路に何やら鉢が並べてありますが、何気なく通り過ぎてしまいがちですが、全部ミラクルフルーツの鉢です。ミラクルフルーツの果実を食べると、レモン果汁などの酸味が甘味に感じるという不思議な植物です。
探すとちょっとだけ実がなっていました。
右の扉はオーストラリア庭園ですが、先に左の扉にある食虫植物温室へ入ります。食虫植物については今年本を読んだので、興味深く見ました。その本はブックレビューを書きましたので、以下のリンクをご参照下さい。
食虫植物は貧栄養に対する適応で、昆虫などを捕獲して養分とする植物です。一応、定義がありますのでお示ししておきましょう。一般的には、①獲物の誘引、②獲物の捕獲、③獲物の分解、④養分の吸収、⑤養分の活用があるそうです。獲物を捕まえるだけでは駄目で、その養分を吸収してそれが生長に役立っている必要があります。というのも、例えば害虫対策にベタベタしている植物もあり、その場合は昆虫などがベタベタにくっついても分解されず、養分にはならないからです。定義を踏まえて見ていきましょう。
ハエトリグサ Dionaea spp.
ハエトリソウとかハエジゴクと呼ばれる食虫植物で、園芸店でも販売されることがあります。ハエトリグサの仲間は、食虫植物の定義のすべてを満たしています。捕虫器には1枚に3本の感覚毛があり、続けて2回触れると捕虫器が閉じます。空振りを防ぐ巧みな仕組みです。
温室内には食虫植物ではないTillandsiaやツツアナナスが沢山ありました。
沢山の種類の食虫植物が並びます。
サラセニア Sarracenia spp.
サラセニアはウツボカズラと同じ落とし穴型の食虫植物の代表的な例です。食虫植物の定義のすべてを満たしています。サラセニアは植物園ではお馴染みですが、野外に植えられることもあります。
ウツボカズラ Nepenthes spp.
ウツボカズラは代表的な食虫植物ですが、熱帯性で意外と育てにくい食虫植物です、ウツボカズラも食虫植物の定義のすべてを満たしています。
小型の可愛らしいウツボカズラ。
Brocchinia spp.
ブロキニアは植物園でも見かけない落とし穴型の食虫植物です。パイナップル科のツツアナナスの仲間です。食虫植物の定義のうち、③獲物の分解だけは満たしていないとあります。しかし、他の生物により分解を受けるようで、すべての定義が満たされています。
筒状の葉の中心には水が溜まります。言わば食虫性のタンクブロメリアです。
ムシトリスミレの仲間 Pinguicula spp.
ベタつく葉で捕虫するトリモチ型の食虫植物。モウセンゴケのようには動きませんが、消化しやすいように葉を凹ませる程度は葉が動くようです。ムシトリスミレは食虫植物の定義のうち、①誘引は不明ですがそれ以外は満たしています。もしかしたら、知らないだけで未知の誘引物質が存在する可能性があるかもしれません。
花は非常に美しいですね。
ミミカキグサ Utricularia spp.
ミミカキグサはウトリクラリア属ですから、要するにタヌキモの仲間です。タヌキモは完全に水中性で、水中にある袋にミジンコなどを吸い込んで捕虫する吸い込み罠型です。タヌキモの仲間は食虫植物の程度のすべての定義を満たしています。ミミカキグサは土中に袋があるようです。
非常に小さい植物です。
花がちらほら咲いていました。
モウセンゴケ Drosera spp.
モウセンゴケは粘液で捕虫するトリモチ型の食虫植物。獲物がかかると巻き込むように葉が動きます。モウセンゴケは食虫植物の定義をすべて満たしています。
奇妙な形の捕虫器。
植物園と言えど、展示イベントでもない限りはウツボカズラかあってもサラセニアくらいしか食虫植物はありません。ですから、常設でこれだけ豊富な食虫植物のコレクションを見ることは素晴らしいことですね。モウセンゴケやミミカキグサは十分珍しいのですが、ブロキニアには驚かされました。
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ミラクルフルーツ Synsepalum dulcificum
温室を出た通路に何やら鉢が並べてありますが、何気なく通り過ぎてしまいがちですが、全部ミラクルフルーツの鉢です。ミラクルフルーツの果実を食べると、レモン果汁などの酸味が甘味に感じるという不思議な植物です。
探すとちょっとだけ実がなっていました。
右の扉はオーストラリア庭園ですが、先に左の扉にある食虫植物温室へ入ります。食虫植物については今年本を読んだので、興味深く見ました。その本はブックレビューを書きましたので、以下のリンクをご参照下さい。
食虫植物は貧栄養に対する適応で、昆虫などを捕獲して養分とする植物です。一応、定義がありますのでお示ししておきましょう。一般的には、①獲物の誘引、②獲物の捕獲、③獲物の分解、④養分の吸収、⑤養分の活用があるそうです。獲物を捕まえるだけでは駄目で、その養分を吸収してそれが生長に役立っている必要があります。というのも、例えば害虫対策にベタベタしている植物もあり、その場合は昆虫などがベタベタにくっついても分解されず、養分にはならないからです。定義を踏まえて見ていきましょう。
ハエトリグサ Dionaea spp.
ハエトリソウとかハエジゴクと呼ばれる食虫植物で、園芸店でも販売されることがあります。ハエトリグサの仲間は、食虫植物の定義のすべてを満たしています。捕虫器には1枚に3本の感覚毛があり、続けて2回触れると捕虫器が閉じます。空振りを防ぐ巧みな仕組みです。
温室内には食虫植物ではないTillandsiaやツツアナナスが沢山ありました。
沢山の種類の食虫植物が並びます。
サラセニア Sarracenia spp.
サラセニアはウツボカズラと同じ落とし穴型の食虫植物の代表的な例です。食虫植物の定義のすべてを満たしています。サラセニアは植物園ではお馴染みですが、野外に植えられることもあります。
ウツボカズラ Nepenthes spp.
ウツボカズラは代表的な食虫植物ですが、熱帯性で意外と育てにくい食虫植物です、ウツボカズラも食虫植物の定義のすべてを満たしています。
小型の可愛らしいウツボカズラ。
Brocchinia spp.
ブロキニアは植物園でも見かけない落とし穴型の食虫植物です。パイナップル科のツツアナナスの仲間です。食虫植物の定義のうち、③獲物の分解だけは満たしていないとあります。しかし、他の生物により分解を受けるようで、すべての定義が満たされています。
筒状の葉の中心には水が溜まります。言わば食虫性のタンクブロメリアです。
ムシトリスミレの仲間 Pinguicula spp.
ベタつく葉で捕虫するトリモチ型の食虫植物。モウセンゴケのようには動きませんが、消化しやすいように葉を凹ませる程度は葉が動くようです。ムシトリスミレは食虫植物の定義のうち、①誘引は不明ですがそれ以外は満たしています。もしかしたら、知らないだけで未知の誘引物質が存在する可能性があるかもしれません。
花は非常に美しいですね。
ミミカキグサ Utricularia spp.
ミミカキグサはウトリクラリア属ですから、要するにタヌキモの仲間です。タヌキモは完全に水中性で、水中にある袋にミジンコなどを吸い込んで捕虫する吸い込み罠型です。タヌキモの仲間は食虫植物の程度のすべての定義を満たしています。ミミカキグサは土中に袋があるようです。
非常に小さい植物です。
花がちらほら咲いていました。
モウセンゴケ Drosera spp.
モウセンゴケは粘液で捕虫するトリモチ型の食虫植物。獲物がかかると巻き込むように葉が動きます。モウセンゴケは食虫植物の定義をすべて満たしています。
奇妙な形の捕虫器。
植物園と言えど、展示イベントでもない限りはウツボカズラかあってもサラセニアくらいしか食虫植物はありません。ですから、常設でこれだけ豊富な食虫植物のコレクションを見ることは素晴らしいことですね。モウセンゴケやミミカキグサは十分珍しいのですが、ブロキニアには驚かされました。
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