昔、神保町に行った折、今は無き鳥海書房の別館で入手したサボテンの本が出てきたので、せっかくですからご紹介しましょう。昭和37年に出版された、伊藤芳夫 / 著、『サボテン -その神秘な花-』(保育社カラーブックス)です。
題名の通りサボテンの花に着目した本で、ふんだんにカラー写真が使われています。内容的には南米ものの花サボテンについて、その特徴や発見の経緯などを豊富な知識で縦横無尽に語っています。
南米ものの花サボテンと言えば、その代表格はRebutiaやLobivia、Echinopsisあたりでしょう。本書でもこの3属が中心です。しかし、花サボテンですから、何と言ってもその花を見たいところですが、カラーブックスですから実に美しい花を沢山見ることが出来ます。また、著者の長きにわたる属間交配の試みと、作出された新品種の紹介もありました。
私が感心したのは「駄物礼賛の弁」と言う論です。曰く、初心者はいたずらに高級品に憧れず、作りやすく美しいものから始めた方が良いとのこと。サボテンの大家とされる人も、みな駄物から入ったのだと。まさに至言です。駄物と言ったところで、難物ではない限りは普及してしまえば駄物扱いされる定めなのですから、珍しさではなくそのサボテンが持つ美しさで評価すべきでしょう。近年、SNSなどで、密輸品と思しき黒王丸を初心者が徒長させたりする姿を見るのは、大変悲しいことです。
さて、本書の最後はサボテン全般に関する話で終わります。日本のサボテン栽培の歴史や、育て方、実生や接ぎ木の方法などが実に簡潔にまとめられています。栽培関係の話などは、現在でも通じる内容です。花サボテンは現在でもどちらかといえば脇役で、あまり言及されないことは非常に残念です。花サボテンに関する最高峰の本が昭和37年の本と言うのは困りものですが、それだけ素晴らしい本でもあると言うことでもあります。とはいえ、本書は入手が容易な部類ではありませんから、新たに花サボテン中心の良い本が欲しいところですね。
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南米ものの花サボテンと言えば、その代表格はRebutiaやLobivia、Echinopsisあたりでしょう。本書でもこの3属が中心です。しかし、花サボテンですから、何と言ってもその花を見たいところですが、カラーブックスですから実に美しい花を沢山見ることが出来ます。また、著者の長きにわたる属間交配の試みと、作出された新品種の紹介もありました。
私が感心したのは「駄物礼賛の弁」と言う論です。曰く、初心者はいたずらに高級品に憧れず、作りやすく美しいものから始めた方が良いとのこと。サボテンの大家とされる人も、みな駄物から入ったのだと。まさに至言です。駄物と言ったところで、難物ではない限りは普及してしまえば駄物扱いされる定めなのですから、珍しさではなくそのサボテンが持つ美しさで評価すべきでしょう。近年、SNSなどで、密輸品と思しき黒王丸を初心者が徒長させたりする姿を見るのは、大変悲しいことです。
さて、本書の最後はサボテン全般に関する話で終わります。日本のサボテン栽培の歴史や、育て方、実生や接ぎ木の方法などが実に簡潔にまとめられています。栽培関係の話などは、現在でも通じる内容です。花サボテンは現在でもどちらかといえば脇役で、あまり言及されないことは非常に残念です。花サボテンに関する最高峰の本が昭和37年の本と言うのは困りものですが、それだけ素晴らしい本でもあると言うことでもあります。とはいえ、本書は入手が容易な部類ではありませんから、新たに花サボテン中心の良い本が欲しいところですね。
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