乾燥地帯の多肉植物を見てきましたが、今回は海外のソテツが登場します。日本のソテツは普及種ですから我々日本人は珍しく感じませんが、海外のソテツは大半が絶滅危惧種です。植物園では素通されがちですが、非常に珍しい植物なので気にしてあげて下さい。

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Washingtonia filifera
見上げる高さのワシントンヤシの仲間です。ネームプレートには「オキナワシントンヤシ」とありました。最初、「沖縄ワシントンヤシ」と読んでしまい混乱しましたが、「翁ワシントンヤシ」ですね。


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タチボウキ Asparagus myriocladus
タチボウキはアスパラガスの仲間ですが、調べると複数の種をタチボウキと呼んでいるみたいで、学名はよく分かりませんでした。と言うのもネームプレートが手書きで消えかかっていて読めなかったからです。しかし、筑波実験植物園のHPを見ていたら、タチボウキの学名があったのでA. myriocladusであると分かりましたが、一般的にタチボウキはA. macowaniiとされることが多いようです。

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う〜ん、読めない…。「タチボウキ、ユリ科、南アフリカ」くらいは分かりますが。

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Hura clepitans
幹がトゲトゲのスナバコノキです。妙な和名ですが、英名の訳だそうです。よく分からないのですが、羽根ペンなどを使っていた時代に、余分なインクを吸わせるために砂を用いたそうで、その砂を入れる容器としてスナバコノキの実を使っていたそうです。果実は完熟すると破裂することで有名です。

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見上げる高さまで枝があります。植物園の温室は見上げてナンボなのですが、同じ場所を行ったり来たりさしている私を追い越した方々は皆下ばかり見てましたね。

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Dracaena draco
龍血樹も非常に背が高いですね。しかし、マカロネシアに生えるあの奇妙な姿は、温室では再現出来ないのでしょうか?


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ソテツ地帯が始まりました。何故かネームプレートがありません。
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良い幹ですね。

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Dioon edule var. angustifolium
葉が乱れていますが、エドゥレの変種です。エドゥレは非常に長寿なソテツですが、代わりに恐ろしく生長が遅いことが知られています。通常は最大1〜1.5mほどの高さになりますが、過去の調査では2000歳を超える個体も確認されています。

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ボウチトセランが大暴れしています。学名はネームプレートでも一般的にもSansevieria cylindricaとされていますが、S. angolensisが正式な学名です。しかし、SansevieriaはDracaenaに吸収されてしまいました。ですから、2018年よりDracaena angolensisとされています。

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展開中の新葉が美しいですね。こちらも名前は分かりませんが、何だかDioonっぽいですね。

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やはり名前が分かりません。しかし、葉はコンパクトで面白い形をしています。まあ、Encephalartosのなんかでしょうね。

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Encephalartos fridrici-guilielmi
コーンが出ています。


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Sansevieria masoniana
葉の幅が広いサンセヴィエリアです。2000年に記載された新種ですが、やはり2018年にDracaenaとなりました。しかし、何やら非常口に並んでいるようにも見えますね。


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Encephalartos ferox
トゲオニソテツですね。「ferox」の名前の通り葉はトゲトゲしています。


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こちらは手書きのネームプレートがありましたが、ほぼ消えていて読めませんでした。立派なのになぁ。

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Encephalartos trispinosus
青白く美しいエンケファラルトスです。人気のホリドゥスより華奢で繊細な感じがします。

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Encephalartos ferox
こちらもトゲオニソテツです。実があったので雌株のようです。
ソテツの実を見ていたら、以前に読んだどこかの植物園に行った人のブログを思い出しました。うろおぼえですが、ソテツの実が沢山こぼれているので、植物園が売れば儲かるのになんて感じのことが書いてありました。しかし、ソテツは雌雄異株で花期が揃わないといけませんから、植物園では受粉はなかなか難しいでしょう。1種類1株と言うのも珍しくありませんし、複数株あっても雄株と雌株とは限りませんからね。そうすると、このトゲオニソテツの実は雑種かも知れませんね。発芽能力のない秕か、あるいは近縁種同士ならば発芽能力はあるかも知れません。しかし、いずれにせよ、そんな怪しげなものを植物園が売るのは問題でしょう。植物園は我々市民の憩いの場であると同時に、研究施設でもあるため責任があるのです。

さて、乾燥植物の温室はまだ続きます。外縁をほぼ一周したので、中心に入ります。どのような植物が見られるでしょうか?


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