アロエの論文を探していた時に、たまたまアロエを用いた土地の浄化についての論文を見つけました。土壌汚染地域に植物を植えて、植物に汚染物質を吸収させると言う話はたまに聞きます。しかし、実際の結果については聞いたことがありませんでした。しかも、浄化する植物にアロエを用いると言うのは、なかなか興味深く感じましたので、早速読んでみました。と言うことで、本日はJoao Marcelo-Silvaらの2023年の論文、『Phytoremediation and Nurse Potential of Aloe Plants on Mine Tailings』をご紹介します。

有毒な尾鉱
現在、南アフリカの鉱山では激しい採掘活動が行われています。鉱山の尾鉱(採掘の残渣)には有毒な金属(PTM)が豊富に含まれており、環境に対する長期的なリスクがあります。

アロエでPTMを除去出来るのか?
この論文では、植物を用いたPTMの除去、つまりPytoremediationの可能性を探ります。
この研究では、鉱山の尾鉱を用いて栽培された、Aloe burgersfortensisとAloe castaneaを評価しました。試験ではプラチナ鉱山と金鉱山から採取された尾鉱が使用されました。

アロエの成分分析
尾鉱で栽培されたアロエの葉の成分を分析しました。尾鉱ではない土壌で栽培されたA. castaneaと比較すると、プラチナ鉱山と金鉱山の尾鉱で栽培されたA. castaneaには高いレベルのニッケルが含まれていました。さらに、プラチナ鉱山の尾鉱ではカドミウム、マンガン、亜鉛、銅が蓄積し、金鉱山の尾鉱ではコバルト、マンガン、亜鉛、銅が蓄積しました。A. bergersfortensisでは、尾鉱ではない土壌で栽培された個体では、A. castaneaよりも亜鉛やニッケル、マンガン、カドミウム濃度は高いものの、尾鉱で栽培すると蓄積濃度が下がる傾向があります。金鉱山の尾鉱では亜鉛濃度が多少上がりました。

最後に
Aloe castaneaは有毒な金属を生物濃縮する可能性が示されました。しかし、そもそも重金属で汚染された土壌では育たない植物も多いわけで、Aloe castaneaが重金属に耐性があることに驚きます。私が思うに、このPytoremediationにおいて重要なのは、固有種の使用だと思います。やはり、外来種ではなくて、自生する植物の使用が望ましいはずです。まあ、南アフリカの乾燥地に適応した植物となれば、自生する多肉植物を用いるのがもっとも有用でしょう。
今回は2種類のアロエを用いましたが、種によって金属の蓄積傾向が異なることが示唆されます。場合によっては、複数種の植物を組み合わせて、効率的に金属を回収することも可能かも知れません。この論文は2023年のものですから最近の話です。アロエを用いたPytoremediationはまったく新しい試みと言えます。今後の進展に期待したいですね。


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