本日は少し緩い話をします。当ブログでは今まで250本を超える学術論文の要約を記事にしてきました。しかし、一般に論文を読むことは、かなりハードルが高いようにも思われています。論文のほとんどは英語で書かれていますから、外国語の苦手な日本人には向いていないと言う面もあるでしょう。とは言え、私も格別に英語が得意なわけではなく、割と分からない単語も多く、調べ調べしながら訳しています。
専門用語が分からない
論文を読むにあたり、私にとって最大の問題は専門用語です。論文には日本語でも分からない用語が頻出しますから、用語の意味やニュアンスと言うか使い所が分からないと、文の意味が中々掴めません。前後の文脈にも影響しますから、いつも四苦八苦しています。
英語じゃないと分からない
サボテンや多肉植物の原産地は必ずしも英語圏ではないため、気になる論文が英語以外の場合もあります。例えば、マダガスカルはフランス語圏、メキシコはスペイン語圏なので、フランス語やスペイン語の論文もそれなりにあったりします。しかし、残念ながらフランス語やスペイン語はさっぱりなので、基本的に諦めています。機械翻訳を試してみたりもしましたが、どうも専門用語との相性が悪く、正しく訳せていないようです。ただ専門用語を誤訳しているだけではなく、前後の文脈も可怪しくなっていたりしますから、これは使えませんね。スペルを1つずつ訳していけば何とかなるかも知れませんが、流石に手間がかかり過ぎます。
論文は無料が好き
私は基本的に無料で公開された論文を読んでいます。これは、何も不正にダウンロードしたわけではなく、論文には有料のものと無料のものとがあると言うだけの話です。とは言え、有料のものは1本で数千円しますから、中々手が出ません。もしかしたら、著作権を思い浮かべ、ケチケチするなと思われるかも知れません。しかし、一般的には著作権者=執筆者ですが、学術論文ではまったく異なります。学術論文では出版社が著作権者なので、論文が売れても論文を執筆した研究者には一銭も支払われません。なぜなら、文芸雑誌は出版社が作家に依頼して書いてもらいますが、論文は研究者が出版社に載せていただけるようにお願いするからものだからです。研究者は学術雑誌に研究成果が掲載されることが絶対的な評価基準ですから、立場的には弱いのです。出版社は沢山送られてくる論文の中から良いものだけを選び掲載します。この時点で論文には競争があるのです。ちなみに、論文掲載が決まっても、研究者はかなりの額の掲載料を出版社に支払う必要があります。日本国内の研究では、1年に掲載料だけで23億円に達すると言う新聞記事を見たことがあります。研究とは実に金にならないものなのです。
公益性とインパクト・ファクター
論文が無料で公開されていることにも意味があります。特に医学系の論文では、広く公知されることが公共益になりますから、無料で公開されることは重要です。個人的には、大学や研究には公金=税金が投入されているのですから、研究成果を広く公開して欲しいと思っています。
さらに言えば、論文はできるだけレベルの高い雑誌に掲載されることが目指されます。一般にも有名なのは、ネイチャーやサイエンスですが、これらの雑誌のレベルはインパクト・ファクターにより決まります。インパクト・ファクターとは、掲載した論文がどれだけ他の論文で引用されたかを示す数字です。これは、その分野を研究するにあたり、根拠として引用した重要な内容を含むと判断された論文なわけです。
有料論文の高騰
学術世界は常に新しい知識でアップデートする必要がある、厳しい競争の世界です。大学院生や若手研究者も関連する分野の論文を沢山読む必要がありますが、有料論文が問題となります。読まなくてはならない重要な論文が有料だと、実験より論文に資金を吸い取られてしまいます。近年、論文の有料化とその高額化が進んでおり、若手研究者からは悲鳴があがっています。この点はかなり問題となっているようです。これからの時代は研究者個人ではなく、大学や国のサポートが必要となるのではないでしょうか。
最後に
学術論文は敷居が高く感じますが、内容は様々で必ずしも難解なものではありません。単純に生態や分布を調査したような論文は、誰でも割と読みやすい部類です。私はなるべく多肉植物全般を記事にしようとしていますが、論文の選択はやはり私の好みに左右されます。気になる多肉植物があるならば、ぜひ論文を読んでみることをお勧めします。
ちなみに、有料の論文はそれぞれの掲載誌ごとに購入するものもありますが、様々な雑誌の論文を購入出来るプラットフォームのようなサイトもあります。あるサイトでは論文1本の価格は10ドルか20ドル、あるサイトでは4980円となっていました。読んだだけで記事にしない論文もありますから、月に10本購入するだけで年間数十万円になってしまうでしょう。これは、ちょっと無理ですかね。また、掲載誌を定期購読したら論文1本あたりの単価は下がりますが、学術誌の種類が増えたため、あちこちの雑誌に掲載されますから、読みたい論文がその雑誌に掲載されるとは限りません。読みたい論文は山のようにあるのに、読めないものが多くフラストレーションが溜まります。これ以上、論文の有料化が進まないことを願っております。
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専門用語が分からない
論文を読むにあたり、私にとって最大の問題は専門用語です。論文には日本語でも分からない用語が頻出しますから、用語の意味やニュアンスと言うか使い所が分からないと、文の意味が中々掴めません。前後の文脈にも影響しますから、いつも四苦八苦しています。
英語じゃないと分からない
サボテンや多肉植物の原産地は必ずしも英語圏ではないため、気になる論文が英語以外の場合もあります。例えば、マダガスカルはフランス語圏、メキシコはスペイン語圏なので、フランス語やスペイン語の論文もそれなりにあったりします。しかし、残念ながらフランス語やスペイン語はさっぱりなので、基本的に諦めています。機械翻訳を試してみたりもしましたが、どうも専門用語との相性が悪く、正しく訳せていないようです。ただ専門用語を誤訳しているだけではなく、前後の文脈も可怪しくなっていたりしますから、これは使えませんね。スペルを1つずつ訳していけば何とかなるかも知れませんが、流石に手間がかかり過ぎます。
論文は無料が好き
私は基本的に無料で公開された論文を読んでいます。これは、何も不正にダウンロードしたわけではなく、論文には有料のものと無料のものとがあると言うだけの話です。とは言え、有料のものは1本で数千円しますから、中々手が出ません。もしかしたら、著作権を思い浮かべ、ケチケチするなと思われるかも知れません。しかし、一般的には著作権者=執筆者ですが、学術論文ではまったく異なります。学術論文では出版社が著作権者なので、論文が売れても論文を執筆した研究者には一銭も支払われません。なぜなら、文芸雑誌は出版社が作家に依頼して書いてもらいますが、論文は研究者が出版社に載せていただけるようにお願いするからものだからです。研究者は学術雑誌に研究成果が掲載されることが絶対的な評価基準ですから、立場的には弱いのです。出版社は沢山送られてくる論文の中から良いものだけを選び掲載します。この時点で論文には競争があるのです。ちなみに、論文掲載が決まっても、研究者はかなりの額の掲載料を出版社に支払う必要があります。日本国内の研究では、1年に掲載料だけで23億円に達すると言う新聞記事を見たことがあります。研究とは実に金にならないものなのです。
公益性とインパクト・ファクター
論文が無料で公開されていることにも意味があります。特に医学系の論文では、広く公知されることが公共益になりますから、無料で公開されることは重要です。個人的には、大学や研究には公金=税金が投入されているのですから、研究成果を広く公開して欲しいと思っています。
さらに言えば、論文はできるだけレベルの高い雑誌に掲載されることが目指されます。一般にも有名なのは、ネイチャーやサイエンスですが、これらの雑誌のレベルはインパクト・ファクターにより決まります。インパクト・ファクターとは、掲載した論文がどれだけ他の論文で引用されたかを示す数字です。これは、その分野を研究するにあたり、根拠として引用した重要な内容を含むと判断された論文なわけです。
有料論文の高騰
学術世界は常に新しい知識でアップデートする必要がある、厳しい競争の世界です。大学院生や若手研究者も関連する分野の論文を沢山読む必要がありますが、有料論文が問題となります。読まなくてはならない重要な論文が有料だと、実験より論文に資金を吸い取られてしまいます。近年、論文の有料化とその高額化が進んでおり、若手研究者からは悲鳴があがっています。この点はかなり問題となっているようです。これからの時代は研究者個人ではなく、大学や国のサポートが必要となるのではないでしょうか。
最後に
学術論文は敷居が高く感じますが、内容は様々で必ずしも難解なものではありません。単純に生態や分布を調査したような論文は、誰でも割と読みやすい部類です。私はなるべく多肉植物全般を記事にしようとしていますが、論文の選択はやはり私の好みに左右されます。気になる多肉植物があるならば、ぜひ論文を読んでみることをお勧めします。
ちなみに、有料の論文はそれぞれの掲載誌ごとに購入するものもありますが、様々な雑誌の論文を購入出来るプラットフォームのようなサイトもあります。あるサイトでは論文1本の価格は10ドルか20ドル、あるサイトでは4980円となっていました。読んだだけで記事にしない論文もありますから、月に10本購入するだけで年間数十万円になってしまうでしょう。これは、ちょっと無理ですかね。また、掲載誌を定期購読したら論文1本あたりの単価は下がりますが、学術誌の種類が増えたため、あちこちの雑誌に掲載されますから、読みたい論文がその雑誌に掲載されるとは限りません。読みたい論文は山のようにあるのに、読めないものが多くフラストレーションが溜まります。これ以上、論文の有料化が進まないことを願っております。
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