Sedumは丈夫で育てやすく、寄植えやグランドカバーなど用途の幅も広く、その種類も非常に沢山あります。しかも、近年に至っても沢山の新種が発見されています。新たな調査により発見される場合もありますが、近年の特徴は遺伝子解析による新種の発見でしょう。産地ごとの微妙な違い程度と考えられて変種や亜種とされてきたものが、遺伝子解析により分離されるという報告がなされるようになりました。このように、新種の発見は大変興味深いものです。しかし、我々趣味家には中々情報が入って来ないものです。本日はそんなセダムのここ10年と少しの新種について、ごく簡単にご紹介しましょう。ただ、私もそのすべてを歩漁出来ませんから、おそらくご紹介出来たのはその一部に過ぎないかも知れません。

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Sedum spp.
『Illustrations of the British flora』(1908年)より。


2010年
・米国のアイダホ州から新種であるSedum valensが記載されました。


2012年
・メキシコから新種であるSedum kristeniiが記載されました。
・メキシコとグアテマラから新種であるSedum mesoamericanumが記載されました。
・中国から新種であるSedum plumbizinicicolaが記載されました。
・メキシコから新種であるSedum perezdelarosaeが記載されました。
・メキシコから新種であるSedum jarochoが記載されました。
・メキシコから新種であるSedum brachetiiが記載されました。


2013年
・台湾の石灰岩地から新種であるSedum tarokoenseが記載されました。
・中国から新種であるSedum kuntsunianumが記載されました。


2014年
・米国のカリフォルニア州から新種であるSedum citrinumが記載されました。
・中国から新種であるSedum spiralifoliumが記載されました。


2015年
・メキシコから新種であるSedum moniliformeが記載されました。Sedum longipesに良く似ているということです。
・メキシコから新種であるSedum piaxtlaenseが記載されました。
・メキシコから新種であるSedum pyriseminumが記載されました。


2016年
・東アフリカのケニア山高地から、新種であるSedum kenienseが記載されました。


2017年
・日本の男女群島より新種であるSedum danjoenseが記載されました。Sedum formosanumとされてきましたが、遺伝子解析により別種として分離されました。
・メキシコから新種であるSedum sinforosanumが記載されました。
・中国からSedum peltatumが説明されました。しかし、キュー王立植物園のデータベースには記載がありません。


2019年
・中国の石灰岩地から新種であるSedum lipingenseが記載されました。
・中国から新種であるSedum ichangensisが記載されました。
・台湾から新種であるSedum kwanwuenseSedum taiwanalpinumが記載されました。


2020年
・中国から新種であるSedum nanlingensisが記載されました。Sedum onychopetalumやSedum kiangnanenseに近縁とされます。
・ペルー北部から新種であるSedum hutchisoniiが記載されました。
・日本の小笠原諸島から新種のSedum mukojimenseが記載されました。Sedum boninenseから分離されました。


2022年
・メキシコから新種であるSedum dormiensが記載されました。
・日本の九州地方から沖縄に分布するSedum japonicum subsp. uniflorumあるいはSedum uniflorumとされるセダムは、Sedum ryukyuenseとされました。これは、1838年に記載されたSedum uniflorum Hook. & Arn.は、過去に同名のセダムが命名されていたため非合法名として命名され直されました。ちなみに、同名のセダムとは、1810年に命名されたSedum uniflorum Raf.(=Phedimus stellatus)です。 


2023年
2023年に出た論文で説明された新種は、まだデータベースに記載がありません。
・中国から新種とされるSedum jinglaniiが説明されました。
・中国から新種とされるSedum yangjifengensisが説明されました。
・中国から新種とされるSedum danxiacolaが説明されました。
・日本の九州地方の石灰岩地より、新種とされるSedum kawarenseが説明されました。Sedum lipingenseに近縁とされます。


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Sedum bourgaei
『Addisonia』(1917年)より。


セダムは種類が多く皆よく似ていますから、種類の判別は中々困難です。意外にも日本でもまだ新種のセダムが見つかっていますが、その経緯は種の整理や分離独立といった形です。これは、日本のセダムが広く分布する種類と似ていたら、基本的に広域種の地方変異程度に考えてしまうため、このような事態となっているのでしょう。今は遺伝子解析という武器があるため、隠蔽されていた新種が見つけ出されたのです。これからも、このようなケースは増えてくることは確実ですから、場合によっては新種が次々と見つかる可能性もあります。セダムはある意味、今熱い分野なのかも知れませんね。


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