気付けばサボテンや多肉植物の論文を随分と読み、また随分な数を記事にしました。中にはストーリー性のある実に読ませる論文もあります。本日は過去の記事の中から、ストーリー性のあるものをいくつかピックアップしてみました。興味がある記事がありましたら、リンクをクリックしてみて下さい。

①Euphorbia robecchiiでバナナを運んだ話(1954)
アフリカの植民地時代、イタリアのバナナ・プランテーションがありました。その輸送にユーフォルビアが使われたというのです。どのようにして利用したのでしょうか?


②Aloidendron dichotomumの発見(2021)
Aloidendronは巨大なアロエです。17世紀にオランダ東インド会社が南アフリカに基地を設置し、資源探査に乗り出しました。ここから、Aloidendronの歴史は始まります。それ以来、沢山の西洋人がアフリカを訪れ、Aloidendronに興味を惹かれました。


③ウンカリーナと巨鳥(2009)
Uncarinaはマダガスカル原産の塊根植物ですが、そのトゲトゲの実を運ぶ動物は不明でした。果実は丈夫で自然と種子が出てこないため、ウンカリーナの種子をばらまく役目の動物はすでに絶滅している可能性が高いのです。では、その動物とは何でしょうか?


④Dioon spinulosumを探して(1909)
この論文は、Dioon spinulosumという世界最大のソテツを探す旅の様子が描かれています。1908年に著者はメキシコを訪れ、馬に乗り巨大ソテツの自生地を探しました。その巨大さと葉の優美さは著者を感嘆させます。


⑤Gasteria baylissianaの前日譚(1999)
Gasteria baylissianaは1960年にアマチュアのTruterにより採取されましたが、1965年にbayliss大佐の採取した個体から命名されました。ガステリア属は「分類学者の悪夢」と呼ばれるほど分類が混乱していましたが、1992年にvan Jaasveldにより整理されました。van JaasveldはTruterの協力のもと野生のG. baylissianaを採取し、bayliss大佐の増やした個体と交配し、減少した自生地に移植しました。


⑥Aloe thompsoniaeは誰に献じられたのか?(2011)
Aloe thopsoniaeは1936年にGroenewaldにより命名されましたが、この「thompsoniae」とは明らかに人名から来ていますが、誰に対する献名なのでしょうか? 


⑦サボテンの違法取引について(2022)
サボテンは希少なものが多く、そのほとんどが国際的な取引はワシントン条約により規制されています。しかし、オンライン取引の普及により、違法売買が気安く行われている現状があります。著者らは違法取引に関するアンケートを実施し、我々のような趣味家の意識を調査しました。


⑧韓国におけるDudleyaの違法取引の背景(2020)
韓国の業者によるDudleyaの違法採取が近年自生地で起きていますが、その背景を探っています。その理由を正しく理解しないと、効果的な保全活動は難しいことが分かります。



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