ユーフォルビアは世界中に分布し、ポインセチアやハツユキソウのように多肉植物ではないものも沢山ありますが、乾燥地に生えるものは多肉質でサボテンによく似た種類もあります。基本的にユーフォルビアはシアチウム(Cyathium)と呼ばれる特殊な形状の花序により特徴付けられます。花の特徴は植物分類学では最も重要な因子で、植物分類学者ならば花の構造を見れば未知の植物でも大体の分類群が分かります。しかし、ユーフォルビアの小さな花序の特徴を肉眼で観察するのは、我々アマチュアには中々困難です。また、ユーフォルビアにはかなりの大きさにならないと開花しないものもありますから、趣味でユーフォルビアを栽培している場合、ユーフォルビアの花序を見ることはあまりに時間がかかるでしょう。ですから、我々のような趣味家は、花の特徴ではなくトゲなどの他の特徴をもって種類を特定しています。今日は、そんなユーフォルビアの花序以外のお話です。
本日、ご紹介するのはCamelie IFRIMの2018年の論文、『STUDIES ON EPIDERMAL APPENDAGES FROM VEGETATIVE ORGANS AT EUPHORBIA SPECIES CULTIVATED IN BOTANICAL GARDEN IASSY』です。ルーマニアの大学からの論文のようです。植物園で栽培されるユーフォルビアの花序以外の外見的な特徴を取り上げています。やはり、論文中でも形態学的研究は非常に稀で、しかも北半球のユーフォルビア(おそらくは多肉植物ではない種類)についてです。南アフリカなどのユーフォルビアはトゲなどの付属物は研究されてきませんでした。著者はトゲと毛状突起、葉の跡について調査しました。
アフリカのユーフォルビアは多肉質でトゲがあり、サボテンによく似ています。これは、収斂進化のよく知られた例です。ユーフォルビアのトゲはサボテンのトゲ(※1)とは異なり、茎が起源(※2)であり「トゲの盾(※3)」(spine shield)があります。
(※1) 一般的にサボテンのトゲは葉が由来と言われます。しかし、木の葉サボテンには葉とトゲの両方がありますから、少しおかしいような気もします。確かにサボテンのトゲは葉が由来ですが、一般的に芽を守るために生える鱗片葉が由来ではないかと言われているようです。
(※2) 柱サボテン状のユーフォルビア(ユーフォルビア亜属)は、確かに角が硬質化してトゲが出来ているように見えます。しかし、ホリダやバリダなどのアティマルス亜属は花茎がトゲになっています。
トゲは花茎由来です。花茎の先端に花が咲きます。
(※3) 柱サボテン状のユーフォルビアは、トゲとトゲの間が硬質化してつながるものがあります。
『Flora capensis』(Brownら、1925)では、アフリカのユーフォルビアのトゲには、3つのタイプがあるとしています。
1. 枝の頂点がトゲに変わった
→E. stenoclada
2. 花序の茎がトゲに変わった。
→E. ferox
3. 「托葉棘」と呼ばれる対のトゲ。葉の痕跡に向かって異なる位置にある。
→E. caerulecens
3種類目のトゲは托葉ではないことにBrownは気付きましたが、この用語はユーフォルビア属の専門文献(Carter, 2002)においても使用されています。
spine shield(トゲの盾)はアフリカのユーフォルビアの種の同定に重要かも知れません。しかし、Beentje & Chee, 2014では、spine shieldはほとんど使用されず、「トゲが突き出した角質パッド」(horney pad from which the spines stick out)として定義されています。Dorseyら(2013)は、spine shieldは「通常、2つか4つのトゲの生長をもたらす」と指摘しています。これは、Carter(1994)により「トゲとして修正された1対のトゲと1対の托葉」であると解釈されています。
論文においてはspine shieldの他に、葉の痕跡、毛状突起が、特徴として挙げられます。論文では最後に植物園のユーフォルビアの特徴を羅列していますが、これは意外と冗長でそれほど重要な事は書いていないので割愛します。その代わり、私の育てているユーフォルビアを例にして、ユーフォルビアの持つ外見的特徴を見てみましょう。
論文は割と大雑把な分け方で、あまり分類を意識していないようです。ここでは、せっかくなので遺伝子解析の結果から得られた分類に則って見ていきます。ユーフォルビア属は4亜属に分けられます。そのうちEsula亜属やChamaesyce亜属は多肉植物ではないものがほとんどです。ここでは、多肉質のユーフォルビアの大半を占めるEuphorbia亜属と、園芸用によく栽培されるAthymalus(Rhizanthium)亜属を扱います。
①New World clade
Euphorbia亜属はアジア・アフリカ・ヨーロッパなどの旧世界のものと、南北アメリカ大陸の新世界のものに分けられます。夜光キリン(E. phosphorea)など一部のものは、南米原産ですがNew World cladeではありません。
Euphorbia weberbaueri
ウェベルバウエリの茎の断面は歯車状ですが、ribは葉の跡から3本出ます。葉は非常に小さくすぐに脱落します。
②Goniostema節
Euphorbia亜属のOld World cladeは非常に多様で種類が多いので、節(section)ごとに見ていきます。
Section Goniostemaはいわゆる花キリンの仲間で、マダガスカル原産です。茎はトゲのあるものが多く、基本的に木質化します。多肉質なユーフォルビアの葉は脱落性のものが多いのですが、花キリンの葉は長期間脱落せずに残り、葉が脱落した跡が非常に目立ちます。また、塊根性のものが多くあります。花が美しいので鑑賞用に園芸品種が盛んに栽培されます。
Euphorbia viguieri
ヴィグイエリは葉と幹で光合成する花キリンでは珍しいタイプです。葉は大きく長く残ります。幹はサボテンのように太りトゲがあります。葉の跡は小さく目立ちません。
Euphorbia neohumbertii
ヴィグイエリとは他人の空似で、それほど近縁ではありません。幹は緑色ですが、ヴィグイエリと比べると光合成にあまり寄与していないように思えます。葉の跡は非常に目立ち、特徴的な縞模様になります。
Euphorbia didiereoides
大型の花キリンで幹は木質化します。トゲは強く葉の跡は目立ちません。
Euphorbia boiteaui
ボイテアウイははっきりしたトゲはありませんが、少し毛羽立ったような小さな突起があります。葉の跡は割と目立ちます。
Euphorbia ramena
ラメナはトゲではなく毛のようなものが出て来ます。
③Deuterocalli節
Old World cladeです。Section Deuperocalliは、マダガスカル原産の棒状の多肉植物です。同じマダガスカル原産のGoniostema節の姉妹群です。
Euphorbia alluaudii
アルアウディイは葉の跡が枝に沢山残ります。葉は非常に小さくすぐに脱落します。
④Momadenium節
Old World cladeです。かつては、Momadenium属でしたが、近年ユーフォルビア属とされました。そのため、学名が変更されています。
Euphorbia magnifica
かつてのMonadenium magnificumです。特徴的なトゲと、まばらな葉の跡が目立ちます。葉は硬く丈夫で長く残ります。
⑤Euphorbia節
Old World cladeです。柱サボテン状で大半がアフリカ大陸原産ですが、一部はアジア原産です。トゲとトゲの間が角質化してつながるものがあります。大型の多肉質のユーフォルビアはSection Euphorbiaと考えて間違いありません。
Euphorbia canariensis
多くのユーフォルビアは生長点に葉を持ちます。トゲが出る時に一緒に葉が出て、その葉はいずれ脱落します。しかし、カナリエンシスは葉がまったく出ません。
Euphorbia griseola
グリセオラはトゲとトゲの間の稜が角質化してつながります。この特徴はEuphorbia節には良く見られる構造で、苗のころはつながっていない種類もあります。
⑥Florispina亜節
Athymalus亜属、Anthacantha節に分類されます。Subgenus Athymalusはいくつかの節(section)からなりますが、その大半は多肉植物ではなく樹木となります。多肉質なものはSection Anthacanthaに固まっており、その中でもSubsection Florispinaは中心的です。
Subsection Florispinaは園芸用に有名な種類が多く含まれ、いくつかの種類は大量生産されています。トゲは花茎由来ですが、花が咲かないとトゲが出ないものと、花が咲かなくてもトゲ(花茎)が出るものがあります。
Euphorbia meloformis
バリダはメロフォルミスに含まれています。枯れた花茎が残ってトゲのように見えます。メロフォルミスは花が咲かないとトゲは出ません。
Euphorbia polygona var. horrida
ホリダのトゲは花が咲かなくても出ます。しかし、花茎由来なので、よく見ると表面は滑らかではなく苞葉の残骸のような構造が見えます。
Euphorbia ferox
フェロクスのトゲは非常に強いのですが、やはりホリダと同じくトゲは花茎由来ですから苞葉の残骸のようなものが見えます。
Euphorbia bubalina
ブバリナはトゲはありませんが、葉は長く残ります。葉の跡が残ります。
Euphorbia bupleurifolia
ブプレウリフォリアはブバリナと似たような育ち方ですが、イボが鱗状になります。イボの先端が葉の跡なので、葉の跡が下を向きます。
⑦Dacthylanthes亜節
Athymalus亜属、Anthacantha節に分類されます。塊根から多肉質の枝を出すものがあります。
Euphorbia globosa
クロボサは脱落性の小さな葉の跡が点のように残ります。
⑧Medusea亜節
Athymalus亜属、Anthacantha節に分類されます。いわゆるタコもの(Medusoid)で、多肉質の幹からトゲのない枝を沢山伸ばします。枝は再分岐せず、いずれ脱落します。
Euphorbia gorgonis
ゴルゴニスは本体が扁平に育ちますが、枝は非常に短く育ちます。枝には脱落性の小さな葉の跡があります。
Euphorbia schoenlandii
スコエンランディイは本体が縦に伸びるタイプです。枝は短く、枯れた枝が長く残りトゲのように見えます。
⑨Balsamis節
Athymalus亜属に分類されます。半多肉植物くらいの位置づけの乾燥地の灌木で、幹は水分を貯めるためにやや太りますが塊茎とまではいきません。
Euphorbia balsamifera
バルサミフェラは樹木状に育ちます。トゲはなく、幹は全体的にやや太くなります。
一般的に論文ではユーフォルビアの特徴として、花序(Cyathium)の詳細な解剖学的特徴が記されます。しかし、それ以外の特徴となると意外と曖昧で、大雑把すぎて近縁種との違いが分からないこともしばしばです。わざわざ、近縁種との見分け形を記述したような論文はあまりなく、入手したユーフォルビアの名札と本当に同じ種類か確かめるのも中々困難です。この論文はあくまでも基本的な情報と問題提起程度の内容ですから、今後発展させた論文が出てきて欲しいところです。
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本日、ご紹介するのはCamelie IFRIMの2018年の論文、『STUDIES ON EPIDERMAL APPENDAGES FROM VEGETATIVE ORGANS AT EUPHORBIA SPECIES CULTIVATED IN BOTANICAL GARDEN IASSY』です。ルーマニアの大学からの論文のようです。植物園で栽培されるユーフォルビアの花序以外の外見的な特徴を取り上げています。やはり、論文中でも形態学的研究は非常に稀で、しかも北半球のユーフォルビア(おそらくは多肉植物ではない種類)についてです。南アフリカなどのユーフォルビアはトゲなどの付属物は研究されてきませんでした。著者はトゲと毛状突起、葉の跡について調査しました。
アフリカのユーフォルビアは多肉質でトゲがあり、サボテンによく似ています。これは、収斂進化のよく知られた例です。ユーフォルビアのトゲはサボテンのトゲ(※1)とは異なり、茎が起源(※2)であり「トゲの盾(※3)」(spine shield)があります。
(※1) 一般的にサボテンのトゲは葉が由来と言われます。しかし、木の葉サボテンには葉とトゲの両方がありますから、少しおかしいような気もします。確かにサボテンのトゲは葉が由来ですが、一般的に芽を守るために生える鱗片葉が由来ではないかと言われているようです。
(※2) 柱サボテン状のユーフォルビア(ユーフォルビア亜属)は、確かに角が硬質化してトゲが出来ているように見えます。しかし、ホリダやバリダなどのアティマルス亜属は花茎がトゲになっています。
トゲは花茎由来です。花茎の先端に花が咲きます。
(※3) 柱サボテン状のユーフォルビアは、トゲとトゲの間が硬質化してつながるものがあります。
『Flora capensis』(Brownら、1925)では、アフリカのユーフォルビアのトゲには、3つのタイプがあるとしています。
1. 枝の頂点がトゲに変わった
→E. stenoclada
2. 花序の茎がトゲに変わった。
→E. ferox
3. 「托葉棘」と呼ばれる対のトゲ。葉の痕跡に向かって異なる位置にある。
→E. caerulecens
3種類目のトゲは托葉ではないことにBrownは気付きましたが、この用語はユーフォルビア属の専門文献(Carter, 2002)においても使用されています。
spine shield(トゲの盾)はアフリカのユーフォルビアの種の同定に重要かも知れません。しかし、Beentje & Chee, 2014では、spine shieldはほとんど使用されず、「トゲが突き出した角質パッド」(horney pad from which the spines stick out)として定義されています。Dorseyら(2013)は、spine shieldは「通常、2つか4つのトゲの生長をもたらす」と指摘しています。これは、Carter(1994)により「トゲとして修正された1対のトゲと1対の托葉」であると解釈されています。
論文においてはspine shieldの他に、葉の痕跡、毛状突起が、特徴として挙げられます。論文では最後に植物園のユーフォルビアの特徴を羅列していますが、これは意外と冗長でそれほど重要な事は書いていないので割愛します。その代わり、私の育てているユーフォルビアを例にして、ユーフォルビアの持つ外見的特徴を見てみましょう。
論文は割と大雑把な分け方で、あまり分類を意識していないようです。ここでは、せっかくなので遺伝子解析の結果から得られた分類に則って見ていきます。ユーフォルビア属は4亜属に分けられます。そのうちEsula亜属やChamaesyce亜属は多肉植物ではないものがほとんどです。ここでは、多肉質のユーフォルビアの大半を占めるEuphorbia亜属と、園芸用によく栽培されるAthymalus(Rhizanthium)亜属を扱います。
①New World clade
Euphorbia亜属はアジア・アフリカ・ヨーロッパなどの旧世界のものと、南北アメリカ大陸の新世界のものに分けられます。夜光キリン(E. phosphorea)など一部のものは、南米原産ですがNew World cladeではありません。
Euphorbia weberbaueri
ウェベルバウエリの茎の断面は歯車状ですが、ribは葉の跡から3本出ます。葉は非常に小さくすぐに脱落します。
②Goniostema節
Euphorbia亜属のOld World cladeは非常に多様で種類が多いので、節(section)ごとに見ていきます。
Section Goniostemaはいわゆる花キリンの仲間で、マダガスカル原産です。茎はトゲのあるものが多く、基本的に木質化します。多肉質なユーフォルビアの葉は脱落性のものが多いのですが、花キリンの葉は長期間脱落せずに残り、葉が脱落した跡が非常に目立ちます。また、塊根性のものが多くあります。花が美しいので鑑賞用に園芸品種が盛んに栽培されます。
Euphorbia viguieri
ヴィグイエリは葉と幹で光合成する花キリンでは珍しいタイプです。葉は大きく長く残ります。幹はサボテンのように太りトゲがあります。葉の跡は小さく目立ちません。
Euphorbia neohumbertii
ヴィグイエリとは他人の空似で、それほど近縁ではありません。幹は緑色ですが、ヴィグイエリと比べると光合成にあまり寄与していないように思えます。葉の跡は非常に目立ち、特徴的な縞模様になります。
Euphorbia didiereoides
大型の花キリンで幹は木質化します。トゲは強く葉の跡は目立ちません。
Euphorbia boiteaui
ボイテアウイははっきりしたトゲはありませんが、少し毛羽立ったような小さな突起があります。葉の跡は割と目立ちます。
Euphorbia ramena
ラメナはトゲではなく毛のようなものが出て来ます。
③Deuterocalli節
Old World cladeです。Section Deuperocalliは、マダガスカル原産の棒状の多肉植物です。同じマダガスカル原産のGoniostema節の姉妹群です。
Euphorbia alluaudii
アルアウディイは葉の跡が枝に沢山残ります。葉は非常に小さくすぐに脱落します。
④Momadenium節
Old World cladeです。かつては、Momadenium属でしたが、近年ユーフォルビア属とされました。そのため、学名が変更されています。
Euphorbia magnifica
かつてのMonadenium magnificumです。特徴的なトゲと、まばらな葉の跡が目立ちます。葉は硬く丈夫で長く残ります。
⑤Euphorbia節
Old World cladeです。柱サボテン状で大半がアフリカ大陸原産ですが、一部はアジア原産です。トゲとトゲの間が角質化してつながるものがあります。大型の多肉質のユーフォルビアはSection Euphorbiaと考えて間違いありません。
Euphorbia canariensis
多くのユーフォルビアは生長点に葉を持ちます。トゲが出る時に一緒に葉が出て、その葉はいずれ脱落します。しかし、カナリエンシスは葉がまったく出ません。
Euphorbia griseola
グリセオラはトゲとトゲの間の稜が角質化してつながります。この特徴はEuphorbia節には良く見られる構造で、苗のころはつながっていない種類もあります。
⑥Florispina亜節
Athymalus亜属、Anthacantha節に分類されます。Subgenus Athymalusはいくつかの節(section)からなりますが、その大半は多肉植物ではなく樹木となります。多肉質なものはSection Anthacanthaに固まっており、その中でもSubsection Florispinaは中心的です。
Subsection Florispinaは園芸用に有名な種類が多く含まれ、いくつかの種類は大量生産されています。トゲは花茎由来ですが、花が咲かないとトゲが出ないものと、花が咲かなくてもトゲ(花茎)が出るものがあります。
Euphorbia meloformis
バリダはメロフォルミスに含まれています。枯れた花茎が残ってトゲのように見えます。メロフォルミスは花が咲かないとトゲは出ません。
Euphorbia polygona var. horrida
ホリダのトゲは花が咲かなくても出ます。しかし、花茎由来なので、よく見ると表面は滑らかではなく苞葉の残骸のような構造が見えます。
Euphorbia ferox
フェロクスのトゲは非常に強いのですが、やはりホリダと同じくトゲは花茎由来ですから苞葉の残骸のようなものが見えます。
Euphorbia bubalina
ブバリナはトゲはありませんが、葉は長く残ります。葉の跡が残ります。
Euphorbia bupleurifolia
ブプレウリフォリアはブバリナと似たような育ち方ですが、イボが鱗状になります。イボの先端が葉の跡なので、葉の跡が下を向きます。
⑦Dacthylanthes亜節
Athymalus亜属、Anthacantha節に分類されます。塊根から多肉質の枝を出すものがあります。
Euphorbia globosa
クロボサは脱落性の小さな葉の跡が点のように残ります。
⑧Medusea亜節
Athymalus亜属、Anthacantha節に分類されます。いわゆるタコもの(Medusoid)で、多肉質の幹からトゲのない枝を沢山伸ばします。枝は再分岐せず、いずれ脱落します。
Euphorbia gorgonis
ゴルゴニスは本体が扁平に育ちますが、枝は非常に短く育ちます。枝には脱落性の小さな葉の跡があります。
Euphorbia schoenlandii
スコエンランディイは本体が縦に伸びるタイプです。枝は短く、枯れた枝が長く残りトゲのように見えます。
⑨Balsamis節
Athymalus亜属に分類されます。半多肉植物くらいの位置づけの乾燥地の灌木で、幹は水分を貯めるためにやや太りますが塊茎とまではいきません。
Euphorbia balsamifera
バルサミフェラは樹木状に育ちます。トゲはなく、幹は全体的にやや太くなります。
一般的に論文ではユーフォルビアの特徴として、花序(Cyathium)の詳細な解剖学的特徴が記されます。しかし、それ以外の特徴となると意外と曖昧で、大雑把すぎて近縁種との違いが分からないこともしばしばです。わざわざ、近縁種との見分け形を記述したような論文はあまりなく、入手したユーフォルビアの名札と本当に同じ種類か確かめるのも中々困難です。この論文はあくまでも基本的な情報と問題提起程度の内容ですから、今後発展させた論文が出てきて欲しいところです。
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