『生物の科学・遺伝』という雑誌の2023年5月1日に発行されたVol. 77号を購入しました。この号は花ハスの特集で、面白そうですから買ってみました。隔月の刊行なので、今年の3号になるそうです。

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購入を決めた決め手は、なんと言っても沢山のハスの品種の花の写真が掲載されていたからです。しかし、これほど沢山の品種があることには驚きました。そして、ハスの花は非常に美しいですね。それだけでも十分に楽しめました。もちろん、それだけではなくて、様々な角度からハスに迫っています。科学雑誌らしく、ハスの研究も紹介されています。
その前に、ハスの全般的な解説と利用についての総論、「花ハスの歴史と人々との関わり」や、2000年以上前の地層から発見されたハスの種子を発芽させることに成功させた、いわゆる古代蓮について経緯と特徴を解説した「大賀一郎博士とハスの研究」。さらに、様々な遺跡からハスの種子を見つけ、花を咲かせようというプロジェクトについて述べられた「お釈迦様のハスを探す冒険」があります。
科学的なものでは、次の論考があります。ハスの葉は水を弾きますが、その微細構造から撥水の仕組みを説明した「ハスの微細突起構造がもたらす超撥水性」や、ハスの葉のくぼみに溜まった水に気泡が出る現象を解説した「抽水植物ハスの換気システム」。ハスの地下茎であるレンコンの肥大についてと突然変異の赤いレンコンを調べた「根茎の肥大制御と着色」、ハスの花が発熱する現象を説明した「ハスの発熱現象と温度調節メカニズム」がトピックとしてあります。
赤いレンコンは将来的に食卓に登るかもしれないので気になりました。赤い色はアントシアニンという色素で、ブルーベリーなどに含まれるいわゆるポリフェノール類です。ポリフェノールは抗酸化作用がありますから、昨今の健康ブームから見て一般化するかも知れません。
そして、一番気になったのは、ハスの花の発熱現象についてです。なんと、この現象は明治31年に日本人研究者により英語論文が書かれており、その論文が世界初の報告だと言います。雑誌の内容的には、発熱のメカニズムが主です。しかし、気になるのはなぜ発熱する必要があるのかです。花の発熱と虫媒は関係すると聞いたことがありますが、それはどのような関係なのでしょうか? にわかに気になってきました。そのうち調べてみたいと思います。


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