さて、今年も終わってしまいますが、年末恒例の振り返り企画です。2024年の読書を振り返ります。今年は本を読む時間かあまり取れず、ほぼ新刊で52冊しか読めませんでした。買った本が積読状態で積み上がっています。しかし、今年は非常に良い本が沢山ありました。少しご紹介しましょう。
第一位: 『野生生物は「やさしさ」だけで守れるか?』
朝日新聞取材チーム / 著、岩波ジュニア新書
近年、日本では熊が人里に頻繁に出没するようになり、大きな問題となっています。基本的に熊は殺処分されますが、一部の人たちから非難の声が上がっています。つまり、殺される熊が「かわいそう」だというのです。非難の声を聞いていると、大抵の意見があまりに無知であることに驚きます。何かを批判するならば、対象や問題点について詳しく調べることは当たり前のことです。私自身は熊の殺処分に反対するという意見に、必ずしも反対ではありません。しかし、現状のような無知と無責任からなる非難には、まったく同意しかねます。というわけで、本書の出番です。
本書は専門家が解決策を指南したものではなく、野生生物の保護問題についての基本的な問題と実情を取材したものです。読んで思うこととして、その解決は容易ではないということが分かります。そして、様々な視点があり、様々な思いがあります。ですから、安易な解決策ではなく、実情を知った上で読者が考えるための本と言えるでしょう。岩波ジュニア新書ですから、高校生でも読めるレベルの平易な文章です。本気で熊を救いたいと考えているならば、最低限このような本を読んで自身で考えてみても良いのはないでしょうか?
第二位: 『特殊害虫から日本を救え』
宮竹貴久 / 著、集英社新書
日本には沢山の外来種が侵入しており、定着してしまったものもあります。外来種は生態系への影響が大きく、対策は後手に回りなかなか解決し難い難問です。本書はそんな外来生物の中でも、「特殊害虫」に焦点を当てた一冊です。特殊害虫とは農作物の外来性の害虫を指しており、我々の食生活に直接関わる問題です。
内容的には有名なウリミバエとミカンコミバエの根絶の話が中心となります。ノンフィクションの傑作である『害虫殲滅工場』(小林照幸 / 著、中央公論新社)を読んでいましたから概要はわかっていましたが、生態学などの学術的な論点も多くより濃厚でした。
さらに、本書ではサツマイモを加害するアリモドキゾウムシやイモゾウムシとの戦いについて解説されます。よりグローバル化した現代社会が進行している以上、新しい特殊害虫の侵入は防ぎようがありません。そして、特殊害虫の被害地域から個人間のやり取りで、宅配された野菜に特殊害虫がついているパターンが見出されたことは実に恐ろしいことです。この場合は検疫を簡単にすり抜けます。そして、まったく特殊害虫を警戒していない地域に広まるのです。これは、終わりのない果てなき戦いです。せっかく根絶しても再侵入する可能性があり、実際に起こってしまいました。我々の食生活を支える基盤は、実に危ういものであることが分かりました。
第三位: 『アメリカ黒人の歴史』
上杉忍 / 著、中公新書
本書は2013年に出版されたものの改訂版となります。私自身、三角貿易関連については何冊か読んでいたので、まったくの無知というわけではありませんでしたが、知らないことの方が多かったかも知れません。一応は簡単にアメリカの奴隷制についても理解しているつもりでしたが、詳細や実例となると分からないものです。
アメリカ合衆国史として読んでも面白く、歴史の進行と共にアメリカ合衆国の黒人の活動や生活、文化が語られていきます。奴隷制や奴隷制の廃止、公民権運動もまたアメリカ合衆国の歴史を彩る重大なピースであることは明白でしょう。
さて、本書の珍しいところは、「その後」があることです。公民権運動より後の揺り戻しや、黒人文化の浸透、さらにはBLM運動や黒人初のアメリカ合衆国大統領バラク・オバマの登場までと歴史は続きます。それでも、残念ながらまだ黒人を巡るアメリカ合衆国の差別はなくなったとはとても言えない状況です。これからも戦いは続くのでしょう。
第四位: 『テロルの昭和史』
保阪正康 / 著、講談社現代新書
昭和初期に立て続けにテロルが起きましたが、恐ろしいのはそれが糾弾の対象にならなかったことです。むしろ、美談として語られてしまう時代の空気感がありました。その空気感は二・二六事件につながり、そして戦争への道を突き進んで行くことになります。
このように、殺人やテロルを容認あるいは称賛することは、非常に危険なことです。しかし、極一部とはいえ、安倍元首相が殺害されたことを称賛する向きがあったことは実に残念です。それは、安倍元首相のシンパだからではなく、例えそれがどのような人物であれ殺人を称賛することは出来ないからです。もしも問題があるならば、政治家ならば選挙により落選させるべきで、違法行為があるならば司法により裁かれるべきでしょう。安易に殺人やテロルを容認してしまえば、歴史はやがて戦争に向かってしまう道を歩んでしまうのかも知れません。
第五位: 『アフリカ哲学全史』
河野哲也 / 著、ちくま新書
これは待ちに待った本です。個人的にアフリカの文化や歴史について興味があり、それなりに既存書を読んできました。しかし、それも少なく、思想・哲学については何も分からないままでした。しかし近年、ちくま新書で「世界哲学史」というシリーズが始まり、アフリカの哲学についても取り上げられており、感激したことを覚えています。どうやらその関連らしく、ついにアフリカ哲学について単独の本が出たという経緯です。400ページ超の労作ですが、あっという間に読み終わりました。しかし、なんと言っても巨大なアフリカすべてが範囲です。これでも足りないかも知れません。それでも「世界哲学史」という潮流が出来ていますから、これからもアフリカ哲学についての著作が出版されるでしょう。楽しみに待つことにします。
第六位: 『バトラー入門』
藤高和輝 / 著、ちくま新書
ジュディス・バトラーと言えばポストモダンの哲学者として扱われることが多く、私もそのイメージでした。とはいえ、バトラーを単独で扱う本はまあほとんどありません。しかし、稀有なことに本書はバトラーのフェミニズム理論に対する入門書です。フェミニズム理論の入門書も読んだことはありましたが、あくまでも摘んだ程度です。ですから、基本的な知識を得られただけでも良かったのですが、本書はフェミニズムの根本についての経緯と内容について丁寧に解説されており大変勉強になりました。
第七位: 『生命と非生命のあいだ』
小林憲正 / 著、講談社ブルーバックス
生命の誕生に関する本ですが、非常に興味があり地道にいくつかの本を読んできました。様々な仮説が提唱されてきましたが、それぞれ良し悪しがあり決め手がありませんでした。それらのまとめと、新たな仮説の紹介があり勉強になりました。新刊案内を書いていますから、以下のリンクをご参照下さい。
第八位: 『世界哲学のすすめ』
納富信留 / 著、ちくま新書
一般的に哲学と言えば西洋哲学ですが、当たり前ですが西洋以外にも哲学はあります。しかし、残念ながら西洋以外の地域には哲学はなく、ただの思想に過ぎないという憶見に囚われている人が多いようです。これは、西洋哲学が哲学の内容を規定しているのだから、西洋哲学の規定から外れていれば哲学ではないというトートロジーに過ぎません。いよいよアジア地域やアフリカなどの地域毎の哲学が求められています。ちくま新書の「世界哲学史」シリーズ含め、世界哲学が盛り上がってきました。上で「アフリカ哲学全史」も出版されましたから、ますますこれからが楽しみになりました。
第九位: 『冷戦史』
青野利彦 / 著、中公新書
冷戦終結よりもう30年経ちましたが、冷戦の終結とソ連崩壊は、私の生きている間に起きた最大級の歴史的事件でしょう。80年代始めくらいまで、ソ連は自由に取材できませんでしたから記者は毎回代わり映えしない政府の公式発表を転載するしかありませんでした。しかし、長いブレジネフ停滞を経て、短いアンドロポフとチェルネンコを経て、いよいよゴルバチョフの登場により「グラスノスチ」が始まります。ゴルバチョフの登場は劇的で、89年前後くらいにはソ連や冷戦に関する著作が星の数ほど出版されました。とまあ、冷戦史の本については少しずつ集めてきましたが、なんと今の時代に上下巻で出版されました。嬉しい限りです。
第十位: 『新版 メディアとテロリズム』
福田充 / 著、新潮新書
単純なメディア批判の本ではありません。安全保障やテロに対する国やメディアのあり方を、他国の制度や規則、実際の事件への対応まで絡めて詳しく解説しています。
戦後、軍国主義への反省から、安全保障やテロ対策に関する言説は、メディアや大学でもタブーとされ、議論することすら困難な状況であったようです。ですから、政府も何か起きても場当たり的な対応しか取れませんでした。近年、テロ対策関連の法案が採択されましたが、著者はその姿勢を評価しています。しかし、ニュースを見ていると批判が多く、やはり未だにテロ被害の当事者になるかも知れないと言う意識が、大多数の日本人には希薄なのだろうと私も思いました。
最後に
というわけで、今年読んだ本のベスト10でした。あくまでも私個人の興味の範囲の中ですから、まあそれほど意味はありませんけどね。2024年最後の多肉植物ブログの記事が、まさかの読書の振り返り記事となってしまいました。
さて、この1年は結構多肉植物漬けでしたね。来年も多肉植物を楽しめたら良いのですが、忙しくなりそうでイベントに行けるか心配です。ともあれ、ブログはなるべく頑張るつもりです。来年も我がブログを何とぞ宜しくお願い申し上げます。皆様、良いお年を。
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第一位: 『野生生物は「やさしさ」だけで守れるか?』
朝日新聞取材チーム / 著、岩波ジュニア新書
近年、日本では熊が人里に頻繁に出没するようになり、大きな問題となっています。基本的に熊は殺処分されますが、一部の人たちから非難の声が上がっています。つまり、殺される熊が「かわいそう」だというのです。非難の声を聞いていると、大抵の意見があまりに無知であることに驚きます。何かを批判するならば、対象や問題点について詳しく調べることは当たり前のことです。私自身は熊の殺処分に反対するという意見に、必ずしも反対ではありません。しかし、現状のような無知と無責任からなる非難には、まったく同意しかねます。というわけで、本書の出番です。
本書は専門家が解決策を指南したものではなく、野生生物の保護問題についての基本的な問題と実情を取材したものです。読んで思うこととして、その解決は容易ではないということが分かります。そして、様々な視点があり、様々な思いがあります。ですから、安易な解決策ではなく、実情を知った上で読者が考えるための本と言えるでしょう。岩波ジュニア新書ですから、高校生でも読めるレベルの平易な文章です。本気で熊を救いたいと考えているならば、最低限このような本を読んで自身で考えてみても良いのはないでしょうか?
第二位: 『特殊害虫から日本を救え』
宮竹貴久 / 著、集英社新書
日本には沢山の外来種が侵入しており、定着してしまったものもあります。外来種は生態系への影響が大きく、対策は後手に回りなかなか解決し難い難問です。本書はそんな外来生物の中でも、「特殊害虫」に焦点を当てた一冊です。特殊害虫とは農作物の外来性の害虫を指しており、我々の食生活に直接関わる問題です。
内容的には有名なウリミバエとミカンコミバエの根絶の話が中心となります。ノンフィクションの傑作である『害虫殲滅工場』(小林照幸 / 著、中央公論新社)を読んでいましたから概要はわかっていましたが、生態学などの学術的な論点も多くより濃厚でした。
さらに、本書ではサツマイモを加害するアリモドキゾウムシやイモゾウムシとの戦いについて解説されます。よりグローバル化した現代社会が進行している以上、新しい特殊害虫の侵入は防ぎようがありません。そして、特殊害虫の被害地域から個人間のやり取りで、宅配された野菜に特殊害虫がついているパターンが見出されたことは実に恐ろしいことです。この場合は検疫を簡単にすり抜けます。そして、まったく特殊害虫を警戒していない地域に広まるのです。これは、終わりのない果てなき戦いです。せっかく根絶しても再侵入する可能性があり、実際に起こってしまいました。我々の食生活を支える基盤は、実に危ういものであることが分かりました。
第三位: 『アメリカ黒人の歴史』
上杉忍 / 著、中公新書
本書は2013年に出版されたものの改訂版となります。私自身、三角貿易関連については何冊か読んでいたので、まったくの無知というわけではありませんでしたが、知らないことの方が多かったかも知れません。一応は簡単にアメリカの奴隷制についても理解しているつもりでしたが、詳細や実例となると分からないものです。
アメリカ合衆国史として読んでも面白く、歴史の進行と共にアメリカ合衆国の黒人の活動や生活、文化が語られていきます。奴隷制や奴隷制の廃止、公民権運動もまたアメリカ合衆国の歴史を彩る重大なピースであることは明白でしょう。
さて、本書の珍しいところは、「その後」があることです。公民権運動より後の揺り戻しや、黒人文化の浸透、さらにはBLM運動や黒人初のアメリカ合衆国大統領バラク・オバマの登場までと歴史は続きます。それでも、残念ながらまだ黒人を巡るアメリカ合衆国の差別はなくなったとはとても言えない状況です。これからも戦いは続くのでしょう。
第四位: 『テロルの昭和史』
保阪正康 / 著、講談社現代新書
昭和初期に立て続けにテロルが起きましたが、恐ろしいのはそれが糾弾の対象にならなかったことです。むしろ、美談として語られてしまう時代の空気感がありました。その空気感は二・二六事件につながり、そして戦争への道を突き進んで行くことになります。
このように、殺人やテロルを容認あるいは称賛することは、非常に危険なことです。しかし、極一部とはいえ、安倍元首相が殺害されたことを称賛する向きがあったことは実に残念です。それは、安倍元首相のシンパだからではなく、例えそれがどのような人物であれ殺人を称賛することは出来ないからです。もしも問題があるならば、政治家ならば選挙により落選させるべきで、違法行為があるならば司法により裁かれるべきでしょう。安易に殺人やテロルを容認してしまえば、歴史はやがて戦争に向かってしまう道を歩んでしまうのかも知れません。
第五位: 『アフリカ哲学全史』
河野哲也 / 著、ちくま新書
これは待ちに待った本です。個人的にアフリカの文化や歴史について興味があり、それなりに既存書を読んできました。しかし、それも少なく、思想・哲学については何も分からないままでした。しかし近年、ちくま新書で「世界哲学史」というシリーズが始まり、アフリカの哲学についても取り上げられており、感激したことを覚えています。どうやらその関連らしく、ついにアフリカ哲学について単独の本が出たという経緯です。400ページ超の労作ですが、あっという間に読み終わりました。しかし、なんと言っても巨大なアフリカすべてが範囲です。これでも足りないかも知れません。それでも「世界哲学史」という潮流が出来ていますから、これからもアフリカ哲学についての著作が出版されるでしょう。楽しみに待つことにします。
第六位: 『バトラー入門』
藤高和輝 / 著、ちくま新書
ジュディス・バトラーと言えばポストモダンの哲学者として扱われることが多く、私もそのイメージでした。とはいえ、バトラーを単独で扱う本はまあほとんどありません。しかし、稀有なことに本書はバトラーのフェミニズム理論に対する入門書です。フェミニズム理論の入門書も読んだことはありましたが、あくまでも摘んだ程度です。ですから、基本的な知識を得られただけでも良かったのですが、本書はフェミニズムの根本についての経緯と内容について丁寧に解説されており大変勉強になりました。
第七位: 『生命と非生命のあいだ』
小林憲正 / 著、講談社ブルーバックス
生命の誕生に関する本ですが、非常に興味があり地道にいくつかの本を読んできました。様々な仮説が提唱されてきましたが、それぞれ良し悪しがあり決め手がありませんでした。それらのまとめと、新たな仮説の紹介があり勉強になりました。新刊案内を書いていますから、以下のリンクをご参照下さい。
第八位: 『世界哲学のすすめ』
納富信留 / 著、ちくま新書
一般的に哲学と言えば西洋哲学ですが、当たり前ですが西洋以外にも哲学はあります。しかし、残念ながら西洋以外の地域には哲学はなく、ただの思想に過ぎないという憶見に囚われている人が多いようです。これは、西洋哲学が哲学の内容を規定しているのだから、西洋哲学の規定から外れていれば哲学ではないというトートロジーに過ぎません。いよいよアジア地域やアフリカなどの地域毎の哲学が求められています。ちくま新書の「世界哲学史」シリーズ含め、世界哲学が盛り上がってきました。上で「アフリカ哲学全史」も出版されましたから、ますますこれからが楽しみになりました。
第九位: 『冷戦史』
青野利彦 / 著、中公新書
冷戦終結よりもう30年経ちましたが、冷戦の終結とソ連崩壊は、私の生きている間に起きた最大級の歴史的事件でしょう。80年代始めくらいまで、ソ連は自由に取材できませんでしたから記者は毎回代わり映えしない政府の公式発表を転載するしかありませんでした。しかし、長いブレジネフ停滞を経て、短いアンドロポフとチェルネンコを経て、いよいよゴルバチョフの登場により「グラスノスチ」が始まります。ゴルバチョフの登場は劇的で、89年前後くらいにはソ連や冷戦に関する著作が星の数ほど出版されました。とまあ、冷戦史の本については少しずつ集めてきましたが、なんと今の時代に上下巻で出版されました。嬉しい限りです。
第十位: 『新版 メディアとテロリズム』
福田充 / 著、新潮新書
単純なメディア批判の本ではありません。安全保障やテロに対する国やメディアのあり方を、他国の制度や規則、実際の事件への対応まで絡めて詳しく解説しています。
戦後、軍国主義への反省から、安全保障やテロ対策に関する言説は、メディアや大学でもタブーとされ、議論することすら困難な状況であったようです。ですから、政府も何か起きても場当たり的な対応しか取れませんでした。近年、テロ対策関連の法案が採択されましたが、著者はその姿勢を評価しています。しかし、ニュースを見ていると批判が多く、やはり未だにテロ被害の当事者になるかも知れないと言う意識が、大多数の日本人には希薄なのだろうと私も思いました。
最後に
というわけで、今年読んだ本のベスト10でした。あくまでも私個人の興味の範囲の中ですから、まあそれほど意味はありませんけどね。2024年最後の多肉植物ブログの記事が、まさかの読書の振り返り記事となってしまいました。
さて、この1年は結構多肉植物漬けでしたね。来年も多肉植物を楽しめたら良いのですが、忙しくなりそうでイベントに行けるか心配です。ともあれ、ブログはなるべく頑張るつもりです。来年も我がブログを何とぞ宜しくお願い申し上げます。皆様、良いお年を。
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