ユーフォルビア・オベサ・ドットコム

2024年11月

気がつけばもう12月になってしまいます。多肉植物はシーズンオフですね。我が家の多肉植物たちは、冬の間に室内なので中には多少生長するものもありますが、やはり本来の生長期の勢いはありません。今月は多肉植物を室内に取り込むのにバタバタしましたが、取り込んでしまえば暇なものです。12月は何もすることがありません。

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Euphorbia millotii
ミロティイの葉がすべて落ちました。のっぺりした幹だけだと実に妙な雰囲気です。

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Euphorbia heterodoxa
ヘテロドクサが結実しました。どうやら自家受粉したようです。

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Euphorbia ramena
ラメナが開花しています。去年も冬に咲いていたような気がします。

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Tylecodon buchholzianus
コンパクトな樹形のブクホルジアヌスに葉が出てきました。我が家では珍しい冬型の多肉植物です。何故か葉が出ないという話も聞きますが、何が違うのでしょうか? 確かに去年は冬の間も葉が出ませんでした。

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Euphorbia delphinensis
デルフィネンシスが開花しています。まあ、デルフィネンシスは一年中咲いていますけどね。

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Poutulacaria namaquensis
ナマクアエンシスはまだ生長が止まりません。ナマクアエンシスは10℃以下になっても平気で、冬の間も生長を続けます。



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アロエと言えば、美容関係や食品関係で使われるキダチアロエ(Aloe arborescens)やアロエ・ベラ(Aloe vera)が有名ですが、知られていないだけで実はアロエは数百種類もあると言われています。サイズも数cmから十数mと、かなりの幅があります。しかし近年、アロエ属から樹木状のアロエ(Aloidendron)や叢生するアロエ(Aloiampelos)、葉が二列性のアロエ(Kumara)、三列性のアロエ(Gonialoe)、ハウォルチア様のアロエ(Aristaloe)が分離されました。本日は樹木状のアロエ、つまりはアロイデンドロンの話です。
アロイデンドロンは南アフリカに育つディコトムム(Aloidendron dichotomum)が有名です。Aloe dichotomaといった方が、馴染みがあるかも知れません。アロイデンドロン以外にも大型になるアロエは他にもありますが、基本的に単幹で枝分かれせず、頭でっかちな外見となります。しかし、アロイデンドロンは枝の分岐を繰り返して樹冠を作り、樹木状の外見に育ちます。
さて、本日はアロイデンドロンの中でもAloidendron pillansiiについて書かれたColin C. Walkerの2024年の論文、『Aloidendron pillansii (L. Guthrie) Klopper & Gideon F. Sm. - a review of a Critically Endangered southern African tree aloe』を見てみましょう。

ピランシーの発見
Aloe pillansiiは、1928年にGuthrieにより記載されましたが、図解はありませんでした。ピランシーという名前は、南アフリカの著名な植物学者であるNeville Pillansにちなんで命名されました。A. pillansiiはPillansが1924年と1926年に行われたRichtersveld遠征で発見された種の1つです。Guthrieはその分布を、「南アフリカ、Little Namaqualand、Anisfonteinの南西、頂上が平らな丘の西斜面に豊富」としています。GuthrieはA. dichotomaと比較し、枝分かれがまばらで葉が大きく広がり、花序が散在し、雌しべがあまり突き出していないとしました。
Pillansは1935年に以下のように記述しています。「A. pillansiiは1926年10月にNamaqualandのRichtersveldのAnisfonteinの丘で発見されました。当時、ほとんどの植物はカナリア色の円錐花序をつけており、sugarbirdが訪れていました。この種はAnisfonteinからオレンジ川のSendlings Drift付近まで北に広がる狭い地域にのみ生息します。A. dichotoma(Kokerboom)とは、主幹に比べて枝が太く直立し、はるかに幅が広い葉で簡単に区別出来ます。高さ30フィートの植物は珍しくなく、最近少なくとも60フィート(≒18m)の植物の目撃情報があります。」

アロイデンドロンの誕生
2002年にZonneveldは 核DNA量の類似を根拠に、ディコトマの亜種、つまりA. dichotoma subsp. pillansiiとしました。
2013年にDuraらはアロエ属の遺伝子解析による分子系統を行い、A. tongaensis以外の樹木状アロエの系統関係が特定されました。アロエの系統樹でアロイデンドロンは基底群で、アロエの仲間では古い系統であり、A. pillansiiを含む樹木アロエは他のアロエとは異なる系統群を形成しました。この根拠に基づき、2013年にGraceらは6種類の樹木アロエをAloidendron Klopper & Gideon F. Smに分離しました。
2015年にVan Jaasveld & Juddによるアロイデンドロンに関する著作により、Kumara plicatilis(Aloe plicatilis)とともに扱われましたが、これはアロイデンドロンと必ずしも近縁ではありませんでした。

ピランシーの生息域
ピランシーの生息域はPillansが説明したように狭いのですが、ナミビア南部にも分布することが分かりました。3つの亜集団があり、1つはナミビアのRosh Pinah周辺、2つ目はRichtersveldの中央、3つ目はRichtersveld南部のEksteenfontein周辺です。ピランシーの分布に影響を与えている要因は、冬に霧の形で降水があることです。
2022年にSwartらは、ピランシーの生息地と生態についての特徴を要約しています。1〜345株の植物が単独で、あるいは局所的に豊富な小さなグループで発生します。通常はドロマイト、頁岩、砂岩、花崗岩などの様々な地層の露出した岩の多い地形で見つかります。地形は山の斜面から平地まで様々ですが、植物の大部分は東または西に面した斜面に生えます。降水量は年間50〜100mmですが、21世紀の干ばつにより一部の地域では雨が降りません。花は春(10月)に開花し、主にsugarbirdにより受粉しますが、他の鳥や蜂も関与している可能性があります。夏に果実は熟し種子が散布されます。だだし、干ばつの時期には開花しません。ピランシーは夏の気温が50℃を超えることもある厳しい環境に生息するため、耐熱性が顕著です。

ピランシーの減少
MidgleyはCornell's Kopにおけるピランシーの減少について考察しました。Reynoldsが1950年に出版した「The Aloes of South Africa」に記載された1950年以前に撮影された写真と、1997年当時の写真を比較しました。結果、「古い個体の減少と、新しい個体の欠如」が認められました。
2003年にLoots & Mannheimerはナミビアのピランシーの状況を調査しました。5つの集団で1500を超える植物を数えました。これらのうち、最大の集団は近くの採鉱が原因となり状態が悪いことが分かりました。また、すべての集団で新規植物の加入率が低いことが分かりました。
さらなるデータと評価は、Bolusら(2004)やDuncanら(2005, 2006)、Powell(2005)、Swart & Hoffman(2013)により提供されました。2022年にSwartらは、野生のA. pillansiiの状況に関する包括的な評価を行いました。
1, 3つの亜個体群があり、それぞれ気候と生息地の特性が異なります。
2, 野生の個体群の総数は5935個体以上、9000個体未満であることが確認されています。
3, ナミビア南部の北部亜集団の個体群は老化しています。密度が最も高く、個体群全体の46%が生息しています。苗木はなく、幼木もほとんどありません。
4, 中央の亜集団の個体群は約16%を占め、主にRichtersveld国境保護区内及び郊外に分布しています。最も密度が低い亜集団です。
5, 南部の亜集団の個体群は、約38%を占めています。

レッドリストの評価
上記のデータに基づき、Swartら(2022)はIUCNレッドリストで、A. pillansiiを絶滅危惧IA類(CR)としました。Swartらは以下のような脅威を特定しました。
1, 園芸取り引きのための違法な採取の結果として、中央亜集団の減少が報告されています。
2, 北部及び中央亜集団で、採掘活動により生息地の喪失と劣化が進行中です。砂の投棄や砂の採掘による二次的影響は、今後50年間に増加が予想されます。
3, 21世紀の極端な干ばつにより、個体数は減少しています。人為的な気候変動の影響は、現在及び将来的な主たる脅威であると考えられます。
4, 利用可能な餌不足により、ヒヒによる草食が大幅に増加し、特に南部の亜集団で深刻で、2015年から2020年の高い死亡率につながりました。

ワシントン条約(CITES)による規定では、ピランシーは付属書Iに掲載されています。ちなみに、付属書Iに掲載された南アフリカのアロエはわずか4種類です。

最後に
以上が論文の簡単な要約です。
論文では発見の経緯から分類や命名の変遷、自生地、生態など、多くの過去の研究による知見が上手くまとめられています。大変、勉強になりますね。しかし、どうやらピランシーは大変な希少種のようで、そもそもの分布が狭く数も少ない上、開発や環境変動によりダメージを受け、新しい個体が育っていないようです。新規加入がなければジリ貧ですから、ピランシーの将来は厳しいと言わざる得ないでしょう。何もできないことがもどかしくはありますが、簡単な解決策もないのが現状です。ピランシーが野生絶滅する前に、有効な保護がなされることを願っております。


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いよいよ寒くなって来ました。多肉植物たちを慌てて室内へ取り込んでいますが、とりあえずパキポディウムとユーフォルビア、あとアロエだけはなんとか終わりました。他はまあぼちぼちやるつもりです。まあ、本当に室内に入れただけで、床に並べただけですけどね。混乱している様子をお伝えします。

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柱サボテン状のユーフォルビアや花キリン。

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5号鉢以上の多肉植物たち。

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Pencil Stemのユーフォルビアなど。

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アロエたち。

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とりあえず、適当にメタルラックに収納。並びは後で考えます。

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こちらも同様。取り敢えずこれ以上は寒さに当てたくないというだけです。

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10号鉢のPachypodium densiflorum。部屋が片付かないと置く場所がありません。取り敢えず玄関で待機。そういえば、同じ10号鉢に植えたZamia furfuraceaを忘れていました。こちらもどうにもしなければ…


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鶴仙園のイベントも終え、今年最後のBBも無事参加出来ました。しかし、多肉植物の室内への取り込みが遅れに遅れ、もう11月も終わりだと言うのにバタバタ慌てて取り込んでいます。そろそろ氷点下になる可能性もありますからね。

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花キリンと柱サボテン状のユーフォルビア。

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ユーフォルビア普及種。

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ユーフォルビアその他。
恐ろしいことにまだユーフォルビアあるんですよね。 しかし、これで9割方は片付いたはず。しかし、ユーフォルビア以外はまったく片付いていない恐怖…

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こちらはプレステラ120に入らない、5号鉢以上の連中。とりあえず、集めて並べただけ。

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パキプスはおかしな形に育ちましたが、このロングポット植えは灌木系には最適です。今年もよく育ちました。
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写真だとわかりにくいのですが、ポットはかなり変形しており、パワータンクの発達が見て取れます。しかし、ロングポットで塊根が底まで到達しているわけですが、これ以上深い鉢はややナンセンスな気がします。パワータンクを外したり切断はしたくないわけで、さてどうしようかといったところです。ユーフォルビアの塊根よろしく地上に出してしまうのも手ですかね。しかし、パキプスでは一般的に何故か塊根そのものを露出させないのは不思議です。パワータンクを露出させると育ちが悪くなるとか何かあるのでしょうか? パキプスを塊根刺しで増やすことはよくやられていますから、特に問題は無さそうですけど。

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Pachypodium brevicaule
ブレヴィカウレは絶好調で、プレステラ90ではもう窮屈そうです。冷え込むようになったこの時期まで室外に出していましたが、葉は結構残りましたね。

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Pachypodium rutenbergianum
ルテンベルギアヌムは葉がだいぶ落ちましたが、今年の生長は良好でした。来年は枝を切って枝を増やしていきます。マダガスカルのパキポディウムはあまり枝を剪定しませんが、現地球ならともかく苗木ならそれもアリだと思うわけですけどどうでしょうか?

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Pachypodium enigmaticum
エニグマティクムはなかなか饅頭形態から進みません。エニグマティクムは偽物も流通したことがあるそうですが、花が咲かないと判別出来ません。早いところその大型の花を拝みたいところです。

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Pachypodium drakei
ロスラツムに吸収されてしまったドラケイですが、ロスラツムより全体的に長細く育ちます。しかし、今年は花が咲きませんでしたね。残念。


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いよいよ、待ちに待ったビッグバザールです。開催場所も五反田TOCに戻り、行きやすくなりました。先週、鶴仙園でハウォルチアのイベントがありかなり散財しましたから、やや懐が心許ない感じではあります。しかし、まあBBは今回で16回目の参加です。参加するだけ参加して、会場の様子をレポートすることにしましょう。

本日はよく晴れて、歩いていると汗ばむ陽気でした。いつものように開場後に到着しましたが、別の部屋にある待機列がまだ捌けていなくて驚きました。そのまま10分ほど並んで待ちましたから、今回のBBは大入りでしたね。多肉植物ブームはまだまだ続きそうです。

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TOCビルもクリスマス仕様です。

さて、今回のBBの傾向ですが、よく分かりません。広い角部屋で、2部屋分あります。あまりに広く出店が多く、多肉植物もあまりに多様で目が回ってしまいました。相変わらずアガヴェやハウォルチアの専門店が複数あり、サボテンもかなりありました。私の好きなギムノカリキウムも沢山ありましたね。コーデックスも豊富で、海外からの出店では立派な抜き苗もあちらこちらにありました。

個人的にはユーフォルビアとアロエばかり集めていたので、今回は買わないと決めていました。しかし、ユーフォルビアはかなり豊富でついつい目に入ってしまいますが、心を鬼にして耐えました。
今回も引き続きアデニアを中心に見ていくつもりでしたが、2種入手してとりあえずは満足です。1つはグランカクタスの小さな実生苗、もう1つはSP園芸の大きなアデニアです。
次に気になったのは、ラフレシアリサーチのソテツ苗です。ラフレシアリサーチはたまにソテツ苗を持ってきますが、今回は沢山持ってきていましたね。ここで1鉢購入。
最後にアガヴェを探しました。アガヴェは集めておらず、今後集める予定はありませんが、今年出た論文を記事にしたこともあり少し気になっていました。論文では、アガヴェの一部をEchinoagaveとして分離し新属を提唱しています。まだ、新属は発表されたばかりですから認められるかは分かりませんが、個人的には来年あたりに承認されるような気がします。というわけで、Echinoagaveとされるアガヴェを探しましたが、BBのアガヴェはみな同じようなものばかりで、イマイチ多様性がありませんね。強刺がほとんどで、覆輪がそれなりにといったところでしょうか? 探しましたがEchinoagaveに相当するアガヴェは3店舗で3種類だけでした。小さな内から育てたいので、もっとも小さい鉢をカクタスブライトにて購入。
会場を2周して帰ろうとしましたが、入口で面白いものがありました。配置図に載っていないお店でしたが、「メキシコのカラスウリ」なる塊根植物がありました。面白いので購入。また、結構立派な吹上(Agave striata=Echinoagave striata)もありました。

さて、いよいよお待ちかねの購入品のご紹介です。
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アデニア ベネナータ
こちらはグランカクタスのアデニア。Adenia venenataですね。原産地はアフリカ中央部を横断して、アフリカの角からサウジアラビアまでと広大。可愛らしいサイズですね。

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Adenia stylosa
何やらボコボコした塊茎が面白いですね。一回りして戻ったらボコボコ具合が激しいやつが消えていました。BBでは即決しないと直ぐに売れてしまいます。マダガスカル原産。かなり大柄なアデニアです。
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「紅葉西番蓮」なる表記がありましたが、この怪し気な葉色と葉の形から来ているのでしょうか?
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ボコボコしています。

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Cycas cairnsiana
これは青いソテツとして有名なカイルンシアナの苗です。まだ、種子がついていますね。オーストラリア原産。

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Agave albopilosa
エキノアガヴェが提唱されていますから、気になって1種類入手しておこうということになりました。果たしてEchinoagave albopilosaに変更されるのでしょうか? 2007年に記載された新種。メキシコ原産。

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Ibervillea tenuisecta
非常に可愛らしい実をつけるウリ科の塊根植物です。塊根は巨大に育つそうです。そういえば、「メキシコのカラスウリ」と書いてありました。まあ、イベルヴィレアですから、正確にはカラスウリではないわけですけどね。

というわけで、2024年11月のサボテン・多肉植物のビッグバザールでした。懐具合が怪しいなどと言っておきながら、随分と盛大に買ってしまいました。特にカイルンシアナは奮発しないと買えないお値段でしたから、散財具合はなかなかのものでした。多肉植物の室外への取り込みも終わっていないのに、イベントばかり行っているのは反省しています。まあ、しかし終わりよければすべて良し。自身、16度目のBBを十二分に堪能しました。来年までしばらくはこれと言ったイベントも無さそうから、それまでに懐を温めておきます。


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相変わらず多肉植物の室温への取り込みをしています。しかし、なかなか時間が取れずまだ半分も取り込んでいません。来週には最低気温が2℃との予報ですから、流石になんとかしないと不味いですよね。
そういえば、ライブドアブログのアプリが機能不全に陥って、ついに1ヶ月になろうというところですが、ようやく復旧した模様です。私は移動中に記事を書くため、コード入力しながらの記事作成は非常に煩雑で時間がかかりました。記事をアップする頻度を下げてなんとか継続していましたが、来週から本来のペースに戻ります(たぶん)。
まあ、そんなこんなで、悲喜こもごもありつつも、本日も我が家の多肉植物たちをご紹介しましょう。

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今回の室内への取り込み第一弾はユーフォルビア。

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こちらもユーフォルビア。

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主にユーフォルビア。恐ろしいことにまだユーフォルビアはまだまだありますが、本日はここまで。この調子だと11月中に終わるのか怪しいですね。最近の冷え込みを考えると大丈夫なのかはわかりませんが…

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Euphorbia tortirama
トルティラマは枝が捻れる塊根性ユーフォルビアです。今年は枝がよく出て綺麗な仕上がりです。

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Euphorbia hedyotoides
ヘディオトイデスは1年で驚くほど生長しました。去年は枝分かれしていなかったわけですから、正に急成長です。

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Euphorbia globosa
グロボサは少し徒長してしまいました。しかし、同時期に出てきた球の中で、1本だけ徒長した理由は不明です。
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相変わらず花が咲き続けています。
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奇妙な花が多いユーフォルビアの中でも、グロボサの花は特に面白い形状です。

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Euphorbia robecchii
ロベキイは目立った生長がありません。入手1年目はまったく動かずでしたが、植え替えたら貧弱だった根はよく発達していました。
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よく見たら、生長点が十字になっています。いよいよribが増え始めているようです。

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Gymnocalycium ferocior
フェロキオル(フェロシオール)は、相変わらず良いトゲが出ていますね。そういえば、一昨年の10月に鶴仙園で小苗を入手しましたが、もうプレステラ90では少し窮屈そうです。凄まじい生長を見せてくれました。
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2022年10月の姿。まだ初々しいですね。



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先日、オザキフラワーパークにてCycas debaoensisを購入しました。以前から、BBでラフレシアリサーチさんがたまに持ってきていたのは知っていたのですが、他に欲しい多肉植物が沢山あったので購入は見送ってきました。しかし、10月にヨネヤマプランテイションのイベントでC. debaoensisが沢山並んでいるのを見て、どうにも気になるものの、悩んだ挙げ句、結局は購入しませんでした。しかししかし、ついにオザキフラワーパークで我慢出来ませんでした。というわけで、早速情報を集めてみましたが、あまり有用そうな情報は見当たりませんでした。そこで、C. debaoensisの論文を漁って見ることにしました。
ということで、本日はLUO Wenhuaらの2014年の論文、『Ex situ conservation of Cycas debaoensis: a rare and endangered plant』をご紹介します。何とこの論文は中国語で書かれたものです。というか、C. debaoensisが中国原産のためか、中国語の論文がほとんどでした。漢字だと『珍稀瀕危植物徳保蘇鉄迁地保护研究』ですかね? 本文は簡体字ですがよくわからないので、これで合ってるかは不明です。ちなみに、中国語はわからないので、機械翻訳ですから内容に関してはやや不安ではあります。

中国のソテツ
中国にはCycas属のソテツが38種類あります。いずれも、国家第一級重点保護野生植物に指定されています。C. debaoensisは広西チワン族自治区南部に自生する中国の固有種で、二分性で羽状に分かれた美しい葉を持ち高い装飾性があります。深刻な人為的介入や密猟により、その野生個体の数は大幅に減少しており、保護のための効果的な対策が喫緊となっています。

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Cycas debaoensis

C. debaoensisの故郷
C. debaoensisの原産地は、広西チワン族自治区徳宝県から約30km離れた福平郷福平村近くの石灰岩の斜面です。分布地域は南亜熱帯モンスーン気候に属し、年間平均気温19.5℃、最低気温マイナス2.6℃、最高気温37.0℃です。年間降水量は1461mmで、夏と秋に集中し、冬と春は乾季となります。土壌は石灰岩が風化して出来た土壌で、中性から弱アルカリ性を示します。森林は近隣の村人が放牧や薪の伐採に利用しており、植生は二次的な矮性低木が優勢で、C. debaoensisは植生の中では優勢な種の1つです。植生は乾生性の低木と草本で、樹種の多様性は小さいようです。
生息域外保護区として、桂林市の南の郊外、燕山鎮にある桂林植物園内にもあります。中部亜熱帯モンスーン気候に属し、年間平均気温は19.2℃、最も寒い1月の平均気温は8.4℃、最も暑い7月の平均気温は28.4℃でした。また、最高気温は40℃になり、冬には霜が降りることもあります。土壌はpH4.7〜5.6の酸性の赤土からなります。

最適な種子の保管方法
2010年に広西チワン族自治区徳宝県福平郷上平屯の野生ソテツ個体群から、200個を超える選別した種子を収集しました。収集した種子は外皮を剥ぎ、5% 過マンガン酸カリウム溶液で消毒し、水洗いしました。
C. debaoensisの種子は成熟しても胚は完全に発達しておらず後熟し、約6ヶ月休眠します。種子は①乾燥(常温)、②冷蔵(5℃)、③湿った砂の3条件で6ヶ月以上保管し、70%遮光下で温室内の苗床に播種しました。
①種子を常温保管した場合、保管期間が90日以内ならば発芽率に差は見られず、120日を超えると発芽率は約50%に低下しました。
②種子を冷蔵保管した場合、保管期間が90日以内ならば発芽率に差は見られず、120日を超えると発芽率は約60%に低下しました。
③種子を湿った砂に保管した場合、保管期間が150日以内ならば発芽率に差は見られず、発芽率は約80%でした。

C. debaoensisの生長
C. debaoensisの生長は遅く、現地調査では何十年も育った植物でも、茎は高さ50cmに満たないことが分かっています。栽培された8年生植物の高さの平均は15.2cm、直径の平均は17.2cmで、高さの年平均生長は1.9cmです。草丈と直径の生長のピークは樹齢4年目から6年目で、年平均生長は高さ3.0cm、幅3.8cmでした。その後の生長は鈍化します。
樹齢8年生のC. debaoensisは、一株あたりの葉の数は平均8枚で、葉の長さは平均302.6cmでした。小葉の長さは平均26.3cmで、枚数の平均は740枚でした。
桂林植物園のC. debaoensisでは、新芽が5〜6月、まれに7月に出ます。新芽の展開には約40日かかります。9月に花が咲き始め、11月中旬から下旬に果実は成熟します。また、原産地と比べると、開花期は1〜2ヶ月遅れ、種子の成熟期は1ヶ月遅れます。これは、場所による積算温度の違いが関係している可能性があります。

C. debaoensisの適応性
C. debaoensisは湿潤な環境に適していますが、乾燥耐性が高く乾燥した石灰岩の環境でもよく育ちます。土壌適応力が高く酸性土壌の桂林植物園でも正常に育ちます。桂林植物園においても開花・結実し、生育や葉色も原産地より優れています。C. debaoensisは耐寒性もあり、マイナス3℃〜マイナス1℃の低温下でも目立った凍害は発生しませんでした。

C. debaoensisの受粉
C. debaoensisの雄花の成熟期は雌花より5〜10日早いため、人工受粉を利用した方が結実量を増やすことが出来ます。雄花が成熟したら花粉を袋に集め、4℃前後の冷蔵庫で保管します。雌花が成熟したら、花粉を取り出し室温に10分以上放置した後に、ブラシで人工受粉します。人工受粉では1株の植物から生産される種子は、250個を超えることもあり、野生の植物より40%以上も多くなります。

最後に
以上が論文の簡単な要約です。
近年、にわかに流通し始めたCycas debaoensisという蘇鉄の原産地の情報や育て方、増やし方などについての論文でした。原産地では希少な植物のようで、中国では国家により保護されているようです。希少種であるからには、原産地や生態を詳しく調査するのは当たり前のことですが、ここでは一歩進んで人工受粉や種子の保管についても言及しています。原産地の保護と繁殖方法の確立、さらには地域の人々に対し保護について説明し理解してもらい、場合によっては協力していただければ最良です。まあ、ここまで行くにはかなりの時間と手間がかかりますから、簡単にはいかないでしょう。しかし、この論文のような研究は種の保護に対する端緒としてとても重要なものです。
「原産地や生態を詳しく調査するのは当たり前のことですが」などと調子の良いことを言いましたが、残念ながら植物は動物と比較すると人気がなく、予算すらまともに下りず、絶滅危惧種であっても調査すらされていない場合が多いのが現状です。この植物を軽視する傾向は、植物の自生地の破壊や絶滅に拍車をかけていますが、改善される見込みはありません。莫大な予算が下りている大型哺乳類であっても、生息する環境に植物がなければ存続出来ないことは明らかです。種単体ではなく、生態や環境を含んだ総合的な保護が必要とされているのではないでしょうか。


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多肉植物を室温に取り込まなければならないのですが、なかなか進みません。困りましたね。記事を書く時間もとれない有様ですが、本日もなんとか我が家の多肉植物たちをご紹介します。

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Euphorbia sepulta
セプルタは非常によく生長しました。ソマリアものですし、非常に心許ないサイズでしたから、割と気を使って様子を見ながら育てていました。しかし、意外と丈夫で根の張りも良好です。

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Euphorbia cuneata var. pumilans
クネアタ変種プミランスはこの前の木更津C&Sで入手したばかりですが、生長が止まりません。

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Adenia stenodactyla
ステノダクティラがつるを一気に伸ばしました。
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アデニアと言えば、このような装飾的な美しい葉が特徴です。
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本来は地中に埋まった塊根から、つるを伸ばすタイプ。

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Adenia goetzei
ゴエトゼイ(ゴエツィー)は今頃になって秋の生長を開始しました。秋というには遅い気もしますが…

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Commiphora pseudopaolii
プセウドパオリイが生長しています。コミフォラは初めてですから、これからが楽しみです。


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久しぶりに鶴仙園へ行って参りました。西武池袋本店、ではなくて今はヨドブルーム(ヨドバシカメラ)になった方のお店です。来るのは夏以来のですね。夏に行った時は隣にあった観葉植物のお店が空になっており、店員さんに聞いたところ、隣のスペースも鶴仙園になって広くなるということでした。涼しくなってきて出掛けるには良い日和ですし、広くなった店内も気になりますからそろそろとは思っていました。しかし、去年の今頃に鶴仙園のイベントがあったので、今年もやるならイベントの日程に合わせて行こうということになりました。

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山口県からPlant's Workさんが、土日に「FEHN」というコラボイベントを開催しています。今年で3回目ですね。私は毎度参加しています。FEHN、これはFar East Haworthia Networkの略だそうで、毎度沢山のハウォルチアが陳列されます。本日も朝10時から開催されていますから、皆様も是非ご参加下さい。

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店舗が拡大して広くなりました。

さて、昨日は金曜日の怪しい天気が嘘のように、明るくなりました。さて、夏以来の鶴仙園はどう変わったでしょうか?
開店から少し経ってから到着しましたが、大変な賑わいでした。お店が広くなったため、イベント品もいつもより沢山あったような気がします。今年はアストロロバはありませんでしたが、硬葉系ハウォルチアはかなりの量がありました。正直、目移りしてしまい、あれも欲しいこれも欲しい状態で困ってしまいました。H. nigraやH. scabraの変種や品種、大型・小型、産地による外見の大きな違いなど、これはもうたまりませんね。そういえば、驚いたことにH. bruynsiiが売っていましたが、私も初めて見ました。ネットで調べると何だか軟葉系みたいで一緒に並んでると区別つかないような気がしていましたが、実際に見てみるとかなり特徴的でぱっと見で区別出来ますね。なるほどなあと、感嘆してしまいました。まあ、かなりお高いので今回はパスしました。H. bruynsiiは持っていないので欲しかったのですが、来週はBBがありますからね。我慢我慢。ちなみに、きらびやかな軟葉系はまったくわからないので、特にコメントはありません。ものすごく沢山あったくらいの感想です。いや、尋常ではない量がありましたが。
さて、というわけで、本日の購入品です。いやはや、買い過ぎました。明らかに予算オーバーです。しかし、これでも絞りに絞った結果なんですけどね。

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包装紙も西武から鶴仙園オリジナルに変わりました。

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H. venosa ssp. granulata
本日の目玉はグラヌラタです。グラヌラタをただのヴェノサの亜種と侮るなかれ。現在はHaworthiopsis granulataという独立種となっています。ですから、見た瞬間心の中は小躍り状態でした。硬葉系ハウォルチアは現在19種類が認められていますが、私の手持ちはこれで17種類になりました。あとは、H. bruynsiiと、何やら情報があまりないH. henriquesiiのみを残すばかりとなりました。
ちなみに、グラヌラタは始めはHaworthia granulataとして記載されましたが、後にHaworthia venosa subsp. granulataやら、Haworthia scabra subsp. granulataやらとされましたが、2013年に硬葉系がHaworthiopsisに変更された時に、独立種に戻りました。グラヌラタが初めて記載されてから実に101年目の出来事でした。

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H. scabra var. lateganiae
スカブラの変種ラテガニアエです。なんと、いつの間にやらスカブラは4変種目です。あとはvar. smitiiだけですね。同じように結節がないvar. starkianaと異なり、つや消しのような肌模様が目を引きますね。

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H. scabra
普通のスカブラと思いきや、なんという結節。この艷やかな黒さも目を引きますね。今回はスカブラが豊富でしたね。コレクションしたくなります。

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G. ラゴネシー
こちらはイベントとは無関係の鶴仙園のサボテンです。言わずとしれたGymnocalycium ragoneseiです。今回はイベント苗だけ買うつもりでしたが、公式ブログで入荷情報があったもので、ついついね。ラゴネシーはBBでも見かけないし、鶴仙園のいつものラインナップにもいませんから、これを逃すと次はいつの日になるかわかりませんからね。以前入手したラゴネシーとは少しタイプが異なるようです。

いやぁ~楽しかったですね。来週は五反田でBBなのに、はしゃぎ過ぎました。しかし珍品だらけでしたからね。仕方がありません。これからもこのイベントが続いて欲しいものですね。
それはそうと、実は鶴仙園のラインナップにも硬葉系が沢山入荷しており、気になったのですが心を鬼にして諦めました。欲しいものがありすぎるのも困りものです。また来年、暖かくなってきたら訪れることにしましょう。


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さて、いよいよ明日からの2日間、池袋の鶴仙園にてイベントが開催されます。下関のPlant's Workさんとのコラボイベントです。過去2回開催されており、私も毎度楽しみにしているイベントです。

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基本的にはハウォルチアがメインで、軟葉系の美しい交配種が大量に並べられます。また、フィールドナンバー付きの原種もあり、珍しいものに出会えるかも知れません。私は硬葉系好きですが、結構気になるものがあり毎度悩んでしまいます。一昨年はフィールドナンバー付きのwoolleyi、昨年はアストロロバを中心に購入しました。せっかくですから、以前のイベントで入手した個体をご紹介しましょう。

2022年
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H. venosa subsp. woolleyi GM079
2022年はウォオレイ(ウーレイ)を購入。これ自体、イベントなどでも見かけないハウォルチアです。フィールドナンバーつきですから、葉先が枯れるなど非常に野性的で私好みです。ちなみに、現在はH. woolleyiとなり独立種とされています。
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あれから2年経ちましたが、サイズ感はあまり変わっていません。小型のタイプなのでしょう。

2023年
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H. jonesiae
ヨネシアエは青白い硬葉系ハウォルチアです。おそらくは、H. glauca var. herreiの小型なタイプなのでしょう。
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環境が変わり段が出来てしまいました。しかし、まあ良く生長しています。
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Astroloba aspera
謎のアストロロバであるアスペラです。非常に美しいアストロロバですが、その出自は謎に包まれています。流石に説明は大変なので、過去の記事を貼っておきます。

https://euphorbia-obesa.com/archives/24702131.html

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アスペラは少し日焼けしましたが、生長自体は順調です。

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A. spiralis
このようなノーマルなスピラリスはあまり見かけません。装飾がなくシャープな葉の形です。
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スピラリスは非常に良く生長しました。縦だけではなく、幅も大きくなりました。

せっかくのきらびやかなハウォルチアのイベントなのに、地味な硬葉系やハウォルチアではないアストロロバばかり買っていますね。まあでも好きなものは仕方がありません。今年も硬葉系を狙います。出来れば、フィールドナンバーつきやnom. nud.なんてあると嬉しいわけですが、今年はどうでしょうかね? とても楽しみです。


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いよいよ寒さが本格的になってきました。去年のブログを見返して見たら、今頃は多肉植物たちを室内に取り込むのにバタバタしていましたね。というわけで、唐突に多肉植物の室内への取り込みを開始しました。

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いよいよ寒くなり、明け方は10℃を下回る日も出てきました。寒さに弱いユーフォルビアは流石にそろそろ室内に取り込む必要がありそうです。

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こちらはパキポディウム苗たち。

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お次はユーフォルビアというか花キリンたち。

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こちらはユーフォルビアのやや過保護にしている連中。

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Uncarina roeoesliana
ロエオエスリアナは春先にロングポットに植えて水を切らさないようにしましたが、非常によく育ちました。塊根の太り具合が良好です。生長が鈍り、ナメクジに葉を舐められるようになったため、室内に取り込みます。傷んだ葉はポロポロと取れてしまいました。来年の春まで葉を落としたまま休眠します。

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Euphorbia ankarensis
こちらは冬の間は葉を出さずに花だけを咲かせる可能性があるアンカレンシスです。しかし、アンカレンシスの名前で入手しましたが、特徴的にはE. denisianaに見えます。まあ、アンカレンシスもE. denisiana var. ankarensisとされていますから、違いは微妙なところかも知れませんけど。

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Euphorbia gottlebei
今年のゴトレベイは調子が良く、秋口に枝が出たり花が咲き始めました。まだ、花は続くようです。

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Aloe albiflora
「雪女王」の名前もあるアルビフロラが開花しました。その名前の通り白い花を咲かせます。暖色系の花が多いアロエ中にあって、白花は割りと珍しい部類です。
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基本的に鳥媒花であるアロエの中にあって、おそらくアルビフロラは虫媒花なのでしょう。
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良く見たら2本目の花茎が出てきています。株が充実している証拠でしょう。

さて、多肉植物たちの室内への取り込みを行いましたが、実はまだほんの一部に過ぎません。土曜日は休日出勤で、日曜日も忙しく夕方に日が落ちるまでの一時に作業しただけです。早く取り込みたいのですが、なかなか進みませんね。困りました。

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植物の名前は混乱しているものが多く、1つの植物に沢山の異名があることは珍しいことではありません。古い時代に記載された種では、そもそもそれが何を指していたのかがよくわからないケースもあります。これは、国際命名規約が整備される前のもので必要な情報が足りていなかったり、古いため記述された標本が戦争などで失われてしまい現存しないなど、種の判別のために必要な情報が不足しているためです。多肉植物の記載された時の情報を知りたいため、古い時代の記述を調べることがありますが、図譜はなく標本の指定もなく、ラテン語による2〜3行の簡素な特徴の説明があるだけだったりします。このように、古い時代の記述は混乱しており、それが何を指しているのかは植物学者が丹念に調査しないとわからないものばかりです。ですから、古い記述が実はある植物を指していたことが判明し、より古いというか先に命名された名前に修正されることも珍しくありません。
ということで、本日は命名に関する内容ということで、Detlev Metzing & Roberto Kieslingの2007年の論文、『Winterocereus (Cactaceae) is the corred name for Hildewintera』をご紹介します。

Hildewinteraの歴史
Borzicactus族は球状から円柱状になるサボテンのグループで、ボリビア、ペルー、アルゼンチンに分布し、主に鳥媒花です。その中で、二重花被という特徴を持つものが、1962年にWinteria aureispina F. Ritterとして記載されました。しかし、これは1784年に記載されたWintera Murrayと同名(parahomonymy)、1878年に記載されたWinteria Saccardoと同名(Homonymy)であるため、属名を変更する必要がありました。
1966年にWinterocereus Backebergと、それより3〜4ヶ月早くHildewintera F. ritterに変更する提案がなされました。(先取権により)Hildewinteraとなり、その妥当性については疑問視されたことはありませんでした。

Hildewinteraは非合法
2003年にHildewinteraの新種が記載された論文が出されました。その論文に対するコメントとして、W. Greuter(私信)はING(Index Nominum Genericorum)において、Hildewinteraの項目に「タイプ種に対する不完全な参照」が記されていることを気が付かせてくれました。
著者らはRitter(1966)による学名への参照のページ番号が省略されているため、「完全かつ直接的」ではなかったことを見逃していました。これは属名にも当てはまり、よってHildewinteraは有効に公表されなかった(not validly published)ことが判明しました。その結果、Backeberg(1966)が公表したWinteriocereusは、規約の要件をすべてみたし、もっとも古い利用可能な名前です。Rowley(1968)による索引への記載により、Hildewinteraは有効に公表されましたが、そこでもWinteriocereus Backeberg 1966が異名として記載されているため、Hildewinteraは非合法名です。

最後に
以上が論文の簡単な要約です。
特に疑問もなく一般的に使用されてきたHildewinteraが実は有効に公表されていない非合法名であり、これを有効に公表されているWinterocereusとしましょうという提案でした。しかし、現在はWinterocereusはCleistocactus Lem.に吸収されてしまいました。著者らもCleistocactusに含める意見については承知しており、別属とすべきであることを改めて主張していますが、結局のところCleistocactusに統廃合されつしまったわけで、この論文の提案を無駄ではないかと思われるかも知れません。とはいえ、この論文は分類学的に意味があり、特定の分類群の命名に対する正しい知識を与えてくれます。ですから、データベース上でもこの論文の知見は活用されており、将来の分類学に対する有効な資料となっています。例えば、キュー王立植物園のデータベースでCleistocactusを見てみましょう。

Cleistocactus Lem., 1861.
Heterotypic Synonyms
Winteria F. Ritter, 1962, nom illeg.
Winterocereus Backeb., 1966.
Hildewintera F. Ritter ex G. D. Rowley, nom illeg.

以上のように、論文の知見が活用されています。WinteriaやHildewinteraが非合法名であることや、HildewinteraがRowleyにより再び記載されたことなどです。また、将来的にCleistocactusの再編が行われる可能性もあるため、その時にこの論文は重大な意味を持つことになるかも知れません。


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いよいよ寒くなって来ましたが、いつ多肉植物たちを室内に取り込むのか思案中です。いつも、ぎりぎりまで粘ってバタバタ取り込むのが毎度恒例となっています。さて、そんなこんなで、本日も我が家の多肉植物たちを少しご紹介しましょう。

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Euphorbia clavigera
クラビゲラは育ってはいますが、なかなか枝が伸びません。もっとぐんぐん育ってほしいですね。
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塊根はよく太っているようです。

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Aloe spectabilis
スペクタビリスはなかなか大きくなりません。BBのオマケでいただいたものですが、かなりの巨大種ということです。まあ、育ったら育ったで持て余しそうです。
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いいトゲが出ています。

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Zamia integrifolia
インテグリフォリアは今年は非常に良い葉が出ました。去年はまさかの尺取虫に齧られるという蘇鉄にあるまじき失態を犯しましたから、まったくもって嬉しい限りです。
インテグリフォリアは一般的にはZ. floridanaの名前で販売されていますが、これは誤りということになります。とはいえ、正しいとされるZ. integrifoliaという名前は曰く付きです。von Linneの息子さん(Linne filius)が命名しましたから非常に古い名前なのですが、実はZ. pumilaと区別出来ていないのではないかという疑惑があるのです。ただし、Z. floridanaの命名より前に命名されたZ. integrifolia以外の名前がいくつもあるため、Z. integrifoliaの正統性がどうであれ、Z. floridanaが採用されることはありません。

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Tulista pumila var. ohkuwae
このツリスタはなかなかにして悩ましい存在です。入手した時のラベルには「Tulista pumila (ohkuwai) GM 602」とありました。「GM 602」はフィールドナンバーで、野生個体の由来であることを示します。しかし、残念ながらGM 602の詳細な情報はよく分かりません。GMはGM 602を採取したGerhard Marxを指しますが、Gerhard Marxが採取した他のプミラはHaworthia pumilaとされています。Tulista属はかつてはHaworthia属で、分離独立しましたが、おそらくGerhard MarxがGM 602を採取したのはTulista属誕生前のような気がします。ですから、GM 602もフィールドナンバーの情報としてはHaworthiaだったのではないでしょうか。ちなみに、プミラがツリスタ属とされたのは2013年のことです。さらに、(ohkuwai)とありますが、これも問題です。先ずはこの括弧表示の意味からです。2006年にHaworthia ohkuwaeが記載されましたが、Tulista pumila var. ohkuwaeとされたのは2016年と割りと最近です。GM 602は採取された時、単にH. pumilaとされたのではないでしょうか。まとめると、Gerhard Marxにより採取された時には、Haworthia pumila GM 602とされ、後にTulistaへ変更され、この個体がvar. ohkuwaeであることが判明したという流れです。どうでしょうかね? 何言ってんだこいつは、と思われるかも知れませんが…。ちなみに、ohkuwaeがohkuwaiと表記されているのは、2018年の国際命名規約の変更によるもので、様々な植物の名前の語尾が変更されたようです。

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Hawortiopsis coarctata var. tenuis
コアルクタタ亜種テヌイス、要するに九輪塔のタイプ違いです。割りと小型で可愛らしい感じがします。今年は割りとよく育ちました。

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Aloiampelos gracilis
ヤブ状に育つ旧・アロエ属のアロイアンペロス属のグラキリスです。最近はこんなものも販売されています。

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Aloiampelos tenuior
こちらもアロイアンペロスです。「青々錦」という名前もあります。下葉が枯れて見苦しい感じです。もうちょい、水を多めでもいいのかも知れません。


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相変わらずライブドアブログのアプリが復活しません。いやはや、なんとも困りましたね。先日、アガヴェの論文の記事をあげましたが、編集に結構な時間がかかりました。連休中に基本的なコードは覚えましたが、妙に手間がかかります。アプリがないととても不便です。まあ、しばらくはだましだましペースを落として記事を書いていきます。さて、そんな状況ですが、本日も我が家の多肉植物たちを少しご紹介しましょう。

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Euphorbia debilispina
デビリスピナは塊根性ではありませんが、根が木質化し荒れ肌なので面白いと思い根を露出させています。根を露出させても生長にはまったく影響はなく、今年は沢山枝が出ました。水分や栄養の吸収は根毛が担っており、木質化した太い根は水や栄養を運ぶパイプラインであり、地上部を支える役割があります。ですから、露出させても問題にはならないのです。なんとなく盆栽風。
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ユーフォルビアの根は滑らかな質感のものが多いため、この荒れ性は特筆に値します。

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Haworthia arachnoidea
アラクノイデアは冬の間に根腐れさせてしまいましたが、見事に復活しました。全体的に軟弱になりふにゃふにゃしていましたから、ここまで早く生長するとは驚きです。

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Tulista kingiana
キンギアナはツリスタの中ではあまり見かけない種です。その理由は単純に地味だからに過ぎないような気もします。

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Dioon spinulosum
スピヌロスムは非常に順調です。すっきりした姿はインテリア向きかも知れませんね。

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Tulista minor こちらはツリスタのミノルです。私の育てている個体はこのサイズより大きくなりません。ミノルはツリスタの中では小型らしいのですが、流石に小さ過ぎる気もします。


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アガヴェは専門外なのですが、イベントでオマケでいただいた苗を2つ育てています。そんな縁もあり、たまにアガヴェについても記事にしています。そんなこんなで本日はアガヴェについての記事です。何でも、ネイティブアメリカンがかつてアガヴェを作物として栽培していたらしいのです。詳しく見てみましょう。本日ご紹介するのは、Wendy C. Hodsonらの2018年の論文、『Hohokam Lost Crop Found: A New Agave (Agavaceae) Species Only Known from Largescale pre-Columbian Agricultural Field in Southern Arizona』です。

アガヴェ栽培と考古学
考古学者は南アリゾナの先コロンブス期の居住者であるHohokam族が、大規模なアガヴェ栽培を行っていたことを提唱してきました。数千エーカーに及ぶ岩石や岩の配列や、アガヴェの収穫と加工に用いられた特徴的な石器、アガヴェを調理するための大きな焙煎穴などの証拠があります。1500年代半ばにスペイン人がアリゾナに到着したころには、1350年頃から始まる深刻な人口減少により、Hohokamの文化や農地利用のパターンは消滅していました。

Hohokam族と農業
Hohokam族は、現在のアリゾナ州中部と南部のソノラ砂漠で農業を営んでいました。Hohokamの社会は古代の狩猟採集集団から発展し、少なくとも4000年前からトウモロコシを栽培していました。Hohokam族は紀元後300年から1450年にかけて、Gila川、Salt川、San Pedro川、Santa Cruz川、Verde川とその支流に沿って、洗練された集約的な農業システムを開発しました。
数百マイルに及ぶ大規模で複雑な灌漑用水路と溝が、氾濫原と隣接する段丘で栽培される作物に水を供給しました。段丘ではトウモロコシ、tepary beans(Phaseolus acutifolius var. acutifolius)、ヒョウタン、アマランサス、綿花を栽培していました。西暦800年までにSan Pedro川などの川沿いに儀式用の舞踏場や土塁などの公共施設を備えた大規模なHohokamの竪穴式住居の村落が広がっていました。Salt川とGila川の流域では、Hohokamの人口は灌漑用水路の延長上に広がり、川の取水口から何マイルも離れていることも珍しくありませんでした。考古学者の推定によれば、西暦1300年までにHohokamの人口は約4万人に達しており、先史時代のアメリカ南西部ではもっとも人口が集中していた地域の1つでした。

先史時代の遺構
考古学者は、アガヴェはいくつかの河川沿いの畑の乾燥した地域で栽培されていたと推測しています。しかし、先史時代の灌漑氾濫原が沖積土に埋もれたため、アガヴェが栽培されていた証拠は山岳地帯のbajada(※1)とterrace(※2)でした見られません。bajadaとterraceは遠目には自然地形に見えますが、実際には重ねた岩や整列した岩により構築されており、乾燥農業用に修正され管理された人工的な景観を示します。

(※1)bajadaは、山の正面に沿い合体した一連の扇状地から構築される。

(※2)terraceは階段状の地形のこと。

アガヴェの痕跡
平板状の石ナイフや鋭角なパルプ加工用かんな、石鎚などの特殊な石器、焙煎穴の存在は、栽培されていた作物を特定するための重要な手がかりです。これらの道具は、先史時代を通じてアガヴェの食品あるいは飲料、繊維加工のために使用されていたからです。アリゾナ州中央部と南部のHohokam遺跡からは炭化したアガヴェが発見されており、葉の基部や繊維、葉柄の断片が含まれています。植物学的に見ると2種類以上のアガヴェが栽培されていたことが示唆されます。残念ながらアガヴェの残骸は断片的すぎて種の特定はできません。研究者は、Agave murpheyiやアリゾナ州のアガヴェ、またはメキシコ原産の栽培品種のいずれかが栽培されたと考えています。さらに、これらの先史時代の遺構や道具は、A. chrysanthaやA. deserti subsp. simplex、A. palmeri、A. parryiなどのアリゾナ州南東部及び中央部に分布する野生アガヴェの自生地より低い標高で発見されています。

先コロンブス期の栽培アガヴェ
1980年代初頭、Hodgson氏ら植物学者たちはアリゾナ州とメキシコのソノラ州北部で、先史時代の栽培アガヴェを突き止めるために現地調査を開始しました。アリゾナ州中部では先史時代の畑に残存するアガヴェの個体群を発見し、A. murpheyiとA. delamateriが先コロンブス期の栽培種であることを示しました。両種は種子をほとんど生成せず、根茎を介して容易に無性生殖するなど、栽培植物に共通する特徴を持っています。形態学的変異はほとんど見られず、自然環境ではないterraceなどの考古学的な環境に関連して生育しています。2007年にParkerらによる研究では、両種ともに野生のアガヴェより遺伝的多様性が低いことがわかりました。これは、作物に期待される特徴です。

未知の栽培アガヴェ
Clark & Lyons(2012)は、San Pedro川の考古学研究書において、完新世の氾濫原を見下ろすアリゾナ州南部にあるHohokamの乾性耕作地の段丘に、生きたアガヴェが存在することを明らかにしました。農地のいくつかは60ヘクタールを超えていました。畑に生えるアガヴェの写真は注目を集めましたが、種の同定はできませんでした。HodgsonとSalywonは現地を訪れ、そのアガヴェが未記載種であることを突き止めました。

新種アガヴェの情報
Agave sanpedroensis W. C. Hodgson & A. M. Salywon sp. nov.
タイプ: アメリカ合衆国、アリゾナ州Pima郡、標高914m、ソノラ砂漠上部の低木地帯、多数の先コロンブス期のbajadaとterrace。

自生地はTortolita山脈近くの1か所で、12以下の個体群が知られています。人工的な先コロンブス期の農地でのみ発生し、自然環境には見られません。分布域には、Calliandra eriophylla(緋合歓)、Carnegiea gigantea(弁慶柱、Saguaro)、Cylindropuntia fulgida(cholla)、Ferocactus wislizeni、Fouquieria splendens、Opuntia engelmannii、Opuntia phaeacantha、Parkinsonia microphylla、Prosopis velutina(ベルベットメスキート)、Eragrostis lehmannianaが自生します。
花色はA. phillipsianaおよびA. palmeriに類似しています。A. sanpedroensisのS字型の曲がりくねった細い花序と大きく厚みのある花は、A. phillipsianaに似ています。これは側枝のある頑丈な花序があるA. palmeriとは異なります。A. sanpedroensisの厚みのある基部と芽の形の刻印がある灰緑色の葉を持ち、目立って厚みがなく芽の形の刻印がなく、より濃い緑色のA. phillipsianaおよびA. palmeriとは異なります。
高さ及び幅は50〜70cmで、ロゼットは開き、根茎は自由に分離しクローンを形成する。葉は線状披針形から線状倒披針形で、長さ44〜49cmで縁は波打ちます。縁歯は強く反り返り、時々直立または上向きになります。花は7月下旬から8月で、果実は発育初期に枯れるらしく、知られていません。
著者らは開花した花を2個体観察しましたが、果実はありませんでした。不稔のように見えますが、根茎により容易に無性生殖するため、放棄されてから何世紀にも渡り畑で生き残ってきました。A. sanpedroensisが不稔である理由はわかりません。おそらく自家和合性がなく、野生個体の分布域外で育ったため、環境が着果に合わないであるとか、人為的選択の結果として遺伝的不適合があるのかも知れません。または、無性生殖のために意図的に選抜された可能性もあります。

最後に
以上が論文の簡単な要約です。
驚くべきことに、先史時代に栽培されていたと思しきアガヴェの新種について述べられています。おそらく不稔で種子が出来ず、シュートなどの栄養繁殖で増える特徴はいかにも栽培植物です。 気になるのはAgave sanpedroensisの出自です。栽培された元の種は何だったのでしょうか? 近隣のアガヴェの交配種でしょうか? あるいはメキシコなど他所からの移入も考えられます。単に原種は絶滅して栽培植物だけ生き残っただけかもしれません。詳細は遺伝子解析が行われていないため、わかりませんが著者らも気にしているようですから、何れ解明されるでしょう。 さて、最後にアガヴェ栽培を行う意味について考えてみましょう。アガヴェは育つのに時間がかかりますから、日常的な生活を支える栽培作物とは言えないでしょう。ある程度の生活的余剰があることが見て取れます。そして、その文化が失われたのは、Hohokamの衰退ともに失われていったのでしょう。著者らは他地域からの侵入など、外圧を示唆しています。考古学とリンクした面白い研究ですが、この研究を受けて考古学者たちがどのような考えを持つのか気になりますね。


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Euphorbia makayensis
マカイエンシスが開花しました。
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初めての開花ですが、花キリンとしては小さく目立たない花でした。
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よく見たら3本も枝が出てきました。これは来年が楽しみですね。

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Euphorbia ramena
ラメナはトゲがなく毛がモサモサ生える変わった花キリンです。
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蕾が出てきました。

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Euphorbia fimbriata
フィンブリアタは4月にコーナンで購入しましたが、倍くらいの高さになりました。E. mammillarisの異名扱いされていますが、別種としている人も結構いるみたいです。まあ、私にはただのタイプ違いにしか見えませんが…

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Euphorbia alluaudii subsp. alluaudii
何故かsubsp. onchocladaの名前で販売されているアルアウディイです。今年は植え替え効果か順調に生長しました。去年は秋の西日にやられてしまい、全体的に黄色くなってしまいました。気を付けたいですね。

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Aloe peglerae
苗を入手してから3年、だいぶ育ちましたね。現在では6号鉢。ペグレラエは美しいアロエですから、これからが楽しみです。雑草だらけなのは見なかったことにしてください…


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最近は忙しくなかなか論文を読めないため、記事のネタに困っています。逆にイベントに行った際は、移動中にじっくり読めるので、イベント続きの今は少しネタのストックがあったりします。さて、そんなこんなで、本日も我が家の多肉植物たちを少しご紹介しましょう。【追記】ライブドアブログのアプリが不具合で上手く書き込めません。症状が出てからすでに1週間ほど経つようですが、いよいよ我がブログも書けなくなりました。アプリ以外なら書けますが、コードを打ち込まないと編集出来ないため、コードがわからない私ではどうしようもないですね。ということで、アプリの不具合が直るまではブログもお休みですかね。早く直ればいいのですが…

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Euphorbia bubalina
ブバリナの花が開いてきました。ユーフォルビアにしては巨大な苞です。似た雰囲気の鉄甲丸(E. bupleurifolia)の花は短命ですが、ブバリナの花は非常に長持ちです。


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瑠璃晃 Euphorbia susannae
スサンナエが開花しています。スサンナエな非常に徒長しやすく、10%の遮光でも徒長気味になってしまいます。


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白花矮性花キリン Euphorbia milii cv.
剪定を繰り返して枝を増やした花キリンです。10月始めくらいの異常な強光で調子を落としましたが、半日陰になる場所に置き復活しました。なんだかんだで10年以上の長い付き合いですから、大事にしたいものです。


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Gymnocalycium esperanzae VoS 1791
エスペランザエが良いですね。今年も好調です。暗い色合いにも関わらず、割りと強光にも耐えます。


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Aloe bowiea
ボウィエアは根元から子が吹いてきました。株が充実したということでしょうか。


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Haworthia mucronata var. mucronata JDV 90-111
ムクロナタが非常に元気で、鉢から溢れんばかりです。しかし、このままだと根詰まりを起こしかねないので、来年植え替えることにしましょう。



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