ユーフォルビア・オベサ・ドットコム

2024年10月

多肉植物たちも秋の生長期に入り、見ていて楽しい季節です。そんな我が家の多肉植物たちを少しご紹介しましょう。

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Euphorbia hedyotoides
ヘディオトイデスの勢いが止まりません。分岐しまくっています。

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実は相変わらず地味な花も咲いていたりします。

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Euphorbia silenifolia
シレニフォリアに新しい葉が沢山出てきました。

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塊茎はなかなか大きくなりません。

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Adenia olaboensis
オラボエンシスは相変わらずといった感じがありますが、幹は太く成りつつあるようです。

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幹が割れてきました。太くなっている証拠ですね。

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Fouquieria splendens
スプレンデンスは何故か夏の間は葉を落としてしまい、完全に休眠状態でした。他のFouquieriaは元気なのに不思議です。しかし、ようやく葉がお目見えです。枯れなくて一安心しました。


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Euphorbia spannringii
スパンリンギイは最近植え替えましたが、新しい葉がもりもり出ています。将来が楽しみな塊根性ユーフォルビアです。



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9月に行った新宿御苑の温室の記事の続きです。不定期に記事にしていますが、今回は林床っぽいフロアの続きから、空中遊歩道へ行き高い位置から見た温室の状況です。

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クスダマジンジャー(マツカサジンジャー)
Tapeinochilos ananassae
名前の通り面白い花を咲かせる植物ですが、ジンジャーとありますがショウガ科ではなくホオザキアヤメ科です。まあ、ショウガ科に近縁ではあるようですが。オーストラリア北東部、ニューギニアの原産。

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何とも言えない形状ですが、実に目立ちます。

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シナニッケイ Cinnamomum cassia
いわゆるシナモンですが、シナモンとして利用される5種のうちもっとも一般的とのことです。そういえば、板橋区立熱帯植物館で大きなセイロンニッケイは見たことがあります。
しかし、このCinnamomum cassiaという名前には問題があり、インド原産のNeolitsea cassiaの異名でもありnom. illeg.です。現在、シナニッケイはCinnamomum burmanni (ジャワニッケイ、インドネシアン・シナモン)と同一種とされています。中国南部から東南アジアの原産。

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ソーセージノキ Kigelia africana
ソーセージノキは熱帯アフリカに広く分布するノウゼンカズラ科植物です。長く垂れた花柄の先に、重さ5〜10kgにもなる巨大なソーセージ型の果実を沢山つけます。観葉樹としては非常に面白い植物ですが、残念ながら果実は見られませんでした。


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ヒカゲヘゴ Cyathea lepifera
背の高いヘゴも空中遊歩道から見ることが出来ます。

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下から見上げるのではなく、横から見るヘゴの葉は非常に装飾的で美しいものです。
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鱗片に覆われた新芽が見えます。

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ホウオウボク Delonix regia
マダガスカル原産のマメ科植物。熱帯地方で広く植栽されており、日本では沖縄で見ることが出来ます。その花の美しさで有名ですが、残念ながら今回は花は見られませんでした。


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ベニラタンヤシ Latania lontaroides
ベニラタンヤシが大きな美しい葉を広げています。レユニオン島原産。


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上から林床の熱帯植物を見ることが出来ます。サトイモ科やらパイナップル科やら。

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鬱蒼としています。

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崖から水が滴る小さな滝がありました。

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何やら細く垂れ下がる植物に花が咲いています。Russeliaでしょうか? 名札がないので分かりません。

さて、空中遊歩道を渡ったらいよいよ乾燥地の植物たちの登場です。続きます。


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今年の秋はサボテンや多肉植物の展示会がいくつか催されるようです。私も時間が合えば行ってみるつもりです。さて、本日も我が家の多肉植物たちを少しご紹介しましょう。

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閃光閣 Euphorbia knobelii
クノべリイは冬の間に植物用ランプで焼けてしまい、模様があやふやかつ全体的に黄色くなり、生長が止まってしまいました。しかし、徐々に色味が戻り最近ようやく生長を再開しました。


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龍尾閣 Euphorbia griseola
グリセオラが非常に元気で、グングン伸びています。グリセオラは何故かE. richardsiaeの名前で販売されているようです。


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亀甲竜 Dioscorea elephantipes
亀甲竜もだいぶ蔓が伸びてきましたね。しかし、火星人(Fockea edulis)の蔓と絡んでしまい、外すのに難儀しました。メタルラックに絡ませた方が管理が楽なので、室内に移動させます。

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丸みがあって可愛らしい亀甲竜です。

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Pachypodium enigmaticum
どういう訳か、エニグマティクムの葉が落葉しています。幹は健全ですが地下が心配です。グラついてはいないようですが…


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Euphorbia venefica
猛毒3兄弟のヴェネフィカが元気です。黄色いのは去年の葉ですが、新しい葉はより立派ですね。


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Euphorbia geroldii
トゲなし花キリンのゲロルディイが開花しています。まあ、夏の間はずっと開花していたのですが、相変わらずの美しさです。



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花の受粉に関わる話は面白く、私も度々記事にしています。例えばサボテンで言えば、昆虫だけではなくハチドリやコウモリも花粉媒介者として受粉に寄与しています。花の受粉様式は恐ろしく多様で、花粉媒介者だけではなく、雌雄異株と雌雄同株、雌雄異熟、雌雄離熟など、様々な用語が飛び交います。しかし、受粉した後の話、つまり結実して種子が散布される植物の繁殖ではとても重要な部分は、何故か受粉と比較すると論文も少なく感じます。この部分は重要かつ面白いため、以前から気になっていました。ところが驚くべきことに、動物による種子散布に関する本が出版されたのです。それは、総勢18人の研究者による2024年9月の新刊、『タネまく動物』(文一総合出版)です。様々な動物の様々な種類の植物の種子散布について語られます。その中の一部のトピックを少しご紹介しましょう。

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植物の種子散布は、ホウセンカやユーフォルビアのように種子をはね飛ばしたり、タンポポの綿毛がついた種子が風で運ばれたりと、必ずしも動物が種子散布に関与するわけではありません。しかし、全体的に見れば、植物の種子散布は動物に依存していると言っていいはずです。もっとも一般的な動物による種子散布は被食散布でしょう。果実を食べた動物が糞として種子を動き回りながら散布するのです。この図式は割りと一般的にも知られていますが、一部の昆虫も被食散布を行っていることは私も初めて知りました。しかも、まだまだ未開拓な分野のようです。研究されていないだけで、あるいは昆虫による種子散布は特殊な事例ではなく、一般化するかもしれません。また、果実を食べた動物を肉食動物が食べて、肉食動物の糞から2次的に種子が散布されるという話には驚きました。確かに言われて見れば、そのようなことは日常的に起こっているのでしょう。

種子散布の様式は実に多様です。私は果実ではなく種子そのものを食べる動物のことをすっかり失念していました。ですから、大型動物の糞に含まれる大量の種子を、ネズミが持ち去るという話には驚かされました。もちろん、種子を食べられてしまいますから、持ち去られた種子は発芽しません。場合によっては冬のために種子を隠して忘れてしまうこともあるかもしれません。しかし、確実なのは糞虫が糞の下に穴を掘って、種子ごと糞を埋めてしまうことです。このように、動物に食べられて糞として散布されて終わりではないのです。まったく、生態系の複雑さには驚かされます。

被食散布の次によく知られているのは付着散布でしょう。オナモミやセンダングサなど鉤爪などで動物の体毛に付着して運ばれるものや、粘着質なものもあるようです。しかし、付着散布はそれだけではなく、海洋鳥には付着種子ではない雑草の種子も付着しており、島を越えて種子が散布されています。さらに、驚いたのはカナリア諸島の猛禽類の話で、捕獲した獲物を調べると様々な種子が見つかったということです。カナリア諸島には複数の島に分布するEuphorbia canariensisと1つの島にしか分布しないEuphorbia handiensisという2種類のサボテン様ユーフォルビアが生えています。E. canariensisの種子は付着種子ではないのに複数の島に分布し、E. handiensisは1つの島にしか分布しない謎は、もしかしたらこのあたりに解決の鍵があるのかも知れませんね。

さて、本書は動物による種子散布に特化した稀有な読み物と言えます。研究者の手による本にも関わらず、初学者にも分かりやすく誰でも読める難易度となっています。しかし、それでも研究された内容は鋭く、まったく知らなかった話も多く大変勉強になりました。このようなニッチな分野を扱った本はあまりないため、このような本が出版されたことを嬉しく思います。普通に読み物としても面白い本ですから、ぜひ多くの方に手にとっていただきたいと思います。おすすめします。


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