2年くらい前は、まだコーデックス・ブームの余韻が残っていたのか、パキポディウムの苗があちこちに売っていました。五反田TOCのビッグバザールでも、今よりパキポディウムの実生苗が沢山並んでいました。現在のアガヴェ・ブームはまだ来ていない頃合いです。私もビッグバザールや大型園芸店で何種類かパキポディウムの実生苗を購入しましたが、今日はそのうちの1つであるPachypodium brevicalyxをご紹介します。まずは、我が家のP. brevicalyxの苗の様子から。

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2022年3月。トゲばかりが目立ちます。

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2022年7月。春先の新しい葉に加え、真夏にも新しい葉が生えてきました。

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2022年9月。葉は大きく強い印象です。

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2023年1月。まだ葉は落ちません。

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2023年2月。葉はだいぶ落ちましたが、まだ残っています。どうやら、春までこのまま持ちそうです。しかし、幹はかなり太りました。

P. brevicalyxがはじめて命名されたのは1934年のことで、P. densiflorumの変種とされました。つまりは、Pachypodium densiflorum var. brevicalyx H.Perrierです。1949年には独立種とされ、Pachypodium brevicalyx (H. Perrier) Pichonとされました。しかし、現在はPachypodium densiflorumと同種とされています。P. densiflorumとは葉が先細りとなり葉柄が短く、萼が短いなどの特徴の違いがあります。
'brevicalyx'とは、ラテン語で'brevis'=「短い」と'calyx'=「萼」という意味です。
しかし、P. densiflorumの花のサイズはかなり変動があり、P. brevicalyxはその範囲に入ってしまうということです。分布は標高200mにあるP. densiflorumの自生地のわずかに北西部ということで、P. densiflorumと分布が連続していることからも同種である可能性が高くなります。

しかし、P. brevicalyxは遺伝子が解析されていませんから、外見的特徴だけから判断するのは危険です。最近はあまりパキポディウムの遺伝子解析をしている論文は見かけませんから、P. brevicalyxの分類はまだ確定していないように思われます。また、そもそもP. densiflorum自体が多数の系統がある可能性があるため、P. brevicalyxの立ち位置はどうなるのか今後の研究の進展を待ち望んでおります。



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