2013年頃からアロエの仲間の遺伝子が本格的に調べられはじめ、それ以降アロエの仲間は激変しました。AloeはAloe、Aloidendron、Aloiampelos、Kumara、Gonialoe、Aristaloeに分割され、HaworthiaはHaworthiaとHaworthiopsis、Tulistaに分割されました。逆にChortolirionやLomatophyllumはアロエに含まれることが明らかとなりました。他のアロエ類である、Gasteria、Astrolobaについても命名規約上の問題があり議論されています。

さて、Bruce Bayerが2014年にアロエ類についての意見をコラム欄で簡潔に述べています。それが、Aloe striatula(現在はAloiampelos)の葉の配置について述べた、『Leaf arrangement in Aloe striatula』です。興味深い
内容ですから見てみましょう。
A. striatulaを上から見て、葉の配置が二列性あるいは三列性であることを示しています。Bayerは二列性なら1、3、5、7、9枚目あるいは2、4、6、8、10枚目の葉がセットで、三列性なら1、4、7、10枚目、2、5、8枚目、3、6、9枚目がセットであるとしています。
しかし、この説明は非常に分かりにくいので、私の育てているAloiampelos striatula var. caesiaを例に、別の表現で解説しましょう。

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二列性の配置
まず、二列性の配置ですが、向かい合う葉が対になります。つまり、1+2、3+4、5+6、7+8、9+10です。軸が回転するように、葉が重ならない配置となります。

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三列性の配置
三列性の配置では3枚が1セットとなります。つまり、1+2+3、4+5+6、7+8+9がセットとなります。

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葉の根元は鞘があり、茎を覆っています。A. striatulaの次の葉は前の鞘のすぐ下に挿入されています。葉は左右に交互に出ますから、螺旋状に葉は配置されます。また、Aloe broomiiは葉の挿入は連続的で、茎から全ての葉を剥がすことが出来ます。

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Aloe broomii

ほとんどのHaworthiaでは葉は不規則ですが、常に螺旋状の順序になっています。Haworthia wittebergensisには完全に挿入された葉があり、恐らくHaworthia blackbeardiana(現在のH. bolusii var. blackbeardiana)、Haworthia viscosa(現在のHaworthiopsis viscosa)にも当てはまります。

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Haworthiopsis viscosaは典型的な三列性

以上がコラムの内容となります。
2014年はまだアロエ類の分類についての議論が華やかなりし頃でしたから、このような論考があった訳です。とはいえ、単純な外見的特徴から遠近を判断するのは困難ですよね。
AloeやGasteriaは苗の頃は二列性ですが、やがて回転していきます。アロエ類は基本的には向かい合う2枚の葉が回転していきます。アロエ類の葉が回転するのは、全ての葉に効率的に太陽光線を当てるための仕組みです。アロエは茎が伸びて行くものが多いですが、Haworthiaは茎が伸びずにロゼット型となります。

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Aloe spectabilisの苗。左右に葉が向かい合う典型的な二列性です。

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現在のAloe spectabilis。ある程度育つと葉が回転し始めます。

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Haworthia arachnoidea。回転する葉が密について茎が伸びないと、ロゼット型になります。


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