3年前くらい前のことですが、大型の園芸店にDioon eduleという海外のソテツの苗が販売されていることに気が付きました。冬だったこともあり葉が黄色く変色していたりして、購入を躊躇う状態でした。その後、2~3の園芸店やホームセンターで見かけましたが、基本的に状態は悪く入荷からそれなりに時間が経っていることがうかがえます。流石に復活可能かわからないので購入しませんでしたが、その後はDioon eduleを見かけることはありませんでした。おそらくは、Dioon eduleの種子をある程度の数輸入した一過性の実生苗だったようです。しかし、去年のクリスマスに千葉で開催された木更津Cactus & Succulentフェアで、なんとDioon eduleを販売していたので購入しました。 ということで、Dioon eduleとは一体どのようなソテツなのでしょうか?
Dioon edule
D. eduleの学名は、1843年に命名されたDioon edule Lindl.です。D. eduleはまあまあ異名が多いため、以下に年表で示しました。
1844年 Zamia maelenii Miq.
1845年 Platyzamia rigida Zucc.
1848年 Dioon imbricatum Miq.
1855年 Dioon aculeatum Lem.
1861年 Dioon edule f. imbricatum
(Miq.) Miq.
1863年 Dioon strobilaceum Lem.
1868年 Dioon edule var. imbricatum
(Miq.) Miq.
1884年 Macrozamia littoralis
Liebm. ex Dyer
Macrozamia pectinata
Liebm. ex Dyer
1899年 Dioon edule var. lanuginosum
(J.Schust.) Wittm.
1932年 Dioon edule f. lanuginosum
J.Schust.
Zamia rigida Karw. ex J.Schust.
さらに、現在は独立種とされているDioon angustifoliumは、かつてDioon edule f. angustifolium、Dioon edule var. angustifolium、Dioon edule subsp. angustifoliumなどと呼ばれていました。幾つかのサイトでD. eduleの情報を収集しましたが、あるサイトではD. eduleはD. merolaeやD. holmgeniiと関連があるなどと書かれていましたが、遺伝子解析の結果ではD. eduleはD. angustifoliumと近縁です。分布が近い種は遺伝子も近縁な傾向があり、D. eduleとD. angustifoliumは分布が近いと言えます。
他にも現在は認められていないD. eduleの変種があります。Dioon edule var. latipinniumはDioon pectinatumに、Dioon edule var. sonorenseはDioon sonorenseとして現在ではそれぞれ独立種とされています。
さて、一般的なD. eduleの情報を探したところ、D. eduleはメキシコの海抜1500mにまで見られるということです。D. eduleは中型のソテツで、高さ1~1.5(~3)mで、直径は20~30cmになります。成熟した葉は15~20枚で、長さ0.7~1.6mとなり、小葉は片側120~160にもなります。Dioonの中でも小葉の縁にトゲがないことが、D. eduleの特徴とされているようです。D. eduleは乾燥した森林地帯に生え、浅い土壌の過酷な地域です。
Dioon eduleは大変美しいソテツで、育つほど葉は長くなり小葉の数も増えていきます。小葉は細長く隙間なく整然と並び、ある程度育ったD. eduleの葉は涼しげで非常に美しいものです。しかし、Dioon eduleは環境の悪化などにより個体数の減少が指摘されている貴重なソテツです。輸入種子由来の実生の流通が望ましく、違法採取株由来かもしれない現地球の販売はあまり望ましくありません。正規のルートで輸入された個体でも、違法採取株がファームを転々として日本に輸入された可能性も捨てきれません。
Dioon eduleはDioonの代表種です。異名が多くE. eduleから分離された種類があることからも、それはうかがえます。そのため、Dioonの中ではD. eduleは割と研究されており、論文も多少は出されています。明日はそんなD. eduleについて調査した論文をご紹介しましょう。
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Dioon edule
D. eduleの学名は、1843年に命名されたDioon edule Lindl.です。D. eduleはまあまあ異名が多いため、以下に年表で示しました。
1844年 Zamia maelenii Miq.
1845年 Platyzamia rigida Zucc.
1848年 Dioon imbricatum Miq.
1855年 Dioon aculeatum Lem.
1861年 Dioon edule f. imbricatum
(Miq.) Miq.
1863年 Dioon strobilaceum Lem.
1868年 Dioon edule var. imbricatum
(Miq.) Miq.
1884年 Macrozamia littoralis
Liebm. ex Dyer
Macrozamia pectinata
Liebm. ex Dyer
1899年 Dioon edule var. lanuginosum
(J.Schust.) Wittm.
1932年 Dioon edule f. lanuginosum
J.Schust.
Zamia rigida Karw. ex J.Schust.
さらに、現在は独立種とされているDioon angustifoliumは、かつてDioon edule f. angustifolium、Dioon edule var. angustifolium、Dioon edule subsp. angustifoliumなどと呼ばれていました。幾つかのサイトでD. eduleの情報を収集しましたが、あるサイトではD. eduleはD. merolaeやD. holmgeniiと関連があるなどと書かれていましたが、遺伝子解析の結果ではD. eduleはD. angustifoliumと近縁です。分布が近い種は遺伝子も近縁な傾向があり、D. eduleとD. angustifoliumは分布が近いと言えます。
他にも現在は認められていないD. eduleの変種があります。Dioon edule var. latipinniumはDioon pectinatumに、Dioon edule var. sonorenseはDioon sonorenseとして現在ではそれぞれ独立種とされています。
さて、一般的なD. eduleの情報を探したところ、D. eduleはメキシコの海抜1500mにまで見られるということです。D. eduleは中型のソテツで、高さ1~1.5(~3)mで、直径は20~30cmになります。成熟した葉は15~20枚で、長さ0.7~1.6mとなり、小葉は片側120~160にもなります。Dioonの中でも小葉の縁にトゲがないことが、D. eduleの特徴とされているようです。D. eduleは乾燥した森林地帯に生え、浅い土壌の過酷な地域です。
Dioon eduleは大変美しいソテツで、育つほど葉は長くなり小葉の数も増えていきます。小葉は細長く隙間なく整然と並び、ある程度育ったD. eduleの葉は涼しげで非常に美しいものです。しかし、Dioon eduleは環境の悪化などにより個体数の減少が指摘されている貴重なソテツです。輸入種子由来の実生の流通が望ましく、違法採取株由来かもしれない現地球の販売はあまり望ましくありません。正規のルートで輸入された個体でも、違法採取株がファームを転々として日本に輸入された可能性も捨てきれません。
Dioon eduleはDioonの代表種です。異名が多くE. eduleから分離された種類があることからも、それはうかがえます。そのため、Dioonの中ではD. eduleは割と研究されており、論文も多少は出されています。明日はそんなD. eduleについて調査した論文をご紹介しましょう。
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