昨日に引き続き、ラフレシアリサーチさんで購入したギムノカリキウムのご紹介です。昨日はGymnocalycium mihanovichiiでしたが、本日はGymnocalycium friedrichiiです。
フリエドリチイ(フリードリッヒ)は一般的には「牡丹玉」と呼ばれます。私が購入したのは、'VoS 01-017/a'という番号が付いたフリエドリチイです。

Gymnocalycium friedrichii VoS 01-017/a
フリエドリチイの学名は、はじめて命名されたのは1936年のGymnocalycium mihanovichii var. friedrichii Werderm.でした。つまりは、ミハノヴィチイの変種とされたのです。1979年には独立種となり、Gymnocalycium friedrichii (Werderm.) Pazout ex Schützとなりました。一般的にはこの学名が流通していますが、どうやら問題のある学名のようです。G. friedrichiiには'not validly publ.'という表記が追加されています。つまりは、有効な公開ではないということです。学名は命名規約に乗っ取って記載する必要があり、不備があれば無効となる可能性もあります。この場合、G. friedrichiiを命名した論文を読まないと、どこに問題があったのかは分かりません。一応、今後調べてみます。しかし、命名者が'Pazout ex Schütz'となっていますから、そもそもG. friedrichiiはPazoutが記載したものの何らかの不備があり、そのPazoutをSchützが引用して改めて記載したという意味ですが、さらにその論文にも不備があったということになります。
では、現在認められている学名はというと、1979年に命名された、Gymnocalycium stenopleurum F.Ritterです。一般にG. stenopleurumは大型のG. friedrichiiと言われたりしますが、2016年にはGymnocalycium friedrichii subsp. stenopleurum (F.Ritter) Schädlichも提唱されています。
昨日はミハノヴィチイ(G. mihanovichii)をご紹介しましたが、ミハノヴィチイの4つの変種は、実はG. stenopleurumの異名とされています。上で出てきたG. mihanovichii var. friedrichii以外では、1951年に命名されたGymnocalycium mihanovichii var. piraretaense Pazout、1962 年に命名されたGymnocalycium mihanovichii var. angustostriatum Pazout、1963年に命名された Gymnocalycium mihanovichii var. albiflorum Pazoutです。
また、1958年に命名されたGymnocalycium eytianum Cardenasは、2008年にはGymnocalycium friedrichii subsp. eytianum (Cardenas) H.Hill & Amerh.とする意見もありましたが、これは'not validly publ.'ということですから、有効な公開ではないようです。ちなみに、G. eytianumはGymnocalycium marsoneri subsp. matoenseの異名とされているようです。
最後にフィールドナンバーを調べてみます。昨日のG. mihanovichiiと同じくVolker Schädlichが2007年の正月にパラグアイで採取しています。
Field number : VoS 01-017/a
Collector : Volker Schädlich
Species : Gymnocalycium friedrichii
Locality : Paraguay, Boqueron (north of Americo Pico 195m)
Date : 01/01/2007
フィールドナンバーの学名が、G. stenopleurumではなくG. friedrichiiになっていますが、これは採取された時点での学名だからです。学名が変更になってもフィールドナンバーの情報は更新されませんから、フィールドナンバーとして登録された学名と現在の学名が異なることは当然の話です。
ちなみに、有名なLB 2178は暗い地に白い肋が鮮烈ですが、このVoS 01-017/aのように採取地点により特徴が異なります。LBは採取したLudwig Berchtの略ですが、Berchtが採取したG. friedrichiiはLB 2178だけではありません。LB 2211やLB 2218、LB 3054などもBerchtにより採取されたG. friedrichiiです。他にもSTO 95-995/1、HU 311、RCB 360、HT 373、LAU 373など、様々な採取人により沢山の個体が採取されています。どれも個性的ですから、集めたくなってしまいますね。
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フリエドリチイ(フリードリッヒ)は一般的には「牡丹玉」と呼ばれます。私が購入したのは、'VoS 01-017/a'という番号が付いたフリエドリチイです。

Gymnocalycium friedrichii VoS 01-017/a
フリエドリチイの学名は、はじめて命名されたのは1936年のGymnocalycium mihanovichii var. friedrichii Werderm.でした。つまりは、ミハノヴィチイの変種とされたのです。1979年には独立種となり、Gymnocalycium friedrichii (Werderm.) Pazout ex Schützとなりました。一般的にはこの学名が流通していますが、どうやら問題のある学名のようです。G. friedrichiiには'not validly publ.'という表記が追加されています。つまりは、有効な公開ではないということです。学名は命名規約に乗っ取って記載する必要があり、不備があれば無効となる可能性もあります。この場合、G. friedrichiiを命名した論文を読まないと、どこに問題があったのかは分かりません。一応、今後調べてみます。しかし、命名者が'Pazout ex Schütz'となっていますから、そもそもG. friedrichiiはPazoutが記載したものの何らかの不備があり、そのPazoutをSchützが引用して改めて記載したという意味ですが、さらにその論文にも不備があったということになります。
では、現在認められている学名はというと、1979年に命名された、Gymnocalycium stenopleurum F.Ritterです。一般にG. stenopleurumは大型のG. friedrichiiと言われたりしますが、2016年にはGymnocalycium friedrichii subsp. stenopleurum (F.Ritter) Schädlichも提唱されています。
昨日はミハノヴィチイ(G. mihanovichii)をご紹介しましたが、ミハノヴィチイの4つの変種は、実はG. stenopleurumの異名とされています。上で出てきたG. mihanovichii var. friedrichii以外では、1951年に命名されたGymnocalycium mihanovichii var. piraretaense Pazout、1962 年に命名されたGymnocalycium mihanovichii var. angustostriatum Pazout、1963年に命名された Gymnocalycium mihanovichii var. albiflorum Pazoutです。
また、1958年に命名されたGymnocalycium eytianum Cardenasは、2008年にはGymnocalycium friedrichii subsp. eytianum (Cardenas) H.Hill & Amerh.とする意見もありましたが、これは'not validly publ.'ということですから、有効な公開ではないようです。ちなみに、G. eytianumはGymnocalycium marsoneri subsp. matoenseの異名とされているようです。
最後にフィールドナンバーを調べてみます。昨日のG. mihanovichiiと同じくVolker Schädlichが2007年の正月にパラグアイで採取しています。
Field number : VoS 01-017/a
Collector : Volker Schädlich
Species : Gymnocalycium friedrichii
Locality : Paraguay, Boqueron (north of Americo Pico 195m)
Date : 01/01/2007
フィールドナンバーの学名が、G. stenopleurumではなくG. friedrichiiになっていますが、これは採取された時点での学名だからです。学名が変更になってもフィールドナンバーの情報は更新されませんから、フィールドナンバーとして登録された学名と現在の学名が異なることは当然の話です。
ちなみに、有名なLB 2178は暗い地に白い肋が鮮烈ですが、このVoS 01-017/aのように採取地点により特徴が異なります。LBは採取したLudwig Berchtの略ですが、Berchtが採取したG. friedrichiiはLB 2178だけではありません。LB 2211やLB 2218、LB 3054などもBerchtにより採取されたG. friedrichiiです。他にもSTO 95-995/1、HU 311、RCB 360、HT 373、LAU 373など、様々な採取人により沢山の個体が採取されています。どれも個性的ですから、集めたくなってしまいますね。
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