昨年末に千葉で開催された木更津Cactus & Succulentフェアで、Euphorbia ellenbeckiiという名前のユーフォルビアを入手しました。どのような多肉植物なのでしょうか? 少し調べてみました。

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Euphorbia ellenbeckii

Monadenium ellenbeckii
取り敢えず「エレンベッキー」で検索すると、出てくるのはMonadenium ellenbeckiiですね。正直、これは中々面白いことになったと感じました。というのも、遺伝子解析の結果からモナデニウムはユーフォルビアに吸収されてしまいました。ということは、Monadenium ellenbeckiiはEuphorbia ellenbeckiiになるのかというと、おそらくは違うでしょう。何故なら、すでにユーフォルビアには同じ種小名のEuphorbia ellenbeckiiがいるからです。データベースを見てみると、M. ellenbeckiiは2006年にEuphorbia bisellenbeckiiに変更されました。やはり、同姓同名は許されないということです。新しい種小名は、ellenbeckiiに'bis'を追加しただけではあります。この'bis'は「2回」とか「2度」という意味ですから、すでに存在するEuphorbia ellenbeckiiに2を追加した「エレンベッキー2」みたいな割と安直な名前です。
しかし、海外のサイトではすでにこのE. bisellenbeckiiは普通に使われていますが、日本国内ではほぼ流通していない名前です。以前から思っていましたが、日本は情報が遅いですよね。こういう部分でもガラパゴス化しているのは困ったものです。私の弱小ブログではじめて日本で紹介された情報がかなりあるということに、若干うんざりしてしまいます。


Euphorbia ellenbeckii
愚痴はほどほどにして、E. ellenbeckiiを見てみましょう。エレンベッキーは1903年に命名されたEuphorbia ellenbeckii Paxです。特に異名などはないみたいです。原産地はエチオピア、ケニア、ソマリアですから、ちょうどアフリカの角にあたる部分ですね。
E. ellenbeckiiがはじめて記載された論文はPax in A. Engler, Botanische Jahrbücher für Systematik, Pflanzengeschichte und Pflanzengeographie 33 : 285 (1903)ということです。古いので探してもないでしょうけど、一応は探してみます。ごく稀に、古い論文を画像データとして公開されていることもあるからです。
どうやら、E. ellenbeckiiは根元から叢生するタイプみたいですが、枝は再分岐せずに15cmくらいになるようです。トゲは螺旋状につき、最大1.5cmくらいでサイズは様々ということです。花は黄色がかったピンク。ソマリアやタンザニアの原産と聞いて高地産と思いましたが、標高150mに分布するといいますからそれほど育て方に難はないかもしれませんね。


さて、現在得られる情報はこの程度です。正直、情報不足は否めません。日本国内の情報はほぼゼロに近いのですが、海外の情報もどうにも今一つですね。ヒットするのは販売サイトばかりです。育て方もよくわかりませんが、取り敢えず分布が近いソマリア原産のEuphorbia phillipsioidesを参照にして育てるつもりです。E. phillipsioidesはソマリアものですが暑さにも強く、強光にも割と耐えます。もし、日焼けの徴候があれば遮光を強目にすれば良いだけです。間延びした姿にはしたくありませんから、なるべく日に当てて水も絞って詰まった株に育てたいものです。


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