昨日に引き続きエケベリアの遺伝子を解析した論文の紹介です。本日が最後です。
エケベリアとセダムなどの遺伝子を解析した結果を以下に示します。それによると、エケベリアは大きく4つに分けられることがわかりました。下の系統図の太字で示したClade I~Clade IVです。
┏━━━━━━━━Lenophyllum acutifolium
┃
┃ ┏Sedum palmeri
┃ ┏━━┫
┃ ┃ ┗Sedum frutescens
┣━━━━━┫
┃ ┃┏━━Sedum compactum
┃ ┗┫
┫ ┃┏━Sedum allantoides
┃ ┗┫
┃ ┃┏Villadia cucullata
┃ ┗┫
┃ ┗Villadia albiflora
┃
┃┏━━━━━━━━Sedum dendroideum
┗┫
┃┏━━━━━━━Clade I
┗┫
┃┏━━━━━━Clade II
┗┫
┃┏━━━━━Sedum corynephyllum
┗┫
┃┏━━━━Clade III
┗┫
┃ ┏Clade IV-①
┗━━━┫
┗Clade IV-②

Clade IV-②はエケベリアのみからなるグループです。series Gibbiflorae、つまりはエケベリア属ギビフロラエ列です。ギビフロラエ列は2つのグループに大別されます。
┏━E. gibbiflora 1
┏━━━━━━┫
┃ ┃┏E. fulgens
┃ ┗┫ v. obtusifolia
┃ ┗E. gibbiflora 2
┃
┫┏━━━━━━━E. purhepecha
┃┃
┃┃ ┏E. roseiflora
┃┃ ┏┫
┃┃ ┃┗E. nayaritensis
┗┫┏━━━━┫
┃┃ ┃┏E. munizii
┃┃ ┗┫
┃┃ ┗E. rufiana
┃┃
┃┃ ┏━━━━E. dactylifera
┃┃┏┫
┗┫┃┃┏━━━E. michihuacana 1
┃┃┗┫
┃┃ ┃ ┏E. michihuacana 2
┃┃ ┃┏━┫
┃┃ ┃┃ ┗E. michihuacana 3
┃┃ ┗┫
┃┃ ┃┏━E. michihuacana 4
┗┫ ┗┫
┃ ┃┏E. michihuacana 5
┃ ┗┫
┃ ┗E. michihuacana 6
┃
┃┏━━━━E. cante
┃┃
┃┃ ┏━E. subrigida
┗┫┏━┫
┃┃ ┃┏E. novogaliciana
┃┃ ┗┫
┗┫ ┗E. perezcalixii
┃
┃┏━━E. cerrograndensis
┗┫
┃┏━E. sp.
┗┫
┃┏E. marianae
┗┫
┗E. patriotica
┏E. uxorium
┏━━━━━┫
┃ ┗E. acutifolia
┃
┃ ┏E. fulgens v. fulgens
┃┏━━━━┫
┃┃ ┗E. guerrerensis
┫┃
┃┃ ┏━E. aff. acutifolia 1
┃┃┏━━┫
┃┃┃ ┃┏E. aff. gigantea
┃┃┃ ┗┫
┗┫┃ ┗E. aff. acutifolia 2
┃┃
┃┣━━━━E. fulgens
┃┃
┃┣━━━━E. aff. gibbiflora
┃┃
┗┫ ┏E. fimbriata 1
┣━━━┫
┃ ┗E. fimbriata 2
┃
┣━━━━E. rubromarginata 1
┃
┃┏━━━E. sp.
┃┃
┃┃ ┏E. triquiana
┃┃┏━┫
┃┃┃ ┗E. gigantea
┗┫┃
┃┣━━E. longiflora
┃┃
┃┃ ┏E. aff. fulgens 1
┃┣━┫
┗┫ ┗E. grisea
┃
┣━━E. crenulata
┃
┣━━E. rubromarginata 2
┃
┃┏━E. aff. gibbifor
┗┫
┃┏E. prunina
┗┫
┗E. aff. fulgens 2
この4日間に渡る記事の総括は、エケベリア属は単系統ではないということです。複数の系統が入り交じる雑多な寄せ集めと言えます。この状態の解決策は2つあります。1つは、すべてをセダム属としてしまうことです。エケベリアもグラプトペタルムもクレムノフィラもトンプソネラも廃止してしまうのです。おそらく、これが最も簡単かつ分類学的に正しい方法です。もう1つは、グラプトペタルムやクレムノフィラなどを廃止してエケベリアに含んでしまうというものです。この場合、エケベリアは遺伝的には広義セダムの一部ですから、エケベリアを残したい場合にはセダムを細かく分割する必要性が生じてしまいます。あまり現実的ではない提案でしょう。とは言うものの、まだ公的なデータベース上においては旧来の分類方法のままです。どうも、ここ十年くらいでセダムやエケベリアを含むベンケイソウ科植物の遺伝子解析が急激に進行しています。分類体系の再検討はこれからでしょう。かなりホットな話題ですから、これからのことの推移を注視していきたいと思います。
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エケベリアとセダムなどの遺伝子を解析した結果を以下に示します。それによると、エケベリアは大きく4つに分けられることがわかりました。下の系統図の太字で示したClade I~Clade IVです。
┏━━━━━━━━Lenophyllum acutifolium
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┃ ┏Sedum palmeri
┃ ┏━━┫
┃ ┃ ┗Sedum frutescens
┣━━━━━┫
┃ ┃┏━━Sedum compactum
┃ ┗┫
┫ ┃┏━Sedum allantoides
┃ ┗┫
┃ ┃┏Villadia cucullata
┃ ┗┫
┃ ┗Villadia albiflora
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┃┏━━━━━━━━Sedum dendroideum
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┃┏━━━━━━━Clade I
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┃┏━━━━━━Clade II
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┃┏━━━━━Sedum corynephyllum
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┃┏━━━━Clade III
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┃ ┏Clade IV-①
┗━━━┫
┗Clade IV-②

Clade IV-②はエケベリアのみからなるグループです。series Gibbiflorae、つまりはエケベリア属ギビフロラエ列です。ギビフロラエ列は2つのグループに大別されます。
┏━E. gibbiflora 1
┏━━━━━━┫
┃ ┃┏E. fulgens
┃ ┗┫ v. obtusifolia
┃ ┗E. gibbiflora 2
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┫┏━━━━━━━E. purhepecha
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┃┃ ┏E. roseiflora
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┃┃ ┃┗E. nayaritensis
┗┫┏━━━━┫
┃┃ ┃┏E. munizii
┃┃ ┗┫
┃┃ ┗E. rufiana
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┃┃ ┏━━━━E. dactylifera
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┗┫┃┃┏━━━E. michihuacana 1
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┃┃ ┃ ┏E. michihuacana 2
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┃┃ ┃┃ ┗E. michihuacana 3
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┃┃ ┃┏━E. michihuacana 4
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┃ ┃┏E. michihuacana 5
┃ ┗┫
┃ ┗E. michihuacana 6
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┃┏━━━━E. cante
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┃┃ ┏━E. subrigida
┗┫┏━┫
┃┃ ┃┏E. novogaliciana
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┗┫ ┗E. perezcalixii
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┃┏━━E. cerrograndensis
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┃┏━E. sp.
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┃┏E. marianae
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┗E. patriotica
┏E. uxorium
┏━━━━━┫
┃ ┗E. acutifolia
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┃ ┏E. fulgens v. fulgens
┃┏━━━━┫
┃┃ ┗E. guerrerensis
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┃┃ ┏━E. aff. acutifolia 1
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┃┃┃ ┃┏E. aff. gigantea
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┗┫┃ ┗E. aff. acutifolia 2
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┃┣━━━━E. fulgens
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┃┣━━━━E. aff. gibbiflora
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┗┫ ┏E. fimbriata 1
┣━━━┫
┃ ┗E. fimbriata 2
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┣━━━━E. rubromarginata 1
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┃┏━━━E. sp.
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┃┃ ┏E. triquiana
┃┃┏━┫
┃┃┃ ┗E. gigantea
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┃┣━━E. longiflora
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┃┃ ┏E. aff. fulgens 1
┃┣━┫
┗┫ ┗E. grisea
┃
┣━━E. crenulata
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┣━━E. rubromarginata 2
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┃┏━E. aff. gibbifor
┗┫
┃┏E. prunina
┗┫
┗E. aff. fulgens 2
この4日間に渡る記事の総括は、エケベリア属は単系統ではないということです。複数の系統が入り交じる雑多な寄せ集めと言えます。この状態の解決策は2つあります。1つは、すべてをセダム属としてしまうことです。エケベリアもグラプトペタルムもクレムノフィラもトンプソネラも廃止してしまうのです。おそらく、これが最も簡単かつ分類学的に正しい方法です。もう1つは、グラプトペタルムやクレムノフィラなどを廃止してエケベリアに含んでしまうというものです。この場合、エケベリアは遺伝的には広義セダムの一部ですから、エケベリアを残したい場合にはセダムを細かく分割する必要性が生じてしまいます。あまり現実的ではない提案でしょう。とは言うものの、まだ公的なデータベース上においては旧来の分類方法のままです。どうも、ここ十年くらいでセダムやエケベリアを含むベンケイソウ科植物の遺伝子解析が急激に進行しています。分類体系の再検討はこれからでしょう。かなりホットな話題ですから、これからのことの推移を注視していきたいと思います。
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