パキポディウムの苗を幾つか育てていますが、秋が深まるにつれて葉がパラパラと落ち始めました。しかし、その葉の落ち具合はバラバラでした。その違いは種類によるものなのか、生育の良し悪しによるものなのか、あるいはその両方かはわかりません。私がパキポディウムを室内に取り込んだのは去年の10月29日のことでしたが、古い葉が紅葉/黄葉し始めているタイミングでした。なんとなく、葉は少しずつ落ちていくイメージでしたが、年末になるまで意外と暖かかったためか、あまり葉は落ちませんでした。そんな冬のパキポディウムについてご紹介しましょう。

①Section Gymnopus
Section Gymnopusはマダガスカル原産のパキポディウムの主流派です。
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Pachypodium rorulatum subsp. rorulatum
ロスラツム系の基本。植物用ランプが強すぎるようで、少し葉が焼け気味です。葉は半分くらい落ちました。subsp. rorulatumに近縁なのはP. rorulatum subsp. bemarahenseです。

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Pachypodium rorulatum var. drakei
ドラケイは現在ではロスラツムと同種とされています。枝や葉が細長いタイプです。葉はまったく落ちませんでした。

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魔界玉 Pachypodium makayence
P. rorulatum subsp. makayenceが正式名称ですが、遺伝子解析の結果からは言うほどロスラツムに近縁ではありませんでした。ロスラツム系の中では、マカイエンセ、カクチペス、グラキリウスが近縁です。葉が繁りすぎて塊茎が見えません。葉もあまり落ちませんでした。

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Pachypodium cactipes
P. rorulatum subsp. cactipesが正式名称です。マカイエンセと同じくロスラツムにそれほど近縁ではありません。今年は生長がいまいちでしたから、もともと葉が少なかったので葉がほとんどなくなってしまいました。

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象牙宮 Pachypodium gracilius
正式名称はP. rorulatum subsp. graciliusです。非常に小さな実生苗。やはり、ロスラツムとはあまり近縁ではありません。葉はすべて落ちました。

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Pachypodium brevicalyx
ブレビカリクスは始めP. densiflorum var. brevicalyxでしたが、その後にP. brevicalyxとして独立しましたが、最終的にデンシフロラムと同一種とされています。ただし、遺伝的な遠近は良くわかりません。なんとなく全体的に粗雑な感じがしますが、葉はまったく落ちませんでした。

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Pachypodium densiflorum
デンシフロラムは分布ごとに遺伝子が異なることがわかっており、複数種からなっているのかもしれません。大型なため寒さに強いのでかなり遅くまで外に置いていました。そのせいか葉がほとんど落ちました。


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なぜか落ちない葉もあります。

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Pachypodium enigmaticum
デンシフロラムから分離されたエニグマティクムですが花が大型です。まだ開花しませんが。葉は落ちませんでした。

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Pachypodium eburneum
P. rorulatum var. eburneumとされたこともあります。デンシフロラム系です。夏の暑さで一度弱りましたが復活しました。復活してから葉は増えませんが、冬でも葉は落ちません。

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Pachypodium horombense
ホロンベンセもP. rorulatum var. horombenseとされたこともあります。ロスラツム系よりもトゲが強いですね。どちらかといえばデンシフロラム系です。葉は少し落ちました。


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恵比寿笑い Pachypodium brevicaule subsp. brevicaule
ブレビカウレは平たく育ちます。デンシフロラムと近縁です。葉は半分くらい落ちました。


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白花恵比寿笑い Pachypodium  brevicaule subsp. leucoxanthum
レウコキサンツムはブレビカウレの白花の亜種とされますが、遺伝子解析の結果ではブレビカウレとあまり近縁ではありません。同じ白花のP. inopinatumと近縁です。葉はほとんど落ちました。

②Section Porphyropodium
マダガスカル原産で赤花のパキポディウム。
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Pachypodium windsorii
P. baronii var. windsoriiとされたこともあります。まだ花は咲きません。葉はパラパラ落ちますが、少し残りました。

③Section African
アフリカ大陸原産のパキポディウムです。
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Pachypodium succulentum
ビスピノスムやナマクアヌムと近縁です。去年の冬は塊根が鉢底に当たってしまい緑色のまま葉が落ちてしまいました。植え替えたので今年は調子が良さそうです。葉はまったく落ちませんでした。

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Pachypodium bispinosum
葉が落ち始めましたが、塊根が伸びて鉢底に当たっていないか不安です。今年は深い鉢に植え替えます。


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Pachypodium saundersii
サウンデルシイはアフリカ大陸原産種の中でもP. lealiiと近縁です。寒くなってから葉色は良くありませんが、葉はあまり落ちませんね。

なんだかんだでパキポディウムも増えてしまいました。しかし、遺伝子解析の結果からパキポディウムは4つのグループに分けられますが、何故かSection Leucopodiumは1種類も持っていません。Section LeucopodiumではP. lamereiやP. geayiがあります。見かけたことはありますが、あまり好みではないため購入しませんでした。しかし、P. decaryiは少し気になりますから見かけたら購入してしまうかもしれません。
それはそうと、今年は葉を落とさないパキポディウムが多いみたいですが、流石に春までは持たないかもしれません。丈夫なP. succulentum、P. brevicalyx、P. rorulatum var. drakeiあたりは葉が落ちないかもしれませんが。まあ、いずれにせよ、来年は植え替えて生長にブーストをかけたいところです。


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