五反田TOCで開催された今年の秋のサボテン・多肉植物のビッグバザールで、Gymnocalycium berchtiiというサボテンを購入しました。採取情報が含まれるフィールドナンバーつきで、'TOM6/481'とあります。どのようなサボテンなのでしょうか?

DSC_2012
Gymnocalycium berchtii TOM6/481

さて、まずは自生地の情報を調べてみましょう。
G. berchtiiはアルゼンチンの固有種で、San Luisに自生します。生息範囲が狭いにも関わらず、個体数は豊富だということです。また、海抜700~1200mに生えます。
G. berchtiiは平野部の草原で育ちます。気候は温暖で乾燥しており、夏に雨が降ります。岩盤の薄い土壌に育ちます。G. berchtiiは小さく、石の間に潜るように生えます。
生息地には、Gymnocalycium lukasikii、Gymnocalycium lukasikii subsp. emilii、Gymnocalycium ochoterenae、Gymnocalycium achirasense、Acanthocalycium spiniflorum、Echinopsis aurea、Opuntia sulphurea、Notocactus submammulosusが生えます。より低地では、Gymnocalycium borthii、Echinopsis leucantha、Pterocactus tuberosus、Austrocylindropuntia salmiana、Cereus aethiopsなども生えます。いくつかの生息地ではGymnocalycium sutterianumが生えます。
自生地ではヤギが放牧されていますが、ヤギが草を食べて光が差し込みやすくなり、G. berchtiiはとっては逆に恩恵を受けているということです。

育て方はどうでしょうか? 私は特に何も気にせずに育てていますが、酸性の堆肥を好むとされています。石灰岩が豊富だと生長が止まるらしいです。嫌石灰植物なのでしょうかね。生長は非常に遅いのですが、花は咲きやすいと言います。最大でも6cmくらいの小型種です。

ここからは、学名について調べてみましょう。学名は1997年に命名されたGymnocalycium berchtii Neuhuberです。
2005年に命名されたG. natalie Neuhuberと近縁とされることがありますが、G. natalieはG. berchtiiの異名と見なされています。同様に、1999年に命名されたGymnocalycium poeschlii Neuhuberや2010年に命名されたG. morroense 
Kulhánek、2015年に命名されたG. berchtii var. natalieは、いずれもG. berchtiiの異名とされています。
種小名の'berchtii'は、フィールドナンバーのLBでも知られるオランダのLudwig Berchtに由来するということです。


最後にフィールドナンバーについて見てみましょう。しかし、'TOM6/481'は調べても良くわかりません。'TOM'はTomáš Kulhánekの略ですが、後半のナンバーがさっぱりです。まあ、わからないことも普通にあります。しかし、一応ですが試しに'TOM06/481'で調べたところ、情報が少し出てきました。'1 - 2.8km S of Los Chanares, San Luis, Arg'とのことです。フィールドナンバーは 大事な情報なのに、何故か省略され勝ちなのは困ったものです。

小型で扁平な私好みのギムノカリキウムですが、意外と栽培にはうるさい部分もあるようです。とはいえ、これは水が硬水のヨーロッパでは気を付けなければならないかも知れませんが、基本的に水道水が軟水の日本では気にする必要はないでしょう。しかし、ギムノカリキウムにはこういう暗い色合いのものがいくつかありますが、非常に独特で面白く感じます。近縁種をコレクションしたくなりますね。


ブログランキング参加中です。
クリックしていただけますと嬉しく思います。
にほんブログ村 花・園芸ブログ 塊根植物・塊茎植物へ
にほんブログ村