最近、アロエ属についてアロエ属から分離したり統合されたりした経緯を簡単にまとめました。その記事の中でも触れましたが、Aloe bowieaについてはBowiea africanaやChamaealoe africanaとも呼ばれたことがあります。BowieaやChamaealoeからアロエ属に統合されても、アロエ属の中で独特の地位を占めるとされることがあります。

本日、ご紹介する論文はGideon F. Smithが1990年に発表した『Nomenclature notes on the subsection Bowiea in Aloe (Asphodelaceae : Alooideae)』です。早速、内容に入りましょう。

Chamaealoe A.BergerはAloe L.の異名です。つまり、かつてChamaealoe africana (Haw.) A.Bergerと呼ばれた種は現在Aloe bowiea Schult. & Schult.f.とされており、Aloe section Graminialoe Reynolds(=アロエ属グラミニアロエ節)に含まれるとされています。 

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Aloe bowiea
=Chamaealoe africana
=Bowiea africana


現代のアロエ属の分類に関しては、アフリカとマダガスカルのアロエ研究を生涯の仕事としたG. W. Reynoldsに負うところが大です。その後、アロエ属の属下分類は、Reynoldsの分類を基礎として改訂されていきました。アフリカ南部のアロエ属は、H. F. GlenとD. S. Hardyにより改訂されています。
Aloe bowieaはChamaealoeからアロエ属に移されましたが、Aloe bowieaのアロエ属内の分類はまだ明らかではありません。著者はAloe bowieaをSection Graminialoe Subsection Bowieae(グラミニアロエ節ボウィエアエ亜節)としてアロエ属の分類に組み込むことを目指しております。

アロエ属(Aloe L.)は1753年にCarl von Linneが設立しましたが、1786年にMedikusが細分化に失敗(Catevala Medik., Kumara Medik.)した後、1804年にHaworthがより自然な単位に分ける試みを行いました。Haworthは現在のHaworthiaやGasteriaに相当するグループに、アロエ属の属以下の分類としてGrandiflora、Parviflora、Curvifloraを考えました。その5年後の1809年に、DuvalはHaworthiaとGasteriaをアロエ属から分離しました。
1834年にSalm-Dyckは栽培した植物のカタログを出版しました。その中ではHaworthの考え方を支持し、アロエ属の属下分類としてParvifloraとGrandifloraを説明しました。GrandifloraはTubo recto(=アロエ)とTubo curvato(=ガステリア)に分類しました。Parvifloraは14節(Section)に分け、ボウィエアエ節(Section Bowieae)は、Aloe bowieaが初めてBowiea africanaとしてですが記載されました。これは、1824年のBowiea Haw.に基づきます。Bowiea Haw.の2種類目は1827年にHaworthによりBowiea myriacanthaと記載されました。しかし、1829年にこのBowiea Haw.の2種はアロエ属に移されました。
1836年にSalm-DyckはBowiea Haw.を支持し、Aloe myriacanthaも含めるべきであると主張しました。しかし、Baker(1880年, 1896年)はBowieaをアロエ属の同義語としてDuvalの分類を受け入れ、Salm-Dyckの節(Section)を亜属(Subgenus)に置き換えました。Aloe bowieaとAloe myriacanthaはアロエ属Eualoe亜属の中の1グループであるAcaulesに含めました。
Aloe bowieaとAloe myriacanthaは明らかに関連性はありますが、しかし互いの特徴は異なります。そのため、Aloe bowieaは1905年にChamaealoe africana、Aloe myriacanthaは1933年にLeptaloe myriacanthaとする意見もありました。Leptaloeは短命な属名で、1947年にReynoldsはアロエ属の同義語としました。しかし、1915年のMarloth、1941年のGroenewald、1950年のReynoldsはChamaealoeを支持しました。ただし、その後は1973年のObermeyer、1983年のSmithはChamaealoe africanaはAloe bowieaの同義語であるとしています。


Aloe bowieaは1973年のObermeyerや1981年のCourtによると、Anguialoe節との花の形態学的な類似性を示します。しかし、この節のアロエはAloe vryheidensis以外は木質化しますが、Aloe bowieaは非常に小型です。
Aloe bowieaは形態的にはGraminialoe節と類似します。Graminialoe節とAloe bowieaは、細い線形の直立した多肉質の葉を持ちます。Aloe bowieaは密集したロゼットを作り、他のGraminialoeと同様に肉質の根を持ちます。しかし、グラスアロエの中でもAloe bowieaの花は独特の緑がかる白色花で、総状花序に分散します。葯と花柱の配置も異なります。このように、Aloe bowieaは既存の属下分類に当てはまらないため、Graminialoe節の中でも独立したBowieae亜節(Subsection Bowieae)を提案しています。Graminialoe節Graminialoe亜節(Section Graminialoe Subsection Graminialoe)との相違点は上記以外にもあり、私の記事では示しませんが論文では一覧表をあげています。


Reynoldsのアロエ属の分類が示された後、Graminialoe節であるAloe modestaとAloe ioconspicuaが記載されました。しかし、それらとAloe bowieaは緩く細長い総状花序と、地下の球根状の膨らみがないことで区別出来ます。Aloe modestaはAloe bowieaよりも短い総状花序を持ち、小花柄が密集します。Aloe ioconspicuaは密集した円筒形の総状花序と無柄の花を持ちます。
上記のように、Bowiea亜節とGraminialoe亜節は肉眼でも容易に区別可能です。

以上が論文の簡単な内容紹介となります。やはり、アロエ属とされたとは言え、Aloe bowieaはアロエ属の中でも独立した存在と考える向きがあるようですね。グラスアロエを含む小型アロエはあまり詳しくないため、これから少しずつ調べていくつもりです。


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