私はユーフォルビアをチマチマ集めたりしていますが、ユーフォルビア属と近縁とされるモナデニウム属にはあまり興味がありませんでした。というのも、ユーフォルビア属自体があまりにも多様で種類が多いため、モナデニウム属まで手が回らないためです。そのため、モナデニウムを調べたりもしないので、あまりイメージがありませんでした。しかし、2013年に発表された『Phylogenetics, morphological evolution, and classification of Euphorbia subgenus Euphorbia』という論文を紹介する記事を書いた時に、モナデニウム属がユーフォルビア属に含まれているということを書きました。私も論文を読んで初めて知ったのですが、その際に論文に出てくる旧モナデニウム属の種類を調べたところ、その多様な姿に驚かされました。

以前の記事はこちら。
しかし、その時の論文が初めてモナデニウム属がユーフォルビア属に含まれることを明らかにした論文であるかはわかりません。まだちゃんと読んでいないのですが、2006年のPeter Burynsらの『A New Subgeneric Classhfication for Euphorbia (Euphorbiaceae) in Southern Africa Based on ITS and psbA-trnH Sequence Data』において既に述べられているみたいです。他にも根拠論文はあるかもしれませんから、もう少し調べてみるつもりです。

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幹だけではなく、葉裏の葉脈にもトゲがあるのは面白く感じます。

以前、園芸店に鉢を買いに行った際、変わった多肉植物を見つけました。手に取ると、なんとモナデニウムで、ラベルには"Monadenium magnificum"とありました。私の古いイメージではモナデニウムはM. schubeiの様な姿を想定していたので、なにやら驚いた記憶があります。私にとっては初めてのモナデニウムですが、これは非常に面白い植物だと思いました。

2013年の『Phylogenetics, morphological evolution, and classification of Euphorbia subgenus Euphorbia』では、E. magnificaの遺伝子解析による分子系統は以下の通りです。近縁種はタンザニア原産です。

            ┏━E. magnifica
        ┏┫
        ┃┗━E. neoarborescens 2
    ┏┫
    ┃┗━━E. neoarborescens 1
┏┫
┃┗━━━E. spectabilis

┗━━━━E. neococcinea


E. magnificaは高さ1.5~2メートルくらいになるそうですから、旧モナデニウムの中ではかなり大型になります。一応は低木扱いとなるみたいです。塊根性。

さて、上の方で述べた通りモナデニウム属はユーフォルビア属に変更となりました。学名は1940年にMonadenium magnificum E.A.Bruceでしたが、2006年にはEuphorbia magnifica Burynsとなりました。良く見ると種小名の語尾も変更されています。ラテン語では、"-um"は単数形で"-a"は複数形らしいのですが、文法上のことでしょうから残念ながら私にはさっぱりわかりません。
しかし、モナデニウム属は個性的ですから、学術的にはユーフォルビア属でもやはり区別しておきたい思いがあります。ラベルには"Monadenium magnificum"の学名を記入しています。まあ、ユーフォルビア属に変更となったことを理解していればいいことだけですから、ラベルはわかりやすさ優先です。
しかし、学名は統合したり分離したりすることもありますから、元のラベルの表記は残しておかないと、後々訳がわからなくなるかもしれません。


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