2021年に開催された冬のサボテン・多肉植物のビッグバザールで、あまり見かけないギムノカリキウムを入手しました。ラベルには「Gymnocalycium esperanzae VoS 1791」とありました。どうやら輸入物ということですが、どう見ても実生苗ですから海外のファームで播種されたもののようです。あまり情報はないようですから、少し調べてみました。

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名札には「VoS 1791」とあります。これは、フィールド・ナンバーと言って、採取情報がわかります。調べてみましたが、"VoS"は採取人の名前の略で、この場合は「Volker Schädlich」の略です。VoSナンバーは略されがちですから、「VoS 1791」では調べても詳細はわからない可能性が高いので、Gymnocalycium esperanzaeのフィールド・ナンバーの一覧を見てみました。そしてヒットしたのが、"VoS 14-1791"です。

Field number: VOS 14-1791
Collector: Volker Schädlich
Species: Gymnocalycium esperanzae
Locality: Corral de Isaac, La Rioja, Argentina
Altitude: 519m
Date: 2014


フィールド・ナンバーを調べると、採取人や採取地点などの情報がわかります。場合によっては、高度や採取年月日も記載されています。

次にGymnocalycium esperanzaeの学名を調べてみました。学名は2011年に命名されたGymnocalycium esperanzae Řepka & Kulhánekです。命名者は正確には、Radomír Řepka & Tomáš Kulhánekのことです。どうやら、論文の記載に際して"TOM 09-436/1"(=RER 434)というフィールド・ナンバーの個体を元にしたようです。早速、調べてみました。

Field number: TOM 436.1
Collector: Tomáš Kulhánek
Species: Gymnocalycium esperanzae
Locality: W of Nuevo Esperanza, La Rioja, Argentina

エスペランザエという種小名は、"
Nuevo Esperanza"という地名から来ていることがわかります。

しかし、Gymnocalycium esperanzaeは産地によっては白い粉に覆われます。Gymnocalycium esperanzaeは生息域が狭い割に、個体差が大きいとされているようです。
このように色々と情報を漁っていたところ、エスペランザエに関する面白い論文を見つけました。その内容は明日、記事にする予定です。議論を呼ぶ内容で大変興味深いものです。



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