フォウクィエリアをぼちぼち集めています。まあ、あまり熱心に探しているわけではなくて、イベントなどで苗があったら買うかもしれないくらいの勢いです。私の好きなユーフォルビアやギムノカリキウム、ハウォルチオプシスといった面々が最優先ですから、まあ後回しですね。あと、何故か私は現地球が少し苦手です。完成された現地球より、苗から育てたいという気持ちがあるからかもしれません。苗は現地球の様な迫力はありませんが、大抵の植物は苗の頃は生長著しいので、日々生長して変化していく様子を見る楽しみがあります。そんな中で、数年前はフォウクィエリアと言えば立派な現地球が売られることが多かったように思われます。しかし、最近では苗も少しずつ見かけます。特にFouquieria digdtiiやFouquieria macdougaliiはある程度は量産されているようで、苗が園芸店にもまれにですが並ぶようになりました。


Fouquieria macdougaliiは一般的には、「マクドガリー」と呼ばれているようです。例によってうるさい事を言いますが、この読み方について少し調べて見ました。私はラテン語読みで「マクドウガリイ」と読みますが、語源にさかのぼる派もいるそうなので、語源も調べて見ました。まあ、見た感じから人名だろうと思いましたがやはりそうで、砂漠植物の研究者であるD.T.MacDougalに対する献名でした。"MacDougal"は「マクドウガル」あるいは「マクドゥーガル」と読むのが一般的らしいので、語源にこだわるなら「マクドウガリー・マクドウガリイ」あるいは「マクドゥーガリー・マクドゥーガリイ」となります。

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Fouquieria macdougalii
葉の形がFouquieria diguetiiと異なり矢じり型で、葉柄が長く伸びます。

マクドウガリイはメキシコのソノラ砂漠に自生します。岩の多い平原や斜面、丘の中腹、溶岩地、メサ(卓状大地)、砂地といった様々な種類の土壌に生えます。
Fouquieriaを現地では"ocotillo"と呼ぶことから、Fouquieria属を"ocotillo family"と称することもあります。マクドウガリイは"Tree ocotillo"と呼ばれ、砂漠の代表的な灌木の一つです。現地ではBursera confusa、Olneya tesota、Cercidium praecox、Cercidium microphyllum、Prosopis velutina 等とともに砂漠の植生の主要構成メンバーなんだそうです。自生地にはサボテンも生えており、Lophocereus schottii、Stenocereus thurberi、Stenocereus alamosensisが見られます。

マクドウガリイの学名は1903年に命名されたFouquieria macdougalii Nashです。Nashはアメリカの植物学者であるGeorge Valentine Nashのことで、ニューヨーク植物園のキュレーターでした。Nashはバハマ、南フロリダ、ハイチで植物の調査を行いました。

そう言えば、フォウクィエリアは真っ赤な非常に目立つ花を咲かせますが、ハチドリによって受粉するそうです。そこで、思い出したのは、南アフリカではガステリアがタイヨウチョウにより受粉するということです。北アメリカとアフリカと大きく離れた場所で、それぞれの土地で花の蜜を主要な餌とすると鳥がいて、それぞれの土地でその鳥に受粉を依存する多肉植物がいるという偶然に驚かされます。フォウクィエリアとガステリア、ハチドリとタイヨウチョウはまったく近縁ではないことも自然の妙を感じさせますね。


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