逆鱗竜は南アフリカ原産の非常に丈夫なユーフォルビアです。ただし、引き締まった美しい姿を維持するのは中々困難なように思えます。
逆鱗竜はとにかく生長が早く、冬でも日中暖かいと生長を始めてしまいます。しかし、冬は日照が不足勝ちなので、節が伸びたようなだらしない姿になってしまいます。それだけならいいのですが、日照の多い真夏でも徒長してしまうので困っています。
一応、ホリダと同じように育てていますから、割と厳しめなはずなんですけどね。

DSC_1708
逆鱗竜の実生苗。こちらは真夏に徒長してしまいました。
幹の下部と比べて上部の鱗片が縦長になっています。無遮光で雨に当てない栽培ですが、週1回の水やりでもこうなってしまいました。それこそ、用土が完全に乾いたらではなく、限界まで水をやらない方がいいのかもしれません。


逆鱗竜の学名は1804年に命名されたEuphorbia clandestina Jacq.です。
分類学的には、ユーフォルビア属(Euphorbia)、アティマルス亜属(Subgenus Athymalus)、アンタカンタ節(Section Anthacanthae)、フロリスピナ亜節(Subsection Florispinae)、トレイシア列(Series Treisia)ということになります。トレイシア列と言えば、逆鱗竜
に良く似たE. bubalina(昭和キリン)、E. pubiplans、E. clava(式部)などが含まれます。

フロリスピナ亜節の分子系統(抜粋)
    ┏━━━━━━━━Series Meleuphorbia
    ┃
    ┃        ┏━━━━━E. pillansii
    ┃    ┏┫
    ┃    ┃┗━━━━━E. pseudoglobosa 2
    ┃┏┫
    ┃┃┃┏━━━━━E. pseudoglobosa 1
    ┃┃┗┫
    ┃┃    ┗━━━━━E. mammillaris 2
    ┃┃
    ┣┫    ┏━━━━━E. heptagona 2
    ┃┃┏┫
    ┃┃┃┗━━━━━E. heptagona 1
    ┃┣┫
┏┫┃┗━━━━━━E. susannae
┃┃┃
┃┃┃┏━━━━━━E. clandestina
┃┃┗┫
┃┃    ┗━━━━━━E. pubiglans
┃┃
┃┃┏━━━━━━━E. bubalina 2
┃┃┃
┃┣╋━━━━━━━E. bubalina 1
┃┃┃
┃┃┗━━━━━━━E. clava
┃┃
┃┗━━━━━━━━Series Rhizanthium

┗━━━━━━━━━Series Hystrix

メレウフォルビア列(Series Meleuphorbia)とされた、E. heptagona(紅彩閣)、E. susannae(瑠璃晃)、E. pillansii、E. pseudoglobosa(稚児キリン)も分子系統では近縁であるように見えます。とても不思議です。



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