多肉植物は手持ちの維持だけで長く離れていたので知らなかったのですが、ここ何年か多肉ブームがあったようです。すでにブームの最盛期は過ぎたようですが、多肉人口自体は増えたようです。最近は現地球だけではなく実生苗も園芸店やイベントで沢山並ぶ様になりました。
昨年はパキポディウムの小苗をじわじわ集めたりしましたが、元より全種類集めようという意図はありません。昔入手した実生デンシフロラムを長く育てていましたから、パキポディウム自体に愛着があります。園芸店やイベントでパキポディウムの可愛らしい苗を見ると、ついつい買ってしまうのです。そんなこんなで、去年入手したのが「魔界玉」こと"Pachypodium makayense"です。
マカイエンセは国内ではそれほど流通していないようで、園芸店では見かけないパキポディウムです。私は五反田TOCのビッグバザールで入手しましたが、特に探していたわけではないにも関わらずたまたま目に入ったもので、なんとも非常に幸運でした。

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魔界玉はマダガスカル南部のTulear州のMakay山に分布します。
このMakay山から、"魔界"玉と命名されたのでしょう。

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トゲは赤味を帯びます。新しいトゲはより赤味が強いのですが、古いトゲの色が抜けただけなのかもしれません。強光で赤味が増したら面白いのですがね。まだ、よくわかりません。

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意外にもパキポディウムには毒があるようですが、パキポディウム属はキョウチクトウの仲間ですから、良く考えたら当たり前のことなのかもしれません。

魔界玉の学名は2004年にはじめて命名されましたから、かなり新しい種と言えます。この時は独立種と考えられ、Pachypodium makayense Lavranosとされました。しかし、同年にロスラツムの亜種、つまりはPachypodium rosulatum subsp. makayense (Lavranos) Lüthyとされ、これが現在の正式な学名です。
しかし、遺伝子解析の結果では、魔界玉はP. rosulatum subsp. rosulatumよりもP. densiflorumやP. brevicauleと近縁とされています。今後、パキポディウム属の分類は大きく変わる可能性があります。

多肉ブームで現地球が沢山輸入されましたが、最近では国内実生苗も沢山売られています。多肉植物に力を入れている園芸店では、P. succulentumやP. bispinosumあたりはカクタス長田さんの実生苗がミニ多肉としてあったりします。五反田TOCのビッグバザールでは、P. inopinatumが沢山あって驚きました。他にもP. makayenseや新種のP. enigmaticumまで実生苗が販売されていて驚きます。流石にP. saundersiiやP. windsoliiあたりは少ないものの、入手可能です。園芸店の入荷情報をチェックして、P. brevicalyx、P. brevicaule subsp. leucoxantumあたりは入手しました。何の気なしに園芸店を覗いて見つけたのは、P.
 eburneum、P. densiflorum、P. horombense、P. rosulatumあたりです。他にも縦長に育つタイプのパキポディウムは販売されていますが、いまいち食指が動きません。当分は手持ちの管理に専念することとします。
そういえば、パキポディウム属の分類を調べた面白い論文を見つけましたから、明日の記事にする予定です。



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