ツリスタ属については割としつこく記事にしていますが、ついに全種類コンプリートしました。あまり販売されていないので、あちこち探し回ってようやくのことです。とはいっても、たったの4種類なんですけどね。結局、最後に入手したのがキンギアナでした。
ツリスタ属はハウォルチア属から分離したグループで、アロエ属から独立したGonialoe(千代田錦)やAristaloe(綾錦)、さらにAstrolobaと近縁です。

アロエ類の系統図
┏━━━━━━━━Aloidendron属

┫    ┏━━━━━━Kumara属
┃┏┫
┗┫┗━━━━━━Haworthia属
    ┃
    ┃┏━━━━━━Aloiampelos属
    ┃┃
    ┗┫┏━━━━━Aloe属
        ┃┃
        ┗┫    ┏━━━Astroloba属
            ┃    ┃
            ┃┏┫┏━━Aristaloe属
            ┃┃┃┃
            ┃┃┗┫┏━Gonialoe属
            ┃┃    ┗┫
            ┗┫        ┗━★Tulista属
                ┃
                ┃┏━━━Haworthiopsis属
                ┗┫
                    ┗━━━Gasteria属

キンギアナは南アフリカ原産ですが、非常に稀な植物で絶滅危惧種に指定されています。キンギアナの分布はMossel湾付近の狭い範囲で、岩の多い丘や斜面あるいは草原に生えます。違法採取や過放牧、農地開発など生息地の破壊により減少しています。

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遮光強目なので、本来の明るい色は出ていません。今年は日差しが強すぎるため、加減が難しい感じがあります。

キンギアナの特徴はなんと言っても、その明るい葉色です。ツリスタ属は強光で赤くなる傾向がありますが、キンギアナは明るい黄緑色です。キンギアナはツリスタ属らしく大型になり、18cm位になるそうです。
キンギアナは「king」+「-iana」ですが、king=王ではありません。「-iana」は人名につける女性詞ですから、この場合はKing夫人に献名されたということです。

キンギアナの学名は2017年に命名されたTulista kingiana (Poelln.) Gideon F.Sm. & Moltenoです。キンギアナは初めて命名されたのは1937年のHaworthia kingiana Poelln.ですが、1997年にはプミラの変種とされHaworthia pumila var. kingiana (Poelln.) Haldaとする意見がありました。
また、2001年に命名されたHaworthia zenigata M.Hayashi、2016年にツリスタ属とされたTulista opalina var. zenigata (M.Hayashi) Breuerの系統も現在はキンギアナと同種とされているようです。



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