フォリオロサは南アフリカ原産のアストロロバです。しかし、アストロロバ自体知らないという人もいるかもしれませんが、常にマイナーなグループでかつて流行したことすらないので仕方がないことなのでしょう。そんなアストロロバですが、存在自体は昔から知られています。アロエの仲間として、アロエ属、ハウォルチア属、ガステリア属、アストロロバ属がありますよというのが、昔から図鑑に載ってた情報です。近年、アロエ属が5属に、ハウォルチア属が3属に分裂しましたが、アストロロバ属は基本的に同じです。アストロロバ属の最近のトピックは、ポエルニッチア属とされることもあるルブリフロラが、遺伝子解析によりやっぱりアストロロバ属でしたということ位ですかね。
さて、個人的にはアストロロバは大いに気に入っているわけですけれど、園芸店ではまずお目にかかれないレア多肉です。とはいっても、輸入が規制されているだとか、国内で増やせないとか栽培が難しいとか、そういう理由ではなく単純に人気がないだけです。まさに、購入する人がいなければ販売されないという、市場経済の基本原理に則ってますね。残念ながら。
しかし、そんな中、イベントで偶然見つけたアストロロバであるフォリオロサを本日はご紹介します。

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フォリオロサは南アフリカの東ケープ州Nama Karooに分布するアストロロバです。ネットではフェリオサとかフォリオサとか呼ばれることもあるようです。また、「多宝塔」とか「奔竜」という名前もあるようですが、まったく使われていません。
フォリオロサはアストロロバの中では小型で、葉はとても小さくてヒモの様に細長く育ちます。私の株は名札にわざわざ"小型"と表記してあったくらいなので、フォリオロサの中でも特に小さいタイプなのでしょうか? これからが楽しみです。

フォリオロサの学名は1947年に命名されたAstroloba foliolosa (Haw.) Uitewaalです。古い時代に命名されたハウォルチアやガステリアなどのアロエ類は最初はアロエ属とされましたが、アストロロバも同様に最初はアロエ属でした。フォリオロサの学名の変遷を年表にしてみました。

1804年 Aloe foliolosa Haw.
1811年 Apicra foliolosa (Haw.) Willd.
1812年 Haworthia foliolosa (Haw.) Haw.
1947年 Astroloba foliolosa (Haw.) Uitewaal.
1987年 Astroloba spiralis subsp. foliolosa
                               (Haw.) L.E.Groen
2013年 Tulista foliolosa (Haw.) G.D.Rowley

様々な学名が提唱されましたが、現在学術的に認められているのは、Astroloba foliolosaです。2013年のG.D.Rowleyのツリスタ属とする意見は当てずっぽうではなく、アストロロバ属とツリスタ属が遺伝的に近縁であることからツリスタ属の範囲を広くとった訳ですが、そうなるとGonialoeやAristaloeもツリスタ属に含めなくてはいけなくなるため、やや大味な分け方になるような気もします。アストロロバ属は非常に良くまとまった分類群ですから、独立した群としたほうが自然だと私は思います。



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