姫キリンは学名をEuphorbia submamillarisとされるユーフォルビアです。一般的に自然に自生しない園芸品種あるいは交配種とされます。しかし、それは本当なのでしょうか? 

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姫キリン Euphorbia submamillaris

姫キリンの学名は1907年(publ. 1906)に命名された、Euphorbia submamillaris (A.Berger) A.Bergerです。これは、最初は1902年に命名されたEuphorbia cereiformis var. submamillaris A.Bergerでしたが、ケレイフォルミスの変種から独立して別種とされたわけです。

ここで、タイプ標本を見てみましょう。タイプ標本とは新たに学名をつけるための学術論文で使用された標本で、その種の学名の基準となる標本です。姫キリンの場合、イギリスのキュー王立植物園所蔵の標本がタイプ標本です。情報を見ると、South Africa, La Mortolaとあります。なんと普通に南アフリカで採取されているのです。ニューヨーク植物園の標本も、やはり南アフリカで採取されています。
自生地の写真は残念ながらなかったのですが、鱗宝Euphorbia mammillarisを調べていたときに、面白い写真を発見しました。以下のサイトのページを見てください。
https://www.gbif.org/occurrence/2860168244
これは姫キリンの写真ではないでしょうか? 明らかに、マミラリスとは特徴が異なります。
これは、2020年に南アフリカのSandra Falangaという研究者が、西ケープのWalvis street, De Bakko, Mossel Bayで撮影した生態写真です。マミラリス画像の中に紛れていました。撮影者が間違って同定したのでしょうか。まあ、マミラリスの変異の幅に過ぎないかもしれませんが…
以上のことから、姫キリンは南アフリカ原産のユーフォルビアであり、園芸品種や交配種ではないと私は考えています。いかがでしょうか?


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