最近、ミニ多肉植物のコーナーで、様々な多肉植物とともにザミア・フロリダーナという海外原産のソテツの苗が売られているのを見ます。私も購入して育てていますが、よくよく調べてみると学名は様々な変遷を辿ってきたようです。

フロリダーナという名前は、1868年に命名されたZamia floridana A.DC.から始まりました。また、1791年に命名されたZamia angustifolia Jacq.の変種として、1878年に命名されたZamia angustifolia var. floridana (A.DC.) Regalとされたことがあります。パルミフォリウム属とされたこともありますが、フロリダヌムと語尾が変化しています。すなわち、1891年に命名されたPalmifolium floridanum (A.DC.) Kuntzeがあります。

さらに、フロリダーナ以外の種小名の場合もあります。1798年に命名されたZamia media Jacq.、1806年のZamia tenuis Willd.、1829年のZamia dentata Voigt、1921年のZamia umbrosa Small、1926年のZamia silvicola Small1932年のZamia subcoriacea H.L.Wendl. ex J.Schust.がありました。
これらは、現在ではフロリダーナと同種とされていますが、沢山の種にわかれていると考えられていたのかもしれません。さらに、1891年にKuntzeによりPalmifolium属とされました。すなわち、Palmifolium media (Jacq.) KuntzePalmifolium tenuis (Willd.) Kuntzeですが、Palmifolium属は現在は存在しない属名です。また、変わったところでは、1939年にはエンケファラルトス属とする、Encephalartos prunifer Sweetとする学名もありました。

ここからが本題です。私もフロリダーナという学名を当たり前のように使っていたのですが、これは上記のごとく1868年の命名です。学名は先に命名されたほうが優先というルールがありますが、フロリダーナ以外の学名のほうが早いことに気がつきます。上記で一番早いのは、1798年のザミアメディアです。では、ザミア・メディアが正式学名かというと、実はそれも違います。実は1789年Zamia integrifolia L.f.が命名されているのです。この、ザミア・インテグリフォリアが現在学術的に認められている正式な学名です。一番有名なフロリダーナは異名です。なぜ、フロリダーナのほうで定着してしまっているのかは、良くわかりません。しかし、園芸的な通称としてフロリダーナと呼ばれるのは構わないでしょうが、正式な学名はインテグリフォリアですから、間違わない様にしましょう。

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ザミア・インテグリフォリア
Zamia integrifolia


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