先日、鶴仙園西武池袋店に行った折り、"ポエルニッチア ルブリフローラ"とラベル表記された多肉植物を購入しました。一見して、硬葉系ハウォルチアかアストロロバですが、一体何者なのでしょうか。
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"ポエルニッチア ルブリフローラ"
粉におおわれ、暗く怪しく色合いが渋くてたまりません。葉は硬く積み重なる様子はハウォルチオプシスの竜城や五重の塔に似ています。とは言うものの、やはり見た目はアストロロバですが、アストロロバは明るい色のものが多いので印象は異なります。
学名を検索してみましょう。

まずは、ポエルニッチアを検索します。どうやら、Poellnitziaという綴りみたいです。詳しく調べてみると、ポエルニッチア属は1940年にUitewaalが提唱したものでPoellnitzia Uitewaalですが、Poellnitzia属は廃されたようです。ようするに、ポエルニッチア属は今は存在しない幻の属名だったのです。ちなみに、アストロロバ属は1947年に提唱されました。
では、"ポエルニッチア ルブリフローラ"は、正式にはどんな学名なのでしょうか。
まずは、1920年にApicra rubriflora L.Bolusと命名されました。1939年にはApicra jacobseniana Poelln.も提唱されました。しかし、このApicra属は今は存在しない属名です。1940年にPoellnitzia rubriflora (L.Bolus) Uitewaal、さらに1971年にHaworthia rubriflora (L.Bolus) Parrとされました。なんと、1981年にはAloe rubriflora (L.Bolus) G.D.Rowleyとする意見もあったようです。しかし、アロエには見えませんが…
現在、学術的に認められている学名は、2000年に命名されたAstroloba rubriflora (L.Bolus) Gideon F.Sm. & J.C.Manningです。意外性はなく普通にアストロロバ属で落ち着きました。また、2013年にはTulista rubriflora (L.Bolus) G.D.Rowleyも提唱されています。いうほどツリスタ属か?と思ってしまいますが、今は遺伝子解析の時代ですからね。今後はどうなるかはわかりません。そもそも、ツリスタ属の定義や含まれる種も、それほどはっきりしていない現状があります。今後の研究に期待しましょう。


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