プミラは最大のツリスタで、高さ25cm以上となります。しかし、面白いことにプミラはラテン語ですが、英訳すると"dwarf"、つまりは矮性という意味です。矮性はあまり大きくならない性質のことですが、大きく育つのに不思議な命名です。なぜ、プミラの名前がついたのでしょう?
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Tulista pumila

始まりはアロエ属
プミラがはじめて命名されたのは1753年のことで、Aloe pumila L.とされました。L. は学名の創設者のCarl von Linneですから、プミラは実に由緒正しい学名と言えます。さらに、1753年はアロエ属の創設された年ですから、プミラはアロエ属の創設メンバーだったのです。プミラは最初はアロエに分類されていた訳です。ですから、命名された時にアロエにしては小さいということで、プミラと命名されたのでしょう。

ハウォルチア属からツリスタ属へ
プミラはとにかく様々な学名がつけられたことが知られています。現在では存在しないApicraCatevala属とされたりもしました。しかし、正統性のある学名は、アロエ属→ハウォルチア属→ツリスタ属の系統です。まず、1809年にHaworthia pumila (L.) Duvalとなりました。1809年はDuvalがハウォルチア属を創設した年ですから、プミラはアロエ属だけではなく、ハウォルチア属の創設メンバーでもあったわけです。この時点で、その名前によらずプミラは巨大ハウォルチアとなってしまいました。
最終的には、2013年にプミラはツリスタ属となりました。Tulista pumila (L.) G.D.Rowleyが現在認められている学術的に正式な学名です。
ツリスタ属4種類の中では、やはり最大の種ということですから、やはり大きいのに小さいというちぐはぐな学名ではあります。


変種margaritiferaとは?
1753年にAloe pumila var. margaritifera L.という変種が命名されています。しかし、1768年には独立種となり、Aloe margaritifera (L.) Burm. f. とされました。そして、最終的には1819年にHaworthia margaritifera (L.) Haw. となりました。
しかし、margaritiferaは現在ではプミラと同一種とされて、使用されていない学名です。プミラのタイプの一つに名前がつけられただけだったのでしょう。

変種minorとは?
1789年にAloe margaritifera var. minor Aitonが命名されました。しかし、後にこちらはプミラとは別種とされました。1809年のHaworthia minor (Aiton) Duval 、2018年にはTulista minor (Aiton) Gideon F.Sm & Moltenoとされました。
ミノー(マイナー)に関する詳細は以下の記事をどうぞ。


変種maximaとは?
Aloe margaritiferaに対して変種マキシマが命名されました。1804年に命名されたAloe margaritifera var. maxima Haw. です。しかし、1809年にハウォルチア属が創設されたことにより、Haworthia maxima (Haw.) Duval となり、margaritiferaの変種ではなくなりました。
ここからがややこしいのですが、マキシマとプミラが同一種であるという考え方が出てきました。ここは何やら論争があったようですが、最終的にはマキシマはプミラではなく、ミノー(マイナー)と同一種とされるに至りました。
プミラ・マキシマ論争についてはこちらをどうぞ。


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