ミニマを入手しましたので、少し調べてみました。
ラベルには「T. ミニマ」とあります。このTはツリスタ(Tulista)を示します。ただし、このツリスタ属を巡ってはややこしい問題があり、未解決な部分があります。

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ミニマ

ミニマはAloe margaritiferaの変種、Aloe margaritifera var. minor Aitonとして、1789年に命名されました。硬葉系ハウォルチアではお馴染みの、アロエ→ハウォルチア→ハウォルチオプシスorツリスタという定番の型を踏襲しています。このAloe margaritiferaとは、現在のTulista pumilaのことです。
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Tulista pumila

ここから、ミニマの学名は2系統に分かれます。上に挙げたminor系統とこれから述べるminima系統です。minima系統は、1812年にHaworthia minima (Aiton) Haw.と命名されました。minor系統も1809年に、Haworthia minor (Aiton) Duvalとハウォルチアとされました。
さらに、21世紀になり硬葉系ハウォルチアの内、数種類が新設のツリスタ属に移動しました。当初はTulista pumilaの変種として命名された位ですから、ミニマもツリスタ属とされました。つまり、Tulista minima (Aiton) Boatwr. & J.C.Manningは2014年、Tulista minor (Aiton) Gideon F.Sm & Moltenoは2018年の命名です。

ちなみに、Haworthia maximaTulista pumilaと同種であるとされておりましたが、正しい学名の提供を目的としてイギリスのキュー王立植物園が中心となって進められている「World checklist of Selected Plant Families」によると、プミラではなくminorと同一種とされています。マキシマがはじめて命名されたのは、1804年にAloe margaritifera var. maximaでした。ですから、1789年の命名であるminorが優先されます。
さらに、Tulista opalina (M. Hayashi) Breuerは、やはりminorに含まれるとされています。こちらも、2001年にHaworthia opalina M. Hayashiとして2001年の命名ですから、やはりminorが優先されます。

ここまで経緯を説明しておいて何ですが、現在認められているミニマの学名は、Haworthia minor (Aiton) Duvalとされています。しかし、どう見てもハウォルチア(軟葉系ハウォルチア)には見えません。ミニマも今後はツリスタ属とされていくのでしょう。

2022年6月追記。
未だにH. minorとされているとしましたが、古い情報が更新されていなかっただけのようです。2018年にTulista minor (Aiton) Gideon F.Sm. & Moltenoとされており、晴れてツリスタ属の一員となりました。めでたしめでたし。



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