九頭竜はタコものと呼ばれる多肉ユーフォルビアの一種です。まだ、属内分類はわかっていませんが、恐らくはリザンチウム亜属アンタカンタ節のメドゥセア亜節であろうと考えられます。
タコものユーフォルビアは割りと入手が難しいのですが、九頭竜は国内生産されているお陰で入手しやすくなっています。

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2020年1月、購入時。
小さい本体から太い長い枝が伸びています。
九頭竜はタコものと言われるユーフォルビアの中でも、かなり大型になるそうです。

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2020年11月。枝も増えてきました。

九頭竜は真夏でも遮光せずに育てていますが、それで日焼けをしたことはありません。ただし、冬に室内に取り込んで植物用ライトを当てると、何故か日焼けしてしまいます。植物用ライトの波長が合わないのか、生長が止まっているからなのかわかりませんが、枝が赤くなったあと、白く色が抜けてしまいます。ライトから少し離して置くことで対処していますが、なんとも不思議な話です。

九頭竜の学名は、Euphorbia inermis Mill.です。1768年にスコットランドの植物学者・園芸家のPhilip Millerにより命名されました。なんと、200年以上前のことです。
また、まったく使用されていないシノニム(異名)として、1902年に命名された、Euphorbia viperina A.Bergerがあります。

そう言えば九頭竜の変種として、var. huttonaeや var.  laniglansが知られています。
var. huttonaeは1915年にEuphorbia huttoniae N.E.Br.として命名されました。しかし、九頭竜と良く似ていますから、1941年に九頭竜の変種扱いとされ、Euphorbia inermis var. huttonae (N.E.Br) A.C.White, R.A.Dyer & B.Sloaneとされました。さらに、1950年には九頭竜とは別種であるとして、Euphorbia susperans Nel ex A.G.J.Herreと命名され直しました。九頭竜と別種であることは認められましたが、先に命名された名前が優先されるルールがありますから、結局はEuphorbia huttoniae N.E.Brが正式な学名と認められております。
次にvar. laniglansですが、当初はEuphorbia esculenta Marlothとして1908年に命名されました。しかし、1915年に九頭竜の変種として、Euphorbia inermis var. laniglans N.E.Brとされましたが、やはりこちらも九頭竜とは別種であると認められて、Euphorbia esculenta Marlothが正式な学名です。
どちらも、ぐるぐる回ってスタート地点に帰ってきてしまった感じがします。



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