アロエ・ディコトマ
かつて、最大のアロエと言えばアロエ・ディコトマでした。アロエ・ディコトマは樹齢80年以上生きて、高さ7mを越えて育ちます。まさに、世界最大のアロエです。
ただし、現在はアロエ属は分割されて、アロエ・ディコトマはアロイデンドロン属の所属となりました。それでも、旧・アロエ属と旧・ハウォルチア属、アストロロバ属、ガステリア属をまとめたアロエ類のなかでは、やはり最大種であることには変わりありません。

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2020年11月。小苗を購入しました。名札はアロエ・ディコトマでした。まだ、ディコトマらしさはありませんね。
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2022年1月末。特徴である幹が少しだけ見えてきました。力強い根張りにも目が行きます。

和名は?
そう言えば、アロエは○○錦という名前が多くあります。サボテンでは最後に「錦」がつくと斑入り品種のことなんですけど、アロエでは斑入りとは関係なく「錦」が使われています。アロエ・ディコトマも、皇滋錦なる名前もありますが、まったく使われていませんね。同様に矢筒の木タカロカイも流通していない名前です。
英語ではQuiver treeで「震えの木」の意味で、サン族が矢筒を作るからだという説明がされていますが、何でそれが「震えの木」に繋がるのかは良くわかりません。

学名の変遷
アロエ・ディコトマは、1776年にAloe dichotoma Massonとして命名されました。ちなみに、1804年に命名されたAloe ramosa Haw.は、ディコトマと同種であるとして、この学名は使用されておりません。
また、1811年にRhipidodendrum dichotomum  (Masson) Willd.とする考え方もありました。学名はラテン語なので、rhipidoは扇、dendrumは樹木のことです。つまり、「扇状の樹木」の意味です。割りと特徴をとらえていますが、ディコトマをアロエ属から独立させる意見は主流派にはならなかった様です。使われていない学名です。
最終的には、2013年に遺伝子解析により、アロエ・ディコトマはアロエ属から独立し、Aloidendron dichotomum (Masson) Klopper & Gideon F.Sm.となりました。

生態
ディコトマの自生地はナミビアから南アフリカにかけてです。
花穂は巨大で、鳥やヒヒが蜜を求めて訪れるそうです。自生地ではハタオリドリがディコトマに巣を作って、異様な見た目になります。
若いツボミは食べられるそうで、アスパラガスの様な味らしいのですが、果たして本当なのか気になります。確かめようがないので、どうしようもないのですが。私のディコトマに花芽が着くのは、果たして何十年後の話なのか…。まあ、無理でしょうけど。


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